食文化特講

食文化特講
単位数:2
選択
担当教員名: 玉木雅子
開講時期:2 年次 前期
●テーマ
日本の食文化とその成り立ちについて学ぶ
達成目標
概要
①一般目標
②行動目標
日本の食文化の変遷と現状について広い視野で考察できる
①食文化の領域や概念を説明できる。
②食文化の形成要因について説明できる。
③日本の食文化の成り立ちと現状について説明できる。
食文化は比較的新しい概念であり、広く定着した定義はまだない。人類の食に関
する一切の事象を含む概念であり、ここには食材や保存・加工・料理の方法や食事
の作法に加え、宗教的な儀礼や行事食、禁忌食、調理器具や食器の特徴なども含
まれる。まず世界各地に特有の食文化を知ることで、気候風土や社会環境、歴史的
背景など、人間を取り巻く様々なことがらの総合的に理解する視野を広げる。
ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」の 4 つの特徴として(1)多様で
新鮮な食材とその持ち味の尊重、(2)栄養バランスに優れた健康的な食生活、
(3)自然の美しさや季節の移ろいの表現、(4)正月などの年中行事との密接な関
わりがあげられている。これらの食文化が形成された背景について、地理的、
歴史的な視点から学ぶ。献立に加え、主食・副食・調味料・嗜好食品の別、ハ
レの食事とケの食事の視点からも学習する。加えて、調理法や調理技術、共食
形態の変遷についても学び、指摘されている日本食文化の変容や食育活動につ
いても考察を進める。
キーワード
学修内容
授業内容
1 時限
食文化の領域
2 時限
世界の食文化形成
3 時限
4 時限
日本の食文化形成と展
開
異文化接触と受容
5 時限
6 時限
主食の文化
副食の文化
7 時限
調味料・油脂・香辛料
8 時限
9 時限
菓子・茶・酒
日本料理の形成と発展
10 時限
11 時限
台所・食器・食卓の文
化
日常の食生活
12 時限
非常の食生活
13 時限
食の教育
キーワード(重要語句)
食文化の定義、食文化の領域と対象、食に
関する思想
食文化の形成要因、食文化類型、粉食文化
と粒食文化、料理文化圏
食文化形成と自然環境、食文化形成と社会
環境、日本の食文化の特徴と現状
大陸文化、南蛮文化、欧米文化、多国籍の
食
木の実といも類、米、大麦と小麦、雑穀
魚介類、豆類、肉・乳・卵、野菜・海藻・
きのこ・果物
塩とさとう、発酵調味料、油脂、だし・香
辛料
和菓子、洋菓子、茶、酒
日本料理の系譜、本膳料理、懐石料理、会
席料理
台所と燃料、調理の書道具、食器、食卓
日常食の形態、日常食の食材と料理、日常
食の地期性、弁当と弁当箱
飢餓時の食、戦争と食、災害と食、非常食
の工夫
家庭・地域における食の教育、学校におけ
る食の教育、情報社会における食の教育、
14 時限
外食文化の成立と変化
15 時限
行事と地域の食文化
「食の教育」のゆくえ
外食文化の成立と形態、食べ物屋の形成と
発展、飲食店の多様化と拡大、外食産業の
発展
年中行事と行事食、通過儀礼と儀礼食、郷
土料理の形成と要因、各地の産物と郷土料
理
≪予習≫
シラバスに記載された項目について、教科書の該当部分を事前に読み、理解
学修
できない用語は調べておくこと。
(予習・復習)
≪復習≫
の内容
授業時に課題を提示するので、翌授業の開始時に提出して下さい。
使用教材
授業方法
①教科書
江原絢子, 石川尚子編著:
「日本の食文化 その伝承と食の教
育」, ケイ・アイ・コーポレーション, 2009
②参考図書
なし
③関連学会誌
等
④リーディン
グリスト
食文化研究(日本家政学会
食文化研究部会誌)
なし
講義・演習を行った後、学生間でディスカッションを行う。
授業の発表、討論への参加状況や、各回および最終の課題レポートの内容、科
成績評価
備考
目修了試験などを総合的に評価する。