週刊原油 世界の原油情報がここに凝縮されています。 毎週木曜日午後発行 NY原油横ばい中 発行日 : 2016/3/31 3月30日のNY原油5月限は+0.04ドル高の38.32ドル。ドル安進行や、米エネルギー情報局(EIA)統計での原 油生産の減少や需要増加などが好感されるも、期近は40ドルの節目を回復できず、米原油在庫が7週連続して増加し たことなどが重しとなり、EIA統計発表後は上げ幅を大きく削った。夜間取引から期近ベースで16日以来の安値 (37.91ドル)を付けた前日の流れに対する修正となった。米石油協会(API)統計で原油在庫は増加したものの、 市場はドル安進行に反応。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が前日、利上げに慎重な姿勢を示したこと が背景となるなか、ドルは一時、対ユーロで2月11日以来の水準へ下落した。また、米東部夏時間午前10時30分に 発表されたEIA統計で原油生産が2014年11月14日の週以来の低水準となり、製油所稼働率の上昇とともに石油精製 も1月8日の週以来の高水準となったことなども一因。しかし、発表後に39.85ドルへと上昇するも、すぐさま下げに 転じた。40ドルの節目を回復できないなか、原油在庫が7週連続して増加し、供給過剰の状況に変わりがないことや、 4月17日のドーハでの主要産油国による生産凍結に向けた協議が合意に至ったとしても、市場への効果は懐疑的との 見方の広がりなども引き続き重しとなり、終盤には一時、38.14ドルまで大幅に下落した。 石油製品は、ヒーティングオイルが反発、改質ガソリンは期近が続落、期近4月限納会をあす31日に控え、ヒー ティングオイル5月限は留出油在庫の予想以上の減少を好感するも、改質ガソリン相場の下げなどに圧迫され、EIA統 計発表後は上げ幅を縮小した。改質ガソリン5月限は、ガソリン在庫はほぼ予想通り減少したものの、需要の減少が相 殺することとなり、EIA統計発表後は下げに転じた。 ブレント原油期近5月限は反発。米市場に追随する動きとなるなか、EIA統計発表後に40.61ドルまで切り返したも のの、その後は下げに転じると、終盤には一時、39.18ドルとこの日の安値を付ける場面があった。 事情を知る関係者によると、OPEC(石油輸出国機構)に加盟していないオマーンは4月17日のドーハでの会合に 出席する見通しとのこと。リビアを除くOPEC加盟12カ国とロシアが出席する予定となっている。 国際エネルギー機関(IEA)のフェイス・ビロル事務局長は30日、石油市場について2016年は弱いままで、2017 年にリバランス(需給の再均衡)するとし、原油価格はリバランス後、2020年までにバレル当たり80ドルへ向かう との見方を示した。同事務局長によると、「2015-2016年は2年続けて前例のない投資減少となる見通し。アジア の多くの国は安い価格を利用し在庫を積み増している。中国経済は6.5-7%と引き続き強い成長が見込まれ、世界に とっては良いニュースだ」とのこと。 EIAは30日、3月25日までの週の石油統計を発表。事前予想は、原油在庫が前週比310万バレルの増加、受渡場所 となるオクラホマ州クッシング原油在庫が35万バレルの増加、ガソリン在庫が250万バレルの減少、留出油在庫は 30万バレルの減少だった。(日本先物情報ネットワーク) TOPICs 米国の石油週報 by クラックスプレッド 2月24日は0.24ドルであった ガソリンのクラックスプレッドは、 3月31日0.52ドルと二倍以上に なっている。 クラックスプレッド ドル 2月24日 2月25日 2月26日 2月29日 3月1日 3月2日 3月3日 3月4日 3月7日 3月8日 3月9日 3月10日 3月11日 3月14日 3月15日 3月16日 3月17日 3月18日 3月21日 3月22日 3月23日 3月24日 3月28日 3月29日 3月30日 3月31日 原油価格/ガ ロン(42ガロ 改質ガソリン価格 ン=バレル) 0.77 0.79 0.78 0.80 0.82 0.83 0.82 0.86 0.90 0.87 0.91 0.90 0.92 0.89 0.87 0.92 0.96 0.94 0.95 0.99 0.95 0.94 0.94 0.91 0.91 0.91 1.01 1.06 1.02 1.05 1.30 1.31 1.30 1.33 1.39 1.39 1.47 1.44 1.44 1.42 1.41 1.42 1.44 1.43 1.46 1.50 1.45 1.47 1.47 1.45 1.44 1.43 EIA 改質ガソリ ン価格-原 油価格 0.24 0.27 0.24 0.25 0.48 0.49 0.48 0.48 0.49 0.52 0.56 0.54 0.53 0.54 0.54 0.50 0.48 0.49 0.51 0.51 0.51 0.53 0.53 0.54 0.52 0.52 石油精製設備稼働率と 原油投入量 石油精製設備稼働率は、90.4% と前週からは2%上昇。