マクロ経済学 A 第7回 マクロ経済学 A http://anaito.web.fc2.com/ 第 7 回 2014/6/3 I,消費と投資 1、財市場における調整 (p.76) (1)基本的な仮定 短期、すなわち、価格が硬直的な場合を考える 短期では需要と供給の不一致は数量調整によって是正される 2、消費関数と投資関数 (p.78) (1)消費性向 消費の重要性:消費は GDP における最大の需要項目 消費は可処分所得に依存する 可処分所得=所得-税金(社会保険料なども含む) C:消費 Y:所得 T:税金 可処分所得=Y-T ここで消費が可処分所得によって決まると仮定する 消費関数:C=C(Y-T) (i)平均消費性向(Average Propensity to Consume, APC):可処分所得に対する消費の割合 APC=C/(Y-T) (ii)限界消費性向(Marginal Propensity to Consume, MPC):可処分所得が限界的に(わずかに)増えた 場合に、それによって消費がどの程度増加するかを示す割合 限界消費性向 =追加的な消費/追加的な可処分所得 記号で示すと MPC=Δ C/Δ(Y-T) ここで、Δは追加分、あるいは増分を示す MPC は通常は、0と1の間←所得の増加分を全て消費に回すことは普通はない Y=C(Y-T)+S+T より、貯蓄は S=(Y-T)-C(Y-T) となるので、消費と同様に可処分所得(Y-T)の関数となる 貯蓄関数:S=S(Y-T) (i)平均貯蓄性向(Average Propensity to Save, APS):可処分所得に対する貯蓄の割合 APS=S/(Y-T) また、APC+APS=C/( Y-T)+S/(Y-T)=(C+S)/(Y-T)=1 (ii)限界貯蓄性向(Marginal Propensity to Save, MPS):可処分所得が限界的に(わずかに)増えた場 合に、それによって貯蓄がどの程度増加するかを示す割合 MPS=Δ S/Δ(Y-T) また、MPC+MPS=ΔC/Δ (Y-T)+Δ S/Δ (Y-T)=(Δ C+Δ S)/Δ(Y-T)=1 MPC が 0 と 1 の間の値をとるので、MPS も 0 と 1 の間の値をとる C C c2 C:消費 MPC APC 0 Y -1- マクロ経済学 A 第7回 (2)消費関数(p. 79) 線形の消費関数 C=c0+c1(Y-T)を仮定すると C=c1Y+c0-c1T=c1Y+c2 ここで、c2=c0-c1T c0:基礎消費(所得がない場合でも消費される部分、生活必需品などを想定している) T が所得水準とは無関係に決定されるならば、c2 は一定 縦軸を C、横軸を Y とすれば、消費関数は傾き c1,切片 c2 の直線となる ここで c1 は傾きであるが、限界消費性向でもある 貯蓄関数はこの場合、 S+T=Y-C より S=(1-c1)(Y-T)-c0=(1-c1)Y-c2-T 限界貯蓄性向は(1-c1)となる 消費関数の傾きは 45 度より緩やか←限界消費性向が 0 と 1 の間 C Y=C+S+T C=c1Y+c2 c2 0 S Y S=s Y-c2-T 0 -c2-T Y (3)投資関数(p. 80) 投資の限界効率(Marginal Efficiency of Investment, MEI):追加的な投資から見込まれる収益率 ケインズが『一般理論』において主張 投資は投資の限界効率が利子率と一致するところで決まる 投資の限界効率表:縦軸に投資の限界効率、横軸に投資額を取ったグラフ 経済全体の投資の限界効率表:個々の企業にとっての投資の限界効率表を水平方向に集計したもの 投資は利子率によって決定される 投資関数:I=I(r) ここで、I:投資、r:利子率 r r:投資の限界効率 r r2 r1 0 投資量 0 -2- I2 I1 投資
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