インドネシアの発行体格付BBB-[安定的]を維持

NEWS RELEASE
2016年04月04日
【格付維持】
インドネシア共和国
外貨建発行体格付: BBB- [格付の方向性:安定的]
格付投資情報センター(R&I)は上記の格付を公表しました。
【格付理由】
外需に不透明感が漂う中でも経済は安定している。金融緩和や機動的な財政政策が景気の下支えとな
る。財政収支は小幅に抑制され、財政の健全性は保たれている。事業会社の対外債務負担には注意が必
要だが、外貨準備の規模や中央銀行の規制などにより外貨流動性のリスクが高まる懸念は小さい。以上
を踏まえ、外貨建発行体格付BBB-を維持し、格付の方向性は引き続き安定的とした。インフラ整備や投
資環境整備に向けた制度改革への取り組みもようやく進み始めた。こうした流れが経済基盤の強化につ
ながり経済成長率が高まる見通しがつけば、信用力にはプラスに働こう。
国際経済・金融環境の変化などを受け実質国内総生産(GDP)成長率は鈍化し、2014年は5%、2015年
は4.8%となった。特に2015年は民間消費や投資が力強さに欠けるなか、年後半に本格化した政府支出が
経済を牽引した。2016年も公的部門が成長を牽引する構造が続くとみられる。インフレ率の低下や為替
の下落圧力の緩和を背景に、中央銀行が金融緩和に舵を切ったことで民間需要が押し上げられる可能性
もある。R&Iでは、2016年の実質GDP成長率は5%程度と見込んでいる。
ジョコ・ウィドド政権は2015年後半に相次いで経済政策パッケージを発表した。国民の購買力維持、
投資促進、国内企業の活性化、及び物流改善など中期的に経済成長力を押し上げる内容だ。既に法改正
手続きは完了したものもあり、就任以来期待されている構造改革に向けた本格的な取り組みが始まった
ところだ。燃料補助金の負担が軽減されたため政府予算でのインフラへの配分は大幅に増えた。政府が
2015-2019年で見込むインフラ整備需要を賄うには政府予算以外の資金活用が不可欠で、今後の取り組み
が注目される。
2015年の経常収支の赤字幅はGDP比2.1%。格付に照らして許容可能な水準で、今後も2-3%程度の赤字
が続く見込み。2015年末の対外債務はGDP比36.1%にとどまり、外貨準備は1年以内に償還される対外債
務の約2倍に達している。過去5-6年で急速に増えた民間部門の対外債務については、返済負担が企業収
益を圧迫し、景気回復の足かせとなるリスクには留意が必要だ。ただし、それらの債務の規模はGDP比2
割弱と小さく、中央銀行は外貨建債務のヘッジ規制等を導入し、為替リスクを抑制している。経済の安
定性を損なう懸念は小さいとみている。
2015年にガソリン補助金を撤廃し、軽油の補助金を固定したことで、補助金支出は前年と比べて半額
以下となり、歳出に占める割合は1割に低下した。その分を転用する形でインフラ関連支出は前年比63%
増加し、GDP比では2.5%に拡大した。補助金制度改革によりインフラ関連など経済の生産性向上に資す
る分野への支出余地が高まったことはプラスに評価できる。一方、歳入の伸び悩みなどにより、財政収
支は悪化傾向にある。2015年の財政赤字はGDP比2.5%を記録。経済は依然として多くの課題に直面して
おり、2016年予算で見込む2.15%の財政赤字も見直しの必要がある。政府の財政規律への意思は強く、
上限とする3%は超えないとR&Iではみているが、中期的には税制改正を通じた歳入面の強化が求められ
ると判断している。
中央政府の債務残高はGDP比20%台で推移しており、2015年末時点で26.8%。前年から増加したものの
依然として低水準にとどまっている。国内で発行した国債の非居住者保有比率は高まり、2015年末時点
で約38%に達する。これまでのところ非居住者の資金フローは比較的安定しており、経済・財政面の安
定感を背景に資金調達環境が悪化する懸念は小さい。
■お問合せ先 :インベスターズ・サービス管理部 TEL.03-3276-3511 E-mail [email protected]
■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-3276-3438
株式
会社
格付投資情報センター
〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1 日本橋一丁目三井ビルディング http://www.r-i.co.jp
信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ
ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に
際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ
き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
ⓒRating and Investment Information, Inc.
NEWS RELEASE
【格付対象】
発行者:インドネシア共和国
名称
格付
格付の方向性
外貨建発行体格付
BBB-(維持)
安定的
名称
発行総額
(億円)
発行日
償還日
格付
E号円貨債券(2015)
225
2015年08月13日
2018年08月13日
BBB-(維持)
F号円貨債券(2015)
225
2015年08月13日
2020年08月13日
BBB-(維持)
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信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ
ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に
際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ
き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
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NEWS RELEASE
信用格付に関わる事項
信用格付業者
登録番号
株式会社格付投資情報センター
金融庁長官(格付)第6号
直近一年以内に講じられた監督上の措置は、ありません。
主任格付アナリスト
原 一樹
信用格付の付与について
代表して責任を有する者
細田 弘
信用格付を付与した日
2016年03月28日
主要な格付方法
ソブリンの格付の考え方 [2012.03.16]
上記格付方法は、格付を行うにあたり考慮した他の格付方法とともに以下のウェブサイトに掲載して
います。
http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/methodology/index.html
評価の前提は、以下のウェブサイトの格付付与方針に掲載しています。
http://www.r-i.co.jp/jpn/ratingpolicy/index.html
格付符号とその定義は、以下のウェブサイトに掲載しています。
http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/definition/index.html
格付関係者
インドネシア共和国
注 格付関係者は、金融商品取引業等に関する内閣府令第三百七条に基づいて、R&Iが判断したものです。
利用した主要な情報 政府を含む公的機関が作成した財政・経済資料
品質確保のための措置 政府を含む公的機関が作成した、またはそれに準じた信頼性が確保さ
れている資料であること。
情報提供者 格付関係者
信用格付の前提、意義及び限界
R&Iの信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定
通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見です。R&Iは信用格付によって、個々の債務等
の流動性リスク、市場価値リスク、価格変動リスク等、信用リスク以外のリスクについて、何ら意見
を表明するものではありません。信用格付は、いかなる意味においても、現在・過去・将来の事実の
表明ではありません。また、R&Iは、明示・黙示を問わず、提供する信用格付、又はその他の意見に
ついての正確性、適時性、完全性、商品性、及び特定目的への適合性その他一切の事項について、い
かなる保証もしていません。
R&Iは、信用格付を行うに際して用いた情報に対し、品質確保の措置を講じていますが、これらの
情報の正確性等について独自に検証しているわけではありません。R&Iは、必要と判断した場合に
は、信用格付を変更することがあります。また、資料・情報の不足や、その他の状況により、信用格
付を保留したり、取り下げたりすることがあります。
利息・配当の繰り延べ、元本の返済猶予、債務免除等の条項がある債務等の格付は、その蓋然性が
高まったとR&Iが判断した場合、発行体格付又は保険金支払能力とのノッチ差を拡大することがあり
ます。
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