ネオドパゾール配合錠の相互作用

ネオドパゾール配合錠の相互作用
(1)併用禁忌とその理由
3. 相互作用
(1)併用禁忌(併用しないこと)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
非選択的モノアミン酸化酵素阻害薬
血圧上昇、頭痛、ほてり等の高血圧症
状があらわれるおそれがある。
非選択的モノアミン酸化酵素阻害薬
の投与中及び中止後少なくとも 2 週間
は本剤の投与を避ける。
非選択的モノアミン酸化酵素阻
害薬により、カテコールアミンの
代謝が阻害されレボドパの濃度
が上昇し、冠血管のα受容体を刺
激する。
解説:非選択的モノアミン酸化酵素阻害薬
モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤は、神経細胞に取り込まれたモノアミン類(ドパミン、ノルアドレ
ナリンなど)の酸化分解を抑制して、脳内モノアミンレベルを上昇させる働きをもっている。
この作用は、本剤投与による脳内ドパミンレベルの上昇と連動するため、作用が強く現れ血圧上昇等を起
こす可能性がある。したがって、併用を避けることが必要である。また、MAO 阻害剤を中止しても、
MAO は 7~14 日間再生産されないので、この間に本剤を使用すると、結果的に併用したことと同じ状態
になる。このことから本剤の投与は、MAO 阻害剤投与中止後、MAO の生産が回復される少なくとも 2
週間は休薬すべきと言われている(非選択的モノアミン酸化酵素阻害薬とした理由は「Ⅷ.2.禁忌内容と
その理由」参照)。
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(2)併用注意とその理由
3. 相互作用
(2)併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
レセルピン製剤
テトラベナジン
脳内ドパミンが減少し、本剤
の作用が減弱するおそれが
ある。
脳内のドパミンを減少させてパーキ
ンソン症状を悪化させる。
降圧薬
メチルドパ水和物、レセルピン、交感
神経節遮断薬等
降圧薬の作用を増強するこ
とがある。
相互に作用を増強すると考えられて
いる。
本剤の作用が減弱すること
抗精神病薬
がある。
フェノチアジン系薬剤
(クロルプロマジン、チオリダジン等)
ブチロフェノン系薬剤
(ハロペリドール等)
その他
(ペロスピロン等)
これらの薬剤により、ドパミン受容体
が遮断される。
他の抗パーキンソン剤
抗コリン作動薬、アマンタジン、ブロ
モクリプチン等
精神神経系及び循環器系の
副作用が増強することがあ
る。
長期投与により、大脳皮質におけるコ
リン作動性神経系感受性が亢進する
と考えられている。
NMDA 受容体拮抗剤
メマンチン塩酸塩等
本剤の作用を増強するおそ
れがある。
これらの薬剤により、ドパミン遊離が
促進する可能性がある。
全身麻酔薬
ハロタン等
不整脈があらわれるおそれ
がある。
末梢でドパミンはβ1 アドレナリン受
容体を刺激し強心作用を示す。またハ
ロタンは心筋の被刺激性亢進作用を
示すので、本剤による心臓への影響が
増強されると考えられている。
パパベリン塩酸塩
本剤の作用が減弱するおそ
れがある。
機序は明らかではないが、パパベリン
塩酸塩が線条体でのドパミン受容体
を遮断する、又はパパベリン塩酸塩が
アドレナリン作動性神経小胞でレセ
ルピン様作用を示すと考えられてい
る。
鉄剤
本剤の作用が減弱するおそ
れがある。
キレートを形成し、本剤の吸収が減少
するとの報告がある。
イソニアジド
本剤の作用が減弱するおそ
れがある。
機序は明らかではないが、イソニアジ
ドによりドパ脱炭酸酵素が阻害され
ると考えられている。
解説:レセルピン製剤
テトラベナジン
レセルピン製剤 及びテトラベナジンは、モノアミン枯渇作用を有しており、脳内のドパミンを減少させ
てパーキンソン症状を悪化させる可能性があることがあり、併用により本剤の作用を減弱する可能性が
ある。
降圧薬
本剤は血圧降下作用が認められており、血圧降下剤との併用はその作用を増強することが考えられてい
る。
抗精神病薬
フェノチアジン系薬剤やブチロフェノン系薬剤、ペロスピロン等の抗精神病薬は、ドパミン D2 受容体
遮断等により作用を示す。本剤はドパミンを補充する目的で使用されるドパミンの前駆物質であるので、
抗精神病薬との併用によりドパミン D2 受容体が遮断されれば、本剤の効果が減弱される可能性がある。
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他の抗パーキンソン剤
パーキンソン病患者ではドパミン神経の変性に伴うドパミン受容体の過感受性があり、本剤により線条
体ドパミン受容体が過剰に反応する結果、異常不随意運動等の神経症状が起こることがある。したがっ
て、線条体でのドパミンの遊離を増強させるアマンタジンやドパミン受容体に直接アゴニストとして作
用するブロモクリプチンを本剤と併用すると、副作用があらわれやすくなる可能性がある。
NMDA 受容体拮抗剤
NMDA 受容体拮抗剤(メマンチン塩酸塩等)はドパミン遊離促進作用を有することが示唆されてお
り、マウスパーキンソン病モデルを用いた研究において、L-Dopa と NMDA 受容体拮抗剤との併用に
より、自発運動亢進等の相乗作用がみられたことが報告されている。
NMDA 受容体拮抗剤により、ドパミン遊離が促進され、ドパミン作動薬の作用が増強するおそれがあ
る。
全身麻酔薬
レボドパにおいてハロタン等の全身麻酔薬との併用により不整脈を起こすとの報告があるため本剤で
も設定した。
パパベリン塩酸塩
パパベリン塩酸塩は、線条体でのドパミンの受容体への結合を阻害し、本剤の作用を減弱させる可能性、
及びパパベリン塩酸塩がアドレナリン作動性神経小胞でレセルピン様作用(モノアミンの減少)を示す
可能性が示唆されている。
鉄剤
鉄剤との併用により、レボドパ製剤の血中濃度が低下したとの報告がある。
イソニアジド
イソニアジドとの併用により、レボドパ製剤の作用が減弱したとの報告がある。
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