大学からのメッセージ

GTEC 通信
㈱ベネッセコーポレーション
37
vol.
【大学からのメッセージ】
GTEC for STUDENTS 事業推進課
http://gtec.for-students.jp/
<実践事例レポート>
「変わりゆく大学英語教育」
立教大学 経営学部国際経営学科
松本 茂 教授 のお話
<立教大学の近況>
立教大学では、他大学に先駆けて全学部共通カリキュラム
を構築し、
「立教科目」と呼ばれる 8 つのテーマごとの科目
群を提供するなど、特色ある教育を展開している。また、
2006 年度には経営学部を、本年度は異文化コミュニケーシ
ョン学部を新設し、現在、10 学部において「専門性に立つ
教養人の育成」という同大学が掲げる教育目的を達成すべ
く、教育活動が行われている。
◆教育再生懇談会第一次報告に注目!
今後の英語教育の方向性を考えるうえで、中央教育審議
会の答申(
『学習指導要領の改訂について』
)はもちろんの
こと、
「教育再生懇談会(以下、再生懇)が 5 月に発表した
第一次報告に注目すべきだ」と松本教授は語る。
再生懇は、
「留学生 30 万人計画」の実現に向け、30 大学
を国際化の拠点校として指定し、英語で専門教育を展開す
べきである、と提案している。
高校に関しては、生徒の海外留学の促進、授業の到達目
標の明確化、SELHi に代わる先進校作り、そして、特にアジ
ア諸国と比較して圧倒的に少ないと言われる教科書の英文
量と語彙数の増強を提案している。
◆変わりつつある大学教育
松本教授によれば、多くの大学で、全学的に国際化戦略
を推進し、留学生を積極的に受け入れ、交換留学の機会を
増やしている。また、
「ひと昔前までは、日本語と日本文化
の学習を主たる目的として日本の大学に留学してきていた
が、最近では、専門科目を(英語で)学ぶことを理由に挙
げ、留学してくる学生の比率が増えている」とのことだ。
このような外国人留学生の来日目的の変化に対応すべく、
専門科目を英語で学べる環境整備を進めている大学が少な
くない。また、一般学生を対象とした必修科目の「英語」
の授業に関しても、以下のようなことがどこの大学でも当
たり前になってきているとのことだ。
GTEC 通信
August 2008
・ プレイスメントテストにもとづく習熟度別クラス編
成
・ 統一のシラバスと教科書の採用
・ネイティブスピーカー教員の増加
・1クラスの少人数化
◆大学で必要となる英語力とは
「英語<を>学ぶ」から「英語<で>学ぶ」への転換を
図るために、
「英語教育科目と英語で講義される専門科目と
の融合」を目指した実践を始めている大学が増えている。
例えば、立教大学経営学部国際経営学科では、専門科目の
うち 7 割が英語のみで講義されている。
このような状況で、松本教授によれば、
「専門領域を英語
で講義できる教員の確保が、各大学の課題となりつつある」
らしい。事実、大阪府立大学工学部の若手教員の採用条件
が、
「専門科目を英語で講義ができること」である。
大学の授業についていくために必要な英語力について、
松本教授は、
「グローバルな問題に関する英語でのプレゼン
テーションを聞きながら、英語でメモを取ることができ、
かつ大量の英文を短時間で読んだうえで英語でサマリーと
批評が書け、英語で議論できる力」と定義された。
こういった大学教育の変化についていけるように、高校
の英語教育も大きく変わる必要がありそうだ。
◆松本 茂教授のプロフィール
2006 年 4 月より立教大学経営学部国際経営学科教授及び同
学部バイリンガル・ビジネスリーダー・プログラム主査。
文部科学省 SELHi 企画評価委員、日本コミュニケーション
学会副会長、日本ディベート協会専務理事、全国高校英語
ディベート連盟副理事長なども務めている。専攻は、コミ
ュニケーション教育学。主著に『生徒を変えるコミュニケ
ーション活動』
『大学生のための「読む・書く・プレゼン・
ディベート」の方法』
『英会話が上手になる英文法』
『速読
速聴・英単語』など多数。
(東京本部 GTEC 事業推進課 五十嵐 俊也)
(岡山本社 GTEC 事業推進課 大室 聡司)
GTEC通信からのお知らせ
【GTEC通信】
vol.37
お知らせ内容
①立命館大学グローバル・ゲートウェイプログラム履修者選抜(GGP)において、GTEC for STUDENTS
等の英語検定試験のスコア・証明書が必要となります。立命館大学合格者(AO 選抜・公募制推薦など
の合格者)が GGP を希望する場合に必要!
②立命館大学、および立命館アジア太平洋大学(APU)は、
全国高校生英語ディベート大会(2008 年 12 月)に協賛決定!
立命館大学のお取り組み
★「グローバル・ゲートウェイプログラム(GGP)」
−世界水準のジブンになる− 立命館大学は、2009 年度入試より英語圏の大学への長期留学プログラムへ
の参加を前提とした「グローバル・ゲートウェイプログラム(以下、GGP)履修者選抜」を実施する。GG
P履修者選抜の入学者は、立命館大学に在籍しながら2年間留学し最短4年間で日本と英語圏の大学の 2 つの
学位を取得する「DUDP(学部共同学位プログラム)」参加もしくは、英語圏の協定大学への「交換留学制
度」の参加が前提となっている。世界 55 ヶ国・地域、320 大学・機関に広がる留学ネットワークを土台に充
実したサポートを受けることができる必見のプログラムである。
高い専門性と実践的語学力を身につけ、将来国際舞台で活躍できる人材育成を目指す同校は、GTEC for
STUDENTS 推薦要件と全国高校生英語ディベート大会協賛を通して高校生の学びを支援する。
★「RITSUMEX 08」東京開催
立命館大学と立命館アジア太平洋大学を東京で体感できるオープンキャンパス RITSUMEX
国際化、環境、教育の未来に向けて豪華ゲストが参加する催しも行われる。
入場は無料。ただし事前申し込み制で定員 600 名であることから早めの申し込みが必要。
RITSUMEX 08 立命館大学オープンキャンパス in TOKYO
2008 年 9 月 23 日(火)祝日 11:30 開場
於 東京ドームプリズムホール
詳しくはこちらにアクセス
http://www.apumate.net/event/etc/info/event001275.html
問合せ先
グローバル・ゲートウェイプログラム履修者選抜、立命館大学入学センター
TEL:075-465-8351 月∼金 9:00∼17:30
GTEC 通信
August 2008
08 も開催決定!