週刊原油150416米国の石油状況とEIAの2040年までの米国石油予測

週刊原油
世界の原油情報がここに凝縮されています。
毎週木曜日午後発行
原油価格4日上昇
発行日
:
2015/4/16
15日のNY原油5月限は+3.10ドル高の56.39ドル。米エネルギー情報局(EIA)統計での原油生産減少や、原油
在庫の増加幅が1月以来で最小だったことなどを背景に、期近は年初来高値を更新し、一時、昨年12月24日の高値以
来の水準へ大幅に上昇した。5月限は、夜間取引から上昇すると、米東部夏時間午前10時30分発表のEIA統計後に大
きく上放れた。前日に引き続き5月の米シェルーオイルの減産観測や、イランのザンギャネ石油相が前日にOPEC(石
油輸出国機構)に対し原油生産目標の少なくとも5%の削減をすべきとの見方を示したことが下支えとなるなか、EIA
統計では原油生産が減少し、原油在庫の増加幅が1月2日の週以来の最低となったことに反応。また、チャート上では
前日に100日移動平均線を突破して引けたことで、テクニカル面からの強気観も一因となり、期近ベースで1月2日に
付けた年初来高値(55.11ドル)を上抜くと、引け際には56.69ドルまで大幅に値を伸ばし、昨年12月24日の高値
(57.15ドル)に接近した。
ブレント原油期近6月限は急伸。期近5月限が納会を迎えるなか、EIA統計発表後の米市場につれ高となり、終盤に
一時、63.47ドルと3月2日の高値(63.83ドル)以来の水準へと大きく切り上がった。
国際エネルギー機関(IEA)は15日発表した月間需給報告で、3月のOPECの原油生産が日量3102万バレルと前月
比89万バレル上回り、2011年6月以来の高水準となった。サウジアラビア、イラクとリビアの増産が寄与した。4
月の原油生産はさらに増加する見通し。
3月のサウジアラビアの原油生産高は前月比39万バレル上回る1010万バレルと2013年9月以来の高水準となり、
輸出は60万バレル増の740万バレル。イラクは35万バレル上回る367万バレル、リビアは19万バレル上回る48万
バレル。一方、イランの原油輸出は127万バレルに増加し、1年ぶりの高水準となった。中国向けの増加が背景。
また、IEAは今年の世界石油需要見通しを日量9360万バレルと前月比9万バレル上方修正し、前年比110万バレル
上回るとした。世界景気回復と特に第1四半期の冬の気温低下が背景だが、強い需要が続くかどうかに言及するのは時
期尚早とのこと。
非OPEC加盟国の原油生産は日量5740万バレルと前年比60万バレル上回る見通し。米国とカナダの下期の生産見通
しを16万バレル引き下げた。今年1-6月の米石油生産見通しは日量1260万バレルで、第4四半期には1250万バレ
ルに減少すると予想。 複数のトレーダーや船舶エージェンシーがまとめた暫定輸出計画によると、イラク北部のキル
クークからの5月の原油輸出は日量44万6774バレルと4月計画の25万9333バレルを上回り、2012年11月以来の
高水準となる見通し。
今日の材料
・IEA、OPEC生産が4年ぶり大幅増-世界需要予想引き上げ
・API、原油在庫は前週比260万バレル増 ガソリン在庫は前週比410万バレル減 留出油在庫は前週比56万6000バ
レル減・EIA、原油生産は日量938万4000バレル、前週比0.2%減 原油在庫は週ベースで1982年8月以来の高水
準 原油輸入は日量718万8000バレル、前週比13.0%減 石油精製は日量1621万2000バレル、前週比1.8%増 製
油所稼働率は92.3%、前週比2.2%上昇 クッシング原油在庫は2004年の統計開始後の最高更新 ガソリン需要は日量
891万4000バレル、前週比3.5%増 留出油需要は日量380万7000バレル、前週比9.7%減
(日本先物情報ネットワーク)
TOPICs
米国の石油状況
by
EIA
米国の原油在庫
米国の石油在庫
在庫量(千バレル)
前週比(千バレル)
前年同月比(%)
過去5年比(%)
までの週
原油在庫
ガソリン在庫
留出油在庫
2015年2月6日
1,108,884 242,647 131,223
2015年2月13日 1,116,599 243,132 127,409
2015年2月20日 1,125,026 240,014 124,698
2015年2月27日 1,135,329 240,060 122,976
2015年3月6日 1,139,839 239,873 125,503
2015年3月13日 1,149,461 235,400 125,883
2015年3月20日 1,157,630 233,386 125,849
