- 2016年2⽉分景気動向指数(速報値)- -先⾏CI前⽉差▲2.0と2カ⽉ぶり下降、⼀致CI前⽉差▲3.2と2カ⽉ぶり下降- -2⽉分の基調判断、「⾜踏みを⽰している」で継続、3⽉分も「⾜踏みを⽰している」か- 客員エコノミスト 宅森昭吉 コメント 景気動向指数 ・CIの推移 先⾏CI 年⽉ 2015年9⽉ 10⽉ 11⽉ 12⽉ 2016年1⽉ 2⽉ 同・前⽉差 ⼀致CI 同・前⽉差 ⼀致CI 同・前⽉差 3カ⽉後⽅移動平均 102.2 103.3 102.5 101.3 101.8 99.8 ▲ 1.7 1.1 ▲ 0.8 ▲ 1.2 0.5 ▲ 2.0 111.6 113.2 111.9 111.0 113.5 110.3 ▲ 0.2 1.6 ▲ 1.3 ▲ 0.9 2.5 ▲ 3.2 112.1 112.2 112.2 112.0 112.1 111.6 ⼀致CI (2010年=100) 遅⾏CI 同・前⽉差 7カ⽉後⽅移動平均 ▲ 0.53 0.10 0.03 ▲ 0.20 0.10 ▲ 0.53 1.01 ⼀致CI振幅⽬安 同・前⽉差 112.3 112.6 112.4 112.2 112.3 111.9 ▲ 0.15 0.30 ▲ 0.25 ▲ 0.13 0.04 ▲ 0.37 115.4 115.3 115.4 115.4 114.8 114.8 0.0 ▲ 0.1 0.1 0.0 ▲ 0.6 0.0 0.85 (出所)内閣府 (2010年=100) 120.0 115.0 110.0 105.0 100.0 95.0 90.0 85.0 80.0 景気動向指数:先⾏CI・⼀致CI 先行CI 一致CI 1112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 2011年 2016年 2012年 2014年 2015年 2013年 月 (出所)内閣府 ●2⽉分の景気動向指数・速報値では、先⾏CIは前⽉差▲2.0と2カ⽉ぶりの下降となった。2⽉分の先 ⾏CIの指数⽔準は99.8となった。 ●⼀致CIは前⽉差▲3.2と2カ⽉ぶりの下降となった。投資財出荷指数、鉱⼯業⽤⽣産財出荷指数、⽣ 産指数(鉱⼯業)などの前⽉差マイナス寄与度が⼤きかった。2⽉分の⽣産指数の前⽉⽐は愛知製鋼の爆発事 故の影響で、▲6.2%の⼤幅マイナスになった。2⽉分の⼀致CIの指数⽔準は110.3である。東⽇本 ⼤震災発⽣時のボトムで直近のボトムである11年4⽉分の96.7よりは13.6ポイント⾼い⽔準だが、直 近のピークである14年3⽉分の116.1よりは5.8ポイント低い⽔準だ。 (次⾴へ) 本レポートは、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断に 関しましては、お客様ご自身の判断でなさるようお願い致します。 このレポートに記載された内容は今後予告なく変更されることがあります。また、SMBCフレンド証券は、このレポートに記載 された内容に関し、正確性・完全性を保証するものではありませんのでご了承ください。 ●⼀致CIの3カ⽉後⽅移動平均の前⽉差は▲0.53と2カ⽉ぶりの下降、7カ⽉後⽅移動平均の前⽉差 は▲0.37と2カ⽉ぶりの下降になった。 ●⼀致CIを使った景気の基調判断は、今回2⽉分でも、景気拡張の動きが⾜踏み状態になっている可能性が ⾼いことを⽰す「⾜踏みを⽰している」で、10カ⽉連続で同じ判断となった。 ●最近の⼀致CIを使った景気の基調判断をみると、14年12⽉分で、「改善を⽰している。ただし、基調判断 に⽤いている3カ⽉後⽅移動平均のこのところの変化幅は、⼤きいものではない」に「下⽅への局⾯変化」から上⽅ 修正された。「下⽅への局⾯変化」から「改善を⽰している」に戻るのは異例のパスということだった。