平成26年度岡山県立林野高等学校学校評価書 校長 1 起塚 郁夫 自己評価 ◎ 評価結果 別紙「平成26年度岡山県立林野高等学校具体的な学校経営目標・計画」参照 ◎ 分析・改善の方策・課題等 (1)今年度の最重点目標について Ⅰ 5類型の充実と、学ぶ意欲を高める先進的な授業実践の推進 ① 特色ある5類型の教育課程が順調に展開された結果、自己評価アンケートの「興味・関 心・適性・進路に応じた科目の履修」の生徒肯定率が90%と、満足度が高い。 ② 全教科において、生徒の興味・関心を高め、理解を助けるための効果的なICT活用に ついて研究し、実践している。 ③ 「数学」「生物」の授業において取り入れたOPP(ワンページポートフォリオ)の作成 が「国語」「物理」の授業にも拡がりを見せるなど、授業改善に積極的に取り組む雰囲気が 浸透している。 ④ 自己評価アンケートの「教員の授業の工夫」の生徒肯定率が91%と、昨年度から5ポ イント向上し、高評価となっている。また、「授業のさらなる充実」の教員肯定率が昨年度 から11ポイント向上し90%になっている。 Ⅱ Ⅲ 個々の生徒に合わせた適切な評価方法の研究 ① 本年度から実施した学期末の成績会議が効果を上げている。学習面に課題のある生徒に ついての情報の共有化が図られ、多様な学力層からなる生徒実態に合わせた適切な評価、 指導ができている。 ② 教育課程委員会において、教科の特性に合った適切な評価方法について教科主任を中心 に研究するよう申し合わせ、教員間で共通理解を図りながら評価している。 ③ 「総合的な学習の時間」(MDP)において、自己の成長の度合いを視覚化できるようル ーブリック(評価指標)に基づく自己評価に取り組ませることで、生徒の達成感が向上し た。自己評価アンケートで「MDPは生きる力の育成や進路実現に役立つ」の生徒肯定率 が昨年度から10ポイント向上し80%となっている。 生徒の心に届く個別指導のスキルアップ(教育コーチング) 年度当初に教頭が教育コーチングに係る教員研修を実施し、12月に外部講師を招聘し て演習を交えた生徒との接し方の研修を行った。自己評価アンケートの「生徒の相談への 積極的な対応」の教員肯定率が、昨年度から11ポイント向上し88%となっている。 ② ハイパーQUの分析研修会などを通して、支援の必要な生徒に対しての声かけの仕方や クラス集団への対応についての力量向上を図っている。 ③ 生徒指導、進路指導、教科指導などあらゆる場面において、生徒の満足度が高まるよう に、一人一人の実態を把握した上で指導を行った。自己評価アンケートの「さまざまな機 会に先生に相談できる」の生徒肯定率が昨年度から5ポイント向上している。 ① Ⅳ 委員会活動や部活動、社会貢献活動など、特別活動や自主活動の充実 ① LHRでの図書委員による読書会、美化委員による清掃指導や保健委員会の熱中症予防 講習会など、充実した委員会活動が行われた。 -1- ② 部活動は、強化指定部を中心に実績が出てきている。本年度からマーチングを本格的に 取り入れた吹奏楽部が中国大会への出場を果たし、また、男子サッカー部が美作地区新人 戦で優勝を果たした。全校生徒の入部率も昨年度60%から本年度84%と飛躍的に向上 し、各部で活発な活動が行われている。 ③ 部は設置されていないが、ボウリング、少林寺拳法で全国大会に出場する生徒が在籍し、 学校活性化の一翼を担っている。 ④ 1、2年次生による地域の清掃活動、MDP教育グループの小学生学習支援ボランティ ア活動、MDP福祉グループの福祉施設訪問、吉井川舟唄同好会の岡山湯郷ベルなでしこ リーグレギュラーシリーズ優勝記念イベント出演など、地域活性化に繋がる教育活動が実 践されている。自己評価アンケートの「学校行事は生徒が中心になって取り組める」の生 徒肯定率が92%、保護者肯定率が85%と高評価である。 (2)今年度の重点目標について ⅰ 自ら考え、自ら行動できる意欲的な生徒の育成 ① 生徒課を中心とした指導や部活動による挨拶運動により、校内外において、さわやかな 挨拶ができる生徒集団になっている。 ② 土曜日に実施したPTA主催の校内清掃ボランティアに、1,2年次生の47%が参加 し、積極的に活動した。 ③ 岡山市で開催されたESD世界大会高校生フォーラムに、42名の生徒が、自らボラン ティアスタッフとして参加し、大会成功に貢献するとともに貴重な学習機会を得た。 ④ 自己評価アンケートにおける「自ら学び、自ら考える力の育成」の教員肯定率が、昨年 度から11ポイント向上している。 