2015年3月27日 1,162,396 229,128 127,174
2015年4月3日 1,173,345 229,945 126,924
2015年4月10日 1,174,637 227,873 128,941
原油
ガソリン 留出油
原油
+4,867 +1,977 ▲3,252 +0.4%
+7,715 +485 ▲3,814 +0.7%
+8,427 ▲3,118 ▲2,711 +0.8%
+10,303
+46 ▲1,722 +0.9%
+4,510 ▲187 +2,527 +0.4%
+9,622 ▲4,473 +380 +0.8%
+8,169 ▲2,014 ▲34 +0.7%
+4,766 ▲4,258 +1,325 +0.4%
+10,949 +817 ▲250 +0.9%
+1,292 ▲2,072 +2,017 +0.1%
ガソリン 留出油
+0.8%
+0.2%
▲1.3%
+0.0%
▲0.1%
▲1.9%
▲0.9%
▲1.8%
+0.4%
▲0.9%
▲2.4%
▲2.9%
▲2.1%
▲1.4%
+2.1%
+0.3%
▲0.0%
+1.1%
▲0.2%
+1.6%
原油
ガソリン
留出油
+3.7%
+4.4%
+5.2%
+6.1%
+6.5%
+7.3%
+8.0%
+8.4%
+9.4%
+9.5%
+3.7%
+4.3%
+3.9%
+4.6%
+6.1%
+5.2%
+5.8%
+4.2%
+6.2%
+5.9%
▲5.3%
▲6.8%
▲8.2%
▲8.3%
▲5.5%
▲4.9%
▲4.2%
▲3.1%
▲2.5%
▲0.8%
EIAが15日発表した4月10日現在の週間石油統計に対する事前予想は、原油在庫が前週比+360万バレル増加、ガ
ソリン在庫が▲75万バレル減少、留出油在庫は+70万バレル増加だった。
実際には原油は+129万バレル増、ガソリンは▲207万バレル減、留出油は+201万バレル増であった。原油は予
想の3分の1の増加に過ぎず、ガソリンは2倍以上の減少だった。留出油は予想の2倍の増加だった。
原油生産量
米国産原油の生産量
日量千バレル
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
1月第1週
1月第2週
1月第3週
1月第4週
2月第1週
2月第2週
2月第3週
2月第4週
3月第1週
3月第2週
3月第3週
3月第4週
4月第1週
4月第2週
4月第3週
5,507
5,496
5,404
5,421
5,403
5,475
5,482
5,505
5,510
5,527
5,540
5,536
5,489
5,473
5,475
5,598
5,575
5,205
5,321
5,568
5,597
5,610
5,604
5,591
5,593
5,591
5,570
5,568
5,638
5,635
5,844
5,726
5,722
5,720
5,763
5,819
5,817
5,814
5,806
5,830
5,826
5,821
6,049
6,040
6,043
7,002
7,041
6,989
6,993
6,997
7,064
7,118
7,096
7,093
7,159
7,150
7,151
7,151
7,181
7,208
8,145
8,159
8,052
8,044
8,044
8,132
8,148
8,059
8,077
8,182
8,215
8,190
8,192
8,229
8,301
9,132
9,192
9,186
9,213
9,177
9,226
9,280
9,285
9,324
9,366
9,419
9,422
9,386
9,404
9,384
前週比
+588
+60
▲6
+27
▲36
+49
+54
+5
+39
+42
+53
+3
▲36
+18
▲20
前年比 前年比%
+987
+1,033
+1,134
+1,169
+1,133
+1,094
+1,132
+1,226
+1,247
+1,184
+1,204
+1,232
+1,194
+1,175
+1,083
+12.1%
+12.7%
+14.1%
+14.5%
+14.1%
+13.5%
+13.9%
+15.2%
+15.4%
+14.5%
+14.7%
+15.0%
+14.6%
+14.3%
+13.0%
過去5
年平均
7,140
7,065
7,054
7,108
7,116
7,170
7,193
7,169
7,179
7,226
7,236
7,230
7,283
7,298
7,312
過去5
年平均
比
+1,992
+2,127
+2,132
