平成 26年度基礎結晶学(再履修)

平成 26 年度 基礎結晶学 (再履修)
2015 年 2 月 10 日 実施
学籍番号:
氏名:
この試験は 80 点満点で、演習等で 20 点、合計 100 点である。解答は簡潔に書くこと。ただし
必要以上に省略しないように。
1.
次の二つの二次元結晶について、対称性をできるだけよく表すような単純単
位胞を図中に記入し、基本構造を格子座標で記述せよ。ただし図中において、白
丸は原子 A、黒丸は原子 B を表す。両図とも、正方形ネットの対称性を有するも
のとする。
a
2a
a
2a
正方形ネットの対称性あり
正方形ネットの対称性あり
基本構造(格子座標で)
基本構造(格子座標で)
2.
次の結晶の各面指数を記せ (立方晶についてはミラー指数 (hkl)、六方晶につ
いては、ミラー・ブラベ指数 (hkil) で記すこと)。
(1)
z
z
(3)
(2)
z
u
y
y
y
立方晶
x
立方晶
(hkl) = (
x
)
x
(hkl) = (
)
六方晶
(hkil) = (
)
3.
半径 r の原子から構成される単体金属結晶について、以下の問に答えよ。
(1) 体心立方構造のときと面心立方構造の時で密度はどれほど違うか、体心立方
構造となるときの密度を ρB 、面心立方となるときの密度を ρF として、ρB /ρF
の値を求めよ。ただし、原子は格子点に1個あるものとする。(解答に根号
が出た場合はそのまま表記すること。小数にする必要はない)
(2) 前問と同様に、結晶が単純立方構造をとる場合の密度を ρs とするとき、ρs /ρF
の値を求めよ。
4.
ブラベ格子には、単純 (P)・側心または底心 (C)・体心 (I)・面心 (F) があり、
全部で 14 個あることが判っている。
[1] 下の表の空欄で、存在するものは○、しないものに×印を記せ。
晶系
P
六方晶
立方晶
菱面体晶
正方晶
○
○
○
○
C
I
F
晶系
P
C
I
F
直方晶
単斜晶
三斜晶
○
○
○
×
×
×
×
×
×
×
○
×
×
[2] 上の表において「体心六方晶」は存在しないが、それは単位胞の軸 (a 軸と
b 軸) の取り方を変えると別の格子になるためである。その格子の名称を記せ。ま
た、新しい軸 a′ と b′ は、もとの六方晶の a、b 軸を用いてどのように表されるかを
記せ。
5.
直交座標系において、3点 (X, 0, 0)、(0, Y, 0)、(0, 0, Z) を通る平面と原点の距
離を d とすると、
1
1
1
1
= 2+ 2+ 2
2
d
X
Y
Z
である。単純単位胞の a 軸、c 軸の長さが a および c で与えられる六方晶において、
ミラー指数 (hkl) の面の間隔を求める式を導出せよ。(d = ではなく、1/d2 = で記
してよい)。
6.
ミラー指数を中カッコ { } で記すとき、いくつかの等価な面をまとめて表している。
たとえば立方晶の {100} は、実際には6個の等価な面 (100)、(010)、(001)、(100)、
(010)、(001) を表す。
1) 正方晶について、{211} の等価な面を全て記せ。
2) 立方晶について、{hk0} (ただし h と k は値が異る整数) の等価な面は全部で
いくつあるか。導出過程も含めて記せ。
7.
単位胞に N 個の原子を持つ結晶について、j 番目の原子の原子散乱因子を fJ 、格子
座標を (uj , vj , wj ) とする。反射の指数 hkl注 1 のときの構造因子 F は、
F =
N
X
fj e2πi(huj +kvj +lwj )
j=1
で表される。鉄 (体心立方格子の格子点の位置に原子が1個乗っている) の原子散乱
因子を fF e と書くとき、上記の F を fF e および h, k, l で表し、消滅則 (F がゼロとな
るときの h, k, l の条件) を求めよ。
1
ミラー指数 (hkl) と同様に扱ってよい
学籍番号:
計算用紙
氏名: