目次及び概要 - JLMA 一般社団法人日本照明工業会

ガイド B 005
日本照明工業会ガイド
ランプ及び制御装置・製品アセスメント
マニュアル
B 005
1992 年(平成 04 年)7 月 制定
2002 年(平成 14 年)7 月 改正
2008 年(平成 20 年)4 月 改正
2014 年(平成 26 年)3 月 改正
一般社団法人 日本照明工業会
Japan Lighting Manufacturers Association
目
1
2
3
4
5
次
本マニュアルの概要 ························································ 1
1.1 目的 ·································································· 1
1.2 対象 ·································································· 1
1.3 利用方法 ······························································ 1
1.4 組織・体制 ···························································· 2
1.5 製品アセスメントガイドライン ············································ 2
1.6 評価方法 ······························································ 4
製品アセスメントガイドライン ··············································· 6
解説 ····································································· 16
参考資料 ································································· 29
4.1 用語の定義・解説 ······················································· 29
4.2 関連法規のリスト ······················································· 32
4.3 プラスチック部品等の材質表示 ············································ 34
4.4 容器包装の識別表示等 ··················································· 36
4.5 完成品ランプの材料構成表
··············································· 48
( 1) 電球(一般電球/ミニクリプトン電球) ······························· 48
( 2) ハロゲン電球 ····················································· 49
( 3) 直管蛍光ランプ ··················································· 50
( 4) 環形蛍光ランプ ··················································· 51
( 5) コンパクト形蛍光ランプ ············································ 52
( 6) 電球形蛍光ランプ ················································· 53
( 7) 高圧水銀ランプ ··················································· 55
( 8) メタルハライドランプ
············································· 56
( 9) 高圧ナトリウムランプ ·············································· 57
(10) コンパクト形メタルハライドランプ ·································· 58
(11) 低圧ナトリウムランプ ············································· 59
(12) セラミックメタルハライドランプ ···································· 60
(13) 電球形 LED ランプ ··················································· 61
4.6 蛍光ランプの減容化の推移
··············································· 63
4.7 蛍光ランプの水銀量削減の推移 ············································ 64
4.8 蛍光ランプ用安定器の減容化の推移(重量・寸法) ···························· 65
4.9 HID 用安定器の減容化の推移(重量・寸法) ································· 66
4.10 蛍光ランプの寿命の推移
················································ 67
アセスメント事例集 ························································ 68
5.1 包装容器の減容化・再生化促進の事例
······································· 68
(1) 電球形蛍光ランプ(包装容器の減量化)
······························· 68
(2) 高周波点灯専用環形蛍光ランプ(包装容器の減量化)
···················· 69
(3) 高周波点灯専用平面二重螺旋形蛍光ランプ(包装容器の減量化) ············· 70
5.2 蛍光ランプの減量化・減容化の事例 ········································ 71
(1) 直管蛍光ランプ(FHF24S,FHF86) ··································· 71
(2) 環形蛍光ランプ (FHC20,FHD100)
································ 73
(3) コンパクト形蛍光ランプ(FHP32,FHP45)
···························· 75
5.3 各種光源の高効率化の推移
··············································· 76
(1) 一般照明用電球
(60W,100W 形)
···························· 76
(2) ハロゲン電球
(JD,JDR)
································· 76
