思いやりの社会を創る

 Vol 50
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今月は「思いやりの社会」について特集しました。 少
子高齢化、人口減少社会の中で、未来を担う子どもた
ちをどのように育成するかを考えてみました。
思いやりの社会を創る
2014年度の医療費が、前年度より7001億
円(1・8%)増えて39兆9556億円になっ
たそうです。高齢化や医療技術の高度化の影響
で、12年連続で過去最高を更新しています。
1年後に公表する確定値では、初めて40兆円を
超える見通しだそうです。
この結果をふまえ、少子化現象も進んでいる現
状をどのように考えたらいいか、一緒に考えた
い。
人類の歴史上、人口が減少している社会で国が
繁栄したことはなかったそうで、日本の現状は確
実に、①高齢化の傾向、②少子化の傾向、③人口
減少社会の到来なのであり、将来に希望が持てる
状況ではありません。
安倍首相の努力で日本の経済は少し回復してい
ますが、中、長期的には予断を許しません。
このような中で、私たちがすぐにでも、対策を
たてなければならない事は、子どもたちを今まで
以上に逞しく育成することであり、それは情、
意、知のバランスの中でおこなわれていくべきで
あり、その事に成功したならば、明るい未来が到
来するかもしれません。
しかし、日本の教育は「知」に偏った教育になっ
ていると言わざるを得ません。つまり、相手への
思いやりを育てる教育(情)、さらに子どもたち
が真に希望している事を動機付けして、真の自立
をはかること(意)、はおろそかにされてきたの
ではないでしょうか。
スマートフォンやインターネットから
の情報が供給され、肥大化され、顔と顔
を合わせて語りあい「情」と「意」を育
む機会は、むしろ減ってきています。
さらに深刻な問題は抽象化された情報
が一人歩きし、人間を抑圧しかねないこ
とではないでしょうか。
私たちは種々の情報によって、何でも
わかったように錯覚していますが、実は
救いを求める子どもたちの心の闇を正確
に把握し、本当はどうしたいのかを把握
なくして、子どもを育む事は出来ませ
ん。
つまり、子どもを真に育成する条件
は、子どもたちの立場にたって、その心
情を共有することであり、その共有を可
能にする方法がその人への「思いやり」
なのであります。
結論
心理療法では「過去と他人を変えることはできないが、自分を変えることはで
きる。」と言われています。
つまり、子どもたちを変えようとするのではなく、「まず、自分が変わろ
う!」と決意し、子どもたちの中に飛び込んでいくことが大事なのではないで
しょうか。
自分が変われば、子どもたちの違った面も見えてきます。自分が人間として成
長すれば、相手の心の核心にも迫っていけます。
思いやりの社会を創ろうとする私たちの意志が明るい未来実現の絶対の要件で
はないでしょうか。