+2,105
+2,061
+2,056
+2,087
+2,116
+2,145
+2,140
+2,183
+2,192
+2,103
+2,106
+2,072
米国の原油生産量は日量988万バレルで前週比日量▲2,000万バレル減と、今年に入って4週目の前週比減となっ
石油切削リグカウント
地域
米国
カナダ
世界
計測日
15年3月20日
15年3月27日
15年4月10日
15年3月20日
15年3月27日
15年4月10日
稼働リグ数
前回から 前回から
の変化 の変化%
前年同時期 前年比
前回から
の変化%
1,069本 ▲56本 ▲5.0% 14年3月6日 ▲734本 ▲40.7%
1,048本 ▲21本 ▲2.0% 14年3月27日 ▲761本 ▲42.1%
988本 ▲60本 ▲5.7% 14年4月10日 ▲843本 ▲46.0%
140本 ▲80本 ▲36.4% 14年3月7日
120本 ▲20本 ▲14.3% 14年3月27日
99本 ▲21本 ▲17.5% 14年4月10日
15年2月1日 1,275本 +17本 +1.4% 14年3月8日
15年3月15日 1,251本 ▲24本 ▲1.9% 14年3月14日
▲249本 ▲64.0%
▲178本 ▲59.7%
▲113本 ▲53.3%
▲66本 ▲4.9%
▲94本 ▲7.0%
4月10日までの石油稼働リグ数は、米国では3月27日に比べ▲60本減
少し、前年同期比では▲843本▲46%減少している。
カナダの稼働リグ数は同時期に▲21本減少し、前年比▲113本減で
▲53.3%と半減している。
石油精製設備稼働率
石油精製設備稼働率
%
09年
10年
11年
12年
13年
14年
15年
前週比
前年比
1月第1週
1月第2週
1月第3週
1月第4週
2月第1週
2月第2週
2月第3週
2月第4週
3月第1週
3月第2週
3月第3週
3月第4週
4月第1週
4月第2週
4月第3週
84.6
85.2
83.3
82.5
83.5
81.6
82.3
81.4
83.1
82.7
82.1
82.0
81.7
81.8
80.4
79.9
81.3
78.4
78.5
77.7
79.1
79.8
81.2
81.9
80.7
80.6
81.1
82.6
84.5
85.6
88.0
86.4
83.0
81.8
84.5
84.7
81.2
79.4
80.9
82.0
83.4
84.1
84.1
84.4
81.4
85.6
83.7
82.2
81.8
82.8
84.0
85.5
83.6
83.9
82.7
82.2
84.5
85.7
83.8
84.6
89.1
87.9
83.6
85.0
84.2
83.8
82.9
85.1
82.2
81.0
83.5
85.7
86.3
86.8
86.3
92.3
90.0
86.5
88.2
86.1
87.1
86.8
88.0
87.4
86.0
85.6
86.0
87.7
87.5
88.8
93.9
91.0
85.5
88.0
89.9
90.0
88.7
87.4
86.6
87.8
88.1
89.0
89.4
90.1
92.3
▲0.5
▲2.9
▲5.5
+2.5
+1.9
+0.1
▲1.3
▲1.3
▲0.8
+1.2
+0.3
+0.9
+0.4
+0.7
+2.2
+1.6
+1.0
▲1.0
▲0.2
+3.8
+2.9
+1.9
▲0.6
▲0.8
+1.8
+2.5
+3.0
+1.7
+2.6
+3.5
過去5
年平均
+6.9
+4.0
▲1.5
+1.0
+2.9
+3.0
+1.7
+0.4
▲0.4
+0.8
+1.1
+2.0
+2.4
+3.1
+5.3
過去5
年平均
比
+0.1
+0.0
▲0.0
+0.0
+0.0
+0.0
+0.0
+0.0
▲0.0
+0.0
+0.0
+0.0
+0.0
+0.0
+0.1
米国の石油精製設備稼働率は92.3%と前週比+2.2%上昇し、過去5年平均では+5.3%も高い水準となっている。
原油輸入量
米国の原油輸入量
日量千バレル 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
1月第1週
1月第2週
1月第3週
1月第4週
2月第1週
2月第2週
2月第3週
2月第4週
3月第1週
3月第2週
3月第3週
3月第4週
4月第1週
4月第2週
4月第3週
8,895
8,999
9,385
9,014
8,909
8,266
8,106
8,010
8,300
8,681
8,987
9,128
8,950
8,571
8,053
9,907
