平成27年6月発行 第97号 〔発行元〕 イノチオホールディングス株式会社 営農支援課 農場チーム ℡ 0531-23-3391 http://ishiguro.co.jp A棟 高糖度トマト栽培技術の確立 ~根域抑制栽培(弊社特許)による高糖度トマト周年栽培技術と栽培プラントの確立を目指して~ 【栽培概要】 作物 大玉トマト 品種 CF桃太郎ファイト × がんばる根トリパー 栽培方法 根域抑制栽培 摘心栽培の応用 定植日 平成26年9月22日 収穫開始日 平成27年1月22日 栽培終了予定日 平成27年7月3日 第一リン酸カリウム、塩化カリウム どちらもカリウムを含む資材。トマトの生育に必要な施肥量に 対して、カリウムが非常に足りていないことが判明したため、第 一リン酸カリウム12kg/10aと塩化カリウム3kg/10aを20日間にわ たって潅注しました。 6月中の栽培管理は、5月からの変更点はなく、潅水量は600cc/株/日で 行い、換気は天窓と側窓およびサイド窓の終日開放し、強日射時には遮 光カーテンも使用しました。現在17-20段目の果実を収穫していますが、7 月3日で栽培を終了する予定です。 今作の収穫で得られた結果を報告いたします。 全期間の収量は6.7t/10aで、そのうち糖度8.0度以上および一果重量 55~110 gを基準とした特選果の収量は2.45t/10aとなりました(グラフ 1)。そして、本試験では高糖度トマトの周年栽培を目指して特選果率 80%を目標としていましたが、結果は36.4%と低く、安定した糖度とサイ ズでの高糖度トマトの出荷は非常に難しい結果となりました。 また、全期間を通して低かった特選果率ですが、その要因は月毎に 異なり、1~4月は55-110gの果実割合が低かったこと、5,6月は糖度が8 度以上の果実割合が低かったことが主な原因だと考えられます(グラフ 2)。特に、4月は日照不足で光合成量が足りなかったことに加えて摘果 が遅れたことで小さい果実が増えたため、この頃には光合成量に合わ せて摘果を増やすべきであったと反省しています。また、4月後半から6 月前半に糖度8度以上の果実割合が低かったのは、カリウム不足が原 因と考えられ、果実肥大期における施肥の大切さも学びました。 100 8 収量 (t/10a) 特選果率 (%) 8度以上(%) 55 - 110g(%) 6.72 うち特選果収量(t/10a) 80 果実割合(%) 収量(t/10a) 6 4 60 40 2.45 20 2 0 1月 0 1月 2月 3月 4月 グラフ1. 収量の推移 5月 6月 2月 3月 4月 5月 6月 グラフ2. 全果実数に占める糖度8度以上の果実、重量55110gの果実および特選果(糖度8度以上かつ55-110g)の割合
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