取扱い説明書 - kemel

改訂:
取扱い説明書
3
製品名:
作成日:
2015/06/03
KEMEL ST-83A
ST-83A はポリエチレングリコールを基油とする生分解性潤
フラッシング
滑油であり EPA(アメリカ合衆国環境保護庁)によって規定
ST-83A とシステム油が混合すると、その一部がゲル状にな
される EAL (Environmentally Acceptable Lubricant) に適
り ST-83A の表面に浮遊する可能性があります。この生成
合しています。船尾管用として特別に開発され、海水 10%が
物は潤滑性能、シール適合性に影響を与える事はありませ
混入しても充分な潤滑性と防錆性を有します。
んが、システム油からの入替えの際には ST-83A もしくはター
ビン油にてシステム全体のフラッシングを行って下さい。
ST-83A 適用に際して以下の点について注意が必要です。
・ST-83A は水溶性のため、油水分離機で混入した水を分
4.メンテナンス
離できません。
1)船尾側および船首側シールタンク
・ST-83A を使用の際には専用に設計された特殊なフッ素ゴ
定期的な新油への交換(6ヶ月毎を推奨)を実施下さい。
ム製シールリングと組合せて使用します。従来のフッ素ゴム
油漏れおよび海水浸入を直接発見する事は困難なので、
製(VITON)シールリングや他社のシール装置と組合せて使
タンク油量のチェックが重要です。ST-83A は水溶性なので、
用できません。
浸入した海水のドレンはできません。
2)船尾管
1.特性
外観
油漏れおよび海水浸入を直接発見する事は困難なので、
淡褐色液体
動粘度 40℃
動粘度 100℃
タンク油量のチェック、または簡易水分分析計での確認が重
2
86 mm /s
要です。ST-83A は水溶性なので、浸入した海水のドレンは
2
15 mm /s
できません。従って、ST-83A の状態が不良になった場合、
3
比重 15℃
1.13 g/cm
流動点
-8℃
または使用期間が5年を経過した場合には新油に交換して
下さい。
引火点
225℃
海水量管理基準
正常レベル : 5%以下
注意レベル : 5%~10%
2.環境対応性
警戒レベル : 10%超
項目
試験方法
結果
生分解性
OECD 301C
VGP 適合
OECD 202 (ミジンコ類)
分析用サンプル採取は6ヶ月毎に航海中に行って下さい。
船尾管の給油系統を代表する箇所で、充分にドレンを切っ
OECD 201 (藻類)
毒性
5.サンプル分析
VGP 適合
た後、100cc を採取して下さい。
サンプル油は情報(油種(ST-83A)、船名、採取箇所、採
OECD 203 (魚類)
低蓄積性
OECD 107,117
VGP 適合
光沢幕、スラッジ
目視観察
VGP 適合
取日、油使用期間)と一緒に下記宛に送付して下さい。
〒676-0008
兵庫県高砂市荒井町新浜 2-13-23
3.適用
イーグル工業株式会社 KEMEL カンパニー 技術部宛
1)システム
Tel: 079-442-8301
配管系統
Fax: 079-442-3021
配管系統に御注意いただく点がありますので ST-83A 導入
の際には予め弊社に御相談下さい。ST-83A とシステム油
の混合を防止するため、船尾管油とシステム油の系統は分
離することを推奨します。また軸入れ工事の際にも ST-83A
を塗布し施工下さい。
タンク
タンク内面塗装としてエポキシ系塗料の使用を推奨しません。
内面塗装の際には無機系ジンクプライマの使用若しくは、タ
ンク内面の無塗装を検討下さい。
御要望に応じ本船所持用の簡易水分分析計を供給する
事もできますので御用命下さい。
6.廃棄
廃油は鉱油と同様に焼却処分して下さい。
7.保管
鉱油と同じく「消防法 第四類第四石油類 危険等級Ⅲ」
に該当するので、同様に保管して下さい。