岩井祐介先生 :Lancet. 386(9990):266-73.2015 握力で寿命を占う!! Prognostic value of grip strength: findings from the Prospective Urban Rural Epidemiology (PURE) study 【背景】ペットボトルのフタが開けにくいと感じる時、人は老いを自覚します。今回、社会文化的、経済的に多様な国を 巻き込んだ大規模な国際研究チームが、大規模な健康調査データを分析し、握力と死亡率との間の関連性を見出し ました。 【方法】社会や経済背景の異なる 17 カ国において、35 歳∼70 歳で 4 年以上その地域に居住している 139,691 人を 対象に約 4 年(中央値)にわたって追跡した大規模な健康調査データ(PURE study)が用いられました。これらのデー タから、全死因死亡率、心血管疾患死亡率(心不全、不整脈、心筋梗塞、脳卒中などによる死亡率)と握力との関連 性を分析しました。 【結果】握力と死亡との関係は、癌や呼吸器疾患による入院を除くと、その国の所得に関係なく一定の関連性を示した。 握力が 5kg 低下した場合、全死亡リスクは 16%上昇し(1.13-1.20)、心血管死亡、非心血管死亡、心筋梗塞、脳卒中 発症リスクも同様に増加していました。 【結論】このように、握力測定が、全疾患死亡率や心血管疾患の死亡・発症リスクを予測するための簡単かつ安価な 方法である可能性が示唆されました。筋力を鍛えることによって疾患リスクを軽減することが出来るのかは、明らかで はありませんが、病気になりたくなければ、とりあえず、竹刀を振りましょう。。 (文責 阿比留)
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