8,265
8,853
8,880
8,413
8,756
9,091
9,187
8,712
8,716
8,224
9,269
9,774
8,522
8,718
8,342
8,030
7,730
8,068
7,569
7,513
7,689
7,958
7,308
7,535
7,317
8,158
7,931
7,720
7,431
7,961
6,889
7,544
8,048
6,887
7,929
7,421
7,037
7,112
7,311
7,309
7,617
6,831
7,312
8,271
6,856
7,492
7,218
7,422
7,387
7,286
7,105
7,279
7,368
6,793
7,496
7,392
7,348
8,217
7,148
過去5
年平均
8,392
7,935
8,146
8,286
7,833
7,950
7,882
7,894
7,760
7,807
7,867
8,313
8,167
8,068
7,924
前週比
日量千バレル
▲542
+636
▲274
+204
▲35
▲101
▲181
+174
+89
▲575
+703
▲104
▲44
+869
%
▲7.3%
+9.3%
▲3.7%
+2.8%
▲0.5%
▲1.4%
▲2.5%
+2.4%
+1.2%
▲7.8%
+10.3%
▲1.4%
▲0.6%
+11.8%
前年同月比
日量千バレル
%
▲1,105 ▲13.9%
+603
▲326
▲626
+500
▲643
▲316
+242
+256
▲518
+187
▲225
+517
+905
+8.8%
▲4.3%
▲7.8%
+7.3%
▲8.1%
▲4.3%
+3.4%
+3.6%
▲7.1%
+2.6%
▲3.0%
+7.6%
+12.4%
▲1,069 ▲13.0% ▲1,123 ▲13.6%
過去5年比
日量千バレル
▲1,536
▲443
▲928
▲864
▲446
▲664
▲777
▲615
▲392
▲1,014
▲371
▲921
▲819
+149
▲776
%
▲18.3%
▲5.6%
▲11.4%
▲10.4%
▲5.7%
▲8.4%
▲9.9%
▲7.8%
▲5.1%
▲13.0%
▲4.7%
▲11.1%
▲10.0%
+1.8%
▲9.8%
米国の原油輸入量は792万バレルと前週比で日量▲106万バレル減少し、前年比でも日量▲112万バレル、過去5年
比では日量▲77万バレル減であった。
石油製品輸出量
米国の石油製品輸出量
日量千バレル 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
1月第1週
1月第2週
1月第3週
1月第4週
2月第1週
2月第2週
2月第3週
2月第4週
3月第1週
3月第2週
3月第3週
3月第4週
4月第1週
4月第2週
4月第3週
2,219
2,219
2,208
2,208
2,208
2,208
2,135
2,135
2,135
2,135
2,293
2,293
2,293
2,293
2,293
2,844
2,844
2,884
2,884
2,884
2,884
3,059
3,119
3,119
3,119
3,119
2,696
2,696
2,696
2,696
2,901
2,901
2,901
3,047
3,047
3,047
3,047
3,047
3,239
3,239
3,239
2,849
2,849
2,849
2,849
3,583
3,583
3,583
3,583
3,661
3,661
3,661
3,661
3,749
3,749
3,749
3,749
3,749
3,542
3,542
3,371
3,371
3,371
3,590
3,590
3,590
3,590
3,949
3,949
3,949
3,949
3,757
3,757
3,757
3,757
前週比
前年同月比
過去5年比
過去5
年平均 日量千バレル
日量千バレル
日量千バレル
%
%
%
2,984
▲52 ▲1.5%
▲212
▲5.9%
+387
+13.0%
2,984
▲212
▲5.9%
+387
+13.0%
2,989
▲212
▲5.9%
+382
+12.8%
3,062 +219 +6.5%
+7
+0.2%
+528
+17.2%
3,078
▲71
▲1.9%
+512
+16.6%
3,078
▲71
▲1.9%
+512
+16.6%
3,098
▲71
▲1.9%
+492
+15.9%
3,182 +359 +10.0%
+288
+7.9%
+767
+24.1%