前年比は +1.0%、過去5年平均比は+ 3.8%である。石油精製設備の原 油投入量は小幅ながら3週連続で 増加している。 石油精製設備稼働率 % 10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年 前週比 前年比 2月第1週 2月第2週 2月第3週 2月第4週 3月第1週 3月第2週 3月第3週 3月第4週 79.1 79.8 81.2 81.9 80.7 80.6 81.1 82.6 84.7 81.2 79.4 80.9 82.0 83.4 84.1 84.1 84.0 85.5 83.6 83.9 82.7 82.2 84.5 85.7 83.8 82.9 85.1 82.2 81.0 83.5 85.7 86.3 87.1 86.8 88.0 87.4 86.0 85.6 86.0 87.7 90.0 88.7 87.4 86.6 87.8 88.1 89.0 89.4 86.1 88.3 87.3 88.3 89.1 89.0 88.4 90.4 ▲0.5% +2.2% ▲1.0% +1.0% +0.8% ▲0.1% ▲0.6% +2.0% ▲3.9% ▲0.4% ▲0.1% +1.7% +1.3% +0.9% ▲0.6% +1.0% 過去5 年平均 85.9 85.0 84.7 84.2 83.9 84.6 85.9 86.6 過去5 年平均 比 +0.2% +3.3% +2.6% +4.1% +5.2% +4.4% +2.5% +3.8% 原油投入量 日量千バレル 11年 12年 13年 14年 15年 16年 2月第1週 2月第2週 2月第3週 2月第4週 3月第1週 3月第2週 3月第3週 3月第4週 14,344 13,863 13,535 13,798 13,943 14,182 14,349 14,332 14,719 14,889 14,607 14,589 14,463 14,363 14,451 14,750 14,310 14,176 14,511 14,031 13,994 14,514 14,878 15,008 15,215 15,178 15,299 15,212 14,987 14,951 15,092 15,315 15,564 15,442 15,243 15,113 15,300 15,436 15,530 15,728 15,510 15,848 15,685 15,852 15,911 15,996 15,820 16,234 過去5年平均 前週比 14,830 14,710 14,639 14,549 14,537 14,689 14,860 15,027 ▲105 +338 ▲163 +167 +59 +85 ▲176 +414 前年比 ▲54 +406 +442 +739 +611 +560 +290 +506 過去5 年平均 15,819 15,803 15,679 15,516 15,708 15,864 15,906 16,164 過去5 年平均 比 +680 +1,138 +1,046 +1,303 +1,374 +1,307 +960 +1,207 稼働リグ数 計測日 16年1月8日 稼働リ 前週から 前週から 稼働リ 前年から 前年比 の変化% の変化 の変化% 前年同時期 グ数 グ数 664本 ▲34本 ▲4.9% 15年1月9日 1,750本 ▲1,086本 ▲62.1% 16年1月15日 650本 ▲14本 ▲2.1% 15年1月15日 1,676本 ▲1,026本 ▲61.2% 16年1月22日 637本 ▲13本 ▲2.0% 15年1月23日 1,633本 ▲996本 ▲61.0% 16年1月29日 619本 ▲18本 ▲2.8% 15年1月24日 1,543本 ▲924本 ▲59.9% 米 国 16年2月5日 571本 ▲48本 ▲7.8% 16年2月5日 1,494本 ▲923本 ▲61.8% 16年2月12日 541本 ▲30本 ▲4.8% 16年2月12日 1,358本 ▲817本 ▲60.2% 16年2月19日 514本 ▲27本 ▲4.7% 16年2月19日 1,310本 ▲796本 ▲60.8% 16年2月26日 502本 ▲12本 ▲2.2% 16年2月26日 1,267本 ▲765本 ▲60.4% 16年3月4日 489本 ▲13本 ▲2.5% 16年3月4日 1,192本 ▲703本 ▲59.0% 16年3月11日 480本 ▲9本 ▲1.8% 16年3月11日 1,125本 ▲645本 ▲57.3% 16年3月18日 476本 ▲4本 ▲0.8% 16年3月18日 1,069本 ▲593本 ▲55.5% 16年3月25日 464本 ▲12本 ▲2.5% 16年3月25日 1,048本 ▲584本 ▲55.7% BAKER HUGHESによれば、3月25日の米国における稼働石油リグは464 本と前週からは▲12本減の5週連続で小幅減であった。