4年生

4年
教科別指導方法の工夫と改善
学習の現状と課題
国
語
話すこと・聞くことでは、話
の中心に気を付けて聞いたり、
筋道を立てて話したりする力
が不足している。進行に沿って
話し合う力もまだ不十分であ
る。
書くことでは、段落相互の関
係に注意して文章を組み立て
たり、自分の考えを明確にした
りすることが課題である。
また、書き終わった後にきちん
と推敲できる児童が少ない。
読むことでは、叙述を基に想
像して読むことは比較的でき
るが、文章の細かい点に注意し
ながら読み取ることは苦手な
児童が多い。
具体的な授業改善策
補充・発展的な指導計画
要点をメモしながら聞き、質問を 補充;スピーチや話し合い
したり感想を述べたりするような の活動を多く取り入れ、構
活動を取り入れる。話す際には、互 成を考える段階で個別指
いの考えの共通点や相違点を意識 導をする。根拠や理由をは
した話し方をさせることで、話し合 っきりさせることを常に
いの目的にせまれるようにする。 意識させる。音読や読書の
効果的な文章構成や記述の仕方 意欲付けになるカードを
などを学べるワークシートを工夫 工夫し、継続する。
する。書いた文章の間違いを正した 発展;話したり書いたりす
り、よりよい表現に直したりするた る際に、説得力のある表現
めに、辞書を利用したり、アドバイ を身に付けさせるために、
スをし合ったりする習慣を付けさ 理由や具体的な事例を挙
げながら話すことを意識
せる。
アンダーラインを引いて内容の させる。お薦めの本を紹介
中心となる文章や語句をとらえる し合う活動を通して、幅広
練習をする。調査の報告をしたり、 く読書しようとする態度
図表などから読み取ったことを基 を育てる。
に話し合ったりするような活動を
授業に取り入れ、中心的な情報を丁
寧に読み取れるようにする。
社 社会への興味・関心は高いが、
表やグラフの適切な読み取り方 補充;教科書や資料の読
会 事象について筋道立てて考え を身に付けさせ、資料考察の機会を み取りを確実にさせ、読み
る力が弱い。
多くする。資料から読み取ったこと 取ったことの交流をした
資料から分かる情報を読み の交流をしたり、内容の検討をした り内容の検討をしたりし
取ることが苦手である。また生 りしながら、資料の活用力を養う。 ながら系統だてて考える
活に結びつく認識にまで定着
観察や経験、資料などから、それ 力をつける。
させることが課題である。
らが示す事実や問題点を考えられ 発展;調べ学習などで、
学習内容を新聞などにまと るような学習活動に取り組む。
課題を積極的に見出し、
める際に、問題点や人々の工夫
地図の読み方を意図的・計画的に 追究・解決する活動に取り
・願いを記述したり、内容に対 授業の中に取り入れる。
組む。
する自分の考えを記述したり
学習したことを、テレビ・新聞・
する力が不足している。
インターネットなどから得た情報
と比較検討しながら、自分なりの見
方を育てる。日
・四則計算での基本的な計算は ・習熟度別のクラスによって、進度
算
定着している児童が多いの
や学習の仕方を工夫しながら、少 補充:授業時間内で、個
数
で、全員が定着できるように
人数授業を効果的に行う。
別指導の場を多く
する。
・宿題や朝学習などで計画的に基
設ける。
・わり算の筆算において、位取
本問題の練習を積み重ねるよう
:反復練習させる。
りを考えておよその商をた
にする。計算練習については、単
てる力が弱い。
元が終わっても継続的に行う。 発展:既習事項を活用して
問題解決し、言語活
・図形に関する学習内容では、 ・コンパス、分度器、三角定規を使
動によって考えが広
正確に図形をかいたり分度
っての作図を繰り返し練習し、道
器で角度を測ったりするこ
とが苦手な児童がいる。
・
具の使い方に慣れ、正確に垂直、
平行、四辺形等の作図ができるよ
うにする。
・児童が意欲的に取り組めるような
問題を工夫し、自力で解決する応
用力を身につけさせる。
がるようにする。
:自分の考えをノート
に分かりやすく書い
たり、友達に分かり
やすく伝えたりする
方法について指導す
る。
理
科
意欲を持って実験や観察に
取り組む様子から、教科への興
