胸仏家「記録文」の位置づけ に 加 え て 、 「 第 一 義 的 変 体 漢 文 」 「 第 二 義 的 変 体 漢 文 」 と い う 変 体 漢 文 成 立 の 原 理 に 関 す る 基 準 と 「 書 き 手 の 備 七 ) で は 、 変 体 漢 文 ( 和 化 漢 文 ) に 属 す る 様 々 な 文 献 を 対 象 に し た 上 で 、 従 来 の 内 容 や ジ ャ ン ル に 基 づ く 分 類 景39 で は 榊 原 芳 野 の 『 文 芸 類 纂 』 巻 三 「 文 志 上 」 に お い て 「 日 記 記 録 文 」 の 分 類 が 見 え る 。 ま た 、 築 島 裕 ( 一 九 五 ま ず は 「 記 録 文 」 の 類 1 が 日 本 漢 文 に お い て ど の よ う に 位 置 づ け ら れ て き た か を 確 認 す る と 、 早 い 時 期 の も の 文 体 研 究 の 中 心 で あ っ た 古 記 録 ( 公 家 日 記 ) に 対 し て 、 記 主 ・ 文 章 生 成 の 目 的 を 異 に す る 資 料 を 提 示 す る 。 の か を 知 る 必 要 が あ る 。 本 稿 で は 、 仏 家 の 手 に な る 「 記 録 文 」 の 存 在 に 着 目 し 、 こ れ ま で 当 該 ジ ャ ン ル の 文 章 ・ さ せ る 諸 条 件 ( 文 章 内 容 ・ 制 作 者 ・ 制 作 場 面 ・ 目 的 等 ) に お い て 、 文 章 の 言 語 的 特 徴 が ど の よ う に 現 れ て い る た 変 体 漢 文 が 日 本 語 文 章 史 に お い て ど の よ う な 役 割 を 果 た し て き た か を 明 ら か に す る た め に は 、 各 文 章 を 成 立 お り 、 そ れ ぞ れ の 文 体 的 な 特 徴 も そ れ に 応 じ て 多 様 な も の と な っ て い る 。 日 本 語 の 主 要 な 書 記 体 の 一 つ で あ っ 本 邦 撰 述 の 日 本 漢 文 は 、 そ の 文 章 内 容 ・ 制 作 者 ・ 制 作 場 面 ・ 目 的 等 に よ っ て 様 々 な 文 章 ジ ャ ン ル を 内 包 し て 問 題 の 所 在 と 本 研 究 の 目 的 ― 和 化 漢 文 研 究 に お け る 「 記 録 文 」 ― 磯 貝 淳 一 ― ― 「 問 答 記 」 に お け る 疑 問 表 現 の 整 理 か ら ― ― 仏 家 「 記 録 文 」 の 位 置 づ け 人文科学研究 第 1 3 8輯胸 ( ( 1 二 ) ① を ) 漢 国 漢 有 文 語 籍 す 様 文 系 る 式 の の も に 作 文 の よ 成 体 っ を の て 指 色 国 向 彩 語 す の 文 る 濃 、 も 即 の い ち も 日 の 本 語 の 文 章 を 表 記 し た も の で 、 文 体 上 、 純 漢 文 と は 異 な る 独 自 の 特 徴 ② 仏 典 系 の 文 体 を 基 調 と す る も の ① 漢 籍 系 の 文 体 を 基 調 と す る も の 語 ・ 文 法 を 含 む も の ( 2 ) 純 漢 文 の 作 成 を 目 指 し つ つ も 、 中 国 古 典 の 文 章 に は 存 し な い 用 字 ・ 用 ( ( 1 一 ) ) ② ① 中 漢 仏 漢 国 文 典 籍 古 の 系 系 典 作 の の の 成 文 文 文 を 体 体 章 指 を を の 向 基 基 用 す 調 調 字 る と と ・ も す す 用 の る る 語 も も ・ の の 文 法 に 正 し く 準 拠 す る も の ( 純 漢 文 ) る と 言 え よ う 3 。 以 下 に そ の 分 類 を 示 す 。 録 文 」 の 文 章 ジ ャ ン ル を 想 定 す る 場 合 に 関 わ り の 深 い 記 録 体 の 位 置 づ け や 概 念 規 定 を よ り 明 確 な も の と し て い ( 一 九 八 六 ) に よ る 日 本 漢 文 の 分 類 は 、 「 文 章 の 表 現 態 度 」 「 言 語 の 性 格 」 等 の 観 点 か ら 分 類 を 行 っ て お り 、 「 記 「 編 書 」 を 配 し 、 さ ら に そ の 下 位 に 「 公 卿 等 の 日 記 の 類 」 「 仏 教 関 係 の 記 録 」 を 分 類 し て い る 。 ま た 、 峰 岸 明 忘 目 的 を 主 な 目 的 と し た も の 」 の 下 位 に 「 公 卿 等 の 日 記 の 類 」 を 、 「 読 者 を 予 想 し つ つ 記 し た も の 」 の 下 位 に 忘 目 的 」 「 読 者 を 想 定 」 と い う 文 章 作 成 の 目 的 に 関 す る 基 準 と に 基 づ く 分 類 を 示 し た 2 。 そ こ で は 、 「 書 き 手 の 備 景40 胸仏家「記録文」の位置づけ 位 置 す る も の で あ る が 、 仏 家 撰 述 の 「 問 答 記 」 を 対 象 と し て 、 そ の 「 記 録 文 」 と し て の 性 格 を 明 ら か に す る 。 そ れ を 利 用 し た 日 本 漢 文 内 部 の 文 体 特 徴 を 記 述 す る 指 標 と し て 用 い ら れ て き て い る 。 本 稿 も こ の 研 究 の 流 れ に 景41 現 在 、 変 体 漢 文 研 究 に お い て こ の 記 録 体 の 性 格 は 、 日 本 漢 文 の 「 和 化 」 の 度 合 い を は か る 基 準 と し て 、 ま た こ と が 分 か る 。 資 す る 文 章 が 日 本 漢 文 に お い て 「 文 体 上 独 自 の 性 格 を 確 立 し た 第 一 の も の 4 」 と し て の 記 録 体 と 認 定 さ れ て い る 先 の 諸 分 類 と 併 せ て 考 え れ ば 、 漢 籍 系 ・ 仏 典 系 の 文 章 内 容 ・ 文 体 の 強 い 制 約 を 受 け ず 、 目 的 に 応 じ た 実 用 に た 文 章 様 式 を 指 す 称 と す る 。 類 記 、 更 に そ れ ら を 基 に 朝 廷 の 制 度 ・ 典 礼 な ど を 述 べ た 有 職 故 実 書 、 そ の 他 こ れ に 準 ず る 文 献 に 用 い ら れ し た 私 的 な 日 次 記 、 ま た そ れ ら の 記 事 の う ち 、 恒 例 ・ 臨 時 の 儀 式 、 年 中 行 事 な ど の そ れ を 分 類 編 纂 し た 部 ち 、 特 に 朝 廷 ・ 幕 府 な ど で 作 成 さ れ た 公 式 の 日 記 、 そ れ ら と 関 係 の 深 い 貴 族 ・ 武 士 ・ 僧 侶 な ど が 個 人 で 記 ( 同 じ く 変 体 漢 文 の 下 位 概 念 と す る が 、 ) 日 本 史 学 に お け る 「 記 録 」 の 概 念 規 定 に 準 拠 し て 、 変 体 漢 文 の う こ の 峰 岸 ( 一 九 八 六 ) に お け る 「 記 録 体 」 の 概 念 規 定 は 以 下 の 通 り で あ る 。 ( 2 ② ① る ) 漢 真 記 も 字 の 仮 録 文 名 体 ( で 真 文 に は に 近 名 あ 近 い 本 る い も ) が も の 、 の 一 方 に 本 来 の も の と し て 仮 名 文 ・ 漢 字 仮 名 交 じ り 文 が 想 定 さ れ 、 も し く は 現 に 存 す ③ 実 用 文 体 の 色 彩 の 濃 い も の ( 記 録 体 ) ② 仏 典 系 の 文 体 の 色 彩 の 濃 い も の 人文科学研究 第 1 3 8輯胸 一 三 一 ) か ら 文 永 十 一 年 ( 一 二 七 四 ) に 至 る 一 四 四 年 間 の 法 勝 寺 に お け る 法 華 御 八 講 の 講 経 論 義 の 大 略 を 東 大 毎 年 七 月 に 白 河 上 皇 追 善 の た め に 南 都 北 嶺 の 学 侶 を 公 請 し て 修 せ ら れ た と さ れ る 。 本 資 料 は 「 天 承 元 年 ( 一 一 で あ る 。 御 八 講 は 、 法 華 経 八 巻 を 八 座 に 分 け て 講 説 す る 法 会 で あ り 、 法 勝 寺 で は 、 天 承 元 ( 一 一 三 一 ) 年 か ら 東 大 寺 図 書 館 に 十 七 帖 6 が 所 蔵 さ れ る 『 法 勝 寺 御 八 講 問 答 記 』 は 、 法 勝 寺 に お い て 行 わ れ た 論 義 の 問 答 の 記 録 一 調 査 対 象 文 献 に つ い て げ 、 そ こ に 見 ら れ る 疑 問 表 現 書 記 の 実 態 の 調 査 報 告 と 検 討 を 行 う こ と と す る 。 以 上 の 問 題 意 識 に 立 ち 、 本 稿 で は 、 仏 家 の 教 学 に 関 わ る 記 録 と し て 『 法 勝 寺 御 八 講 問 答 記 』 を 中 心 に 取 り 上 ら の 文 体 特 徴 の 解 明 は 、 ま だ 開 拓 の 余 地 を 残 し て い る と 考 え ら れ る 5 。 