3,238
+0 +0.0%
+200
+5.3%
+711
+22.0%
3,238
+0 +0.0%
+200
+5.3%
+711
+22.0%
3,270
+0 +0.0%
+200
+5.3%
+679
+20.8%
3,069 ▲192 ▲4.9%
+8
+0.2%
+688
+22.4%
3,069
+0 +0.0%
+8
+0.2%
+688
+22.4%
3,027
+0 +0.0%
+215
+6.1%
+730
+24.1%
3,027
+0 +0.0%
+215
+6.1%
+730
+24.1%
米国から輸出される石油製品量は、前年比日量+21万バレル増、+6.1%増で、過去5年平均比では日量+73万バ
レル、+24.1%増となっている。
石油製品出荷量
日量千バ
レル
日量千バ
レル
米国石油製品出荷量
22000
日量千バ
レル
米国ガソリン出荷量
12000
20000
過去5年
平均
2012年
19000
2013年
21000
過去5
年平均
2012
年
2013
年
2014
年
2015
年
10000
8000
6000
18000
2014年
17000
2015年
4000
4500
過去5年
平均
2012年
4000
2013年
3500
2014年
2500
15000
0
2000
1月第1週
2月第1週
3月第1週
4月第1週
4月第5週
5月第4週
6月第4週
7月第4週
8月第3週
9月第3週
10月第2週
11月第2週
12月第2週
1月第1週
2月第1週
3月第1週
4月第1週
4月第5週
5月第4週
6月第4週
7月第4週
8月第3週
9月第3週
10月第2週
11月第2週
12月第2週
2000
出所:EIA
2015年
3000
16000
1月第1週
2月第1週
3月第1週
4月第1週
4月第5週
5月第4週
6月第4週
7月第4週
8月第3週
9月第3週
10月第2週
11月第2週
12月第2週
米国留出油出荷量
5000
出所:EIA
出所:EIA
石油製品出荷量
までの週
1月2日
1月9日
1月16日
1月23日
1月30日
2月6日
2月13日
2月20日
2月27日
3月6日
3月13日
3月20日
3月27日
4月3日
4月10日
出荷量(日量千バレル)
ガソリン 留出油
8,809 2,865
8,875 3,943
8,851 4,524
9,022 4,567
8,442 3,684
8,282 4,300
8,809 4,250
8,915 4,282
8,630 4,053
8,515 3,758
9,260 3,774
8,619 3,966
9,435 3,820
8,610 4,215
8,914 3,807
石油製品
19,344
19,224
20,204
20,508
18,635
19,655
20,387
19,776
19,654
18,609
19,518
18,700
19,475
19,123
18,995
前週比(千バレル)
石油製品 ガソリン 留出油
▲595 ▲805 ▲1,370
▲120
+980
+304
▲1,873
+1,020
+732
▲611
▲122
▲1,045
+909
▲818
+775
▲352
▲128
+66
▲24
+171
▲580
▲160
+527
+106
▲285
▲115
+745
▲641
+816
▲825
+304
+1,078
+581
+43
▲883
+616
▲50
+32
▲229
▲295
+16
+192
▲146
+395
▲408
前年同月比(%) 過去5年比(%)
石油製品 ガソリン
留出油
+6.2% +6.5% ▲5.2% +5.5% +4.7%
▲14.1%
石油製品 ガソリン
留出油
+1.9% +10.6% +5.9% +4.1% +5.9% +9.6%
+6.6% +9.8% +19.7% +6.6% +5.5% +22.5%
+2.3% +5.1% +1.0% +8.9% +6.6% +17.6%
▲2.5% ▲0.1% ▲6.5% +0.9% +0.3% ▲0.7%
+6.0% ▲0.5% +17.0% +3.6% ▲1.8% +14.3%
+9.0% +9.7% +17.3% +7.8% +3.8% +14.7%
+8.2% +4.5% +18.4% +4.8% +2.1% +18.2%
+7.5% +2.6% +14.3% +5.1% +0.2% +9.7%
▲2.2% ▲4.8% +1.6% ▲2.6% ▲3.6% +0.3%
+3.9% +8.8% ▲9.3% +5.9% +7.9% +1.3%
