乳癌について 平成17年10月 豊川市 樋口病院院長

乳癌について
平成17年10月
豊川市
樋口病院院長
樋口俊寛
Q:乳癌は増えているようですが?
A:我が国では、肺癌、大腸癌が増加していますが、乳癌は女性の悪性腫瘍による死亡率の
上位を占めるようになり罹患率は、40歳以上になると著しく上昇します。女性の癌の
代表である子宮癌や卵巣癌と比較してもかなり高率になってきています。
Q:乳癌は何歳位に多いですか?
A:乳癌患者の平均年齢はおおよそ50歳前後でありますが、最近では人口の高齢化に伴い
80歳以上の患者さんも珍しくありません、又35歳以下の患者さんも少なくなく、乳
癌はすべての成人女性が注意しなければならない病気です。少数ではありますが、男性
にも発症することがあります。
Q:どの様な事を注意したらよいでしょうか?
A:乳癌は腫瘍が2cm∼3cm 以内で発見される事が望ましい。乳腺は体表臓器ですので常
に自己検診をお勧めします。
Q:自己検診のアドバイスは?
A:検診時期としては生理直後もしくは生理前1週間位が良いです。生理が止まった人は、
日にちを決めて1ヵ月に1回、鏡の前で左右の乳房の変化を観察して下さい。そして左
右の乳房を右であれば左手で乳頭を中心に円を描くように腋に下まで触り、次いで逆の
方向に腋の下から乳頭まで触ってください。お風呂で手に石鹸をつけて行うと宜しいと
思います。
Q:どの様な検査がありますか?
A:1―乳腺レントゲン検査(軟線撮影、マンモグラフー)
2―超音波検査
3―細胞診検査
4―病理組織検査
5―乳管造影、MRI 検査、CT 検査(造影)
【直ちに受診すべき乳房の変化】
1−腫瘤を自覚したとき
2−乳頭分泌を認めたとき
3−片方の乳房にのみ違和感を感じたとき
4−乳房が引きつれたり、陥凹しているとき
5−乳房痛があるとき
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