平成27年度 全国学力・学習状況調査 教科に関する調査結果及び考察について 保護者の皆様へ 白河市立白河第三小学校長 平成27年4月21日に実施しました「全国学力・学習状況調査」の教科に関 する調査結果及び考察についてお知らせいたします。 この調査は、学校における児童への教育指導や学習状況の改善等に役立てるこ となどを目的としています。 調査対象は6年生で、国語と算数と理科の3教科の実施となりました。また、 理科は4年に一度の実施であり、本年度実施いたしました。 国語と算数の2教科については主に知識に関する「A問題」と、主に知識を活 用する力に関する「B問題」を実施しました。 理科は、主として「知識」に関する問題、主として「活用」に関する問題を一 体的に問う問題を実施しました。 本校では、教科に関する調査結果とその考察、ならびに指導方法を改善する取 組をお知らせし、学校と保護者や地域の方々がともに手を携えて、児童の学力向 上や学習環境などの改善に取り組んで参りたいと考えておりますので、ご理解と ご協力をお願いします。 なお、本調査により測定できるのは、学力の一部分であるとともに、学校にお ける教育活動の一側面の結果であることをご理解ください。 【本校と全国の平均正答率比較】 教 科 全国平均 正 答 率 国語A 70.0% 国語B 65.4% 算数A 75.2% 算数B 45.0% 理 60.8% 科 下回って いる やや下回 っている ほぼ同じ やや上回 っている 上回って いる ○ ○ ○ ○ ○ 【国語A:本校と全国の領域別平均正答率比較】 領 域 全国平均正答率 下回っている やや下回っている 53.0% ○ 書くこと 86.0% 読むこと 55.2% 伝統的な言語文化と国語の特 質に関する事項 77.2% 話すこと・聞くこと ほぼ同じ やや上回っている 上回っている ○ ○ ○ 【考 察】 ○ 漢字の書き取りでは、特に全国平均を上回っており、漢字前倒し学習の効果と考 えられますので、さらに継続して取り組んでいきます。 ○ 文の中における主語を捉えることができています。言葉の特徴や、きまりについ て、授業の中で繰り返し指導を行った結果であると思われます。 ○ 作品募集の案内という情報を伝達する文章や資料の中から、必要な情報を読み取 る力が身に付いています。国語の学習では、大切な言葉をキーワードとして捉える ように指導してきたことが成果となって表れていると考えられます。 ○ 話の内容に応じた聞き方を工夫し、自分の意見と比べ考えをまとめる力に課題が あります。相手の話を聞く際には、聞き手の意図を明確に捉えたり、自分の考えと 比べたりする等、聞き方の工夫をすることは重要です。自分の意図が相手に伝わる ように話したり、友達の話を聞き自分の考えを深めたりする学び合いを行っていま すが、全ての児童が学び合いに積極的に参加できるよう授業の改善を図っていきま す。 【国語B:本校と全国の領域別平均正答率比較】 領 域 全国平均正答率 下回っている やや下回っている 書くこと 65.4% 読むこと 68.1% ほぼ同じ やや上回っている 上回っている ○ ○ 【考 察】 ○ 文章の内容を的確に押さえながら、要旨を書くことができています。条件作文の 学習に取り組ませる等、効果的な取組を重ねた結果だと思われます。 ○ 文章の中から、難しい言葉やその意味について書かれている内容を捉えることに 課題が見られます。説明文教材の中で中心となる語句や文章について学習を進めて いますが、全員の理解が深まっているかどうか見取りながら学習を進めていきます。 【算数A:本校と全国の領域別平均正答率比較】 領 域 全国平均正答率 下回っている やや下回っている ほぼ同じ やや上回っている 上回っている 数と計算 80.1% ○ 量と測定 71.3% ○ 図 形 64.5% ○ 数量関係 84.9% ○ 【考 察】 ○ 小数の計算では、小数点をそろえ位ごとに計算する力が身に付いています。定着 の時間等で、繰り返しドリル学習に取り組ませたことが成果となって表れています。 ○ 円を使ってかいた三角形は常に二等辺三角形になることなどの、円や三角形の性 質を使って考える力が身についております。授業において、コンパス等を使った算 数的な活動を多く取り入れたことが、理解につながっています。 ○ 習熟度コース別学習を実施したことで、児童の理解の程度に応じた指導を行うこ とができました。丁寧な指導が児童の達成感へとつながり、算数A問題全体への効 果として表れたと思われます。今後も継続して実施していきます。 ○ 4つのグラフから資料の特徴や傾向を読み取る問題に、課題が見られます。グラ フを書くことはできますが、出来上がったグラフからどのようなことが読み取れる のか考えたり、話し合ったりする授業を多く取り入れながら、資料を読み取る力を 育てるよう指導していきます。 【算数B:本校と全国の領域別平均正答率比較】 領 域 全国平均正答率 下回っている やや下回っている ほぼ同じ やや上回っている 上回っている 数と計算 42.4% ○ 量と測定 41.7% ○ 図 形 45.6% ○ 数量関係 43.0% ○ 【考 察】 ○ 買い物の場面において、最も安くなる買い方を単位量の考えを用いて解く力が身 に付いています。