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【 デ ー タでみる ぶぎん健康ファイル⑧ 】
人が該当することになります。
糖尿病にご用心 ①
また、
「糖尿病が強く疑われる人」の治療
状況をみると、継続的に治療を受けている人
は男性63.9ポイント、女性63.3ポイントで、
年齢階級別(40歳代〜 70歳代以上の4区分)
■増え続ける糖尿病
にみると、年代が高くなるほど継続的に治療
2015年の12月に厚生労働省から発表され
を受けている人の割合は多くなることがわか
た「平成26年患者調査の概況」によると、
りました。一方、40代では男女ともに約半
主な生活習慣病の患者数は「高血圧性疾患」
数の方が治療を受けたことがない状況にある
が1,010万8,000人で最も多く、次に「糖尿
ことからも、自覚症状がほとんどない初期段
病」316万6,000人、「脂質異常症(高脂血
階の糖尿病は、なかなか治療に結びつかない
症)」206万2,000人、「心疾患」172万9,000
ことが裏付けされる結果となりました。
人、「がん」162万6,000人、「脳血管疾患」
■糖尿病はどんな病気?
食物に含まれる糖質は、体内で分解されて
117万9,000人と続いています。
厚労省では1996年から糖尿病の実態調査
ブドウ糖となり、血液を介して全身に運ばれ
(現在は「国民健康・栄養調査」で実施)を行っ
て脳や筋肉、各組織でエネルギーとして使用
ていますが、「糖尿病が強く疑われる人」と
されます。血液中にある余分なブドウ糖は肝
「糖尿病の可能性を否定できない人(糖尿病
臓でグリコーゲンとして貯蔵され、必要に応
予備群)」を合わせると、2,000万人以上の
じてエネルギーとして利用されます。
人が該当することになります。この数は日本
血液中のブドウ糖を「血糖」
、血液中のブ
人の約6人に1人、15歳以上の約5人に1
ドウ糖の量を「血糖値」と呼んでいますが、
」の割合
図 表 1 「糖尿病が強く疑われる人」と「糖尿病の可能性が否定できない人(糖尿病予備群)
(万人)
(%)
2,500
50
2,050
糖尿病の可能性を
否定できない人
1,370
880
680
0
690
1997 年 2002 年
糖尿病が強く
疑われる人
500
890
2007 年 2012 年
30
17.4
12.1
10.2
740
20.8
15.5
1,000
950
40
17.7
1,100
1,620
1,500
女性
1,320
2,000
男性
2,210
23.2
13.1
20.7
20
12.1
15.2
7.2
16.7
12.6
12.2
8.7
5.4
1.8
1.4
総数 30∼ 40∼ 50∼ 60∼ 70∼
39 歳 49 歳 59 歳 69 歳 歳以上
7.5
3.1
6.2
1.7
1.1
総数 30∼ 40∼ 50∼ 60∼ 70∼
39 歳 49 歳 59 歳 69 歳 歳以上
厚生労働省「国民健康・栄養調査(2012)
」をもとに作成
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ぶぎんレポート No.198 2016 年 4 月号
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0
血糖値は食事や間食な
ど、食物を摂取すると
上 昇 し ま す。 そ の 後
徐々に減少し、一日の
中で変動を繰り返して
います。この血糖値の
コントロールに不可欠
なのが、膵臓から分泌
される「インスリン」
図表2
1日の血糖値の変動イメージ
(mg/dl)
300
糖尿病の人
200
140
高血糖の人
100
健康な人
というホルモンです。
食後は誰もが血糖値
が上昇しますが、イン
スリンの働きで一定の
幅で変動するようにコ
ントロールされていま
朝食
昼食
間食
夕食
日本糖尿病学会の血糖コントロール指標では、合併症予防の観点から食前血糖値を 140mg/dl 未満、食後 2 時間
血糖値 180mg/dl 未満を目安にしてます。食事をすると徐々に血糖値が上昇し、食後 45 ∼ 60 分にピークとな
ります。健康な人はインスリンが正常に分泌されるため、140mg/dl を超えることはあまりありませんが、高血
糖の人や糖尿病の人は、一度上昇するとなかなか下がりません。
す。インスリンは血糖値を下げる唯一のホル
食生活や運動不足などの生活習慣が原因で血
モンのため、インスリンの働きが弱かったり分
糖値が高くなり、インスリンの分泌能力が低
泌量が少ないと、ブドウ糖がエネルギーとし
下して発症する「Ⅱ型糖尿病」の大きく2つ
て利用・貯蔵されずに血糖の量が増加してし
のタイプがあります。
まいます。こうして血糖の多い状態が続くと、
Ⅰ型糖尿病は、子どもの時に突然発症する
ますますインスリンの働きが低下してしまう悪
ことが多く、以前は「小児糖尿病」や「イン
循環に陥ってしまいます。そしてこの状態が
スリン依存型糖尿病」
とも言われていました。
長く続くと「糖尿病」に移行してしまうのです。
Ⅰ型糖尿病の治療は、臓器移植を受けるか、
糖尿病は高血圧症や脂質異常症などと同じ
1日数回のインスリンの自己注射やポンプ注
ように、初期症状がほとんどありません。定
射以外ありません。また、Ⅰ型糖尿病の2割
期健診で初めて血糖値が高いと指摘されても
を占める「劇症Ⅰ型糖尿病」は、国の難病に
自覚症状が乏しいため、高血糖の状態を放置
も指定されるほど深刻な病気です。
してしまい、糖尿病に移行することも少なく
Ⅰ型糖尿病の発症率が10万人に1〜2人で
ありません。高血糖と診断された初期段階で
あるのに対し、糖尿病全体の99%を占めるの
は、食事や運動などの生活習慣を見直すこと
が「Ⅱ型糖尿病」です。Ⅱ型糖尿病もインス
で改善が可能ですが、糖尿病と診断される
リンの分泌機能の低下や、インスリンが分泌
と、徹底した食事療法や運動療法、薬物療法
されないことで発症しますが、
「インスリン
などで常に血糖値をコントロールしなくては
非依存型糖尿病」とも言われるように、その
なりません。糖尿病は一生付き合う病気なの
主な原因は、遺伝的要因に食習慣や運動不足
です。
などの環境要因が組み合わさって発症します。
■2つの糖尿病
一般的に糖尿病と呼ばれ、高血糖の状態を
糖尿病にはインスリンを分泌する働きが生
指摘されたり、生活習慣改善の指導を受ける
まれつき弱かったり、インスリンが全く分泌
のはⅡ型糖尿病で、Ⅱ型糖尿病は、生活習慣
されないことで発症する「Ⅰ型糖尿病」と、
が原因で引き起こされる生活習慣病です。
ぶぎんレポート No.198 2016 年 4 月号
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