事業所通信No.104 - NPO法人 はちくりうす

No.104
事業所通信
事業所通信No.104
平成27年3月25日発行
特定非営利活動法人はちくりうす
東京都目黒区鷹番3-14-9
Tel:03-3793-3012
Fax:03-5856-6700
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編集担当:島田 宏
『ガイドヘルパーから始めよう』特活!風来社中 主催学習会
3月10日、なにかとお付合いのある大田区のNPO法人風雷社中のイベント「ガイドヘルパーから始めよう」
に参加させていただいた。この事業所はとにかく発信力を基調としていて、いろんな仕掛けを用意してくれる。
SNSや飲食店口コミを通してこれまでもガイヘル未経験者をヘルパーへと転じさせてきた。
今回も業界人は二の次というコンセプトでポスター展開の元参加者を募ってきた。その最たるところは「最
後の楽園レバーランド」という立ち飲み屋の店長、本多広大さんが司会進行を勤めたところだ。
風雷社中の代表中村和利さんと「ガイドヘルパーって何?」的なやり取りをしながら、中村さんがわかりや
すく?解説する。そこでは親や友達ではなく「仕事」という関係を通して当事者は対等になれると話してくれ
た。「~してもらう」「~してあげる」という一方的ではない対等な関係。だから対価をいただくヘルパーは
よりよいサービスを提供する意識が必要だ。
後半のゲストは川崎市で居宅介護事業所を営まれている竹嶋聡さんと不肖櫻原がお話をさせていただいた。
竹嶋さんは「ガイドヘルプにイレギュラーはつきもの。だからヘルパーは悩むことも多いけど自分ができる
ことをいっしょにやればいい。ガイドヘルプは移動させるだけではなく
楽しみをプロデュースする仕事。」さすが竹嶋さん、いいこと言うなあ。
さて、私の話はというと正直二人にあらかた話をされているので何を
語ればよいものかと考えていたが、当事者といっしょに結果を共有する、
そんな話をした。
利用者が外出先の浅草で財布を川に投げ捨ててしまった。さあ、あな
たならどうする?
実際にあったエピソードだがこの時のヘルパーS くんは電車賃を立て替
えたりせず、一緒に家まで歩いて帰ってきた。財布を捨てた結果、目の
前の問題を一方通行ではなく一緒に解決しようという発想。私のお気に
入りのひとつ。
最後の質疑応答でも発想のバラエティーさはいろんな世代の様々な体
験を持った人がいてこそ。だから寄り添う気持ちがあれば誰でもガイド
ヘルパーになれるし、いろんな人になってほしい。そんな話で締めさせ
ていただいた。
そうそう、会場では自らもガイドヘルパーを利用している私と同じ名
前のしむらまさとさんの絵本「からすのチーズ」の即売会も行われてい
ました。もちろん私も購入して直筆サインをいただいてきました。
インターネット販売もしているようなのでぜひ検索してみてください! (櫻原)
No.104
事業所通信
平成27年3月25日発行
愉快で明るい映画『39(サンキュー)窃盗団』
「刑法39条があるから大丈夫」緊張感0%の泥棒ムービー
3月15日に大田で押田興将監督を迎えた上映学習会があったので行ってきました。
この映画を知らない人の為に、ちょっとだけあらすじをお話しすると、特別支援
学級を出てオレオレ詐欺のリーダー・ケンジを兄貴と慕っているヒロシが、ケン
ジに「障害者手帳を持っている人間は特別だから、泥棒しても捕まらない」とそ
そのかされて、ダウン症の兄のキヨタカと、特別支援学級の同級生で、学校を出
てから父親に接客業と称して売春をさせられていた和代の三人で泥棒の旅に出る
というお話である。ここまで聞くと、なんとなく暗いか、現実味のない映画と思
うかもしれないが、実際はまったく逆で、現実の社会をリアルに投影しつつ、か
つ暗さを感じさせないのである。お気楽な三人の道中は愉快な失敗の連続で、犯
罪なのに思わず顔がほころんでしまう。途中痴呆症の元鍵師金山も加わり、なん
ともユーモラスな窃盗団になるのだ。
ヒロシとキヨタカを演じた押田大さんと押田清剛さんは押田監督の実の弟だそ
うで、自分の弟がダウン症であるということが、監督自身の人生に居座っていた
のだという。8人兄弟の長男で荒れまくっていた10代をすごし、家族や先生からも
嫌われていたという自分が、その存在だけで周りから愛されている清剛さんにふ
しぎな感情を持っていたという。そんな監督が10年以上暖めてきた企画が、押田
監督自身の思いと、スタッフの熱意(ほとんど手弁当)、弟の犠牲?によって実
を結んだ作品である。作る側のヒロシとキヨタカに対する愛情が、見ているこち
ら側にも伝わってきてほのぼのとした気分にさせてくれる。映画は随所に暗くなっ
てしまう現実を映し出すが、本人たちは決して暗くならない、明るく笑い飛ばし
てしまう。それが観ているこちらにも勇気を与えるのだ。体を売る売春婦、食べ
物を探して歩くホームレス、盗みをしなければ食べることができない者たち、調
べれば知的障害者の割合はきっと高いのだろう。私たちはそのことに、もっと気
づかなければならない。でも押田監督がこの映画で伝えたかったことは、知的障
害者も社会で暮らしているという普通のことを、もっとみんなに知ってほしいと
いうことだったのではないだろうか。
(島田)
4月ヘルパー月例会
■テーマ:未定(後日お知らせいたします)
■日 時:4月15日(水) 10:00~12:00
■場 所:五本木住区センター第2会議室
目黒区中央町2-17-2
※ あとで出欠確認をしますのでよろしくお願いします!
世の中好景気?
大手の自動車メーカーや、電機メーカーが相次いでベアを発表しました。アベノミクスで利益を上げた企業
が、やっと働いている人たちにもその利益を還元しようとしているのでしょうか。だとすれば喜ばしいことで
す。私にはその実感がありませんが・・・。4月からの介護報酬が改定されました。結果は大幅減額です。福
祉職員の処遇を改善するといいながら、この改定では、ますます働き手がいなくなってしまいそうです。島田