一方カナダは急速に減 少しており、5週連続で合計▲173本、▲71%減少している。 計測日 16年1月8日 カ ナ ダ 稼働リ 前週から 前週から 稼働リ 前年から 前年比 の変化% の変化 の変化% 前年同時期 グ数 グ数 166本 +100.0% 14年12月31日 366本 ▲200本 ▲54.6% 16年2月5日 242本 +11本 +4.8% 15年2月6日 408本 ▲166本 ▲41.8% 16年2月12日 222本 ▲20本 ▲8.3% 15年2月13日 402本 ▲160本 16年2月19日 206本 ▲16本 ▲7.2% 16年2月12日 376本 ▲154本 16年2月26日 175本 ▲31本 ▲15.0% 15年2月15日 361本 ▲155本 16年3月4日 129本 ▲46本 ▲26.3% 15年2月26日 346本 ▲171本 16年3月11日 98本 ▲31本 ▲24.0% 15年2月17日 271本 ▲142本 16年3月18日 69本 ▲29本 ▲29.6% 15年2月18日 169本 ▲71本 16年3月25日 55本 ▲14本 ▲20.3% 15年2月19日 134本 ▲65本 15年9月1日 1,140本 世 界 +83本 15年1月15日 220本 +54本 +32.5% 15年1月15日 379本 ▲213本 ▲56.2% 16年1月22日 250本 +30本 +13.6% 15年1月23日 402本 ▲182本 ▲45.3% 16年1月29日 231本 ▲19本 ▲7.6% 15年1月24日 413本 ▲163本 ▲39.5% ▲39.8% ▲41.0% ▲42.9% ▲49.4% ▲52.4% ▲42.0% ▲48.5% +3本 +0.3% 14年8月1日 1,376本 ▲236本 ▲17.6% 15年10月1日 1,111本 ▲29本 ▲2.5% 14年9月1日 1,308本 15年11月1日 1,109本 ▲2本 ▲0.2% 14年10月1日 1,324本 15年12月1日 1,095本 ▲14本 ▲1.3% 14年12月1日 1,313本 16年1月1日 1,045本 ▲50本 ▲4.6% 15年12月1日 1,258本 ▲197本 ▲14.3% ▲215本 ▲16.4% ▲218本 ▲16.5% ▲213本 ▲16.2% 原油生産量 16年2月1日 1,018本 ▲27本 ▲2.6% 15年2月1日 1,275本 ▲257本 ▲20.4% 日量千バレル 1月第1週 1月第2週 1月第3週 1月第4週 2月第1週 2月第2週 2月第3週 2月第4週 3月第1週 3月第2週 3月第3週 3月第4週 3月第5週 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 前週比 5,575 5,205 5,321 5,568 5,597 5,610 5,604 5,591 5,593 5,591 5,570 5,568 5,638 5,844 5,726 5,722 5,720 5,763 5,819 5,817 5,814 5,806 5,830 5,826 5,821 6,049 7,002 7,041 6,989 6,993 6,997 7,064 7,118 7,096 7,093 7,159 7,150 7,151 7,151 8,145 8,159 8,052 8,044 8,044 8,132 8,148 8,059 8,077 8,182 8,215 8,190 8,192 9,132 9,192 9,186 9,213 9,177 9,226 9,280 9,285 9,324 9,366 9,419 9,422 9,386 9,219 9,227 9,235 9,221 9,214 9,186 9,135 9,102 9,077 9,078 9,068 9,038 9,022 ▲92 +8 +8 ▲14 ▲7 ▲28 ▲51 ▲33 ▲25 +1 ▲10 ▲30 ▲16 前年比 前年比% +87 +35 +49 +8 +37 ▲40 ▲145 ▲183 ▲247 ▲288 ▲351 ▲384 ▲364 +1.0% +0.4% +0.6% +0.1% +0.5% ▲0.5% ▲1.8% ▲2.3% ▲3.1% ▲3.5% ▲4.3% ▲4.7% ▲4.4% 過去5 年平均 7,868 7,139 7,031 7,058 7,110 7,168 7,195 7,172 7,178 7,226 7,240 7,231 7,269 過去5 過去5年平 年平均 均比% 比 +1,351 +17.2% +2,088 +29.3% +2,204 +31.4% +2,163 +30.6% +2,104 +29.6% +2,018 +28.2% +1,940 +27.0% +1,930 +26.9% +1,899 +26.5% +1,852 +25.6% +1,828 +25.2% +1,807 +25.0% +1,753 +24.1% 原油生産量は過去9週間小幅に減少している。