+2.4% ▲4.3% +14.1% ▲0.5% ▲2.7% +5.1%
+7.0% +8.3% +0.7% +4.7% +7.4% +2.9%
+4.6% ▲4.3% +7.3% +2.3% ▲2.3% +10.8%
+3.2% +3.5% ▲8.6% +1.0% +0.7% ▲0.8%
4月10日までの週の
米国の石油製品出荷量
は石油製品は二週連続
で減少しているが、ガ
ソリンは日量+30万
バレル増加、留出油は
日量▲40万バレル減
少した。
前月比・過去5年比
は石油製品とガソリン
が上回っており、留出
油が下回っている。
TOPICs
Annual Energy Outlook 2015 with projections to 2040
by
EIA
Excecutive
このレポートは2040年までの米国のエネルギー市場を予想している。米国のエネルギー市場の傾向と、エネルギー
政策・規則と規制の潜在的な変化及び技術的な進化の予想を基礎として検討している。このレポートでは以下の6つの
ケースで検討している。① リファレンスケース ② 低経済成長 ③ 高経済成長 ④ 低原油価格 ⑤ 高原油価
格 ⑥ 高原油ガス資源
米国のエネルギー輸出入は2019年~23年にバランスする
★ 原油価格と天然ガス価格の先行きを予想するには、世界と米国内の資源の量、石油製品と天然ガスの非OECD
諸国における需要動向、生産水準、他の燃料の供給状況等がカギとなる。
★ 原油と天然ガスに主導される米国におけるエネルギー生産の伸びと、比較的穏やかな米国のエネルギー需要の増加
量からすると、米国のエネルギー輸入依存度は低下傾向になるだろう。リファレンスケースでは2028年には米国のエ
ネルギー輸出入はバランスし、高価格ケースと高原油・天然ガス資源ケースでは2019年にはバランスすると予測する。
天然ガスはエネルギー輸出の主力となり、石油の輸入は引き続き行われるだろう。
米国は2020年以降はネット輸出国になる
★ 2020年までの間に、米国内のタイト油田からの原油生産量が増加し、国内原油需要の伸びも穏やかであるため、
原油輸入量はゆっくりと減少していく。また米国のネット石油製品輸出量は増加傾向となる。高原油・天然ガス資源
ケースでは、2020年までに加工されたコンデンセート原油が輸出されるだろう。2020年以降は国内生産は減少する
が、国内の自動車燃料基準が改善されて国内需要が落ち込むため相殺される。リファレンスケースでは原油と石油製品
のネット輸入シェアは、2013年の33%から2040年には17%まで落ち込むだろう。高価格ケース及び高原油・天然
ガス資源ケースにおいては、米国の石油生産量が増加するため、2020年以降は米国は石油のネット輸出国になる。
★ 天然ガスに関しては、2017年までに米国はネット輸出国になる。天然ガス輸出はその後も増加し、2040年には
低原油価格ケースなら3兆立方フィート、高原油・天然ガス資源ケースでは13.1兆立方フィートとなる。
米国は石油ガス配送に関するインフラ投資が必要になる
★ 米国における原油と乾質天然ガス生産の伸びにより、米国内の配送システムやインフラ投資が必要となり、パイプ
ラインの再敷設が必要となる。
米国のエネルギー需要の伸びは年率+0.3%
★ リファレンスケースでは米国のエネルギー需要は年率+0.3%と緩やかな伸びが2013年から2040年まで続く。
輸送分野のエネルギー消費量が減少し、他の分野の増加を相殺する。エネルギー消費の減少と共に、エネルギー消費の
効率化も進み、よりエネルギー消費が効率的な装置の採用とそれを奨励する政策が適用される。
産業分野でエネルギー革命が起きる
★ 乾質天然ガスと天然ガスプラント石油(NGPL)の生産増はいくつかの産業分野に貢献する。例えば化学工業や一
次金属生産である。NGPL原料は石油化学工業のナフサの製造原料を代替する。
再生エネルギーが有利に
★ 長期的には天然ガス価格は上昇することや、新規の石炭や原子力設備投資が高くなること、国家の政策、再生可能
エネルギーの生産コストの削減、比較的ゆっくりとした電力需要の増加ペースなどが、再生エネルギーの利用に有利に
働く。
電力価格は2040年までに18%上昇に留まる
★ 発電・送電・配電コストの上昇と、比較的ゆっくりとした電力需要の増加ペースにより、リファレンスケースにお
ける2013年から2040年までの電力小売り価格は平均18%の伸びにとどまる。ただし、Clean Power Planを想定
していない。
二酸化炭素排出量は2040年までに2005年以下の水準に
★ エネルギー末端消費分野での省エネとより二酸化炭素排出量の少ない燃料への移行により、米国の二酸化炭素排出