の 所 産 で あ る 漢 字 文 が 他 の 目 的 に よ っ て 作 成 さ れ た 文 章 と ど の よ う な 言 語 上 の 差 異 を 有 す る の か と い う 観 点 か 伝 統 を 踏 ま え た 資 料 の 性 格 が 呼 称 と し て 用 い ら れ る も の の 、 「 記 録 」 が ど の よ う な 言 語 行 為 で あ る の か 、 ま た そ ま た 、 文 章 内 容 ・ ジ ャ ン ル や 文 体 範 疇 を 示 す 呼 称 と な っ て い る 「 記 録 」 「 記 録 体 」 に つ い て 、 日 本 史 学 研 究 の が 異 な る 他 の 社 会 的 属 性 を 持 つ 表 記 主 体 が 作 成 し た 文 章 を 検 討 の 対 象 に 入 れ る 必 要 が あ る 。 し 、 日 本 漢 文 全 体 を 視 野 に 入 れ た 上 で 、 種 々 の 文 献 相 互 の 言 語 の 特 徴 を 比 較 し よ う と す れ ば 、 言 語 活 動 の 実 態 し よ う し 、 更 に は 俗 家 と 仏 家 の 言 語 生 活 上 の 記 録 の 必 要 性 が 異 な る こ と も 要 因 と な っ て い る で あ ろ う 。 し か ど で あ っ た 。 こ の こ と は 、 公 家 に 比 し て 僧 侶 が 記 し た 日 次 記 が 特 に 平 安 時 代 に は 殆 ど 認 め ら れ な い こ と が 関 係 こ れ ま で 記 録 体 の 特 徴 解 明 に お い て 中 心 的 に 据 え ら れ て き た 古 記 録 は 、 そ の 表 現 主 体 が 公 家 で あ る 場 合 が 殆 ま ず は 検 討 に 先 立 っ て 、 対 象 と す る 文 献 を 仏 家 の も の と す る こ と に つ い て 、 そ の 意 味 を 確 認 し て お こ う と 思 う 。 景42 胸仏家「記録文」の位置づけ 理 解 に 資 す る た め 、 「 問 」 「 答 」 を ゴ チ ッ ク で 示 し 、 意 味 の 切 れ 目 に は 適 宜 ス ペ ー ス を 補 っ て い る 。 ) の 如 く で あ る 。 具 体 的 に 、 天 承 元 年 第 一 日 朝 座 の 条 文 を 以 下 に 示 す 。 ( 翻 字 に お い て 漢 字 は 新 字 体 に 統 一 し た 。 ま た 、 景43 ③ ② 儀 礼 的 問 答 で は な く 、 実 際 に 活 発 な 問 答 が な さ れ て い た 9 。 な か に は 「 答 」 の 示 さ れ て い な い も の が あ る 。 は 、 「 問 」 → 「 答 」 → 「 両 様 」 → 「 答 」 の も の も あ る 。 ① 論 義 の 進 め 方 は 、 「 問 」 → 「 答 」 → 「 進 云 」 → 「 付 之 」 → 「 答 」 の 二 問 二 答 を 原 則 と し て い る 。 な か に 本 と す る 。 楠 淳 證 ( 一 九 九 九 ) に よ れ ば 、 さ て 、 『 法 勝 寺 御 八 講 問 答 記 』 に お け る 問 答 は 、 講 経 論 義 の 形 式 に 則 っ た 「 二 問 二 答 」 で 収 め ら れ る こ と を 基 る 。 」 と 解 説 さ れ て い る 8 。 は 、 宗 性 が 相 当 長 期 間 に わ た っ て い ろ い ろ な 人 の 所 持 本 を 探 し 求 め て 随 所 に 書 写 し た も の で あ る こ と が 窺 わ れ と あ り 、 巻 一 一 で は ( 中 略 ) ま た 自 ら 講 会 に 参 仕 し た 年 に は 思 い 出 し な が ら 記 録 し た と あ る 。 」 「 す な わ ち 本 書 究 の 一 つ で あ る 山 崎 慶 輝 ( 一 九 九 〇 ) に は 、 「 巻 一 〇 の 奥 書 に は 興 福 寺 公 尊 得 業 の 本 を 東 大 寺 尊 勝 院 で 書 写 し た こ の 箇 所 以 外 に も 全 体 に 渉 っ て 本 資 料 成 立 の 事 情 を 伺 わ せ る 記 載 が 認 め ら れ 、 そ の 内 容 に 踏 み 込 ん だ 先 行 研 承 久 四 年 三 月 九 日 時申 於 東 大 寺 中 院 書 写 之 了 / 後 覧 之 輩 必 可 哀 之 矣 / 右 筆 花 厳 宗 末 学 大 法 師 宗 性 夏生 臈年 九廿 廻一 ( 巻 第 一 ・ 奥 書 ) に 至 る 巻 第 一 を 検 討 の 対 象 と す る 。 当 該 年 間 の 書 写 に つ い て 以 下 の 奥 書 が 存 す る 。 寺 の 宗 性 が 剋 明 に 書 写 し た 7 」 と さ れ る ( 文 永 八 年 、 同 九 年 分 の 記 載 を 欠 く ) 。 今 回 は 、 天 承 元 年 か ら 久 安 六 年 人文科学研究 第 1 3 8輯胸 こ て と 見 が ら 多 れ い る よ も う の で で あ は る 10 な 。 く そ 、 の 例 問 も 答 多 の く 形 は 式 な は い 、 。 二 全 問 十 二 七 答 帖 で に あ 渉 り る 、 調 講 査 師 は の 未 答 了 え で に あ 対 る し が て 、 「 講 進 師 云 の 」 「 「 疑 答 云 」 」 部 「 分 付 に 之 現 」 れ と る 記 は 漢 文 に よ る が 、 時 に 片 仮 名 を 交 え 活 用 語 尾 や 助 詞 ・ 助 動 詞 を 表 記 す る 。 た だ し 、 片 仮 名 表 記 は 全 体 に 渉 っ 法 華 経 の 開 経 で あ る 「 無 量 義 経 」 に お け る 「 摩 訶 般 若 花 厳 海 空 」 云 々 の 一 節 に つ い て 問 答 が 展 開 さ れ る 。 表 勝 事 不 立 之 歟 問伽 論 五 十 七 外 疑 人 云 如 来 受 用 以 三 眼 十 堺 舌 二 付 身 相 扶 三 中 根 根 、 立 可 既 鼻 有 立 耳 証 二 二 者 相 根 耶 於 何 扶 耳 答 根 鼻 中 二 三 根 十 耳 不 二 鼻 立 相 二 耶 中 不 根 無 答 □ 鼻 差 正 舌 殊 根 二 ハ 根 何 挙 花 所 已 厳 見 云 者 説 経 第 進 如 三 可 此 釈 被 云 第 難 也 五 時 何 円 預 頓 進玄第 法 法 云 十 花 花 耶 初 云 ヘ リ 釈 況 云 宣 其 般 説 第 若 菩 三 入 薩 釈 法 歴 不 界 劫 明 理 修 行 今 第 経 二 爾 文 釈 者 長 如 時 如 何 判 之 耶 答 三 釈 云 事 問 経 文 摩 訶 般 若 花 厳 海 空 云 々 慥 不 宋 覚 師 候 釈 花 何 厳 ナ 海 ル ベ 空 キ 文 事 ニ 有 カ 三 候 釈 ラ ム 第 三 慥 釈 有 初 日 朝 座 無 量 義 経 講 師 法 印 権 大 僧 都 禅 任 問 者 厳 意 大 法 師 景44 胸仏家「記録文」の位置づけ 稿 で は 、 こ の 疑 問 表 現 形 式 の 整 理 を 行 い 、 和 化 漢 文 に お け る 本 資 料 の 位 置 づ け を 探 る こ と と す る 。 景45 問 答 を 軸 に 展 開 す る 『 法 勝 寺 御 八 講 問 答 記 』 の 文 章 で は 、 「 問 い 」 を 表 す 疑 問 表 現 が 多 出 す る こ と と な る 。 本 が 問 に 関 す る 関 心 か ら 纏 め ら れ た こ と を 物 語 る ) 。 さ れ る こ と が 多 く 、 場 合 に よ れ ば 初 重 の 答 え も 存 在 し な い ( 記 録 さ れ な い ) 場 合 が 認 め ら れ る ( こ の 記 録 意 に 帰 す こ と ) に よ っ て 終 わ る の が 通 常 で あ る が 、 「 法 勝 寺 御 八 講 問 答 記 」 で は 通 常 答 者 の 二 重 以 下 は 省 略 造 を 持 ち 、 立 所 ( 論 理 や 経 証 に よ っ て 意 味 を 明 ら か に す る こ と ) ・ 会 通 ( 相 違 す る 議 論 を 和 会 し 疎 通 し て 一 法 勝 寺 御 八 講 問 答 記 の 講 経 論 義 は 「 二 問 二 答 」 ( 業 副 ) 形 式 で 行 わ れ る 。 ( 中 略 ) 論 義 は 所 謂 「 三 重 」 の 構 る 11 。 こ の こ と は 、 山 崎 誠 ( 一 九 九 九 ) に お い て 、 本 資 料 の 〈 「 問 い 」 へ の 関 心 の 高 さ 〉 と し て 指 摘 が な さ れ て い 問 真 師 也 判 成 此 論 何 事 意 余 約 只 無 十 俗 真 六 云 俗 行 耶 余 相 俗 ( 云 如 以 々 何 下 判 省 付 真 略 之 俗 ) 耶 成 論 宣 答 空 門 空 行 進 相 云 転 可 章 属 安 大 巾錦錦錦斤 欣 欽 欣 欽 欣 欽 欣 欽 欣 欽 欣 欽 琴禁禁禁禽 が 省 略 さ れ る 条 文 が 存 す る 。 い っ た 語 句 に よ っ て 、 更 に 問 い を 重 ね る 論 義 が 展 開 し て い る 。 ま た 、 少 な か ら ず 「 問 い 」 の み が 示 さ れ て 、 「 答 」 人文科学研究 第 1 3 8輯胸 を れ 記 て 載 い し る て 。 お 「 り 問 、 答 記 記 録 」 に 的 つ な い 要 て 素 は が 、 濃 永 厚 村 で 眞 あ ( る 14 二 」 〇 と 〇 の 〇 説 B 明 ) が に な お さ い れ て て 「 い 問 る 答 。 