単位量の学習では、発展的な学習に取り組ませながら学習内容を 理解させた成果が表れています。 ○ 切り上げてできた概数が、どのような意味を持つのか判断する問題に課題があり ます。概数の学習をする際に、四捨五入や切り上げ・切り捨ての手順を理解するこ とと併せ、できた概数の意味について日常生活の場面と結びつけて考えさせるよう に指導していきます。 ○ 平行四辺形の作図をする際に用いられる、平行四辺形の性質を判断する問題に課 題があります。作図はできていますが、図形の性質を利用して説明していくことが 苦手なので、筋道を立てて問題を解いていく指導に力を入れて取り組んで行きます。 ○ 三角形の性質を基にして考える問題につまずきが見られます。算数A問題で三角 形については理解できていることから、日常生活場面に活用することができないと 分析できます。日常生活に関わる問題場面を設定し、考える学習を多く取り入れて 指導していきます。 【理 科:本校と全国の領域別平均正答率比較】 内 容 全国平均正答率 下回っている やや下回っている ほぼ同じ やや上回っている 上回っている 物 質 57.4% ○ エネルギー 65.6% ○ 生 命 61.2% ○ 地 球 57.8% ○ 【考 察】 ○ 実験や観察の中で顕微鏡を適宜使用し、その都度名称や使い方を確認してきたの で、理解が深まっています。 ○ メダカや人、インゲンマメ等のそれぞれについて、成長に必要な養分のとり方が 理解できていたため、視点を明確にして共通点等を分析することができています。 科学的な思考力が高まってきていると思われます。 ○ メスシリンダーの名称については、定着していなかった様子が伺えます。繰り返 し復習して、学習内容の定着を図っていきます。 ○ 星座の動きを捉えるために、何を観察カードに書けばより良く記録できるか考え る問題に課題が見られます。観察カードを書いたり発表したりする機会を授業で多 く行い、記録には何が必要であるかを自分で考えられる力を育成していきます。 平成27年度 全国学力・学習状況調査 質問紙調査結果及び考察について 保護者の皆様へ 白河市立白河第三小学校小学校長 「全国学力・学習状況調査」では、学習や生活の状況について質問紙による調査も 実施しましたので、一部ですがその結果及び考察をお知らせいたします。 特に、児童の家庭学習の取組やゲームなどへのかかわりなど家庭生活に関する調査 結果を公表し、学校と家庭・地域の協力体制を強化していきたいと思います。 この結果を、ぜひご家庭でも子どもさんと一緒に話し合って、家庭生活の見直しに 役立ててくださるようお願いします。 1 普段(月~金)、授業以外にどのくらいの時間を学習していますか。 2時間以上 1時間以上 30分以上 30分未満 全くしない 3時間以上 3時間未満 2時間未満 1時間未満 小 白三小 6 全 国 【考 5.4 11.1 19.4 14.6 59.1 37.0 10.8 25.1 4.3 9.1 1.1 3.0 (単位 %) 察】 ○ 家庭学習の時間は、3時間以上取り組んでいる割合は全国平均を下回りますが、 2時間以上取り組んでいる割合は、全国平均と同じであり、本校の目標とする時間 「学年×15~20分」程度を、概ね満たしていると判断できます。 ○ 宿題の内容に加え、自主的な学習に取り組めるよう、幅広い内容を紹介して家庭 の協力が得られるよう連携を図っていきます。 2 自分で計画を立てて勉強をしていますか。 している 小 白三小 6 全 国 【考 ○ 28.0 27.4 どちらかと あまり いえばしている していない 39.8 35.4 26.9 28.1 全く していない 5.4 9.1 (単位 %) 察】 「どちらかといえばしている」を含めて実践していると解答した児童は、約7割 に達していて、全国平均を上回っています。計画的に家庭学習を進めるには、自分 の得手不得手を客観的に捉える力が必要です。 ○ 授業で分からなかった内容や、テストで思うように点数がとれなかった内容を重 点とし、自主学習等に取り組ませます。 3 普段(月~金)、授業以外に1日当たりどのくらいの時間、読書をしますか。 1時間以上 30分以上 10分以上 10分未満 全くしない 2時間以上 2時間未満 1時間未満 30分未満 小 白三小 6 全 国 【考 7.5 7.5 11.8 10.1 12.9 20.1 43.0 26.5 12.9 15.8 11.8 19.9 (単位 %) 察】 ○ 別の質問項目で、「読書が好き」と解答した児童が約7割に達しているにもかか わらず読書量が少ないのは、昼休みや放課後の様々な活動のため、読書をする時間 がないことも一つの原因だと思われます。学級担任と学校司書が連携を図り、児童 が読書に親しめるような対策を講じていきます。 ○ 「一日30分以上」の人数が合計約3割という結果です。これは学校で15分の 読書タイム以外に15分間も読んでいないことになります。