量は2040年までに2005年水準以下となる。
ブレント原油価格は2015年$56、2020年まで$80、2040年まで$141(リファレンスケース)
将来の原油価格は、資源の量や需要の増加、ことに非OECD諸国の需要の増加がカギとなる。原油価格を予測する
に当たっては、世界的な原油や石油製品の需要、原油生産の動向、その他の石油製品の供給など不透明な要素がある。
軽質原油価格の世界的な指標であるブレント原油価格は2014年は、10%下落して97ドルとなった。
リファレンスケースでは、米国の原油生産量は引き続き増加し、2015年に56ドルに下落するとしている。2015
年以降のブレント原油価格は非OECD諸国の需要増により徐々に上昇するが、米国の原油生産増に圧力をかけられ
2020年までは80ドル以下に保たれる。米国の原油生産は2020年以降減少し始めるが、非OECD諸国やOPEC諸国
の原油生産が増加し、2028年までは100ドル以下を保つだろう。2040年には最大141ドルになると思われる。
非OECD諸国の需要の伸びが低下し、OPEC諸国の上流投資が活発になった場合の低価格ケースでは2015年52
ドル、2040年までに76ドルである。
OPEC諸国の生産が低水準に留まり、非OECD諸国の需要が伸びた場合の高価格ケースでは2015年は122ドル、
2040年までに252ドルになるとしている。
高原油・天然ガス資源ケースではリファレンスケースの需要と供給にそれほど変わりはないが、米国の石油生産量
が急激に伸び、米国の原油輸入量が減少する結果2040年のブレント原油価格は129ドルにリファレンスケースより
約8%下がる。
TOPICs
IEAによるOil Market Report 2015年4月号
世界の原油需要
Highlight
OPECからの原油供
世界の原油供給
原油需要は前月より+9万バレル上昇修正して日量9,360万バレル
3月の原油価格は中近東OPEC諸国からの生産量が多かったことや米国における在庫積み増し、欧州やアジアの石
油精製設備のメインテナンス準備を受けて下落した。2015年の原油需要は+9万バレル上方修正して日量9,360万
バレルで、前年比+110万バレル増と見込んでいる。これは第1四半期の寒波や世界経済が徐々に回復していること
が前提となっている。
原油供給量はOPECの増産で前月より+100万バレルと大幅して日量9,520万バレル
3月の世界の供給量は前月比+100万バレル増となり、日量9,520万バレルと予想する。OPECの生産量が4年ぶ
りにもっと多い水準に達している。年率ではOPEC諸国と非OPEC諸国を合わせると+350万バレルもの大幅な増加
となる。OPEC諸国は3月に+89万バレル増の3,102万バレル生産している。2015年上半期にOPEC諸国に必要と
される生産量及び在庫の変化は日量3,035万バレルと目標生産量よりも多いが、年間を通じては2015年は前回の予
測通り2,950万バレルである。
OECD原油在庫は+3,640万バレルと大幅増加
OECD諸国の民間在庫は2月は▲170万バレル減少したが、3月は初期データによれば、+3,640万バレルと大幅
な増加が見込まれ、その内2,920万バレルが米国の石油在庫の増加となり季節の傾向に反している。
原油需要は第2四半期に落ち込むだろう
世界の石油精製設備の原油需要は、第2四半期には7,730万バレルに第1四半期の7,800万バレルから落ち込むと
思われる。
大西洋地区では第1四半期にメインテナンスはほとんど終わっているが、アジア地区の石油精製設備は第2四半期に
行われ日量250万バレルの設備稼働停止が5月に予定されている。
原油価格は不透明に
原油価格が下落を始めてから数ヶ月が経過し、需給で価格の説明をより明確にしてほしいという要望は有るとは思
うが、価格はより不透明になっている。価格を調整する背景がしばしば変わっているからだ。例えば、最近ではイラ
ンの核開発問題に対する5ヵ国プラス1の合意がなされた。現在市場を不透明にしている多くの問題の一つが、イラ
ンに対する経済封鎖がいつ解除されて、イランがいかに早く輸出を再開するかである。需要と供給の大きな変化があ
るとしても、低価格にある市場の反応はまた以前とは変わったものとなるだろう。非伝統的な米国からの供給が価格
を低下させていることだけが価格を不透明にさせている原因ではない。需要は市場に驚くほど反応することもある。
予想外の需要の強さが発現することもある。低価格に対する需要の喚起が予想以上に大きかった場合、あるいは、そ
の後に再び需要が減少する状況に戻るという兆候がある場合はどうであろうか?
