がん哲学外来研修センター ニュースレター No57

がん哲学外来研修センター ニュースレター No.57 発行:NPO 健康工房 SAKU(2015.7.3)
~言葉は、いのちの縁結び~
聖路加国際病院相談支援センター 橋本 久美子
2015 年 5 月 9 日は、私達の病院の大切な記念日となりま
した。がん診療連携拠点病院市民公開講座第1回の開催に、
「がん哲学外来」提唱者である樋野興夫先生に、
「じっくり
耳を傾け、話に共感することで患者は笑顔を取りもどして
いく」
、がん哲学外来が人間学であり医療の枠を超えたもの
であること、続いて、104 歳である当院名誉院長の日野原重
明先生に、がんになってからの生き方として、
「生きる希望
を持つこと、人は生き方をかえることができる、いかに深
く生きるかということに意義があること」をご講演いただ
き、
“生き方”へのメッセージを伝えて頂く機会に恵まれま
した。がん患者さんやご家族は、言葉に傷つき、そして誰
かのことばで勇気や希望を持ちます。人は言葉によってこ
んなにも変わるのだろうかと思うほど絶望から希望へ転身
していくことを実感することがあります。がん哲学外来で
は、このような対話が全国で行われている、本当にすばら
しいと思います。進むべき道に迷う時、死が間近に迫って
いるとわかっている時、大切な人が亡くなった後に、対話
は、言葉と言葉の間にある伝えきれない思いも伝え人を支
えてくれます。
“言葉は、いのちの縁結び”だと思います。必要としてい
る言葉との出会いは言葉の力が心の力になるような出会い
で、いのちにつながります。私達も、かけがえのない一人
ひとりのいのちの縁結びができるように、傍にいて、言葉
を大切にした対話を重ねていきたいと思います。
第6回佐久がん哲学外来研修会&交流会
国分寺市
梓澤 たまき
5 月 23 日。穏やかな自然の風景の佐久にて、今回、初
めて「がん哲学外来研修会と交流会」に参加させて頂き
ました。午前中は皆様の手作りの温かい音楽会に私もバ
イオリン演奏で出演させて頂き、ダンスや音楽で皆様と
心がつながった瞬間を実感致しました。
芸術には言葉や思考を超えた不思議な力があることを
皆様に教えて頂いたような気持ちでおります。午後の講
演会では病気を含めて、人生で直面した「試練」にどの
ように向き合ったら良いのかを教えて頂きました。
「試練」を忌み嫌うのではなく、その存在をみつめ認め
てあげること、そして、一人きりで乗り越えるのではな
く寄り添ってくれる人がいることで、乗り越える人は何
倍も力が発揮できるのだということを知りました。
人間は一人では生きられない、そして必ず死が訪れる。
とても重いテーマで、普段の生活の中では会話に出すの
も躊躇してしまうような内容かもしれません。が、誰も
が心の中に抱えている課題であると思います。 「がん哲
学カフェ」では、私が将にいつも考えているテーマを率
直にお話できる方々がたくさんいらっしゃいました。
日々の生活は、様々な山や谷がありますが、このような
ひとときを心の中の「輝き」にして、また明日からを新
たに生きよう、という気持ちになります。 たくさんの気
づきを与えていただいた一日でした。
がん哲学外来カフェの立ち上げの想い
宮崎市
宮地 里加子
がん哲学外来研修センター
〒385-0046 佐久市前山 321-3(クアハウス内)
Tel:0267-63-5369
mail:[email protected]
様々な場面で病気に関する相談会などと人を集め、最
終的に自分の施設入所を薦められたとか、物品販売であ
ったなど、助けを求め何かが得られるかもしれないと希
望を持ち、行った先が思っていた内容と違ったというこ
とをよく耳にします。
「がん哲学」とは、暇げな風貌・偉大なるお節介・即効
性と英断…、また、ユーモアであることなどを樋野先生
は提唱されておられます。私も全く同感であり、心身が
健康で心のゆとりがないと出来ないと思っています。そ
してカフェに来られる方にも「がん哲学外来カフェ」以
外に選択する権利はあると思います。さらに養成講座で
学ぶ方にも選択の権利はあると思います。
現代では、個々が正しい目で本物を見極めていくこと
が必要な時代です。
「がん哲学外来」を日本から世界へ発
信していくべきだと感じています。現時点では、宮崎で
「がん哲学外来カフェ」を開催されている所はないこと、
最初に何かを行うことの様々な壁や問題点もあるかと思
いますが、必ず私(カフェ)を必要と思って下さる方が
おられると信じています。
「がん哲学外来カフェ」の立ち上げをするということは、
決して容易なことではないことを肝に銘じ、今後も精進
して参ります。またこれが本物の「樋野先生のがん哲学
外来カフェ」だと胸を張り、拡げていきたいと思います。