完全競争市場

公共経済学
完全競争市場
完全競争市場
• 家計・企業ともに価格受容者
価
格
このようなシステムは
効率的か?
量
– cf. 独占市場,寡占市場
2
効率性
パレート効率的配分
経済の中の一人の厚生水準を改善するためには、
他の主体の厚生を低下させねばならないような配分
X2
xB1
x A2
0A
0B
xB 2
x A1
X1
3
パレート集合
パレート効率的配分
xB1
0B
xB2
xA2
0A
xA1
パレート集合
どの配分に決まるの
か?
4
ワルラス均衡
• パレート効率的配分はどのように決定されるか?
• 初期保有量と粗需要,純需要(超過需要)
• 両者の粗需要の合計が総量に一致しない場合...
– ワルラス競売人が価格を調整:予算線の傾きが変わる
• 均衡とは,全ての財に対する超過需要が0となる価
格の組み合わせ
• ワルラス法則 p z p , p  p z p , p  0
1 1

1
2

2 2

1
2

5
粗需要と超過需要(純需要)
xB1
0B
予算制約
(xA1, xA2 ) = Aの粗需要
(xB1, xB2 ) = Bの粗需要
xA2
Aの財2に対す
る超過需要
Bの財1に対す
る超過需要
xB2
Bの財2に対す
る超過需要
0A
Aの財1に対す
る超過需要
W = 初期配分
xA1
6
生産の効率性
生産可能フロンティア
=効率的な生産
自
動
車
限界変形率MRT:ある財1単位をあきらめる
ことにより得られる当該財の量
Y
米
7
市場の効率性
u A / x A1
u B / xB1
f / x1
p


 1
u A / x A 2 u B / xB 2 f / x2
p2
MRS A  MRS B  MRT  p1 / p2
•厚生経済学の第1定理
完全競争市場で実現される資源配分はパレート効率的
である。
•厚生経済学の第2定理
いかなるパレート効率的な資源配分も、(選好の凸性が
満たされれば)生産要素の賦存量を再配分することに
X よって完全競争によって達成されうる。
2
X1
8
消費者余剰
• 便益の評価 →費用便益分析B/C
• 消費者余剰
– 「消費者が,その財なしですませるくらいなら支
払ってもよいと考える最高支払許容額の和から,
実際にその財の購入のために支払った金額の合
計を差し引いたもの.」
9
消費者余剰
Tさんは新品の同じ真珠の指輪を3つ持っている。彼女
の友達は、この指輪を手に入れるのに次の金額までな
ら支払ってもよいと思っている。さて、Tさんはいくらの
価格で売ればよいか?
Aさん:13万円
Iさん: 2万円
Sさん: 7万円
Kさん:10万円
7
この時、Aさん、K
さんはいくら得を
したのだろうか
支払意思額の高い順
にならべると
10
消費者余剰
消費者余剰
Consumers Surplus
𝑞
𝐶𝑆 =
𝑝 𝑞 − 𝑝 𝑑𝑞
0
𝑝
逆需要曲線
𝑞
𝑝 𝑞
q
11
生産者余剰
供給曲線
𝑝 = 𝜕𝐶 𝜕𝑞
生産者余剰
Producers Surplus
𝑝
𝑞
𝑝 − 𝜕𝐶 𝜕𝑞 𝑑𝑞
0
= 𝑝𝑞 − 𝐶 𝑞 + 𝐹
q
𝑃𝑆 =
𝑞
12
社会的余剰
消費者余剰
Consumers Surplus
p
生産者余剰
Producers Surplus
q
13
完全競争市場の効率性
他の事情を一定として
あるパラメータのみが変化
部分均衡分析
そうでない場合:
1) 割り当て
完全競争
死荷重損失
p’
そうでない場合:
2) 価格統制
死荷重損失
p
p’’
q
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部分均衡分析の利用
間接税の導入
価
格
徴税に伴う社会的
損失
税額t
=
+
税収
死荷重損失
数量
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市場の失敗
• 外部性
1人の行動が無関係な人の福祉に影響を及ぼすこと
技術的外部性・金銭的外部性
• 公共財
市場で供給されない財
排除不可能性・非競合性
• 市場支配力
価格の決定に対して影響力を行使する力
例:独占
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便益の評価
• 整備前から整備後への厚生改善の度合いを
金銭価値で換算
• 用いられる指標
– 補償変分,または等価変分
• 一般均衡分析
• 需要関数や効用関数の推定が困難
– 消費者余剰
• 部分均衡分析,近似解
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補償変分 と 等価変分
x2
x2
u0
EV
u0
u1
u1
CV
x1
x1
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補償変分と等価変分
より一般的に,価格が(p1’,p2’)から(p1’’,p2’’)
へ変化した場合
CV=e(p1’,p2’,U0)-e(p1’’,p2’’,U0)
=∫c h(p,U0)dp
EV=e(p1’,p2’,U1)-e(p1’’,p2’’,U1)
=∫c h(p,U1)dp
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各指標間の関係
p1
p1’
EV
CV
⊿CS
p1’’
x1(p1,p2,I)
h(p1,p2,u0)
h(p1,p2,u1)
x1
x1’
x1’’
効用関数が準線形の場合,3つの指標は一致
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