平成 27 年 2 月 7 日 「子どものネットメディア依存症」研修報告 沖縄県

平成 27 年 2 月 7 日
沖縄県医師会主催
「子どものネットメディア依存症」研修報告
「メディア漬けで壊れる子ども達」
講師:NPO法人子どもとメディア代表理事 清川輝基氏
「スマホに子守りをさせないで」海邦病院小児科部長 冨名腰義裕氏
「つながりを求めるこどもたち」~スクールカウンセリングの立場から~
講師:沖縄国際大学臨床心理士 稲田正久氏
感想:
1970年代から現在にかけて、メディアは、急速に発達してそれに伴って日
本の子ども達の生活が大きく様変わりしている。
私自身も歩くということを意識してバスに乗り始めているが、今まで見えなか
った光景があることに気づく。登校・下校中の学生は、鞄すらもたずにスマホだ
けをみつめ、バスに乗り降りしたり、歩いている。清川氏は、それが子ども達を
孤独に追いやり、自己存在感を否定するに至り、不登校、引きこもり、ニートと
なり、働かなくなっている日本の現状があるという。高校生は、年間約2000
0時間(約3か月)という膨大な時間をスマホと向き合い、真の人間関係を構築
することが出来なくて悩んでいるそうだ。
少子化傾向の中、1人1人の子どもが健全育成が望まれているが、メディア漬
けによる弊害が顕著に表れているそうだ。1960年代子ども達は、1日1万5
千歩、80年代1万2千歩、90年代は、8000歩、21世紀に入ると500
0歩になっているそうだ。そうなると自分の足で歩かないことで、足腰が弱くな
り、まっすぐに立てない、姿勢が悪い、持久力がない、疲れやすい、学校現場で
も転倒し、手が出ずに顔やお腹から転ぶ傷が絶えないそうだ。大事な乳幼児期、
児童期に背筋、腹筋も鍛えられていないので、40代、50代になって転倒し、
車いすを強いられる可能性も出てくるそうだ。
外遊びで培う立体視力も、7割の度もたちが、裸眼視力1.0未満となってい
るそうだ。立体視力が弱いと夜に活動ができなくなり、危険回避もしづらくなる
そうだ。
メディア漬けでさらにエアコンが聞いた部屋で過ごす時間が多くなるとこれ
まで年齢が上がるのに伴って自然に発達すると言われていた自律神経の機能も
育たなくなっている。メディア漬け生活は、早寝、早起き、朝ご飯をすることが
できなくなり、運動不足、睡眠不足を引き起こし、身体にも悪影響が出ているそ
うだ。
小児科医の冨名腰氏は、子育ては、
「手間ひまをかけ、少し、難儀をしながら、
でも自分の時間を持ちながら、子どもに目をみて、話しかけて、触ってあげる」
ことが大事だとおっしゃていた。「一緒にいる時間が愛情となり得る」とおっし
ゃていたので、是非メディアに頼らずに子育てを楽しんで欲しいと心から思っ
た。
スマホ育児をするとメディア依存症の恐れがでてくる、事故、育児放棄になり
得る、愛着形成不全、発達不全になり、子どもを人間にすることができないとい
うから怖い。「子どもは、じかに触れ合って、いちいち相手をして、1つ1つ教
えて教えられて」子どもと共に親も育っていく事が大事だということだ。