サウンド信号処理

フリー・ソフト活用 ご購入はこちら
Windows/Mac/Linux 対応で I/O もサクッ !
オープンソースのブロック型言語
Pure Data ではじめる
サウンド信号処理
第 10 回
青木 直史,藍 圭介
マイコン I/O アダプタと組み合わせたテルミン風電子楽器
外部回路
I/O
お手軽
マイコン基板
Arduino
シリアル
通信
Pure Data
ArduinoをPure Dataと
外部回路のブリッジにする
測距モジュール
GP2Y0A21YK
(シャープ)
PCに接続
図 1 Pure Data と Arduino を連係して動作させることで,さまざ
まな外部回路から Pure Data のプログラムをコントロールできる
マイコンと連携するために
● Pure Data のシリアル通信機能
お手軽マイコン基板ArduinoをI/Oアダプタとして使う
写真 1 今回の目標…マイコン基板を I/O アダプタとしてテルミ
ン風電子楽器を作る
距離センサに対する手の位置によってテルミンのように音の高さが変化す
るサウンド・ガジェット
今回の目標…Pure Data と
マイコン基板を連携させる
前回は,Pure Data とラズベリー・パイを組み合わ
せてサウンド・ガジェットを作る方法を紹介しました
が,ラズベリー・パイにはアナログ入力の仕組みが用
意されていないため,回路によっては,その他のマイ
コン基板を使った方が便利な場合も少なくありませ
ん.
こうした隙間を埋めるためのアプローチの一つとし
て, 今 回 は,Pure Data と お 手 軽 マ イ コ ン 基 板
Arduino を組み合わせて使う方法を紹介します.一例
として,距離センサに手をかざすと,手の位置によっ
て音の高さが変化するサウンド・ガジェット(写真 1)
を作ってみます.
PC とマイコン基板を連携して動作させるには,お
互いにデータをやり取りする仕組みが必要になりま
す.そのための仕組みとして一般的に利用されている
のがシリアル通信です.
実は,シリアル通信の機能は Pure Data にも用意さ
れており,[comport] というブロックを利用する
ことで,Arduino をはじめシリアル通信に対応してい
るマイコン基板と連携して動作させることができるよ
うになっています.
図 1 に示すように,Pure Data と Arduino を連携し
て動作させると,Arduino をブリッジとして,さまざ
まな外部回路から Pure Data のプログラムをコント
ロールできるようになります.
● 今回追加で必要なもの…Arduino プログラミ
ング環境
こうした仕組みを実現するには,Pure Data のプロ
グラムだけでなく,Arduino のプログラムを作るため
の環境を用意する必要があります.事前のセットアッ
プは簡単で,Pure Data をインストールした PC に,
http://arduino.cc/en/Main/Soft
ware からダウンロードした Arduino のプログラミン
グ環境をインストールするだけです.
164
第 1 回 正弦波 / ノコギリ波 / 矩形波…まずは基本音を鳴らす(2015 年 12 月号)
第 2 回 サウンド処理の基本満載! レガシ・ピコピコ音 BGM(2016 年 1 月号)
第 3 回 リアルタイム音声処理の準備…データ・ファイルの保存 & 再生(2016 年 2 月号)
2016 年 9 月号