15年1⽉分で、 但し書きは消えて、「改善を⽰している」という判断継続になった。15年2⽉分〜4⽉分でも、「改善を⽰してい る」という判断継続になったが、5⽉分で景気拡張の動きが⾜踏み状態になっている可能性が⾼いことを⽰す「⾜踏 みを⽰している」に下⽅修正され、15年6⽉分〜16年2⽉分でも判断据え置きとなった。 ●次回3⽉分でも、景気拡張の動きが⾜踏み状態になっている可能性が⾼いことを⽰す「⾜踏み」の判断が継続し そうだ。基調判断が景気拡張の可能性が⾼いことを⽰す「改善」に戻るには、「当⽉の前⽉差の符号がプラス。かつ 原則として3カ⽉以上連続して3カ⽉後⽅移動平均が上昇する」ことが必要だ。3⽉分から上昇を3カ⽉連続して 積み上げなければならない。いち早く「改善」に戻る可能性があるのは7⽉前半に発表される5⽉分だ。 (次⾴へ) 景 系 列 名 1.最終需要財在庫率指数(逆サイクル) 先 ⾏ 系 5⽉ - 6⽉ + 7⽉ + 8⽉ 0 9⽉ - 10⽉ + 11⽉ + 12⽉ + 28年 1⽉ - 2⽉ + - - - - - - + - - - + + + + + + + + + + 4.実質機械受注(製造業) + + + - - - - - - + 5.新設住宅着⼯床⾯積 + - + - - - - - - + + 6.消費者態度指数 + + + - + - + - + + - 3⽉ 7.⽇経商品指数(42種総合) + + + - - - - - - - - 8.マネーストック(M2)(前年同⽉⽐) + + + + + - - - - - - - - <―> <―> 9.東証株価指数 採 ⽤ 系 列 数 + + + + - - - - + - - + + + + - - - + + + - - - + + + + - 7.0 7.0 9.0 5.0 4.5 2.0 4.0 4.0 5.0 5.0 3.0 11 11 11 11 11 11 11 11 11 10 9 63.6 63.6 90.9 45.5 40.9 18.2 36.4 36.4 45.5 50.0P 33.3P 1.⽣産指数(鉱⼯業) - - + - - - + + - + - 2.鉱⼯業⽣産財出荷指数 - - - - - + + + - - - 3.耐久消費財出荷指数 - - - + + - + + + + - 4.所定外労働時間指数(調査産業計) - - + - + + + + - - <―> 指 数 ( D.I. ) 5.投資財出荷指数(除輸送機械) - + + + - - - + - + - 6.商業販売額(⼩売業)(前年同⽉⽐) + + + - - - 0 - - - + 7.商業販売額(卸売業)(前年同⽉⽐) + - + - + - - - - - - 8.営業利益(全産業) + + + - - - + + + 9.中⼩企業出荷指数 - 0 + - - - + - + + + + + + + + + + + + + + 拡 張 系 列 数 4.0 4.5 8.0 3.0 4.0 3.0 7.5 7.0 4.0 5.0 3.0 採 ⽤ 系 列 数 10 10 10 10 10 10 10 10 10 9 8 40.0 45.0 80.0 30.0 40.0 30.0 75.0 70.0 40.0 55.6P 37.5P 10.有効求⼈倍率(除学卒) 列 数 - 先 ⾏ 系 指 - 拡 張 系 列 数 致 向 3.新規求⼈数(除学卒) 11.中⼩企業売上⾒通しD.I. ⼀ 動 2.鉱⼯業⽣産財在庫率指数(逆サイクル) 10.投資環境指数(製造業) 列 27年 4⽉ - 気 ⼀ 致 指 数 ( D.I. ) <―> 9 8 (注)< >内は予測 (出所)内閣府 本レポートは、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断に 関しましては、お客様ご自身の判断でなさるようお願い致します。 