1月初めから比べると、3月 25日時点で▲197千バレル、▲約2%減となっている。 原油・石油製品輸入量・石油製品輸出量 米国の原油輸入量 日量千バレル 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2月第1週 2月第2週 2月第3週 2月第4週 3月第1週 3月第2週 3月第3週 3月第4週 3月第5週 8909 8266 8106 8010 8300 8681 8987 9128 8950 8413 8756 9091 9187 8712 8716 8224 9269 9774 7,569 7,513 7,689 7,958 7,308 7,535 7,317 8,158 7,931 6887 7929 7421 7037 7112 7311 7309 7617 6831 7,569 7,513 7,689 7,958 7,308 7,535 7,317 8,158 7,931 8,256 7,124 7,919 7,802 8,292 8,048 7,693 8,384 7,748 過去5 年平均 7,869 7,995 7,999 8,030 7,748 7,956 7,831 8,466 8,283 前週比 日量千バレル ▲499 ▲56 +176 +269 ▲650 +227 ▲218 +841 ▲227 米国の石油輸入量・輸出量 石油製品輸入量 石油輸出量 輸出マイナス輸入 までの週 日量千バレル 2月5日 1,919 2月12日 2,312 2月19日 1,998 2月26日 1,917 3月4日 1,941 3月11日 1,954 3月18日 1,870 3月25日 1,722 前年同期比 日量千バレル 前年同期比 日量千バレル 前年同期比 +375 +375 +16 +436 +436 +436 +628 +628 3月25日までの週の原油輸入 量は前週から比べて▲227千バ レル減。前年同期比▲352千バ レル減。 石油製品輸入量は前 年同期比+628千バレル増。 3,965 3,965 3,965 4,385 4,385 4,385 4,385 4,385 +272 +272 ▲63 +345 +345 +345 +512 +512 +2,046 +1,653 +1,967 +2,468 +2,444 +2,431 +2,515 +2,663 +1,678 +1,648 +1,665 +1,922 +2,398 +1,715 +1,933 +1,927 前年同月比 % 日量千バレル % 過去5年比 日量千バレル % ▲6.2% +682 +9.9% ▲300 ▲3.8% ▲0.7% ▲416 ▲5.2% ▲482 ▲6.0% +2.3% +268 +3.6% ▲310 ▲3.9% +3.5% +921 +13.1% ▲72 ▲0.9% ▲8.2% +196 +2.8% ▲440 ▲5.7% +3.1% +224 +3.1% ▲421 ▲5.3% ▲2.9% +8 +0.1% ▲514 ▲6.6% +11.5% +541 +7.1% ▲308 ▲3.6% ▲2.8% +1,100 +16.1% ▲352 ▲4.3% 石油製品出荷量 石油製品出荷量 出荷量(日量千バレル) 前週比(千バレル) 前年同月比(%) 過去5年比(%) までの週 石油製品 1月1日 1月8日 1月15日 1月22日 1月29日 2月5日 2月19日 2月26日 3月4日 3月11日 3月18日 3月25日 18,296 18,540 19,976 21,101 19,156 19,022 20,668 19,199 19,864 19,260 19,403 19,454 ガソリン 留出油 9,395 8,159 8,500 9,079 8,941 8,341 9,122 9,576 9,121 9,411 9,458 9,503 石油製品 ガソリン 留出油 石油製品 ガソリン 留出油 石油製品 ガソリン 留出油 3,633 ▲2,182 3,034 2,832 3,678 4,005 3,524 3,162 3,704 3,364 3,706 3,870 3,373 +210 ▲362 +5.9% +244 ▲1,236 ▲599 ▲28.2% +1,436 +341 ▲202 ▲18.7% +1,125 +579 +846 ▲12.3% ▲1,945 ▲138 +327 ▲4.3% ▲134 ▲600 ▲481 ▲3.2% +1,646 +781 ▲362 +1.4% ▲1,469 +454 +542 ▲2.9% +665 ▲455 ▲340 +1.1% ▲604 +290 +342 +3.5% +143 +47 +164 ▲0.6% +51 +45 ▲497 +4.0% ▲2.3% ▲7.4% ▲4.2% ▲0.9% ▲1.2% +10.1% +8.7% +2.3% +9.0% +11.1% +2.6% +7.3% +6.3% +5.9% +0.1% ▲28.2% ▲0.3% ▲12.3% +3.8% ▲4.3% +10.2% ▲26.5% +3.8% ▲12.8% ▲0.1% ▲21.4% +7.9% ▲8.6% +1.2% +3.0% +6.2% ▲10.6% +1.9% ▲3.0% +4.5% ▲14.2% +4.4% ▲1.5% +1.1% +7.5% +4.7% ▲0.5% +9.4% +1.1% ▲0.8% ▲22.7% ▲4.1% ▲1.2% ▲5.1% ▲18.5% +12.1% ▲2.4% +4.8% +9.9% +8.2% +9.7% ▲10.2% ▲0.9% +2.7% ▲9.5% 3月25日までの週の石油製品出荷量は前週比+51千バレル増、前年比+4.0%増、過去5年平均比+4.5%増。ガ ソリンの出荷量は、前週比+45千バレル増の950万バレル、前年比7.3%増、過去5年平均比+9.7%増と好調を 保っている。留出油の出荷量は337万バレル。前週比▲497千バレル減、前年比▲10.6%、過去5年平均比+ 2.7%増である。 石油在庫量 米国の石油在庫 在庫量(千バレル) 前週比(千バレル) 前年同月比(%) 過去5年比(%) までの週 原油在庫 ガソリン在庫 留出油在庫 原油 ガソリン 留出油 原油 2016年1月1日 1,177,444 231,996 159,418 ▲5,085 +10,576 +6,308 ▲0.4% 2016年1月8日 1,177,677 240,434 165,554 +233 +8,438 +6,136 +0.0% 2016年1月15日 1,181,655 244,997 164,529 +3,978 +4,563 ▲1,025 +0.3% 2016年1月22日 1,190,038 2016年1月29日 1,197,829 2016年2月5日 1,197,074 2016年2月12日 1,199,221 2016年2月19日 1,202,722 2016年2月26日 1,213,096 2016年3月4日 1,216,973 2016年3月11日 1,218,292 2016年3月18日 1,227,649 2016年3月25日 1,229,946 248,461 254,399 255,657 258,693 256,457 254,989 250,463 249,716 245,074 242,560 160,472 159,695 160,976 162,375 160,715 163,597 162,478 161,343 162,260 161,185 +8,383 +7,791 ▲755 +2,147 +3,501 +3,464 +5,938 +1,258 +3,036 ▲2,236 +10,374 ▲1,468 +3,877 +1,319 +9,357 +2,297 ▲4,526 ▲747 ▲4,642 ▲2,514 +0.7% ▲777 +0.7% +1,281 ▲0.1% +1,399 +0.2% ▲1,660 +0.3% +2,882 +0.9% ▲1,119 +0.3% ▲1,135 +0.1% +917 +0.8% ▲1,075 +0.2% ▲4,057 ガソリン 留出油 +4.8% +3.6% +1.9% +1.4% +2.4% +0.5% +1.2% ▲0.9% ▲0.6% ▲1.8% ▲0.3% ▲1.9% ▲1.0% +4.0% +3.7% ▲0.6% ▲2.5% ▲0.5% +0.8% +0.9% ▲1.0% +1.8% ▲0.7% ▲0.7% +0.6% ▲0.7% 原油 ガソリン 留出油 +8.6% +8.6% +8.9% +9.6% +0.6% +3.3% +5.0% +6.0% +10.3% +7.6% +10.2% +8.1% +10.3% +9.9% +10.6% +11.5% +11.8% +11.8% +12.6% +12.8% +10.2% +10.3% +9.7% +10.8% +10.2% +9.9% +13.9% +16.6% +17.5% +17.1% +16.7% +19.3% +21.2% +21.0% +23.8% +23.6% +23.3% +24.5% +24.0% 3月25日までの週の石油在庫量は、原油が前週比+229万バレルと大幅な在庫増となり12億2,994万バレルと なった。