内 こ 容 の の よ み う な な ら 聖 ず 教 会 の 日 形 や 態 出 面 仕 か し ら た の 職 記 衆 録 名 交 わ 本 さ 稿 れ で た 対 論 象 義 と 草 す ( る 諸 『 宗 法 教 勝 学 寺 の 御 要 八 諦 講 に 問 関 答 す 記 る 』 問 は 答 、 「 形 教 式 の 義 」 唱 分 文 類 ) に を 集 お 成 け る し 「 た 13 問 」 答 資 記 料 」 と に し 相 て 当 、 し 論 、 義 「 草 論 と 義 共 会 に に 分 お 類 い さ て そ の 他 … … 目 録 行 法 ( ( 朗 次 読 第 文 書 ) ) … … … … 式 表 儀 音 縁 白 軌 義 起 過 去 願 次 伝 帳 文 第 記 仏 祭 作 説 名 文 法 話 帳 供 用 口 由 勧 養 意 訣 緒 進 文 帳 覚 印 諷 悟 可 誦 状 日 嘆 記 切 徳 紙 ・ 声 明 ・ 梵 唄 ・ 伽 陀 ・ 偈 頌 伝 授 書 類 … … 印 信 図 ( 像 印 明 ・ 紹 文 ・ 血 脈 ) 語 学 … … 悉 曇 歴 史 ・ 由 来 … … 辞 寺 書 誌 讃 楽 譜 ・ 法 則 講 教 義 … … 写 経 版 経 疏 釈 論 義 草 問 答 記 抄 物 説 草 直 談 聞 書 見 聞 内 は 容 、 に 仏 よ 家 る の 分 書 類 記 を 生 上 活 川 に 通 お 夫 い ( て 一 ど 九 の 九 よ 六 う ) に の 位 聖 置 教 づ 分 く 類 も に の よ で っ あ て ろ 概 う 観 か し 。 て 寺 お 院 く の こ 教 と 義 と や す 行 る 12 法 に 。 関 し て 記 録 し た 文 献 の 記 録 体 の 文 体 特 徴 を 有 す る 中 心 資 料 が 公 家 の 日 次 記 た る 古 記 録 で あ る と し て 、 本 稿 で 検 討 対 象 と す る 資 料 二 聖 教 に お け る 「 問 答 記 」 の 位 置 景46 胸仏家「記録文」の位置づけ 自 体 を 省 略 す る 場 合 が あ る 。 引 用 部 分 あ る い は 内 容 を 明 示 し た 上 で そ れ に 関 わ る 疑 念 を 提 示 す る 。 景47 第 一 問 、 問 答 の 開 始 と し て 経 文 を 引 用 し 、 「 ~ 文 」 の 形 で 引 用 部 を 示 し た り 、 時 に 「 ○ 」 あ る い は 空 白 で 経 文 経 文 摩 訶 般 若 花 厳 海 空 云 々 宗 師 釈 花 厳 海 空 文 有 三 釈 第 三 釈 如 何 判 之 耶 ( 天 承 元 年 第 一 日 朝 座 ) A 「 第 一 問 」 問 三 者 ― と 一 答 問 者 答 ( の 講 展 師 開 ) と の 疑 論 問 義 表 の 現 展 開 に お い て 、 疑 問 表 現 が ど の よ う に 現 れ て い る か を 確 認 し て お く 16 。 お け る 位 置 づ け の 一 端 を 解 明 し て み た い 。 が 現 れ た 文 献 で あ る 。 こ の 「 問 い 」 に 関 わ る 疑 問 表 現 の 種 類 の 記 述 を 通 じ て 、 本 資 料 の 言 語 と 変 体 漢 文 資 料 に 先 に 確 認 し た よ う に 、 本 資 料 は 問 答 の 集 成 で あ っ て 、 殊 に 撰 者 の 論 義 に お け る 「 問 い 」 に 対 す る 関 心 の 高 さ 三 『 法 勝 寺 御 八 講 問 答 記 』 に お け る 疑 問 表 現 確 修 認 学 す と る 文 に 章 留 作 め 成 た の い 15 相 。 関 を 導 く べ き で あ る と 考 え る が 、 今 回 は 聖 教 の 形 式 分 類 に お け る 「 問 答 記 」 の 位 置 づ け を う 。 ま た 、 こ れ ら 聖 教 が ど の よ う な 過 程 を 経 て 成 立 し た か と い う 撰 述 の 方 法 に つ い て も 検 討 を 行 っ て 、 学 侶 の 文 の 認 定 が 、 用 字 等 の 言 語 事 象 に 如 何 に 関 わ る の か と い う 観 点 か ら の 考 察 が 本 研 究 を 含 め て 今 後 の 課 題 と な ろ 人文科学研究 第 1 3 8輯胸 F 「 そ の 他 」 第 一 問 に 続 い て こ の 論 義 の 後 半 の 論 義 を 起 こ す 。 問 無 仏 世 修 二 禅 已 上 無 量 可 生 二 禅 已 上 耶 ( 天 承 元 年 第 二 日 夕 座 ) E 「 第 二 問 」 D 特 進 「 に 云 付 、 之 こ 釈 」 の 此 語 事 以 前 不 に 明 引 界 用 内 す 云 る 々 経 文 付 や 之 答 者 経 の 文 論 咸 の 明 内 界 容 内 を 耶 提 ( 示 し 天 た 承 上 元 で 年 、 第 そ 一 の 日 こ 夕 と 座 に ) つ い て 更 に 論 義 を 重 ね る 。 C 答 疑 「 者 云 疑 云 の 「 以 」 答 眼 え 舌 」 身 に 三 対 根 す る 既 疑 立 念 二 を 相 導 く 何 。 耳 鼻 二 根 不 立 耶 ( 天 承 元 年 第 一 日 朝 座 ) 現 を 直 接 に 導 か ず に 、 後 に 続 く 疑 問 表 現 を 「 疑 云 」 「 付 之 」 に よ っ て 導 く た め の 前 提 の 論 を 提 示 す る 場 合 も あ る 。 答 者 の 答 え を 受 け て 、 そ れ に 対 し て 更 に 追 及 を 行 う 、 あ る い は 持 論 を 展 開 し 反 論 を 求 め る 。 こ こ で は 疑 問 表 説 経 如 此 云 也 何 預 法 花 耶 況 宣 説 菩 薩 歴 劫 修 行 爾 者 如 何 ( 天 承 元 年 第 一 日 朝 座 ) B 進 「 云 進 云 初 」 釈 云 般 若 入 法 界 理 第 二 釈 長 時 花 厳 云 第 三 釈 第 五 時 円 頓 法 花 云 ヘ リ 其 第 三 釈 不 明 今 経 文 挙 已 景48 胸仏家「記録文」の位置づけ 続 い て 、 「 問 い 」 が ど の よ う な 形 で 表 現 さ れ る の か と い う 点 に つ い て 、 疑 問 表 現 の 種 類 の 分 類 を 試 み る 。 そ の 上 前 項 で は 、 『 法 勝 寺 御 八 講 問 答 記 』 の 問 答 の 展 開 に お い て 、 疑 問 表 現 が ど の よ う に 現 れ る か の 確 認 を 行 っ た 。 景49 三 ― 二 疑 問 表 現 の 種 類 も 全 体 と し て は 少 数 な が ら 認 め ら れ る 。 て 論 が 展 開 し 深 め ら れ る 様 相 が 看 取 さ れ る 。 し か し 、 答 者 が 問 い 返 す 、 あ る い は 「 答 え 」 の 中 で 疑 念 を 表 す 例 「 問 い 」 と し て 現 れ る 。 そ の 「 問 い 」 に 対 す る 答 者 の 「 答 え 」 が 次 な る 議 論 の 起 点 と な り 、 ま た 方 向 付 け と な っ 以 上 概 観 し た よ う に 、 『 法 勝 寺 御 八 講 問 答 記 』 に お い て 疑 問 表 現 は 、 論 義 が 展 開 す る 中 で 、 主 と し て 問 者 の ( 天 承 元 年 第 二 日 目 朝 座 ) 問 禅 問 覚 ( 者 仁 者 樹 問 難 法 難 律 者 ) 云 印 云 師 重 云 云 難 此 若 論 成 依 一 云 ノ 論 此 切 所 意 意 義 衆 進 ハ 者 生 申 具 非 不 成 離 浄 足 論 下 定 三 弁 義 地 又 定 倶 相 煩 可 之 生 分 云 悩 然 故 別 々 耶 、 爾 起 云 論 如 上 此 地 歟 蔵 ニ 有 惑 非 ス 大 云 云 諍 々 々 論 云 々 合 が 答 あ 者 る の 。 「 ま 答 た え 、 」 例 に は お 少 い な て い 、 が 行 聴 わ 集 れ が る 論 論 義 に に 疑 加 念 わ を る 示 場 す 合 場 が 合 あ や り 、 「 、 答 そ え こ 」 に を 疑 断 問 言 表 せ 現 ず が に 認 疑 め い ら を れ 含 る 17 ん 。 だ 形 で 終 え る 場 ・ 講 師 云 六 根 ハ ・ 答 法 念 処 所 摂 広 大 者 ナ レ ハ 大 旨 約 凡 夫 故 以 花 法 厳 処 十 対 眼 法 真 念 位 処 故 有 不 何 論 失 彼 耶 歟 身 ( 受 天 心 承 三 元 モ 年 皆 第 属 三 法 日 念 夕 処 座 也 ) ( 天 承 元 年 第 三 日 朝 座 ) 人文科学研究 第 1 3 8輯胸 の の 数 は 少 な い 。 古 記 録 類 を は じ め と す る 和 化 漢 文 に 多 く 見 ら れ る 「 哉 」 の 使 用 は な い 。 後 に 他 資 料 の 比 較 に 答 え を 求 め る 形 式 と に 分 か れ る 。 文 末 の 助 字 は 「 耶 」 の 使 用 が 大 半 を 占 め る 。 他 に 「 乎 」 「 歟 」 も 認 め ら れ る も 式 と 、 用 例 ③ の よ う に 、 疑 問 と す る 内 容 を 一 端 提 示 し た 上 で 、 文 末 に 「 如 何 」 を 配 し 、 そ の 内 容 全 体 に 関 わ る う に 、 文 頭 ( あ る い は 文 中 ) に 疑 問 詞 を 配 し て 文 末 に 助 字 を 添 加 し 、 疑 問 点 に つ い て の 答 者 の 見 解 を 求 め る 形 説 明 要 求 の 疑 問 表 現 で は 、 「 何 」 「 如 何 」 「 幾 」 等 の 疑 問 詞 に よ っ て 疑 問 と な る 内 容 が 導 か れ る 。 