(3) 直管蛍光ランプ
(FL20W,40W 形) ··························· 77
(4) 環形蛍光ランプ
(FCL30W 形)
······························· 78
(5) コンパクト形蛍光ランプ(FPL36W形) ································ 78
(6) 電球形蛍光ランプ
(電球 60W,100W 形相当) ····················· 79
(7) メタルハライドランプ (400W) ···································· 79
(8) セラミックメタルハライドランプ(150W) ····························· 80
6 原案作成委員会構成表
······················································ 81
附属書 電球形 LED ランプの LCA 評価············································· 82
1. 本マニュアルの概要
1.1
1.1.1
目的
製品アセスメントの目的
製品アセスメントは,当業界として製品の設計・製造に際し,流通―使用-使用後に至
るライフサイクル全般を考慮して,使用済みランプ及び制御装置の減量化・再資源化・処
理の容易性等を促進するため,製品アセスメントマニュアルを策定し,その実施により,
廃棄物問題の解決に資するものである。
製品アセスメントの実施に当たっては,
(a)
有害化学物質の削減
(b)
廃棄物・廃棄量の発生抑制
(c)
循環的な利用の可能性向上
(d)
エネルギー消費の抑制
等に向けた工夫・配慮を組み込むとともに,
(e)
「資源の有効な利用の促進に関する法律」(資源有効利用促進法)による判断基準
(f)
廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法)で規定された用件
を踏まえ,
(g)
「容器包装リサイクル法」に基づく包装容器の削減
を含め,総括的な廃棄物量の削減を継続的に実効性あるものにすることを期するものであ
る。
1.1.2
本マニュアルの目的
本マニュアルは,会員製造事業者各社における製品アセスメントの実施に当たって,
(a)
製品アセスメントに新たに取り組む担当者に対し関連情報を提供し,
(b)
実施すべき取組み内容に関する指針を示すことにより,
照明業界全体としての製品アセスメントの有効性と実効性向上に寄与することを目的とす
るものである。
1.2
対象
新たに設計製造するすべてのランプ及び制御装置を対象とする。但し,試作品やデモ用
品は対象としない。
1.3
1.3.1
利用方法
製品ごとの評価項目及び基準の設定
製造事業者は製品の安全性及び耐久性等を勘案の上,箇条 2(製品アセスメントガイド
ライン)に基づき,製品ごと又は製品群ごとの特性に応じた適切な評価項目,基準を設け
るものとする。
1.3.2
製品アセスメントの実施方法
製造事業者は下記の内容を盛り込んだ自社の製品アセスメントの実施規定を策定し,製
1
品アセスメントを行うものとする。
(a)
製品の開発規定の中に製品アセスメントを位置づける。
(b)
設計時点・試作時点・量産試作時点のいずれか,又は複数時点で実施する。
(c)
評価基準は可能な限り定量化に努め,評価項目・評価方法と併せて,その社及び製品
特性に応じたものとする。
(d)
製品の新規度(材料・機構・機能など従来品との対比等)及び環境に及ぼす影響度に応
じた評価項目・評価基準・評価方法を定めるものとする。
(e)
製品アセスメントの実施状況の確認,製品アセスメント結果に基づく処置を行い,記
録に残すものとする。
製品アセスメントのフォローとフィードバック,時代の変遷や技術の進歩により自社
(f)
の製品アセスメント実施規定の見直しを適宜行う。
(g)
実施当初においては,対応可能な項目から順次速やかに行うこととする。
1.4
組織・体制
1.4.1
製造事業者における組織・体制
製造事業者は事業所ごと,又は本社に製品アセスメントの実施責任者を設置し,製品ア
セスメントの実施及びその記録の保管を行う体制を整える。
1.4.2
(a)
当工業会の役割
当工業会は業界としての実施を促進するために必要に応じて製品アセスメント実施
状況を調査する。
(b)
各製造事業者に共通し,社会的に重要で緊急を要するようなテーマに関しては,他業
界との関連性・共通性などを考慮しながら調査・研究を行う。その結果を今後の製品
アセスメントマニュアル改正に反映する。
(c)
中央省庁,地方自治体,消費者,学識経験者,素材・部品の製造事業者,再資源化事
業者等との意見交換に努めるとともに,社会情勢や技術の向上に合わせて,本マニュア
ルの見直しを必要に応じて行う。
(d)
製品アセスメントの実施状況やその他について,積極的に広報啓発活動を行う。
1.5
製品アセスメントガイドライン
ここでは,改正した製品アセスメントガイドラインの階層構造と評価項目の構成を示す。
具体的な内容については,箇条 2(製品アセスメントガイドライン)の項を参照。
1.5.1
ガイドラインの階層構造
以下のような階層構造で整理する。
評価項目(大項目―小項目)-
評価基準
各階層の記述内容は,表 1.5.1 による。
2
-
評価方法
表 1.5.1
階
製品アセスメントガイドラインの階層構造と記述内容
層
評価項目
各階層の記述内容
・もれなく製品アセスメントを実施するための検討項目リストを提示する。
・製品アセスメント実施の目的・方向を示す。
評価基準
・項目ごとの評価を行う際の視点・考え方を示す。
・Yes/No で回答可能な疑問文の形で記載する。
評価方法
・具体的な評価の方法(評価指数,比較対象等)を示す。
・評価方法は以下の2つに大別される。
・基準となる製品(従来同等製品・機種等)と比較する。
・一定の条件を満たしているか(法令等を満たしているか,実施可能性につい
て検討したか,等)チェックする。
・複数方法を併記する場合がある。(複数の選択肢を提示する場合がある。)
備
考
・評価に当たっての留意事項,他の項目や法令との関連等を記載する。
・評価項目の重要度は,製品ごと,製造事業者ごとに異なるものと考えられるため,
評価項目間の相対評価(重み付け)は,必要に応じて,製造事業者各社が自ら定め
るものとする。
1.5.2
評価項目の構成
製品アセスメントガイドラインの評価項目とその目的を,表 1.5.2 に示す。
今までの改正では,以下の観点から,評価項目の大項目の見直しを行った。
(a)
評価項目「減量化」を,評価基準等の内容に合わせ,「減量化・減容化」に変更。
(b)
評価項目「分離・分別処理の容易性」の“分離”と“分別”の違いがわかりにくいた
め「手解体・分別処理の容易化」に変更。
(c)
評価項目「安全性・環境保全性」を,化学物質関連の「環境保全性」と,人・モノへ
の直接的危害(怪我,爆発等)防止について評価する「安全性」の 2 つの評価項目に分割。
(d)
評価項目「情報の開示」を,資源有効利用促進法の指定再利用促進製品の判断基準省
令等との整合を図り,「情報の提供」に変更。
(e)
評価項目「流通段階における環境負荷低減」を,評価項目「包装」の基準等に内容を
統合化して削除。
3
表 1.5.2
製品アセスメントガイドラインの評価項目とその目的
評価項目
No.