一方で、ガソリン在庫は▲251万バレル減とこちらは6週連続の減少となっている。留出油は▲107万バレ ル減である。前年比は原油が+0.28%多く、ガソリンは▲1.0%少なく、留出油は▲0.7%少ない水準。過去5年平均 比では原油は+12.8%、ガソリンは+9.9%、留出油は+24.0%といずれも大幅に多い水準である。 TOPICs 米国の石油及び天然ガス上流(Upstream)のコストの傾向 by EIA 2016年3月 要約 石油開発コストを調査をEIAは、IHS社に委託した 石油と天然ガス開発の収益性は、生産者により実現された価格と、新たに開発された油田のコスト及び生産性の両 方に依存している。価格やコストや新たな油田の生産性はすべて過去十年間で大きく変貌してきた。石油と天然ガス の価格の発展は市場において十分観察できるようになっており、油田の生産性の傾向も多くの情報、たとえば、主要 なシェールガスやタイトオイル油田の生産性に焦点を当てたEIAの「Drilling Productivity Report」によりアプロー チできる。 油田開発コストに関しては、掘削と完工(Completion以下同じ)の効率が改善することにsensitiveでコストを引 き下げる傾向があり、長く使われた油田はコストが上がり、またより複雑な完工を見る油田もコストが上がる傾向が あることが分かっている。こうしたことは、掘削活動に影響し、掘削や完工のサービス市場に影響している。 しかし、こうした油田の開発コストは一般的に価格や生産性の動きより、透明性が低い。米国の石油や天然ガス生 産の将来の動きを知るために、コストの要因やその傾向を十分深く理解することは、非常に重要である。 そうしたコストの情報の入手可能性を高めるために、米エネルギー情報局EIAは、IHS Global Incを指名して上流 の掘削及び生産コストを研究させることとした。IHSのレポートは、資本、掘削や完工及び稼働油田とその施設にか かわる操業費用を調査している。 調査は陸上の5つのシェール油田とメキシコ湾の海底油田で2006年~2018年までを調査予測してい このレポートはthe Bakken、Eagle Ford、及びMarcellus油田とthe Permian地区のMidland及びDelaware の 5つの陸上地域及び、Gulf of Mexico (GOM)の海上油田を調査している。調査期間は2006年から2015年まで 及び将来予測は2018年までである。 陸上油田生産コストは、2012年以降15年までに▲25~30%削減されている。今後も▲7%改善する レポートの中で鍵となるものは、2015年の5つの陸上油田の平均油田掘削及び完工コストは、2012年に比べて ▲25~▲30%低くなっていることである。なお2012年はそれまでの10年間で最も1油田当たりのコストが最大 だった時期である。 2016年の世界の石油が供給過剰な状態が続くと仮定して、IHSのレポートは、掘削活動のようなコストは低減し続 けると予想している。例えば、IHSのレポートでは、2016年に掘削率は15%から▲5%低下して10%になると予想 しているが、2017年と2018年には+5%増加すると予想している。IHSのレポートはまた掘削率の改善、側面から の掘削、Proppant(砂)の利用し、multi-well pads等により石油換算パレル当たりのコストを、7%改善して22% にすると予想している。 EIAは、IHSのレポートを厳しい価格環境下で短期的なコストの潜在的な変化についてのガイドとして利用している。 IHSのレポートは陸上の石油及び天然ガス油田のコストについて以下のカテゴリーを使っている。 土地の取得・掘削の資本調達・完成・施設コスト・操業費用の借り入れ・加工と輸送コスト。陸上における油田当た りの投下資本コストは490万ドル~830万ドルとみられ、平均的完工コストを含むが、これはおおむね290万ドル ~560万ドルに減少している。しかし、個々の油田でかなり異なったコストとなっている。 用語の注釈 (図1:各地のシェール開発による原油と天然ガス生産量の伸び) ※ Proppantとは、砂や人工的なセラ ミック物質で油田のhydraulic fracturing(水圧破砕工法)に加圧され た水と共に地中に注入して大地を粉砕し ながら堀り進むための物質。 hydraulic fracturing 水圧破砕工法 陸上油田の5つのカテゴリーがコストの4分の3を占める 次ページ図2は、5つの主要コストカテゴリーに焦点を当てた円グラフであるが、これら5つが米国の典型的な油田 の全体のコストの4分の3を占めている。 ① リグと掘削の流動性コストは全体の15%を占めるこれにはすべての掘削活動に関する費用が含まれる。 