ⅱ 生徒一人ひとりの進路実現を図る指導体制の構築 ① 国語・数学・英語の3教科の習熟度別講座編制が、生徒一人一人に応じた授業内容にな るように随時行われ、校外模試の成績等に成果となって表れている。 ② 進路指導課によるLHR、週時程外のST(セミナータイム)等を活用した進路情報学 習が充実し、生徒の学習意欲向上に繋がっている。自己評価アンケートの「進路指導の充 実」の生徒肯定率が85%、教員肯定率は昨年度から9ポイント向上し93%となってい る。 ③ AO・推薦入試指導に年次を超えた指導体制で取り組むことが定着し、生徒の進路実現 や教員の指導力向上に繋がっている。 ⅲ 持続可能な社会、安全・安心な社会の実現を目指し自ら判断し行動できる生徒の育成 ① MDP活動にESDの視点を取り入れ、地域に貢献できる人材の育成を目指した教育を 実践している。 ② ESD世界大会高校生フォーラムの成功に向けて、他のユネスコスクールと連携しなが ら2年間かけて準備を進めてきた。本年度、43名の生徒が準備会から精力的に活動し、 国内はもとより海外の生徒とも意見交換するという貴重な体験を得た。うち1名は、全国 の高校生を代表して世界会議の閣僚級会合及び全体の取りまとめ会合に出席し、フォーラ ムの成果を報告した。 ③ 本年度、初めての抜き打ち地震避難訓練を、県教育庁保健体育課の指導のもとで実施し、 教職員の対応を確認するとともに、生徒への啓発を行った。自己評価アンケートの「安全 な生活を送るための学習機会」の生徒肯定率が昨年度から7ポイント向上し、87%とな っている。 -2- ⅳ より良い人間関係づくり・集団づくりを目指す指導の充実 ① ハイパーQU検査の専門家による教員研修を年2回行い、結果分析や指導への生かし方 についての見識を深めている。 ② 今年度、臨床心理士を助言者に加えたいじめ対策委員会を設置し、いじめの未然防止や 早期発見の方策を協議するとともに、いじめ発生時に適切に対処できる指導体制を構築し た。 ③ 協同学習など日頃の授業を通して、共に協力して活動することの大切さを指導している。 ④ 自己評価アンケートの「他人を思いやって行動する指導」の生徒肯定率が昨年度から8 ポイント向上し、88%となっている。 2 学校関係者評価委員名 横山俊介((株)ベネッセコーポレーション中四国地区統括責任者) 難波祐輔(河本自動車(株)代表取締役) 中山治美(雑貨店経営) 竹内祐三(林野高等学校元PTA副会長) 菊池優志((一社)美作青年会議所直前理事長) 3 学校関係者評価 「具体的な学校経営目標・計画」 「学校自己評価アンケート」,授業や部活動等の学校生活, 日頃の地域での生徒の様子等について御意見をいただいた。生徒は概ね落ち着いて生活して おり,挨拶や身だしなみ等についても,校外での状況を含め良好であり,本校が設定してい る目標についても概ね適切,達成できているとの評価をいただいた。 その中で御指摘いただいた点は次のとおりである。 ① 保護者に対する情報提供の仕方を工夫するとよい。他県では、年次別保護者会の開始時 刻を遅めに設定したり、所属部活動単位の保護者会において部活動を熱心にやり遂げて難 関大学に合格した先輩を招聘してロールモデルを提供するなどの例がある。 ② MDPは優れた教育活動であり、その内容を更に広報すべきである。ただ、教育活動の 広報は往々にして「何をやっているか」は分かっても、「なぜやっているか」が分からない 場合が多い。MDPが、現在進められている大学入試改革の方向性にマッチしたアクティ ブラーニングの先進的教育活動であることなどを分かりやすく説明していけば、生徒募集 にも好影響があると考える。 ③ 高校生が地域を魅力的だと思える仕掛けがあれば、一旦は都市部へ出てもやがて帰って くる。そういう意味で「むかし倉敷ふれあい祭り」を高く評価している。「林野高校は良い ことをしている」「もっと応援したい」という声を聞く。地域の人から「自分もふれあい祭 りに参加したいがどうしたらよいか」と尋ねられたことがある。地域の人を更に巻き込ん でいくような工夫をしてほしい。 ④ 林野高校は災害時にはこの地域の避難所になり、水害の際には校舎の2階以上に避難さ せてもらうことになると思う。耐震工事も終わったということで、地域住民と防災につい て話し合うような機会を設けてほしい。 4 来年度の重点取組 別紙「平成27年度岡山県立林野高等学校学校経営計画書」参照 -3-
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