読書時間が多くなる ように家庭と連携したり、学校司書との取り組みを充実したりしていきます。 4 普段(月~金)、1日当たりどれくらいの時間、テレビゲームをしますか。 3時間以上 2時間以上 1時間以上 1時間未満 全くしない 4時間以上 4時間未満 3時間未満 2時間未満 小 白三小 6 全 国 【考 7.5 9.1 3.2 7.9 12.9 13.2 24.7 24.4 32.3 31.6 19.4 13.7 (単位 %) 察】 ○ 「1時間以上」の児童の合計は、5割に迫っています。家庭学習「2時間」が大 勢を占めることを考慮しつつ、それにテレビゲームに興じる時間が加算されると、 おのずと就寝時刻が遅いことが容易に想像できます。 ○ 家庭との連携を図りながら、節度ある生活態度の育成に努めます。 朝食を毎日食べていますか。 5 食べている 小 白三小 6 全 国 【考 ○ 87.1 87.6 どちらかといえ あまり食べて 食べていない ば食べている いない 6.5 8.0 6.5 3.4 0.0 0.9 (単位 %) 察】 結果は全国平均並みとなっていますが、全員が「朝食を食べている」ようにする ことが課題です。 ○ 朝食をとらないと空腹感からか、午前中の授業態度に覇気がなく、無気力な感じ で過ごす児童が見られるようになりますので、食育と並行して、定期的な「朝食調 べ」を実施し、活力ある1日のスタートが切れるよう働きかけます。 6 家の人(兄弟姉妹以外)と学校の出来事について話をしますか 話している 小 白三小 6 全 国 【考 59.1 53.2 どちらかといえ あまり話して 話していない ば話している いない 24.7 26.3 14.0 15.9 2.2 4.5 (単位 %) 察】 ○ 「話をしている」が全国平均を上回っています。「どちらかといえばしている」 を含めると約8割を超える児童が、学校の出来事をよく話していることになります。 ○ 児童一人一人の言葉で伝えることは家族団らんや、家庭と学校との連携の深ま りにつながります。今後とも「家庭学習ファイル」へのコメント等を活用して、 お子様との交流や学校との双方向の情報交換をしていただけると有り難いです。 7 自分には、よいところがあると思いますか。 当てはまる 小 白三小 6 全 国 【考 46.2 36.3 どちらかといえ どちらかといえば 当てはまらない ば当てはまる 当てはまらない 35.5 40.1 12.9 16.1 5.4 7.5 (単位 %) 察】 ○ 「自己肯定感」は高い数値を示しています。学校や家庭、地域で自分の活躍する 場が確保されている証と考えられます。 ○ 自分は何かの役に立っているという気持ちが強くなれば、未来への希望も強くな ります。別の質問項目でも、将来への夢や目標は9割近くの児童が持っていると回 答しています。 算数の授業で学習したことを普段の生活の中で活用できないか考える。 8 当てはまる 小 白三小 6 全 国 【考 察】 44.1 35.5 どちらかといえ どちらかといえば 当てはまらない ば当てはまる 当てはまらない 35.5 32.2 16.1 22.2 4.3 10.0 (単位 %) 算数の学習を日常生活場面の中で生かすことが、算数科の大きな目標です。「活 用できると考えている」が全国平均を大きく上回っており、児童にその意識が高ま っていることが分かります。 ○ 授業で学習内容を理解し、日常生活場面に活用するという学習を継続し、さらに 児童の活用力を高めていきます。 ○ 9 家で学校の宿題をしていますか。 している 小 白三小 6 全 国 【考 75.3 87.4 どちらかといえ あまりしていない 全くしていない ばしている 19.4 9.4 4.3 2.5 1.1 0.7 (単位 %) 察】 ○ 「している」が全国平均を大きく下回っています。設問1の授業以外の学習時間 の1時間未満が16%であることを鑑みると、宿題を必ずする習慣が身に付いてい ない児童は1/4います。必ず行うべき宿題は全員が提出する、発展的な学習課題 は自主的な学習として行わせる等、個に応じて出題する工夫が必要だと考えます。 ○ 家庭でのお子様との関わり方についても、学校と十分に連携し、家庭学習の習慣 化を図っていきます。 10 いじめはどんな理由があってもいけないことだと思う。 当てはまる 小 全 国 6 白三小 【考 ○ 81.8 68.8 どちらかといえ どちらかといえば 当てはまらない ば当てはまる 当てはまらない 14.4 24.7 2.5 4.3 1.1 2.2 (単位 %) 察】 「当てはまる」が約7割で、全国平均を大きく下回っています。人は、一人一人 が大切に、かつ尊重されるべき存在です。この質問については、全員の児童が「そ う思う」と回答することを目指し、学校では全ての教育活動を通して心の教育を推 進していきます。 ○ 児童一人一人が満足した学校生活を送るためにも、「いじめはどんな理由があっ てもいけない」ことを指導していきます。
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