掘削深度に応じて必要とされる時間や、より大きな市場の条件に影響を受ける。 ② ケーシング(囲い)とセメント(接合)費用は全体の11%を占める。囲いのデザインや材料によって変わる。 ③ Frac Pumpsや機械設備のコストが24%である。特別製の馬力のある機械設備を含む。 ④ Proppantコストが平均14%となる。油田のProppantとして使われる特殊な材料の種類やタイプによる。 ⑤ Completion fluidsやFlow backのコストは12%を占める。水の調達や排水水圧工法に使用される材料や 設備が油田の地形や場所によって異なる。 (図2:米国の陸上石油・天然ガスシェール油田にかかるコストの割合) 生産コストは下がり続けている 時とともにこうしたコストは変化する。例えば掘削と完工コストは図3に示されるように掘削と掘削サービス企業は その能力を2006年から2012年まで増強した。グラフに見られるように、掘削活動が急増している。それ以来活動 は減少し、また掘削の効率性や道具も改良され、油田コストはおおむね下落している。2015年は油田によってコス トが異なってるが、2014年のコストは7%~22%まで改善されている。 (図3:5つの陸上油田における平均的掘削・完成コストの動向) 陸上の石油及び天然ガス業界はまだ 発展段階にあり、最善の方法を開発し、 油田のデザインを改良している。この 改良の結果、掘削リグ数は減少し、完 工までの時間が短縮されている。それ が油田コストを引き下げ、パーフォー マンスを上げている。 また、掘削技術は改良され、より長 い横掘りと位置の調整、掘削率の向上、 囲いや止め具の最小化、多穴掘削 (Multi-pad) 地表処理の効率化等である。完工技術 も改善し、Proppantの量、フラクチャ リング段階の数、水圧流動システム、 フラクチャリングの高速化、高級 Proppantの減少、スペースや煙突の最 適化等がある。油田コストは高くなる 傾向があるが、こうした改良により生 産単位当たりのコストは下落している。 縦堀り(垂直)油田と横堀り(水平)油田のコスト (図4:垂直油井の深度と水平油田の長さごとのコスト) Bakken油田(左グラフの茶色 線)は常に平均的な掘削と完工コス トが最も低くなっている。掘削リグ ごとの生産性が向上し、完工のため の工員の能力が深度当たりの掘削コ ストを低下させ、また水平距離当た りの完工コストを2012年以来下 がっている。最近のコスト低下の一 部は供給過剰なリグやサービス提供 者の削減にあった。また掘削の標準 化や完工の技術は引き続きコストダ ウンにつながっている。 深海油田は長期投資だが、それでも生産コストは下がっている メキシコ湾には100より少ない数の深海海底油田がある。陸上シェールやタイト油田は同じ地区であれば同様な傾 向があるが、海底油田の場合は個々の油田で特異なデザインとコストの様式を持っている。深海油田開発は、一般的 に非常に高く、ハイリスクで、長期間のプロジェクトとなり、短期的な原油価格の変動にはシェールやタイト油田の ような陸上油田ほど影響を受けない。にもかかわらず、最近の商品価格の低下はメキシコ湾における海上油田の数を 減らしている。 主要な海上油田掘削コストは、海の深度や油床の圧力、温度、規模、陸上からの距離等に影響を受ける。掘削その もののコストは陸上油田より海上油田の方が全コストに占める割合は大きい。明確な、あるいは不明瞭な掘削コスト が全体の3割から4割を占める。 IHSレポートのメキシコ湾深海プロジェクトのモデルによれば、典型的な完全稼働状態の油田採算分岐点原油価格 は、60ドルより高いと言われている。原油価格の低下に伴い、大きな油田では、企業はコストを制限し、効率を上げ、 より改良した技術で経済性を上げる措置が取られている。契約の見直しが進んでおり、既存の生産インフラを使って 新たな深海油田の開発に取り組んでいる。こうした努力の結果、2015年の深海油田生産コストは▲15%減少すると 思われ、2016年から20年にかけて年率▲3%の下落が見込まれる。2015年の大きなコスト削減は、過剰建設のリ グ稼働率のコントロールが顕著であった。 <全文は136ページなので以下は略。 