株式会社栄光化学工業所(兵庫支部)

【会情報】
【会員企業ご訪問:Vol 124】
株式会社栄光化学工業所(兵庫支部)
今回は神戸市西区高塚台にある㈱栄光化学工業所の常務取締役
を訪ねました。
本社住所
電話/FAX
資本金
創業
設立
成形機
従業員数
橋本
憲明
兵庫県神戸市西区高塚台
3-1-19
078-991-2255/078-991-1368
4,162 万円
昭和 3 年
昭和 46 年
15t~220t
計 26 台
63 名(男性 41 名、女性 22 名)
常務取締役
沿革
創業者の福田 義雄氏は科学者であ
り、大学の研究グループでフェノール
樹脂の脱臭を日本で初めて成功させ、
そこから樹脂との関わりが始まりま
した。昭和 3 年に萬歳化学工業所を興
し、フェノール樹脂で食器の生産を開
始しました。その後、第二次世界大戦
により同社を解散させ、昭和 21 年に
神戸市灘区六甲で栄光化学工業所(昭
和 46 年㈱栄光化学工業所に改組)とし
て食器の生産を再開しました。昭和 36
年に㈱神戸製鋼所の子会社であった
日本エヤーブレーキ㈱との取引が始
まったのがきっかけでブレーキパー
ツの生産を開始しました。以降、モー
タリーゼーションの波に乗り、自動車
関係の仕事が増え、現在製造している
製品の約 90%以上が自動車のブレー
キ関連の樹脂部品となっています。
会社外観
橋本
憲明氏
様
製品について
リザーバタンク
製品は、①熱溶着品の自動車用オイル
タンク・バキュームタンク、②オイルフ
ィルター・産業機器用フィルター、③単
独気泡発泡品の液面感知用フロート・産
業機器用フロート、④組立品・超音波溶
着のタンク用キャップ、⑤精密部品の樹
脂ピストン、⑥液面警報装置のレベルイ
ンジケーターを製造しています。主要取
引先は 3 社で売上の約 70%となっていま
す。精密部品の樹脂ピストンは厳しい規
格があり、生産が難しいですが、数多く
こなしていくことで技術を蓄積してきま
した。過去に 2 回、他社へ仕事が流れま
左上段から右へエアーブレーキ部品、フロート、
ストローククラッチ
中段 フィルター
左下段から右へ精密部品、ピストン
したが、他社が高い品質に応えられずに
また仕事が戻ってきたこともありました。
今後は今までのノウハウや技術を活かし
て小型精密機器に力を入れていきたいと
思っております。キャップなどの一般部
品はコスト競争のあおりを受けてしまい
ますが、小型精密部品については高い技
術力が必要であり、他社でもなかなか真
似ができないため、コスト競争のあおり
を受けにくいと考えています。
当社の強み
当社の強みは、熱溶着、フィルター、発泡成形であると考えています。熱溶着のオ
イルタンクは欠陥があれば人命にかかわる重要保安部品のため確実に溶着をしない
といけません。高い気密性と強度を持つ接合であることを確認するために全品検査を
行い、お客様からの信頼を得ております。発泡成形品は自動車用フロートをはじめ、
加湿器、業務用食洗機や温水洗浄機能付トイレなどのフロートにも使用されています。
単独発泡は難しく、過去に失敗もしましたが、今では技術を確立させ、ノウハウを蓄
積してきました。また、世界的にもフロートを生産できる企業は限られていますので、
技術を確立させたことは強みであると思っております。
弊社の取り組み
在庫の数を段階的に減らす取り組みを始め、まず、在庫の見える化からスタート
させました。製品の品番表示の徹底、完成品・仕掛り中などの棚の整備を行い、必
要な時に必要な分を生産するという形に変更しています。まだまだ道半ばではあり
ますが、製品の品質、材料のロス、段取り時間の短縮、在庫の削減の結果が効果と
なって表れてきています。その結果、このような改善活動を通じて、従業員の意識
が変わってきたと感じます。以前は従業員の意識として指示待ちが多くありました
が、徐々にではありますが自ら考えることの意識が従業員の中に芽生えてきたと思
います。この取り組みを行って、一番成果があったことだと考えています。
社員への教育
小集団活動を行っており、QC 活動
グループを 7 グループ組織していま
す。月 1 回全体朝礼の時に 1 グルー
プずつ改善活動についての発表を行
っています。安全衛生委員会を立ち
上げており、事前の安全確認を行う
ため産業医にも来ていただき、月 1
回会議をしています。社員教育に関
しては、安全を第一に考えています。
親会社であるセキソーの指導の下、
工場の様子
安全体感機というものを作成してい
ます。例えば、ボール盤などで手が巻き込まれた場合にどのようなことが起きるの
かやナイフを使用して勢いが余り手を切った場合などの体感ができる装置を作成
しています。これらの装置を『安全道場』に設置して、道場で安全教育を行う様に
しています。新入社員や工程異動があった方を対象として実施し、その工程での怖
さを知ったうえで、仕事に取り組んでもらうことにしています。
※
会社を拝見して ※
在庫の見える化や小集団活動などの新たな取り組みを通して、作業効率化や整理整
頓がなされていました。また、社員の自主性により社内に活気が溢れ、培ったノウハ
ウの異分野への展開を検討されるなど益々の躍進に期待を感じました。さらに『安全
を第一』を掲げ、安全で事故のない職場作りにも気を配られており、社員の方が働き
やすいようになっていると思いました。
◎ありがとうございました
取材:事務局 大野・平
※本記事記載の情報については、2016 年 2 月 5 日現在のものとなります。
掲載希望の方は事務局(06-6214-8300)までご連絡ください。