このレポートに記載された内容は今後予告なく変更されることがあります。また、SMBCフレンド証券は、このレポートに記載 された内容に関し、正確性・完全性を保証するものではありませんのでご了承ください。 ●⼀⽅、次回3⽉分で「下⽅への局⾯変化」に悪化するには、「当⽉の前⽉差の符号がマイナス。かつ7カ⽉後⽅ 移動平均(前⽉差)の符号がマイナスに変化し、マイナス幅(1カ⽉、2カ⽉、または3カ⽉の累積)が1標準 偏差分(0.85)以上」であることが必要だ。3⽉分の⼀致CI前⽉差が▲0.8ポイント程度の下降幅に なると、3⽉分の7カ⽉後⽅移動平均前⽉差の2カ⽉(1⽉分の7カ⽉後⽅移動平均前⽉差はプラスのため) の累積が▲0.86になり、1標準偏差分(0.85)以上下⽅に振れることになる。しかし、⼀致指数第⼀ 系列の鉱⼯業⽣産指数は、経済産業省算出の3⽉分先⾏き試算値前⽉⽐・最頻値が+3.5%、90%の 確率に収まる範囲で+2.4%〜+4.5%と増加になる⾒通しなので、「下⽅への局⾯変化」に悪化する可能 性は⼩さいだろう。 ●今回2⽉分速報値では先⾏DIは33.3%と2カ⽉ぶりに景気判断の分岐点である50%を下回った。ま た、⼀致DIは37.5%とこちらも2カ⽉ぶりに景気判断の分岐点である50%を下回った。 ●2⽉分景気動向指数・改定値では、⼀致CIは所定外労働時間指数が新たに加わる。所定外労働時間指 数確報値が速報値と同じ前⽉⽐+0.4%なら前⽉差+0.07程度のプラス寄与になるとみられる。速報値 段階と各系列の改定値が不変とすると、全体の⼀致CI前⽉差は▲2.2程度と速報値の▲2.5より下降 幅が縮⼩するとみられる。また、⼀致DIでは所定外労働時間指数がマイナス符号で加わることになるため、他の指 標の符号が不変なら、33.3%程度と速報値の37.5%から下⽅修正になり、景気判断の分岐点50% を引き続き2カ⽉ぶりに下回ると予測する。 ●先⾏CI改定値で新たに加わる実質機械受注(製造業)の前⽉差寄与度は 1 ⽉分+0.75と⼤幅プラ ス寄与であった反動が出て2⽉分では⼤幅マイナス寄与になると予測する。指標発表⽇は4⽉11⽇である。在 庫率関連データなどが確報値段階でどのようにリバイスされるかにもよるが、先⾏CI・改定値の前⽉差は▲2.6 程度の下降と速報値の▲2.0から下⽅修正になるとみた。また、先⾏DIでは実質機械受注(製造業)の符 号は微妙だがプラス符号になった場合は、40.0%程度と速報値の33.3%から上⽅修正になると予測する。 しかし、景気判断の分岐点50%を下回ることになろう。 ●3⽉分の先⾏CIの採⽤系列で、現時点で数値が判明しているのは、⽇経商品指数、東証株価指数、中⼩ 企業売上げ⾒通しDIの3系列である。このうち⽇経商品指数、東証株価指数の2系列が前⽉差プラス寄与に、 中⼩企業売上げ⾒通しDI1系列が前⽉差マイナス寄与になることが判明している。 ●また、3⽉分の先⾏DIでは、数値が判明している⽇経商品指数、東証株価指数、中⼩企業売上げ⾒通しD Iの3系列全てがマイナス符号になることが判明している。このため3⽉分先⾏DI速報値は、0.0%以上6 6.7%以下が確定している。 (4⽉6⽇午後2時現在) 本レポートは、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断に 関しましては、お客様ご自身の判断でなさるようお願い致します。 このレポートに記載された内容は今後予告なく変更されることがあります。また、SMBCフレンド証券は、このレポートに記載 された内容に関し、正確性・完全性を保証するものではありませんのでご了承ください。
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