放射線・放射線機器安全管理学

放射線・
放射線機器安全管理学
科目名
教員名
市川 真澄
診療放射線・必修 履修年次
学科等
曜日・時限等 前期・時間割参照 単位数
非常勤講師
オフィスアワー
―
3
2
授業概要
診療放射線技師の教育の基本である放射線及び放射性同位元素の安全利用を実践するために、法律を十分理解
させ、線量評価、安全及び事故対策に関わる知織と技術を習得する。具体的な内容は①概要②放射線障害③ICRP
勧告④放射線源からの被曝⑤安全取扱⑥遮蔽⑦汚染除去⑧廃棄物処理⑨放射線管理の組織と管理⑩個人の放
射線管理⑪環境の放射線管理⑫異常時の対策と措置⑬関係法令の概要⑭非放射線の安全管理等について学ぶ。
準備学習
各授業ごとに事前に該当する項目を教科書で予習しておくこと。必要に応じてそのつど指示を行う。演習
問題を行うので事前に内容を理解しておくこと。
授業内容
回
1
行動目標
放射線安全管理と組織の概要お 放射線利用に伴う防護や安全管理とその組織の概要および放射線障害につ
いて理解する。
よび放射線障害
2 放射線防護に関する線量
放射線被ばくによる人体への影響を統一的立場から評価するために放射線防護量
(等価線量、実効線量)が定義されており、これらの量の定義と関連量を理解する。
3 ICRP勧告と放射線障害防止法
放射線関連の法令はICRP勧告に基づき制定されているが、その基本的法令
である障害防止法などとICRP勧告との関係を理解する。
4 被ばく形態と線源の種類
人間に被ばくをもたらす放射線には自然放射線と人工放射線があり、後者はさらに医
療、職業などの被ばくの形態があること、さらに線源の形態からの分類を理解する。
5 放射線防護の原則1
放射線防護の原則として、3Cの原則、外部被ばく防護の原則(時間、距離、
遮蔽)について放射線の種類に応じた基本的原則を理解する。
6 放射線防護の原則2
放射線防護の原則として、内部被ばく防護の原則(3D2Cの原則)や内部被ば
く経路(経皮、経口、経気道)およびそれらの防護方法を理解する。
7 放射線施設と安全取扱い1
密封線源に対する放射線防護のための機器、器具および安全取扱い上の注
意点を理解する。
8 放射線施設と安全取扱い2
非密封線源に対する放射線防護のための機器、器具および安全取扱い上の
注意点を理解する。
9 環境管理1
放射線施設の環境における管理・防護の実際と法令との関係、管理区域の
役割および管理測定に関わる機器などについて理解する。
10 環境管理2
放射線施設の環境における空気、水、表面などの各汚染測定法と汚染除去
の方法などについて理解する。
11 個人の管理1
個人被ばくモニタリングの目的と測定法、外部被ばくにおける実効線量の測
定法および均等被ばくと不均等被ばくの違いと算定法について理解する。
12 個人の管理2
内部被ばくによる実効線量の測定法とその特徴および健康診断、教育訓練
などを理解する。
授業計画
13
環境と個人被ばくに関する測定機 各種のサーベイメータと個人被ばく線量計の測定原理と取扱い方法について
理解する。
器
14 廃棄物の処理
放射性廃棄物には多様な種類と形態があり、対応した処理法と保管法により
安全に廃棄する必要がある。授業ではこれらの方法を理解する。
15 事故と対策
放射線施設における事故の分類、原因、対策および非放射線の安全管理に
ついて理解する。
成績評価の
方法・基準
教科書
参考図書
教員からの
メッセージ
中間試験(20%、授業時)と期末試験(80%)の各筆記試験による合計点数で評価します。
放射線安全管理学
飯田博美・安東 醇・川井恵一 通商産業研究社
なし
放射線安全管理は医療分野に留まらず、あらゆる放射線取扱施設で放射線の安全な利用のために行われています。 医療分野
では特に患者に照射したり、放射性医薬品を投与することにより、患者、介護者及び従事者に放射線被ばくを生じる可能性があり
ます。放射線に対する正しい防護知識を持ち適切に活用するための方法を考えましょう。