用 例 ① ② の よ ③ ② ① 〈 説 付 問 経 明 之 文 要 普 ○ 求 本 賢 〉 経 行 世 中 者 界 不 無 第 見 辺 三 多 者 地 宝 入 有 龍 此 何 樹 三 故 菩 昧 乎 薩 如 相 何 違 釈 如 給 何 耶 ( ( ( 天 天 保 承 延 承 元 四 元 年 年 年 第 第 第 一 五 四 日 日 日 夕 夕 夕 座 座 座 ) ) ) 以 下 に 、 そ れ ぞ れ の 分 類 と 用 例 を 掲 げ る 。 e d c 表 表 現 発 発 現 〉 話 話 す 者 者 る 乃 乃 こ 至 至 と 執 執 と 筆 筆 は 者 者 正 が の 反 自 判 対 ら 断 の の に 位 内 つ 置 心 い に の て あ 疑 そ る 惑 の 回 を 成 答 表 否 を 明 の 発 す 判 話 る 定 者 、 を 乃 も 求 至 し め 執 く る 筆 は 〈 者 断 判 が 定 定 用 を 要 意 保 求 し 留 〉 た し 上 て で 不 問 定 い の 掛 ま け ま る に 〈 表 反 出 語 す 表 る 現 〈 〉 疑 惑 b a 現 で の 、 あ 疑 分 疑 ら 問 類 問 か 詞 と 詞 じ に し の め よ て 種 二 っ 、 類 種 て 以 ・ あ 提 下 助 る 示 の 字 い さ 五 の は れ 分 種 そ る 類 類 れ 疑 に と 以 問 よ い 上 点 る っ の に こ た 回 つ と 言 答 い と 語 を て し 形 設 そ た 18 式 定 の 。 と し 説 の て 明 対 そ を 応 の 求 関 採 め 係 否 る を を 〈 明 求 説 ら め 明 か る 要 に 〈 求 す 選 〉 る 択 こ 要 と 求 と 〉 す る 。 こ こ で は 、 疑 問 表 景50 胸仏家「記録文」の位置づけ た 。 た だ し 、 「 歟 」 に つ い て は 他 の 助 字 と は 異 な り 疑 惑 表 現 を 担 う 点 、 ま た 後 に 述 べ る よ う に 、 判 定 要 求 に お け 要 が あ る も の の 、 今 回 の 検 討 で は 判 定 要 求 の 疑 問 表 現 と し て 分 類 し た も の の 中 に 大 き な 違 い を 見 出 し 得 な か っ 景51 「 耶 」 が 使 用 の 大 半 を 占 め て い る 。 「 哉 」 の 使 用 は な い 。 助 字 の 種 類 に よ る 意 味 的 な 用 法 上 の 差 異 を 考 慮 す る 必 判 定 要 求 の 疑 問 表 現 は 、 す べ て 文 末 に 助 字 を 用 い る 形 式 と な る 。 助 字 の 種 類 は 「 耶 」 「 歟 」 「 乎 」 が 使 用 さ れ 、 ⑧ ⑦ 〈 ⑥ 判 付 問 定 問 要 之 ( 十 仁 求 中 六 王 〉 略 行 般 ) 相 若 例 中 経 明 如 雲 界 欲 行 内 貪 相 耶 唯 新 未 旧 離 両 欲 釈 品 共 立 云 之 空 乎 歟 ( ( ( 保 保 天 延 延 承 三 二 元 年 年 年 第 第 第 三 四 一 日 日 日 夕 夕 夕 座 座 座 ) ) ) 内 容 を 並 べ る 形 式 は 、 古 記 録 一 般 に 多 く 認 め ら れ る も の で あ る 。 説 明 要 求 の 疑 問 表 現 は 、 全 体 と し て 用 例 数 が 少 な い 。 「 ~ 歟 、 ~ 歟 」 と 助 字 「 歟 」 に よ っ て 選 択 す べ き 回 答 の ⑤ ④ 〈 選 爾 但 択 者 空 要 行 求 舎 相 〉 利 云 ヒ 摩 空 訶 門 倶 ト 絺 云 事 ハ 相 同 対 事 証 歟 四 弁 別 勝 事 劣 歟 若 何 ( 勝 天 可 承 云 元 耶 年 第 ( 四 天 日 承 朝 二 座 年 ) 第 一 日 朝 座 ) で 全 体 を 問 う 箇 所 に 多 用 さ れ る 傾 向 が あ る 。 あ る が 、 本 資 料 に で は 、 論 義 の 展 開 に お い て 経 文 の 引 用 に 対 し て 、 あ る い は そ れ ま で の 論 義 の 流 れ を 纏 め る 形 た 、 文 末 の 「 如 何 」 に よ っ て 説 明 要 求 の 用 法 を 担 う 表 現 は 、 正 格 漢 文 ・ 和 化 漢 文 を 通 し て 広 く 見 ら れ る 形 式 で お い て 検 討 を 行 う が 、 こ の 助 字 の 使 用 が 本 資 料 ( を 含 む 論 義 資 料 ) の 疑 問 表 現 の 特 色 の 一 つ と 考 え ら れ る 。 ま 人文科学研究 第 1 3 8輯胸 截 然 と 付 け 難 い 場 合 も 存 す る 。 今 回 は 、 当 該 表 現 に 対 す る 答 者 の 直 接 的 な 答 え の 有 無 に よ っ て 、 分 類 を 行 っ た 。 反 語 表 現 も 先 の 疑 惑 表 現 と 同 様 、 用 例 数 は 多 く は な い 。 ま た 、 論 義 の 展 開 に お い て は 、 説 明 要 求 と の 区 別 が ⑬ 〈 ⑫ 反 此 何 語 三 況 表 法 不 現 四 離 〉 果 下 ヲ 地 ハ 何 煩 権 悩 乗 益 上 ト 地 ハ 可 煩 云 悩 無 現 前 ( ( 天 天 承 承 二 元 年 年 第 第 一 二 日 日 朝 朝 座 座 ) ) か け 答 え を 要 求 す る 表 現 が 自 己 内 の 疑 念 の 表 出 に 止 ま る 疑 惑 よ り も 多 く 現 れ た こ と と も 関 わ る と 考 え ら れ る 。 本 資 料 記 録 の 態 度 が 「 問 い 」 へ の 関 心 に 比 重 が お か れ 、 答 者 の 文 言 が 少 な い こ と 、 ま た 、 論 義 で は 相 手 に 問 い 疑 惑 表 現 は 、 専 ら 助 字 「 歟 」 の 使 用 に よ っ て 表 さ れ て い る 。 た だ し 、 当 該 表 現 の 用 例 数 自 体 は 多 く は な い 。 ⑪ ⑩ 答 覚 心 一 律 ハ 為 師 遣 云 妄 若 執 云 漸 爾 断 之 歟 者 仏 果 位 可 有 勝 劣 ( 歟 天 承 ( 天 元 年 承 元 第 四 年 第 日 夕 二 日 座 ) 夕 座 ) ( 天 承 元 年 第 一 日 朝 座 ) ① 〈 疑 答 惑 表 正 現 根 〉 ハ 外 人 受 用 境 付 扶 根 可 有 証 者 於 扶 根 中 耳 鼻 二 根 無 差 殊 勝 事 不 立 之 歟 る 当 該 字 の 使 用 は 、 古 記 録 以 外 の 和 化 漢 文 資 料 に は 少 な い 傾 向 が あ る 点 に 注 意 を 要 す る 。 景52 胸仏家「記録文」の位置づけ ⑰ ⑯ ⑮ ⑭ さ れ 相 未 五 母 る 次 剋 部 問 。 大 許 大 云 外 行 乘 、 記 慶 奉 何 師 來 書 高 平 、 之 泣 來 傳 思 耶 、 長 、 予 多 忽 問 仁 發 云 法 矣 、 、 ( 印 御 其 中 料 略 消 息 紙 ) 云 黄 前 、 白 前 明 中 休 ( 、 注 日 日 何 可 有 好 依 選 行 時 許 何 ・ 申 可 色 文 上 令 、 之 出 復 巻 例 一 件 七 哉 立 三 五 如 井 部 ウ 何 寺 何 五 ) 、 ( 哉 耶 者 水 左 、 ( ( 記 水 東 ・ 左 山 承 記 往 保 ・ 来 四 承 ・ 年 暦 第 九 年 三 月 閏 八 二 八 条 九 月 往 日 五 ) ) 日 ) 景53 い 21 に 。 こ 対 れ し に て 対 表 し 2 て の 、 、 『 『 注 御 好 堂 選 関 』 白 『 記 探 』 要 『 法 水 花 左 験 記 記 』 『 』 ( 後 説 二 話 條 お 師 よ 通 び 記 霊 』 『 験 永 記 昌 ) 記 、 『 』 東 と 山 い 往 っ 来 た 』 ( 古 古 記 往 録 来 に ) は で 、 は 当 該 、 「 字 耶 の 」 使 が 用 使 は 用 無 あ 問 る 20 答 記 。 表 』 1 の で 疑 本 問 資 表 料 現 を に 見 お れ け ば る 、 助 説 字 明 使 要 用 求 の ・ ま 判 と 定 め 要 と 求 、 の 平 疑 安 問 時 表 代 現 後 に 半 お 期 い に て 成 、 「 立 耶 し 」 た の 和 使 化 用 漢 が 文 多 に く お な け っ る て 調 い 査 る の 。 結 そ 果 れ で 和 化 漢 文 に は 、 こ の 助 字 使 用 は 一 部 の 資 料 に し か 認 め ら れ な い 。 末 尾 別 表 1 ・ 2 に 示 し た の は 、 『 法 勝 寺 御 八 講 本 資 料 の 疑 問 表 現 に は 、 説 明 要 求 ・ 判 定 要 求 ・ 反 語 の 各 用 法 に お い て 、 助 字 「 耶 」 が 多 用 さ れ る 。 当 該 期 の 四 ― 一 疑 問 表 現 に お け る 助 字 「 耶 」 の 使 用 づ け を 見 出 し う る 事 象 を 取 り 上 げ て 検 討 を 加 え る 。 り て を ど 中 の 心 よ と う し な た 位 整 置 理 に を あ 行 る っ の た か 。 