予期せぬ需要増がある
原油と石油製品市場における予期せぬ需要増が需要が最も弱い地域での石油精製マージンを上昇させている。欧州
の製品需要は、長く下落を続けてきたが2015年初めに増加傾向を見せており、他の地域では予想以上に弱い需要の
中にあるのに、この地域での精製設備分野は活気を取り戻している。以前は弱かったインドの需要が低価格の原油に
よって石油需要が回復し、経済活動を改善し始めている。米国の輸送燃料需要は、過去数ヶ月増加している。すべて
が上向きと言うわけではなく、1月の米国の需要予測のようにいくつかの強気のデータが下方修正されたものもある。
世界の石油需要はとにかくまだ非常にむらがあり、今年のこれまでの非OECD諸国の需要を正確に図る物差しは少
ない。
全ての強気の需要が持続可能ではないだろう。少なくとも製品需要のいくらかは在庫積み増しのためであると思わ
れる。中国は特に、製品在庫は2015年初めにたいへん多く積み上がっている。また原油在庫も大きく積み上がろう
としている。欧州の製品需要は季節的傾向に反して増加して石油精製設備の出荷は増えている。
2015年初めOECD諸国の中間留分とLPGの需要が寒波に襲われたため増大したが、これは今までによくある一時
的なものであった。需要が旺盛なのは、価格が安いうちに在庫を積みましておこうという石油製品の購入が一部反映
していると思われる。ブラジルとかナイジェリア等の産油国では、需要は少なくなった原油収入等の要因に巻き込ま
れている。またアジア諸国では季節的な石油精製設備のメインテナンスが原油市場の支えの一つを取り除こうとして
いる。
イランの経済封鎖解除がいつ行われるか
供給サイドではテヘランにおける話し合いがどうなるかによって経済封鎖の解除がいつ行われるかがかなり大きな
不透明さを作っている。イランは石油生産拡張に時間がかかるがすでに開発が済んでいる油田の回復は早いだろう。
また海上にある石油在庫の輸出はより早くおこなれると思われる。この在庫は6ヶ月で日量18万バレルの輸出量にな
るといわれている。
需要の均衡はまだ早いかもしれない。
最近の状況はこのように、年半ばから石油市場はタイトになるという以前の予測を覆すほど不透明性を高めてい
る。第1四半期の予想以上に強い需要は、北米の非伝統的供給の予想以上の減少とともに、回復が早くなるという印
であったかもしれないが、需要の強さが短期的なものあり、その後に減少するものとすると、その回復のスピードは
遅いかもしれない。テヘランの核開発問題の進行状況はイラン原油の生産についてのこれまでの推論を疑問にするば
かりでなく、イランが戻ってくる前に市場を抑えておこうとする他の産油国の供給を勢い付け、供給を増加させるか
もしれない。こうしたことを考えると需給が再び均衡すのはまだ早いと言えるかもしれない。
TOPICs
までの週
ファンドの建て玉
取組高
1月6日 2,500,091枚
1月13日 2,687,656枚
1月20日 2,497,521枚
1月27日 2,610,239枚
2月3日 2,727,047枚
2月10日 2,746,179枚
2月17日 2,491,479枚
2月24日 2,532,558枚
3月3日 2,544,390枚
3月10日 2,557,030枚
3月17日 2,617,684枚
3月24日 2,603,804枚
3月31日 2,633,998枚
4月7日 2,634,784枚
+786枚
前週比
2ヶ月前比 ▲92,263枚
買い残
売り残
ネット買い残
453,041枚 138,137枚 314,904枚
増減
価格
+3,202枚
$47.9
492,779枚 166,645枚 326,134枚 +11,230枚
$45.9
486,621枚 161,979枚 324,642枚
▲1,492枚
$46.4
502,295枚 178,114枚 324,181枚
▲461枚
$46.2
489,420枚 161,369枚 328,051枚
+3,870枚
$53.1
485,802枚 149,813枚 335,989枚
+7,938枚
$50.0
▲7,333枚
502,034枚 197,607枚 304,427枚 ▲24,229枚
$53.5
509,147枚 213,901枚 295,246枚
▲9,181枚
$50.5
▲637枚
538,595枚 262,701枚 275,894枚 ▲18,715枚
524,779枚 281,026枚 243,753枚 ▲32,141枚
$48.3
527,255枚 266,212枚 261,043枚 +17,290枚
$47.6
532,422枚 237,895枚 294,527枚 +33,484枚
+5,167枚 ▲28,317枚
$54.0
+43,002枚 +76,526枚 ▲33,524枚
+$0.9
485,811枚 157,155枚 328,656枚
510,193枚 215,584枚 294,609枚
ファンドのNY原油に対するネット
買い残は4月7日時点んで29万4527
枚と、2週連続で増加している。売り
ザンは前週比▲2万8,317枚減である
が、まだ23万7,895枚残っている。
売り残と価格の関係は▲0.83の負の
相関関係となっており、売り残と価格
は相関性が認められる。
$49.3
$43.5
$47.5
+$6.4
今後の予想
NY原油価格は56.39ドルまで回復している。15日水曜日に公表された米国の週報で、原油在庫の積み増しが予想
よりも少なかったことや、原油生産量がマイナスになったことが影響した。大きく積み上がっているファンドの売り残
も減少傾向に転じている。ここ当分は反動高が、一時的な下げ戻しとともにあるだろう。ただ、それがどこまで長続き
するかはかなり不透明になっている。仮に60ドルを超えてくると、そろそろ頭打ちとなるかもしれない。
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