味・関心が高いことが伺える。
しかし、身近な生活体験から、
授業で取り組む観察や実験に
結び付けて、その結果を予想す
るといった力はまだ不十分で
ある。
また、自然の事物・現象を何
かと比較したり、関係付けたり
しながら追究していく活動で
は、児童によって大きな差が見
られる。
学習課題を意識し、実験方法を考 補充;教科書の読み込み
えるところからスタートし、予想、 や、自他の実験観察カード
結果、まとめという問題解決型学習 の見直し、過去のカードの
の流れを授業ごとに組み立てる。 振り返りの場を設定し、学
観察実験カードを継続して使用 習のまとめの時間を充実
し、2種類以上のものの様子を季節 させ、知識の定着を図る。
ごとに比較したり、2種類以上のも 発展;結果を考察する段
のづくりを行ったりする。また、前 階で、学習したことと生活
回の実験の結果と関係付けて考え 体験との関連を図り、実感
させたり、生活体験と関連付けて考 を伴った理解を深めるこ
えさせたりする。その際に、自分の とができるように指導す
考えと友達の考えを分けて記録さ る。
せ、自分の考えが及ばなかった部分
を補えるようにする。
体
育
意欲的に互いに助け合って
取り組む児童が多い。しかし、
運動経験の不足で自分の運動
の力が身についていない児童
が数名いる。
ボール運動は好きな児童が
多い。器械運動などに苦手意識
をもつ児童は、腕の力が弱いこ
とも考えられる。
運動の種類を増やして様々な運 補充;継続的に運動する機
動パターンを経験させ、個々の運動 会をもたせ、基本的な運動
量がなるべく多くなるような授業 能力を伸ばす場を多く設
定する。
の展開をする。
個に応じためあてを設定し、運動
の不得意な児童も苦手意識を持た 発展;教え合いやルールの
ずに目標に向かって取り組み、達成 工夫、個に応じた目標をも
感が味わえるような工夫をする。 たせ、個々の実力が発揮で
技術重視だけにならないように きる場を多く設定する。
し、運動の楽しさを学べるように、
グループ活動の中で、ルール作りや
ルールの工夫などを取り入れた授
業展開を工夫する。
めあてカードなどの学習カード
を取り入れ、1時間毎のめあてを明
確にし、児童の意識を高める工夫を
する。
総
興味をもって意欲的に体験
合 学習を行っている。また、それ
らの体験から学習課題を自ら
設定し、調べようとしている。
写真やデータなどの資料を
的確に探したり、分かりやすく
まとめたりする力には個人差
いろいろな資料の探し方、その中
から適切なものを選択していく方
法を今後の授業で積み重ねて指導
する。
また、上学年の発表などを見る機
会を設定し、参考にさせる。下学年
に、自分たちの学習を発表する機会
補充;いろいろな資料を
提示し、その中から必要な
ものを自ら主体的に選択
することができるように
する。
発展;インターネットを活
が見られる。
を設け、分かりやすい資料のまとめ
3年生からの積み重ねによ 方を工夫させる。
り、まとめたもを発表する力は
さらには、学習した内容につい
徐々についてきている。
て、生活の中で自分ができること
を見つけ、それに取り組もうとす
る。
道
徳
互いに思いやりの心を持ち、
助け合う人間関係を作ろうと
いう気持ちは育ってきている。
しかし、資料の内容を自分のこ
ととして考え、気持ちや意見を
発表することを苦手とする児
童もいる。また、理解していて
も実生活の中で行動として表
せず、「活用する力」が十分で
ない子も見られる。
用し、より広く資料を探す
ことや、パソコンを使って
発表原稿を作成する経験
を重ね、わかりやすい発表
の工夫を考えさせる。
道徳の時間だけでなく、全教育を 補充;自分の意見が書きや
通して、他者への思いやりが持てる すいワークシートを作る。
ような「心の教育」を充実させる。 子どもが自ら問いをも
児童の実態に合い、話し合いが活 って授業に臨むことがで
発になるような資料を選び、話し合 きるように、発問を工夫す
いを通じて自分たちの生活に結び る。
付けて考えられるような授業展開
を工夫する。
発展;自分の経験を授業の
中で生かせるようにする。
個人から学級、自分の身の
周りの生活へと実践を広
げていくことができるよ
うに助言する。