、 こ 他 の 資 疑 料 問 と 表 の 現 比 に 較 つ に い お て い 、 て 当 考 該 え 期 る 成 た 立 め の に 和 、 化 疑 漢 問 文 表 資 現 料 19 の と 種 の 類 比 と 較 助 か 字 ら の 本 使 資 用 料 と の の 位 関 置 わ 以 上 、 疑 問 表 現 の 種 類 に よ る 概 観 を 行 っ た 。 こ こ で 『 法 勝 寺 御 八 講 問 答 記 』 の 疑 問 表 現 が 、 和 化 漢 文 に お い 四 疑 問 表 現 か ら 見 た 『 法 勝 寺 御 八 講 問 答 記 』 の 和 化 漢 文 に お け る 位 置 づ け 人文科学研究 第 1 3 8輯胸 參 可 定 申 歟 者 、 ( 水 左 記 ・ 承 暦 四 年 閏 八 月 五 日 ) 嬰 ⑳ ⑲ ⑱ こ そ と れ 令 先 菩 時 を に 申 日 薩 夫 確 対 陸 所 曰 至 認 し 博 召 、 海 し て 云 延 其 岸 た 22 古 、 喜 餓 近 。 記 今 例 鬼 彼 録 日 御 業 猿 ( 高 覽 報 邊 水 麗 了 也 、 言 國 歟 、 時 鈔 申 、 亦 龜 ・ 醫 ( 有 問 雲 師 雲 苦 云 州 事 州 患 汝 往 可 往 乎 住 来 令 来 、 此 も 定 ・ ( 足 同 申 三 探 萬 様 也 十 要 物 の 、 七 法 哉 傾 而 オ 花 向 ( 右 四 験 が 注 大 ) 記 あ 好 臣 る ・ 選 内 ) 下 ・ 大 で 二 下 臣 は 十 共 当 九 一 三 稱 該 ウ 有 字 六 オ 三 憚 が ) ) 不 判 被 定 參 要 、 求 如 の 何 疑 可 問 候 表 哉 現 、 に 上 用 臈 い 雖 ら 不 れ 被 る 験 記 ・ 往 生 伝 ・ 古 往 来 に 広 げ 、 「 歟 」 の 使 用 は 、 古 記 録 以 外 の 和 化 漢 文 で は 疑 惑 表 現 に ほ ぼ 限 定 的 で あ る こ と 、 が 記 録 体 の 特 徴 を 表 す こ と が 明 ら か に さ れ た 。 ま た 、 磯 貝 ( 一 九 九 九 ) で は 、 調 査 対 象 を 和 化 漢 文 の 説 話 ・ 霊 め ら れ た 。 当 該 字 に つ い て は 峰 岸 ( 一 九 八 六 C ) に お い て 、 特 に 疑 惑 表 現 と し て 単 独 で 文 末 に 使 用 さ れ る 用 法 判 定 要 求 の 疑 問 表 現 で は 、 先 に 見 た よ う に 「 耶 」 の 使 用 が 大 半 を 占 め て い る 。 一 方 、 「 歟 」 の 使 用 も 一 八 例 認 四 ― 二 判 定 要 求 の 疑 問 表 現 に お け る 助 字 「 歟 」 の 使 用 る は 録 。 、 の 寧 そ ろ れ こ に れ 近 ら く の な 背 る 景 と と 予 な 想 っ さ た れ 仏 る 家 。 の し 学 か 問 し の 、 場 助 に 字 お の け 使 る 用 か 書 ら 記 は の 必 実 ず 態 し の も 一 両 部 者 が の 明 用 ら 字 か は に 重 な な っ り た を 結 見 果 せ と な 考 い え 。 ら こ れ れ が 深 い こ と を 指 摘 し た 。 『 法 勝 寺 御 八 講 問 答 記 』 が 「 記 録 」 資 料 で あ る こ と か ら す れ ば 、 そ の 言 語 の 実 態 は 古 記 仏 家 と の 関 係 が 深 く 、 磯 貝 ( 一 九 九 八 ) で は 、 仏 典 注 釈 書 等 の 用 字 の 確 認 か ら 「 耶 」 が 仏 家 撰 述 の 文 献 と 関 連 こ れ ら は 仏 教 関 連 の 内 容 を 多 く 収 載 す る 説 話 集 ・ 法 華 経 霊 験 記 ・ 仏 家 撰 述 に か か る 古 往 来 で あ る 。 い ず れ も 景54 胸仏家「記録文」の位置づけ ( 水 左 記 ・ 承 暦 元 年 一 〇 月 一 九 日 ) 栄 曳 映 影 て い 未 有 番 其 な 尅 重 僧 子 い 許 仰 淨 爲 こ 行 、 衣 金 と 慶 如 、 翅 が 來 何 令 鳥 わ 、 申 染 所 か 傳 哉 何 食 る 長 色 、 。 多 乎 ( 龍 仁 御 王 法 壇 白 堂 印 関 供 佛 御 等 言 消 白 記 支 、 息 ・ 度 何 云 早 免 寛 、 弘 可 此 明 注 難 日 二 年 給 何 也 ( 時 正 月 ( 注 許 十 雲 好 可 日 州 令 ) 往 選 ・ 出 来 下 立 ・ 一 三 二 五 井 三 ウ 寺 ウ 四 哉 八 ) 者 ・ 四 十 七 往 ) 景55 に 助 字 が 使 用 さ れ る 割 合 が 極 め て 高 く な っ て い た 。 以 下 に 示 す 例 で は 、 説 話 『 注 好 選 』 に 文 末 助 字 が 使 用 さ れ 対 象 と し た 和 化 漢 文 資 料 で は 、 古 記 録 ・ 古 往 来 ( 雲 州 往 来 ) ・ 平 安 遺 文 所 収 書 状 に お い て 、 疑 問 詞 疑 問 文 の 文 末 い 認 。 し 表 た 4 通 に り 掲 で げ あ た る の が は 、 、 こ 磯 こ 貝 で ( は 一 疑 九 問 九 詞 八 疑 B 問 ) 文 に に お お け い る て 和 、 化 文 漢 末 文 に で 助 同 字 様 を の 使 比 用 較 し を な 行 い っ 例 た が 結 殆 果 ど で な あ い る 23 こ 。 と こ に こ 注 で 目 調 し 査 た 字 「 乎 」 「 耶 」 「 歟 」 を 使 用 す る 中 、 大 半 が 「 耶 」 の 使 用 で 占 め ら れ る 。 こ の 「 耶 」 の 使 用 に つ い て は 、 1 で 確 の 助 字 使 用 と の 関 係 性 ( 説 明 要 求 に つ い て の み ) を 示 し た の が 表 3 で あ る 。 文 頭 ・ 文 中 に お い て は 、 文 末 に 助 明 要 求 ・ 反 語 ) と 文 末 に 疑 問 詞 ( 如 何 ・ 云 何 ・ 何 ) を 用 い る 型 ( 説 明 要 求 ) と が あ っ た 。 こ の 二 つ の 型 と 文 末 疑 問 詞 疑 問 文 で は 、 大 き く 分 け て 文 頭 ま た は 文 中 に 疑 問 詞 ( 何 ・ 誰 ・ 幾 ・ 何 故 ・ 如 何 な ど ) を 用 い る 型 ( 説 四 ― 三 疑 問 詞 疑 問 文 に お け る 助 字 の 使 用 率 の 性 格 で あ る と 判 断 さ れ る 。 を 示 す 。 当 該 字 の 使 用 は 、 仏 俗 と い う 表 記 主 体 の 社 会 的 属 性 に 関 わ る も の で は な く 、 記 録 体 ( 実 用 文 体 ) 一 般 こ の こ と は 、 『 法 勝 寺 御 八 講 問 答 記 』 の 判 定 要 求 の 疑 問 表 現 の 用 字 が 、 古 記 録 の そ れ に 近 い 様 相 を 見 せ る こ と 人文科学研究 第 1 3 8輯胸 象 を 拡 充 し て 検 討 を 加 え て い き た い 。 と は 、 他 の 古 記 録 と 『 法 勝 寺 御 八 講 問 答 記 』 と の 距 離 を 如 実 に 表 す も の の 様 に 思 わ れ る 。 今 後 、 資 料 と 言 語 事 は 、 本 資 料 に は 極 少 な い 。 用 語 の 面 か ら は 古 記 録 類 と は 大 き く 異 な る 文 体 的 な 特 徴 を 有 し て い る 。 こ れ ら の こ は 、 性 格 を 異 に す る 面 も あ る 。 例 え ば 、 記 録 体 を 特 徴 づ け る 要 素 の 一 つ で あ る 形 式 名 詞 の 「 間 」 「 条 」 等 の 使 用 次 記 』 は 具 注 暦 の 形 態 を 持 つ 日 次 記 で あ り 、 同 じ く 仏 家 の 手 に な る も の で あ っ て も 『 法 勝 寺 御 八 講 問 答 記 』 と 一 方 、 『 法 勝 寺 御 八 講 問 答 記 』 と の 大 き な 違 い は 、 「 耶 」 が 使 用 さ れ な い こ と で あ る 。 た だ し 、 『 北 院 御 室 御 日 と 、 ま た そ れ は 古 記 録 類 の 用 字 に 重 な る も の で あ る こ と が 分 か る 。 結 果 と 併 わ せ て 「 記 録 文 」 の 文 章 ジ ャ ン ル で は 、 記 主 の 社 会 的 属 性 を 越 え た 共 通 的 な 用 字 基 盤 が 存 し て い る こ 疑 問 詞 疑 問 文 ( 説 明 要 求 ) の 疑 問 表 現 で は 、 文 末 助 字 不 使 用 が 一 例 と 助 字 の 使 用 率 が 高 く な っ て い る 。 先 の 疑 惑 反 語 判 定 要 求 選 択 要 求 説 明 要 求 乎 乎 乎 該 乎 0 0 0 当 1 な 哉 哉 哉 し 哉 0 2 0 4 4 1 歟 耶 耶 3 50 0 耶 0 歟 歟 0 3 5 歟 1 如 何 ( 文 末 ) 9 何 ( 文 末 1 ) 文 末 助 字 不 使 用 1 十 一 月 三 十 日 ) に お け る 調 査 で は 、 以 下 の 結 果 を 得 た 。 な お 、 本 資 料 と 同 様 に 仏 家 撰 述 に か か り 、 日 次 記 で あ る 守 覚 自 筆 『 北 院 御 室 御 日 次 記 』 ( 治 承 四 年 十 月 九 日 ~ を 中 心 と し た 資 料 群 の 助 字 使 用 は 特 徴 的 な 様 相 を 示 し て い た 。 