1
減量化・減容化
再生資源・再生部品の使
2
上
手解体・分別処理の容易
4
・限りある資源の使用量の削減
・廃棄物の発生の抑制
・資源の循環利用の促進
用
再資源化等の可能性の向
3
目的
・使用済み製品の処理の際に再利用しやすい材料を使うことでリ
サイクルやリユースを促進
・使用済み製品のリユースやリサイクルの容易化
化
5
破砕・選別処理の容易化
・破砕の容易化
6
収集・運搬の容易化
・使用済み製品の収集・運搬の効率化
7
安全性
・消費者及び作業者に対する安全性の確保とリスクの削減
・製品構成化学物質を把握することにより,法令・業界の自主基
8
環境保全性
準で定められた化学物質管理(使用禁止・削減等)及び使用者へ
の情報提供に対応
9
10
11
長寿命化の推進
・製品の寿命の向上
使用段階における省エネ
・使用段階における消費電力の削減
製造段階における環境負
・製造段階で使用する物質やエネルギー量,操業に伴って環境に
荷低減
放出される物質や廃棄物等における順法と環境負荷低減
・製品のライフサイクルでの環境負荷を定量的に事前評価し,設
12
LCA
13
包装
14
情報の提供
1.6
計段階で改善を図り,環境負荷を低減
・包装材の省資源,リサイクル等の推進
・包装材の減量化,減容化等による流通段階での環境負荷低減
・必要な情報をふさわしい表示方法で提供し,使用・修理・処理
を適切に実施
評価方法
このガイドラインでの個別評価項目については,できるだけ数値化しやすい評価方法を
示し,基準となる製品(従来同等製品・機種)との比較がしやすいように配慮した。個別
評価項目ごとに評価し,改善を目指すことができるし,全項目の総合点を比較することも
可能である。どちらを評価に使うか,製品ごとにどの評価項目を採用するか,評価項目ご
との点数化や評価項目間の重みづけのあり方,等は各社の自由である。
1.6.1
個別評価
評価項目としては,
「1. 減量化・減容化」から「14. 情報の提供」までの 14 の大項目と,
それぞれの下位に位置する合計 39 の小項目がある。個別評価とは,採用した評価項目ごと
に評価することをいう。
4
評価を行う場合,特定項目のみに着目すると,新製品が従来製品に劣る場合も考えられ
る。マイナスをどのくらいまで許容するかは,あらかじめ開発規定等に定めておく必要が
ある。企業の判断で,なかにはマイナスを許容しないとする評価項目もあるであろう。例
えば,製品の省エネ等が該当する。
個別の評価項目ごとの比較は,通常は簡単であるが,他の項目とのトレードオフが起こ
ることがあり,その際にはやや高度な判断が必要となる。
1.6.2
総合評価
総合評価とは,何らかの方法で個別評価の結果を総合し,製品全体としての環境適合性
を評価することをいう。
まず,個別評価点を単純集計して総合点を算出,従来設計との点数比較を行ってみる。
個別評価には重きを置かずに,総合点において改善であればよしとする。次に,個別評価
にも検討を加え,例えば,評価項目ごとの点数の出入りをレーダーチャート等として作図
し,そして著しいマイナスは改善処置する。
総合評価結果は,総合点比較から個別得点の併用までの応用ができる。熟練した設計者
は十分にこれらの評価を行い,改善へつなげることができる。
総合評価の重要な意義は,費用か項目の間にトレードオフがあった場合,どの項目を生
かして新製品の特長を出すかにある。時には,実感にそぐわない総合点から,項目ごとの
重みづけが不適切であることに気づき,評価シートの見直しにつながるかもしれない。
また,総合評価を新製品の企画段階に活用することも考えられる。すなわち,設計前に,
総合点をいくつ改善するかの目標を設定し,設計の励みとするのである。
1.6.3
環境面以外の評価との総合化
製品は環境面だけの評価から製造されるわけではない。性能,コスト,安全性,生産性
などの経営上の評価と併せるのが常である。環境だけでもトレードオフが発生することが
あるが,経営上の評価項目はかなりのトレードオフを発生させ,影響力を持つであろう。
経営的な判断を伴なうこのような総合化は,熟練した設計者か,管理者に委ねられる。
5