第11回 - FC2

マクロ経済学 A
第 11 回
マクロ経済学 A
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第 11 回
2015/6/30
I, IS/LM モデル
1、IS 曲線
(a)IS-LM 分析(p.132)
IS-LM 分析:ケインズの『一般理論』の体系をヒックスがモデル化した分析(実際には、それを更に
修正したモジリアーニのモデルが現在の標準的な IS-LM 分析に近い)
*ただし 、『一般理論』の解釈として正しいかどうかは疑問であるし、批判も多いが、一般的に広く
使われている手法である
(b)IS 曲線
IS 曲線(投資・貯蓄曲線):財市場を均衡させるような利子率と国民所得の組み合わせを表す曲線
財市場の総需要:Y =C(Y-T)+I(r)+G+NX
D
ここで、政府支出と貿易・サービス収支を所与(一定)と仮定する
財市場の均衡は総需要 Y =総供給 Y で決定されるので、財市場の均衡式は
D
Y=C(Y-T)+I(r)+G+NX
これが IS 曲線を示す式となる
IS 曲線の傾き:(Y0, r0)で均衡しているとする
所得が Y0 から Y1 に増大した時、利子率が一定ならば、
Y>C(Y-T)+I(r)+G+NX
となり、不均衡となるので、利子率が r0 から r1 に低下する必要がある
このため、 IS 曲線は縦軸に利子率、横軸に国民所得を取ったグラフにおいて一般的には右下がりと
なる
金融政策の有効性:利子率を変化させることによって総需要を変化させることが可能である→金融政
策によって利子率を変化させられるならば、金融政策が有効な政策手段となる
r
r2
D
r0
r1
B
A
C
0 Y2 Y0 Y1
Y
IS 曲線の傾き:投資の利子率の変化に対する反応の大きさを示す:利子率の変化に対する投資の反
応が強い場合は、傾きは緩やか
消費性向が高い場合にも緩やかになる
2, LM 曲線
(a)LM 曲線の導出(p.135)
LM 曲線:貨幣市場の均衡を維持する利子率と国民所得の組み合わせを表す曲線
貨幣市場の均衡式: M/P=L(Y、 r)
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LM 曲線の傾き:(Y0,r0)で均衡しているとする
利子率が r1 まで上昇した時、所得が一定ならば、
M/P>L(Y、 r)
となり、不均衡となるので、所得が Y0 から Y1 に増大する必要がある
このため、 LM 曲線は縦軸に利子率、横軸に国民所得を取ったグラフにおいて一般的には右上がりと
なる
r
r1
F
r0
K
r2
A
G
0
H
Y2
Y0
Y1
Y
LM 曲線の傾き:貨幣需要の利子率に対する反応が大きい場合は、傾きは緩やかになる
貨幣需要の所得に対する反応が小さい時は傾きが緩やかになる
3、財市場と貨幣市場の同時均衡
(a)同時均衡(p.137)
IS 曲線は財市場の均衡を表し、LM 曲線は貨幣市場の均衡を表しているため、両者が交わるところで
は、二つの市場が同時に均衡していることになる
IS 曲線と LM 曲線の交点は、均衡国民所得と均衡利子率を示す
r
LM
r0
IS
0
Y0
YF
Y
(b)労働市場との関係
財市場と貨幣市場の同時均衡は労働市場の均衡を意味するとは限らない→不完全雇用均衡の可能性
(c)物価水準の影響
物価水準の下落は実質貨幣供給 M/P の増加を意味するため、 LM 曲線は右へシフトする
物価水準 P が下落すると、
M/P>L(Y、 r)
ここで利子率が一定の場合、貨幣需要が増大するためには所得 Y が増大しなければならない
r
LM LM'
r
LM LM'
A
r
B
r
E
C
IS
0
Y
Y
0
Y0 YF
-2-
Y