お い て は 、 文 末 に お け る 助 字 の 使 用 は 絶 対 的 な も の で は な い 。 こ れ に 対 し て 、 変 体 漢 文 で も 先 に 挙 げ た 古 記 録 疑 問 詞 に よ る 疑 問 表 現 は 、 疑 問 詞 の 存 在 ・ 働 き に よ っ て 疑 問 の 意 が 明 示 さ れ る た め 、 正 格 漢 文 や 変 体 漢 文 に 景56 胸仏家「記録文」の位置づけ 検 分 討 を を 残 加 し え た て 。 い 今 く 後 こ 、 と 漢 と 字 し 表 た 記 い 24 に 。 か か る 論 義 草 ・ 問 答 記 に 限 ら ず 、 問 答 形 式 を 採 る 漢 字 片 仮 名 交 り 文 等 の か ら も 景57 し て も 、 「 耶 」 が 一 定 の 訓 の 意 識 を 介 し て 助 詞 表 記 に 使 用 さ れ て い る も の と 考 え る が 、 今 回 は 追 究 し き れ な い 部 法 会 に お け る 論 義 の 記 録 で あ る こ と 、 疑 問 詞 を 伴 う 疑 問 文 に ほ ぼ 十 割 の 確 立 で 助 字 を 使 用 す る こ と か ら 推 察 ( 最 明 寺 本 往 生 要 集 ・ 巻 上 ・ 七 四 ウ 7 ・ 院 政 初 ・ 院 政 期 点 ) ○ 問 (「 ト はハ ク く 」 ) 、 十 方「 にニ 」 浄 土 有 (「 りリ 」 ) 。 何「 そソ 「 」 唯タ ヽ 」 極 楽「 にニ 」 生 せ「 レ むム とト 」 願「 ス ふル 「 」 耶ヤ 」 「 耶ヤ 」 。 ( 高 山 寺 本 『 大 毘 盧 遮 那 成 仏 経 疏 』 巻 第 二 ・ 7 6 7 ・ 永 保 二 ・ 長 治 元 年 点 ) や ○ 已 に 真 言 門 に 入 る ・ 功 徳 を 歎 ( す る「 コ こ とト 」 ) ・ 竟 ( り ) ぬ 。 然 も 行 者 ・ 復 、「 何イ ( のか な 法る ) 」 を 以 て か 、 此 の 門 に 入 る ・ ま た 、 訓 点 資 料 の 付 訓 に お い て も 同 様 で あ る 。 ○ 冶 又羊ヤ ヤ者 ス反 咄 二丁― 反括哉 當 皮 哉 耶 又以 乍遮 邪反 乎 已 上 同 ( 三 巻 本 色 葉 字 類 抄 ・ 中 八 六 オ 四 ・ 辞 字 ) ○ 邪 … … ヤ ( 上 ) 彦 ( 図 書 寮 本 類 聚 名 義 抄 ・ 一 七 五 1 ) は 、 図 書 寮 本 類 聚 名 義 抄 及 び 三 巻 本 色 葉 字 類 抄 に お い て 、 助 詞 「 や 」 と の 結 び つ き が 確 認 さ れ る 。 ら こ れ ら と 日 本 語 表 現 と の 関 連 に つ い て 確 認 を 行 う こ と と し た い 。 今 回 検 討 の 中 心 と な っ た 「 耶 」 字 に つ い て 最 後 に 、 本 稿 で 対 象 と し た 疑 問 表 現 、 特 に 特 徴 と し て 指 摘 を 行 っ た 助 字 に つ い て 、 問 答 の 記 録 と い う 性 格 か 人文科学研究 第 1 3 8輯胸 意 味 づ け を 今 後 行 っ て い く 必 要 が あ る 。 今 後 の 課 題 と し た い 。 『 法 勝 寺 御 八 講 問 答 記 』 の 文 章 ・ 文 体 を 古 記 録 類 と 単 純 に 並 べ る わ け に は い か な い 。 共 通 性 と 見 た も の 自 体 の 家 の 記 録 文 と し て 位 置 づ く 可 能 性 が あ る 。 但 し 、 両 者 の の 「 記 録 」 の 実 態 を 反 映 し た 差 異 も ま た 存 在 し て お り 、 的 は 異 な る も の の 、 公 家 の 日 次 記 た る 古 記 録 の 用 字 と 共 通 す る 特 徴 が 確 認 さ れ た こ と で 、 こ の 種 の 文 献 群 が 仏 は 、 論 義 法 会 に お い て 仏 家 が 教 理 を 問 答 に よ っ て 深 め て い っ た 言 説 の 記 録 で あ る 。 そ の 撰 述 の 過 程 や 制 作 の 目 し か し 、 今 回 の 結 果 か ら 、 『 法 勝 寺 御 八 講 問 答 記 』 の 文 体 特 徴 を 考 え る 見 通 し が 得 ら れ た よ う に 思 う 。 本 資 料 こ と が 予 測 さ れ る 。 い 。 例 え ば 、 先 に 述 べ た 「 間 」 「 条 」 等 、 記 録 語 の 存 在 に 関 わ る 語 彙 的 な 調 査 を 行 え ば 、 ま た 異 な る 結 果 が 出 る を 、 疑 問 表 現 に よ っ て 測 る こ と の 妥 当 性 も 、 な お 十 分 検 討 し 、 他 の 言 語 事 象 に よ る 調 査 も 行 わ な け れ ば な ら な し て い る か と い う 検 証 は 、 今 後 調 査 を 継 続 す る 中 で 行 っ て い く べ き 課 題 で あ る 。 ま た 、 当 該 文 献 群 の 文 体 特 徴 び 上 が っ た 。 疑 問 表 現 に 関 わ っ て 取 り 上 げ た そ れ ぞ れ の 比 較 項 目 が 、 資 料 の 文 体 的 特 徴 を ど の 程 度 有 意 に 反 映 お け る 「 歟 」 字 の 使 用 ・ 疑 問 詞 疑 問 文 に お け る 助 字 の 使 用 率 か ら は 、 古 記 録 類 の 用 字 と の 類 似 す る 実 態 が 浮 か 和 化 漢 文 ( 及 び そ の 背 景 に あ る 仏 教 漢 文 類 ) の 用 字 と の 関 連 が 強 い こ と が 明 ら か と な っ た 。 ま た 、 判 定 要 求 に 『 法 勝 寺 御 八 講 問 答 記 』 の 疑 問 表 現 に お け る 助 字 の 使 用 の 実 態 か ら は 、 「 耶 」 字 の 使 用 に 関 し て は 仏 家 撰 述 の 五 む す び 景58 胸仏家「記録文」の位置づけ ( 8 永 巻 ま 天 注 田 第 た 福 十 7 文 、 二 一 文 永 注 年 奥 献 堂 1 4七 書 。 ) 永 月 ) 今 回 村 十 調 眞 日 時巳 査 ( 於 し 二 唐 た 〇 橋 中 〇 油 で 〇 小 、 B 路 巻 ) 宿 十 で 所 に は 随 は 、 憶 「 以 念 宗 下 性 令 の 撰 記 奥 述 録 書 聖 畢 が 教 / 認 右 の め 筆 書 ら 羊 目 れ を 僧 た 、 宗 。 門 性 下 に 連 な る 凝 然 大 徳 の 著 述 と 比 較 し な が ら 一 景59 7 6 山 崎 慶 輝 ( 一 九 九 〇 ) 「 東 大 寺 所 蔵 『 法 勝 寺 御 八 講 問 答 記 』 の 考 察 ( 『 日 本 の 仏 教 と 文 化 : 北 畠 典 生 教 授 還 暦 記 念 』 内 容 の 重 複 す る 八 帖 も 別 に 存 す る 。 今 回 は 東 京 大 学 史 料 編 纂 所 所 収 の 写 真 帳 に よ る 調 査 を 行 っ た 。 多 く は 、 漢 字 仮 名 交 じ り 表 記 を と る 文 章 の 検 討 が 中 心 に な っ て い る 。 孝 雄 博 士 「 平 家 物 語 の 語 法 」 引 用 箇 所 の 性 格 を め ぐ っ て ― 」 ( 『 語 学 文 学 』 第 三 〇 号 ) 等 が あ る 。 た だ し 、 先 行 研 究 の 5 4 こ の 用 論 峰 の 語 義 岸 う 準 関 ( ち 係 一 ( 」 資 九 一 ( 『 料 八 ) ( 暁 に 六 2 星 関 B ) 女 す ) 「 よ 子 る 記 り 大 日 録 ( 学 本 語 二 校 語 ・ ) 論 史 記 ( 文 の 録 2 集 研 体 ) 』 究 に ① 四 と つ ま 一 し い で ・ て て の 四 、 」 も 二 石 ( 『 の ) が 、 ( 井 平 「 一 行 安 変 九 雄 時 体 九 ( 代 漢 二 一 古 文 九 記 ) 「 九 録 」 東 〇 の と 大 ・ 国 認 寺 一 語 め 図 九 学 ら 書 九 的 れ 館 一 研 た 蔵 ) 究 。 「 「 』 法 東 序 華 大 章 経 寺 第 論 図 二 義 書 節 抄 館 2 」 蔵 ) に 『 つ 華 い 厳 て 宗 ― 論 山 議 田 』 3 峰 岸 明 ( 一 九 八 六 A ) 「 日 本 漢 文 に つ い て 」 ( 『 平 安 時 代 古 記 録 の 国 語 学 的 研 究 』 序 章 第 二 節 1 、 東 京 大 学 出 版 会 ) 。 築 島 裕 ( 一 九 五 七 ) 「 変 体 漢 文 研 究 の 構 想 」 ( 『 東 京 大 学 教 養 学 部 人 文 社 会 科 学 科 紀 要 』 一 三 ) 簡 文 」 「 日 記 記 録 文 」 の 三 つ が 、 こ こ に 言 う 「 変 体 漢 文 」 に 属 す る も の と 考 え ら れ る 。 」 と し て い る 。 2 榊 原 芳 野 ( 一 八 七 八 ) 『 文 芸 類 纂 』 。 築 島 ( 一 九 五 七 ) で は 、 こ の 分 類 を 取 り 上 げ 、 「 こ の 中 で 、 「 戦 記 文 」 「 往 来 書 し て 設 定 す る こ と と し た 。 る 必 要 が あ る 。 