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(別 紙)
概 要
漢方薬は医学的にも効果が認められ、広く利用されていますが、その成分に関する吸収、分布、
代謝および排泄などの薬物動態研究は存在しません。そこで外科的に使用することの多い漢方薬
である抑肝散と六君子湯について、健常人を対象に薬物動態試験を行いました。
試験はいずれも 3 期ランダム化クロスオーバー試験として、7.5g, 5.0g, 2.5g の投与量で行い
ました。抑肝散は測定した 4 化合物中 3 つについて薬物動態解析を行うことができました。六君
子湯は 8 化合物について薬物動態試験を行いました。
代表的な漢方薬の薬物動態試験を行うことができました。
Title
(7 月 7 日)
:Pharmacokinetics of Active Components of Yokukansan, a Traditional Japanese
Herbal Medicine after a Single Oral Administration to Healthy Japanese Volunteers: A
Cross-Over, Randomized Study.
【タイトル】抑肝散(TJ-54)単回投与後の健常人血漿中濃度測定
【背景と目的】抑肝散は神経症や不眠症などの治療薬として広く利用されているが、その成分に
関する吸収、分布、代謝および排泄などの薬物動態研究は存在しない。
【対象と方法】日本人健常人を対象に、ツムラ抑肝散エキス顆粒(医療用)を、7.5g, 5.0g, 2.5g
を単回投与し、薬物動態を検討した。
【デザイン】3 期ランダム化クロスオーバー試験。
血中濃度を測定した 4 化合物:Geissoschizine methyl ether:GM、Hirsuteine:HTE、18β
-Glycyrrhetinic acid:GA、Glycyrrhetinic acid 3-O-glucuronide:3MGA。
【結果】2.5g 服薬群:20 名、5.0g 服薬群:19 名、7.5g 服薬群:20 名だった。4 化合物の血中濃
度の推移をグラフ化した。GA が 4 化合物中最も高濃度の血漿中濃度を示した。GM および THE は、
最高血漿中濃度到達時間が 1 時間以内、半減期は 2 時間だった。GA は半減期約 10 時間と、他の
成分に比べて長かった。3MGA は血漿中濃度が低く、低量限界以下値が多いため、薬物動態解析は
実施しなかった。
【結語】日本人健常人における抑肝散投与後の血漿中に存在する 4 化合物について、薬物動態学
的評価を行った。
Title
(7 月 17 日)
:Pharmacokinetic Profiles of Active Ingredients and Its Metabolites Derived
from Rikkunshito, a Ghrelin Enhancer, in Healthy Japanese Volunteers: A Cross-Over,
Randomized Study.
【タイトル】六君子湯(TJ-43)単回投与後の健常人血漿中濃度測定
【背景と目的】六君子湯は機能性胃腸症や胃食道逆流症などの治療薬として広く利用されている
が、その成分に関する吸収、分布、代謝および排泄などの薬物動態研究は存在しない。
【対象と方法】日本人健常人を対象に、ツムラ六君子湯エキス顆粒(医療用)を、7.5g, 5.0g, 2.5g
を単回投与し、薬物動態を検討した。
【デザイン】3 期ランダム化クロスオーバー試験。
血 中 濃 度 を 測 定 し た 8 化 合 物 : atractylodin, pachymic acid,
3,3’,4’,5,6,7,8-heptamethoxy-flavone, liquiritigenin, isoliquiritigenin, nobiletin,
naringenin, 18β-Glycyrrhetinic acid。
【結果】21 名を対象に実施した。単回投与後の血症から 8 成分を全て検出できた。各成分の動態
的特徴を把握するため、投与量と Cmax または AUC0-last の線形性を評価したが、線形とみなされたの
は atractylodin の Cmax および 18β-Glycyrrhetinic acid の AUC0-last のみであった。
【結語】日本人健常人における六君子湯投与後の血漿中に存在する 8 化合物について、薬物動態
学的評価を行った。より正確な薬物動態パラメーターの算出のため、さらなる測定感度の向上ま
たは投与量の増加を検討する必要がある。