知らなかったではすまない「下請法」

2012年8・9月合併号
知 ら な か っ た で は す ま な い 「 下 請 法 」
~納入業者との返品ルールを定め不用意な返品をなくす~
最近、小売企業が公正取引委員会(公取委)から、一方的な返品や値引き要請を行ったとして、下請法
違反で勧告を受ける事案が増えている。勧告では違反企業の実名が公表されるため、社会的なイメージ
が低下するなど小売企業の経営に与えるダメージは大きい。
■なぜ「下請法違反」が減らないのか?
公取委や業界団体による返品削減の取り組みが長年にわたって行われているにも関わらず、一方的な
返品を行ったという下請法違反の勧告が減らない理由には、小売企業に返品を問題だという認識が希薄
だったり、分かってはいても対策していないという背景がある。実際に社員向けの行動規範に返品ルール
を定めたり、内部統制委員会や社外相談窓口を設置している企業は、法令順守が求められる上場企業が
中心であって、大多数の小売企業では現場(店舗・バイヤー)の判断で返品を安易に行っている場合が多
い。また、最近の消費者の低価格志向から、利益率の高いPB(自主企画)商品を開発する小売企業が増
えているが、このPB商品の発注は下請法の製造委託にあたることはあまり認知されていない。PB商品に
ついて従来の商慣行で納入業者に返品や値引き要請を行った場合、即、下請法違反となるのだ。
■どうすれば返品ルールを守れるか?
しかし季節商品や新規商品など在庫を持つリスクを伴う商品の販売を促進していくためには、返品を可
能とする条件を付帯した取引も認められるべきであろう。小売企業と納入業者双方が、リスクを回避できる
ような取引条件の利点を享受するためには、適正な返品ルールを定めて取引を行っていくしかない。
【適正な取引を推進する具体策】
①小売企業は商品の在庫を正確に把握することを徹底し、無計画な発注をやめる。
②小売企業内で返品ルールを明確化し、返品指示のワークフローを定める。
③物流センターを利用している場合は、返品商品を品目毎に集約して納入業者の集荷負担を軽減する。
④小売企業から納入業者への返品取引業務を透明化する。
この中で、返品取引業務の透明化には、EDI(電子データ交換)の「返品メッセージ」を活用することが有
効だ。具体的には、小売企業と納入業者間で返品ルールに基づいた商談を行った上、双方が合意した商
品の「返品情報」を事前に小売企業から納入業者へ送信する。その後、納入業者は受領した商品と「返品
情報」を突合し返品を確定する。EDIを活用することにより、双方の合意がない返品を未然に防ぐことがで
き、また締処理後の請求違算を減少させる効果も見込まれる。
■自社の取引を今一度見直し 正しい取引を!
スーパーの売り上げが、半年連続してマイナスになるなど小売企業の売上は悪くなる一方だが、同様に
納入業者も利益を確保するために苦心している。小売企業は一方的な返品や値引きを行ってはならない
のである。そして、返品を処理するコストは最終的に納価に反映されるという点も忘れてはならない。自社
の返品取引が小売企業・納入業者双方の利益を圧迫していないか、今一度見直してもらいたい。
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