今 回 は 、 以 下 に 示 す 築 島 ( 一 九 五 七 ) 及 び 峰 岸 ( 一 九 八 六 ) に お け る 分 類 を 参 考 に 仮 説 的 な 枠 組 み と 弁 別 を 如 何 に 行 う べ き な の か と い っ た 問 題 を 考 え る た め に は 、 言 語 事 象 に 基 づ く 当 該 文 献 群 の 文 体 特 徴 の 解 明 を 進 め 1 「 記 録 文 」 と い う 呼 称 が 適 切 で あ る の か 、 ま た 「 記 録 」 と い う 言 語 行 為 が 他 の 文 体 範 疇 に も 認 め ら れ る 場 合 、 そ の 注 人文科学研究 第 1 3 8輯胸 本 仏 教 の 教 理 形 成 ― 法 会 に お け る 唱 導 と 論 義 の 研 究 』 ( 大 蔵 出 版 ) 等 に 法 会 の 言 説 と し て の 教 理 問 答 の 読 解 と 検 討 が 1 6 A ~ F の 展 開 に 分 類 し き れ な い 場 合 も あ る 。 な お 、 論 義 の 展 開 の 有 り 様 に つ い て は 、 既 に 箕 輪 顕 量 ( 二 〇 〇 九 ) 『 日 の 検 討 課 題 と し た い 。 こ れ ら 撰 述 方 法 は 、 全 て の 聖 教 に 等 し く 相 関 性 を 持 つ も の で は な く 、 資 料 個 別 の 成 立 事 情 が 存 す る よ う で あ る 。 今 後 1 51 4 注 永 1 4村 永 眞 村 ( ( 二 二 〇 〇 〇 〇 〇 〇 B B ) 「 ) で 寺 院 は 聖 、 教 聖 論 教 の 」 同 撰 書 述 方 第 法 Ⅰ に 部 つ 第 い 三 て 章 、 書 写 ・ 抄 出 ・ 編 述 ・ 聞 書 を 挙 げ て い る 。 聖 教 の 形 式 面 と 義 抄 ) 」 「 問 答 記 」 「 抄 物 」 「 聞 書 」 に 分 類 さ れ る 中 で 解 説 さ れ て い る 。 第 四 章 、 吉 川 弘 文 館 ) 。 な お 、 論 義 草 ・ 問 答 記 を 含 め た 聖 教 の 形 式 と 差 異 に つ い て は 、 「 疏 釈 」 「 論 義 草 ( 問 答 章 、 論 1 3 永 村 眞 ( 二 〇 〇 〇 A ) 「 修 学 と 論 義 草 ― 宗 性 筆 「 法 勝 寺 御 八 講 疑 問 論 義 抄 」 を 通 し て 」 ( 『 中 世 寺 院 史 料 論 』 第 Ⅱ 部 と 述 べ て い る 。 さ ら に 、 宗 派 や 寺 院 に 則 し て 、 よ り 適 し た 名 称 を 与 え 分 類 し な け れ ば 、 実 践 的 に 役 立 て る こ と は で き な い で あ ろ う 。 」 に 多 様 で あ る 。 今 の と こ ろ 、 截 然 と し た 分 類 は 困 難 で あ る の み な ら ず 、 文 書 と の 区 別 に 議 論 の 余 地 が あ る も の も あ る 。 つ い て 上 川 は 、 「 ご く 大 ま か な 内 容 分 類 」 と し た 上 で 、 「 外 題 や 内 題 な ど に 記 さ れ た 個 別 の 名 称 は 、 こ こ に 揚 げ た 以 上 1 21 1 上 川 通 夫 ( 一 九 九 六 ) 「 中 世 聖 教 史 料 論 の 試 み 」 ( 『 日 本 中 世 仏 教 史 料 論 』 第 一 部 第 一 章 、 吉 川 弘 文 館 ) 。 こ の 分 類 に 山 崎 誠 ( 一 九 九 九 ) 「 『 法 勝 寺 御 八 講 問 答 記 』 小 考 」 ( 『 南 都 仏 教 』 七 七 ) 「 答 え 」 の 記 録 態 度 に 違 い が あ る よ う に も 見 受 け ら れ る 。 今 後 検 討 す る こ と と し た い 。 て い る 。 こ こ に お い て 「 答 え 」 の 文 章 に 片 仮 名 を 交 え て よ り 日 本 語 文 へ の 再 現 性 が 高 め ら れ る こ と に つ い て 、 「 問 い 」 と 1 0 9 後 述 す る よ う に 、 本 資 料 は 時 に 答 え を 省 略 す る 等 、 「 問 い 」 の 記 録 を 志 向 す る と さ れ る 編 纂 態 度 が あ る こ と が 分 か っ 楠 淳 證 ( 一 九 九 九 ) 「 『 法 勝 寺 御 八 講 問 答 記 』 天 承 元 年 条 に お け る 法 相 論 義 」 ( 『 南 都 仏 教 』 七 七 ) え る 上 で の 参 考 と し た い 。 る 聖 教 類 の 一 つ の 特 徴 と も 言 え よ う 。 」 と の 指 摘 が あ る 。 今 後 、 宗 性 の 学 問 的 な 活 動 と 資 料 の 文 体 特 徴 と の 関 連 性 を 考 い こ と に 気 付 く 。 つ ま り 諸 宗 に わ た る 論 義 の 内 容 を 掲 げ た 問 答 形 式 の 論 義 草 が 撰 述 さ れ て お り 、 こ れ が 宗 性 の 手 に な 覧 す る と 、 論 義 会 の 場 で 交 わ さ れ た 論 義 草 ( 諸 宗 教 学 の 要 諦 に 関 す る 問 答 形 式 の 唱 文 ) を 集 成 し た 問 答 記 が 極 め て 多 景60 胸仏家「記録文」の位置づけ 第 二 一 輯 、 武 蔵 野 書 院 ) 2 3 磯 貝 淳 一 ( 一 九 九 八 B ) 「 平 安 時 代 後 半 期 和 化 漢 文 資 料 の 疑 問 詞 疑 問 文 に お け る 助 字 の 用 法 」 ( 『 鎌 倉 時 代 語 研 究 』 景61 第 一 六 四 号 ) 2 2 磯 貝 淳 一 ( 一 九 九 九 ) 「 和 化 漢 文 資 料 の 疑 問 表 現 に お け る 助 字 の 用 法 ― 「 歟 」 字 の 使 用 を め ぐ っ て ― 」 ( 『 国 文 学 攷 』 さ れ て い る 。 仏 家 に お け る 学 問 を 背 景 と し た 場 で 成 立 し た 文 献 に 関 わ る 用 字 と い う 解 釈 に お い て 重 要 な 指 摘 で あ る 。 字 考 」 ( 『 国 語 学 』 第 六 十 八 輯 ) で は 、 当 該 字 が 「 い わ ゆ る 仏 典 注 釈 書 な ど 、 内 典 系 の 上 代 漢 字 文 で 主 用 さ れ 」 と 指 摘 見 ら れ る と の 指 摘 が あ る 。 た だ し 、 こ れ ら は 用 例 数 が 僅 少 で あ っ た 。 ま た 、 白 藤 禮 幸 ( 一 九 六 七 「 ) 上 代 漢 字 文 疑 問 助 2 1 「 諸 事 耶 象 」 を の 使 複 合 用 的 に に つ 調 い て 査 す は る 、 必 峰 要 岸 明 が あ ( る 一 九 。 八 六 C ) に 、 「 耶 」 字 の 使 用 が 『 続 日 本 紀 』 等 の 歴 史 書 お よ び 往 生 伝 の 類 に 会 『 日 本 学 ・ 敦 煌 学 ・ 漢 文 訓 読 の 新 展 開 』 汲 古 書 院 ) 等 、 注 目 す べ き 論 考 が あ る 。 疑 問 表 現 に 関 わ ら ず 、 こ う い っ た 学 』 第 一 号 ) 、 同 ( 二 〇 〇 五 ) 「 僧 侶 の 書 記 用 漢 字 ― 接 続 詞 「 こ れ に よ り て 」 の 用 字 か ら ― 」 ( 石 塚 晴 通 教 授 退 官 記 念 九 〇 ) 「 平 安 鎌 倉 時 代 に 於 け る 副 詞 「 た と ひ 」 の 漢 字 表 記 に つ い て ― 僧 侶 実 用 漢 字 の 世 界 ― 」 ( 『 三 重 大 学 日 本 語 学 文 に 関 わ る 用 字 法 の 差 異 に つ い て ― 」 ( 『 国 文 学 攷 』 第 一 五 七 号 ) 。 僧 侶 専 用 の 表 記 の 問 題 に つ い て は 、 山 本 真 吾 ( 一 九 2 0 磯 貝 淳 一 ( 一 九 九 八 A ) 「 平 安 時 代 後 半 期 の 和 化 漢 文 資 料 に お け る 疑 問 助 字 の 用 法 ― 表 記 主 体 の 社 会 的 属 性 の 違 い あ り 、 平 安 時 代 後 期 の 法 会 の 内 容 も 含 む こ と か ら 、 論 義 が 行 わ れ た 時 期 の 言 語 資 料 と し て 措 定 し て い る 。 漢 文 は 成 立 時 期 が 異 な る も の も 多 い 。 ま ず は 天 承 元 ( 一 一 三 一 ) 年 か ら 文 永 十 一 ( 一 二 七 四 ) 年 に 至 る 論 義 の 記 録 で 1 9 語 『 学 法 的 勝 研 寺 究 御 』 八 第 講 三 問 章 答 第 記 一 』 節 は 、 、 東 承 京 久 大 四 学 ( 出 貞 版 応 会 元 ) ・ に 一 依 二 っ 二 た 二 。 ) 年 に 書 写 さ れ は じ め た の で あ っ て 、 比 較 対 象 と し た 和 化 1 8 こ の 分 類 は 、 峰 岸 明 ( 一 九 八 六 C ) 「 平 安 時 代 の 古 記 録 に お け る 疑 問 助 字 の 用 法 に つ い て 」 ( 『 平 安 時 代 古 記 録 の 国 期 か ら 次 第 に 形 式 を 整 え て 儀 式 化 し て い く 過 程 の 記 録 で あ る と の 見 方 を 示 し て い る 。 問 者 と 講 師 に よ る 論 義 問 答 が 、 聴 衆 も が 加 わ る 論 戦 に 発 展 す る こ と が あ っ た わ け で あ る 。 