本文は http://www.eia.gov/analysis/studies/drilling/pdf/upstream.pdf TOPICs までの週 取組高 1月5日 2,335,212枚 1月12日 2,537,432枚 1月19日 2,400,004枚 1月26日 2,514,223枚 2月2日 2,668,381枚 2月9日 2,717,026枚 2月16日 2,715,315枚 2月23日 2,440,258枚 3月1日 2,471,769枚 3月8日 2,547,472枚 3月15日 2,527,001枚 3月22日 2,433,766枚 ▲93,235枚 増減 ご参照> ファンドの建玉 買い残 売り残 ネット買い残 増減 価格 479,540枚 261,293枚 218,247枚 ▲11,275枚 511,030枚 315,944枚 195,086枚 ▲23,161枚 $36.0 514,276枚 284,441枚 229,835枚 +34,749枚 $28.5 543,177枚 290,896枚 252,281枚 +22,446枚 $31.5 579,266枚 321,869枚 257,397枚 +5,116枚 $29.9 ▲3,403枚 538,125枚 317,187枚 220,938枚 ▲33,056枚 $27.9 546,403枚 299,277枚 247,126枚 +26,188枚 $31.9 535,078枚 274,391枚 260,687枚 +13,561枚 $34.4 535,951枚 232,193枚 303,758枚 +43,071枚 $36.5 540,236枚 209,449枚 330,787枚 +27,029枚 $36.3 534,981枚 170,384枚 364,597枚 +33,810枚 ▲5,255枚 ▲39,065枚 +$5.1 584,975枚 330,981枚 253,994枚 $30.4 $29.0 $41.5 3月22日までの週のNY原油に対す るファンドの建玉は、ネット買い残が 5週連続で増加し36万4千枚と昨年6 月30日以来の多い水準となっている。 売り残は17万枚に▲3万9千枚減少。 ネット買い残と価格は0.82の正の 相関、売り残と価格は▲0.87は負の 相関とどちらも高い相関関係となって いる。 今後の予想 原油価格は基本的には弱いと思っている。その理由は、 ① 4月17日に予定されるドーハにおける産油国会合には、リビアを除くOPEC加盟12カ国とロシアが出席する 予定となっているが、1月の生産水準で凍結する協議はイランやイラクが難色を示す可能性がある。 仮に決議されても、それが守られる保証はない。仮に凍結が守られても減産ではないため、供給過剰な 需給は改善されるわけではない。そうした雰囲気を市場は感じ取っている。 ② ドル安で商品高となっているが、ドル安はトレンドになっているとは言い難い。 ③ ファンドの建玉は買い残が昨年6月以来の多い水準まで増加しており、これが売り戻される可能性が 高い。また原油ETF残高もどこかの水準でプロフィットテイクされるものと思われ、その後の買いは 続かないと思われる。 ④ 41ドル辺りに上値抵抗線があると思われる。 ⑤ 米国のシェールオイル企業は、上記のように生産コストを削減しており、かなり価格抵抗力がついて いるため、価格下落による減産は緩やかなものとなると思われる。 掲載される情報は株式会社コモディティー インテリジェンス (以下「COMMi」という) が信頼できると判断した情報源をもとにCOMMiが作 成・表示したものですが、その内容及び情報の正確性、完全性、適時性について、COMMiは保証を行なっておらず、また、いかなる責任を持つも のでもありません。 本資料に記載された内容は、資料作成時点において作成されたものであり、予告なく変更する場合があります。 本文およびデータ等の著作権を含む知的所有権はCOMMiに帰属し、事前にCOMMiへの書面による承諾を得ることなく本資料およびその複製物 に修正・加工することは堅く禁じられています。また、本資料およびその複製物を送信、複製および配布・譲渡することは堅く禁じられています。 COMMiが提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものであり、投資その他の行動を勧誘するものではありません。 本資料に掲載される株式、債券、為替および商品等金融商品は、企業の活動内容、経済政策や世界情などの影響により、その価値を増大または減 少することもあり、価値を失う場合があります。 本資料は、投資された資金がその価値を維持または増大を補償するものではなく、本資料に基づいて投資を行った結果、お客様に何らかの障害が 発生した場合でも、COMMiは、理由のいかんを問わず、責任を負いません。 COMMiおよび関連会社とその取締役、役員、従業員は、本資料に掲載されている金融商品について保有している場合があります。 投資対象および銘柄の選択、売買価格などの投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。 発行元 : 株式会社コモディティー インテリジェンス4東京都中央区日本橋蛎殼町1丁目11-3-310 会社電話: 03-3667-6130 会社ファックス 03-3667-3692 メールアドレス: [email protected]
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