」 と し て 、 論 義 法 会 が 形 成 1 7 加 注 え 1 1ら 文 れ 献 て に お お り い 有 て 益 、 で 聴 あ 衆 る の 。 参 加 に つ い て 指 摘 を 行 っ た 上 で 、 こ の 記 載 内 容 に つ い て 「 少 な く と も 平 安 期 に お い て は 人文科学研究 第 1 3 8輯胸 小 峰 和 明 他 「 『 法 勝 寺 御 八 講 問 答 記 』 天 承 元 年 条 本 文 」 ( 『 南 都 仏 教 』 第 七 七 号 「 法 勝 寺 御 八 講 問 答 記 」 特 集 号 ) 参 考 文 献 平 安 遺 文 所 収 書 状 ( 『 平 安 遺 文 』 東 京 堂 出 版 ) 料 ( 『 叢 増 水 書 補 左 第 史 記 二 料 永 冊 大 昌 『 成 記 高 七 』 山 『 臨 寺 春 川 本 記 書 店 古 往 春 ) 来 記 ○ 脱 後 表 漏 二 白 及 條 集 補 師 』 遺 通 記 東 』 ) 京 ○ ( 『 大 帥 大 学 記 日 出 ( 本 版 増 古 会 補 記 ) 史 録 ○ 料 』 和 大 岩 泉 成 波 往 五 書 来 『 店 ( 『 権 ) 和 記 ○ 泉 二 左 経 往 来 帥 記 記 ( 高 』 ) 増 野 ○ 補 山 高 資 西 山 料 南 寺 大 院 本 成 蔵 古 『 』 往 左 臨 来 経 川 ( 記 書 高 』 ) 店 山 ○ ) 寺 春 ○ 資 記 ○ 御 堂 関 白 記 ( 峰 岸 明 編 『 陽 明 文 庫 蔵 本 御 堂 関 白 記 自 筆 本 総 索 引 』 ( 一 ) 汲 古 書 院 ) ○ 水 左 記 ・ 永 昌 記 ( 増 補 史 料 大 成 享 禄 本 研 究 と 総 索 引 本 文 研 究 篇 』 和 泉 書 院 ) ○ 東 山 往 来 ( 高 野 山 大 学 蔵 応 永 十 一 ( 一 四 〇 四 ) 年 写 本 の 紙 焼 写 真 に よ る ) 往 生 伝 ・ 高 野 山 往 生 伝 ( 日 本 思 想 大 系 『 往 生 伝 法 華 験 記 』 岩 波 書 店 ) ○ 雲 州 往 来 ( 三 保 忠 夫 ・ 三 保 サ ト 子 編 『 雲 州 往 来 要 法 花 験 記 ( 馬 淵 和 夫 編 『 醍 醐 寺 蔵 探 要 法 花 験 記 』 武 蔵 野 書 院 ) ○ 続 本 朝 往 生 伝 ( 『 平 安 朝 往 生 伝 集 』 書 陵 部 ) ○ 拾 遺 古 / 典 論 保 考 存 / 会 索 ) 引 ○ 篇 大 』 日 勉 本 誠 国 社 法 ) 華 ○ 経 注 験 好 記 選 ( ( 藤 『 井 古 俊 代 博 説 編 話 『 集 大 注 日 好 本 選 国 《 法 原 華 本 経 影 験 印 記 并 釈 校 文 本 》 』 ・ 東 索 京 引 美 と 術 研 ) 究 ○ 』 水 和 言 泉 鈔 書 ( 院 『 索 醍 引 醐 叢 寺 書 蔵 ) 水 ○ 言 探 鈔 』 ( ○ 仁 東 和 大 寺 寺 紺 図 表 書 紙 館 小 蔵 双 『 紙 法 研 勝 究 寺 会 御 編 八 『 講 守 問 覚 答 法 記 親 』 王 ( の 東 儀 京 礼 大 世 学 界 史 ― 料 仁 編 和 纂 寺 所 蔵 所 紺 蔵 表 写 紙 真 小 帳 双 に 紙 よ の る 研 ) 究 ○ ― 仁 和 基 寺 幹 蔵 法 『 会 北 解 院 題 御 / 室 付 御 録 日 資 次 料 記 集 』 調 査 対 象 資 料 と 使 用 テ キ ス ト な 資 料 を 補 い つ つ 検 討 を 行 う 必 要 が あ る が 、 重 要 な 指 摘 で あ る と 考 え る 。 古 い タ イ プ の 形 式 で あ る 」 こ と を 指 摘 し て い る 。 論 義 法 会 と 講 説 聞 書 と い う 学 問 形 態 は こ と な る こ と か ら 、 な お 様 々 問 答 の 問 い の 文 章 形 式 に の み 用 い ら れ る こ と 、 そ の 表 現 形 式 は 「 院 政 鎌 倉 時 代 に 一 般 的 に 使 用 さ れ た 形 式 で は な く 、 明 恵 上 人 関 係 の 講 説 聞 書 で あ る 華 厳 信 種 義 門 集 記 に お い て 、 「 不 定 詞 カ ― ヤ 」 の 疑 問 表 現 形 式 が 「 問 … 答 … 」 と い う 式 と 疑 問 文 の 表 現 形 式 と の 関 係 : 文 体 と 文 法 と の 交 渉 」 ( 『 三 重 大 学 日 本 語 学 文 学 』 一 三 ) の 先 行 研 究 が あ る 。 高 宮 は 、 2 4 問 答 の 疑 問 表 現 に 関 し て は 、 高 宮 幸 乃 ( 二 〇 〇 二 ) 「 明 恵 上 人 関 係 講 説 聞 書 類 に お け る 「 問 … 答 … 」 と い う 文 章 形 景62 胸仏家「記録文」の位置づけ 永 後 水 御 昌 二 左 堂 記 條 記 関 師 白 通 記 記 東 山 往 来 雲 州 往 来 高 野 山 往 生 伝 拾 遺 往 生 伝 続 本 朝 往 生 伝 倆 倆 倆 倆 1 倆 倆 倆 倆 6 7 3 倆 6 7 1 3 1 1 11 34 倆 1 72 02 1 3倆 2 43 22 84 9 1 3倆 3 倆 倆 倆 1 倆 倆 倆 倆 1 倆 2 73 88 1 3 5 倆 1 01 倆 倆 倆 倆 倆 1 倆 倆 倆 4 13 24 12 4 71 71 1 3倆 倆 倆 倆 倆 6 倆 倆 倆 倆 倆 倆 倆 倆 倆 倆 倆 倆 倆 倆 倆 倆 倆 6 倆 倆 倆 倆 倆 倆 倆 倆 倆 倆 倆 倆 倆 倆 倆 倆 倆 4 倆 倆 倆 倆 1 2 倆 倆 倆 倆 倆 倆 倆 資 料 8 1 01 0 1 倆 3 倆 2 倆 倆 倆 2 倆 選 要 3 57 86 0 5 2 1 2倆 倆 倆 倆 1 1 5倆 歟 判 疑 3 5 74 3 31 4 52 32 11 1 41 62 03 8 1 56 41 惑 倆 倆 倆 倆 倆 1 倆 倆 倆 1 倆 倆 倆 景63 反 語 反 語 疑 惑 判 定 要 求 選 択 要 求 説 明 要 求 1 倆 8 倆 6 乎 倆 倆 倆 倆 倆 哉 5 倆 9 3 1 9 2 耶 倆 6 1 8 2 1 倆 倆 倆 倆 1 歟 な し 表 1 ・ 『 法 勝 寺 御 八 講 問 答 記 』 ( 巻 第 一 ) に お け る 疑 問 表 現 の 種 類 と 助 字 [ 付 記 ] 本 研 究 は 、 科 研 費 2 3 5 2 0 5 7 1, 1 5 K0 2 5 6 0 倆 倆 倆 倆 倆 倆 倆 1 倆 大 水 注 日 言 好 本 鈔 選 国 法 華 経 験 記 J SPS 2 1 67 倆 4 1 21 1 倆 表 2 ・ 平 安 時 助 用 代 字 法 後 要 半 5 倆 2 5 説 期 成 要 倆 倆 倆 倆 選 立 の 1 倆 倆 1 乎 要 判 和 化 疑 漢 倆 倆 倆 倆 惑 文 反 に 2 23 2 9 語 お 要 け 2 3 1 26 説 る 要 疑 倆 倆 倆 倆 選 問 1 1 4 3 哉 要 表 判 現 疑 と 倆 倆 倆 1 惑 助 反 字 1 12 96 1 7 語 の 要 対 6 4 倆 倆 1 説 応 要 関 倆 倆 倆 倆 選 係 ( 1 倆 倆 5 耶 要 判 磯 貝 疑 倆 倆 倆 1 惑 ( 一 反 3 1 倆 3 語 九 九 要 八 倆 倆 倆 1 説 ) 要 ) 探 要 法 花 験 記 の 助 成 を 受 け た も の で あ る 。 人文科学研究 第 1 3 8輯胸 文末 文頭・文中 何 云 何 如 何 誰 云 何 幾 如 何 何 2 7 2 6 倆 倆 1 倆 5 乎 倆 倆 倆 倆 倆 倆 倆 倆 哉 倆 倆 倆 1 3 4 1 3 6 9 耶 倆 倆 倆 倆 倆 倆 1 倆 歟 倆 倆 倆 倆 倆 倆 倆 1 な し 説明要求 資料名 有 無 注好選 2 9 1 9 反 語 使用率 有 無 使用率 6 0 . 4 3 0 1 0 7 5 . 0 水言鈔 1 4 9 6 0 . 9 1 0 6 6 2 . 5 大日本国法華経験記 3 2 8 9 . 7 3 5 4 3 4 4 . 9 探要法花験記 1 1 1 5 4 2 . 3 3 7 1 2 7 5 . 5 続本朝往生伝 1 3 2 5 . 0 9 7 5 6 . 3 拾遺往生伝 4 9 3 0 . 8 2 6 1 2 6 8 . 4 高野山往生伝 1 1 5 0 . 0 3 3 5 0 . 0 雲州往来 2 4 0 1 0 0 . 0 3 8 1 7 6 9 . 1 東山往来 2 0 1 8 5 2 . 6 5 6 1 1 8 3 . 6 和泉往来 − − − 5 7 3 6 . 4 高山寺本古往来 − − − 4 7 3 6 . 4 平安遺文所収書状 2 6 2 9 1 . 7 2 7 3 9 0 . 0 御堂関白記 4 0 1 0 0 . 0 2 1 6 6 . 7 左経記 2 8 1 9 6 . 6 9 2 1 2 8 8 . 5 春記 7 6 4 9 5 . 0 1 7 5 2 0 8 9 . 7 水左記 3 7 1 9 7 . 4 4 4 5 8 9 . 8 帥記 9 9 1 9 9 . 0 8 6 1 9 8 . 9 文 と 助 字 の 使 用 表 3 ・ 『 法 勝 寺 御 八 講 問 答 記 』 疑 問 詞 疑 問 表 4 ・ 状 平 況 安 時 代 後 半 期 の 和 化 漢 文 の 疑 問 詞 疑 問 文 に お け る 助 字 の 使 用 景64
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