全国グラビア協同組合連合会・第 45 回通常総会 傍観者とならず

全国グラビア協同組合連合会・第 45 回通常総会
傍観者とならず、あらゆる関係者に訴えていこう
組合活動を通じて元気になろう
全 国 グ ラ ビ ア 協 同 組 合 連 合 会 ( 東 京 都 墨 田 区 業 平 1-21-9 、 TEL.03-3623-4046 、
http://www.gcaj.or.jp/)は平成 27 年 6 月 18 日午後 4 時より、ホテルモントレグラスミア大
阪において、理事 21 名のうち本人出席 18 名・委任状 3 名の下、第 45 回通常総会を開催し、①
省エネ・省資源による地球環境保全への対応、②「グラビア印刷(軟包装)グリーン基準」の
啓蒙と認定取得の奨励・周知活動、③業界品質基準策定(ガイドライン)の理解と支援を得る
活動展開などを骨子とする 2015 年度事業計画を可決するとともに、役員改選では、会長に田口
薫氏、副会長には安永研二氏、竹下晋司氏、大月正雄氏、後藤啓行氏、中村政晃氏、金谷益孝
氏の 6 氏を選出し、新年度の事業に踏み出した。なお、これまで全グラを支えてきた岡山県グ
ラビア印刷協同組合が解散したため、2015 年度からの構成単組は 8 つとなった。司会役を務め
た関西グラビア協同組合の竹下理事長は、総会の最後に、「寂しい限りだが、岡山県の柳井 淳
さん、岡田昌髙さんには多大なご尽力をいただきました。今後、ますますのご健闘をお祈りし
ます」と結んだ。
●田口 薫会長挨拶
総会に先立ち、挨拶に立った田口 薫会長は次のように語った。
「平成 27 年の春の叙勲に際し、はからずも旭日小綬章をいただきました。5 月 12 日、宮沢
経済産業大臣より伝達を受け、皇居へ参内し天皇陛下に拝謁の栄誉を賜りました。私は今回の
受章は、1 つは大気汚染防止法制定の際の民間側の小委員として成立に関わったこと、そして
もう 1 つ、その効果は、国の目指す 30%をはるかに超える 69%削減を達成したことによると思
います。これは、安永研二・赤穂昌之両委員の奮闘のおかげです。環境省側と激しいやり取り
は、ご両名と日本ポリエチレンラミネート製品工業会の浅田精利技術委員長に負う処が大きい
と思います。もっと大きいのは、故川田善朗前会長(トーホー加工㈱)が 15 年前から一貫して
環境問題に関し積極的な行動をとられ、リーダーシップを示されたことです。このことで、印
刷業界は大いに見直されたと思います。この栄誉は組合全体が評価されたと思います。皆様に
厚く御礼申し上げます。
現在、国会では憲法解釈を変えて集団的自衛権を行使するための審議が進んでいます。しか
し、参考人として招致した憲法学者が違憲であるとしたため、安倍内閣の思い通りにいかない
状況なっているようです。安倍首相は米国議会で早期国会通過を約束しましたが、今までにな
い拙速強硬なやり方です。国民は当然重大な関心をもって深く考えはっきりと意思を表明すべ
きです。傍観者を決め込むことだけは避けなければなりません。55 年前の 6 月 15 日、30 万人
規模の国会デモがあり、私は高校に入ったばかりですが、クラスの半分はいないという状況で
した。その時、東大の樺教授の御嬢さん、美智子さんが亡くなりました。今はもっと凄い状況
にありますが、国民は動きません。
さて、私たちの顧客である食品メーカーのさらに上位に流通業界があります。イオン、セブ
ン共に 7 兆円を売り上げていますが、いずれも総合スーパー部門は赤字です。これだけ我々が
努力し、安くして、食品メーカーもギリギリやっているのに 2 社が赤字とは何かが狂っていま
す。3.11 の直後、経済産業省から日印産連に係官が見え、『直ぐに 20%の節電をしろ』と強要
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しました。それに対して、安永副会長は、『そんなことを言うなら大手スーパーの販管費の高
さを指導しろ。彼らの言う通りに PB ブランドの小ロット印刷をすると電気の消費量は増える。
大ロットで印刷すると 20%、30%削減できる』と明言したのです。これは素晴らしかったです
ね。安く買い叩いて、安く売っても、消費者はついてこないのです。我々も客なのです。とい
うことを考えていないのではないでしょうか。
大企業の最高益の陰で倒れていく中小企業もたくさんあります。『一将功成りて万骨枯る』
が現代も続く不条理です。我が業界もそれにならって、自分さえよければ、あとは野となれ山
となれの風潮では、必ずや自分の首を絞めることは歴史が物語っています。6 月 8 日、甘利 明
経済再生担当大臣にパーティでお会いし、我々の窮状を陳情し、申し入れ書をお渡ししてきま
した。大企業は最高益を上げ税収も予想以上伸びていますが、我々は 13 回の原料高騰等による
値上げが 3 回しか転嫁できず、景気回復のメリットを受けることができません。世の中先立つ
ものがなければ従業員の待遇の改善もできず、結果的に従業員にしわ寄せが及ぶと、購買力も
落ちてきます。日本中に 10 万円で暮らす人が 2 千万人いると言われています。これは企業の自
助努力の範囲を超えています。法治国家日本で優越的な地位にあるからと言って、力を振り回
して良いはずがありません。昨年、小企業の実情をよくご存知の、経済産業省の菅原一秀さん、
松島みどり副大臣(前)と平将明政務官(前)に、『自分よし、相手よし、世間よし』の近江
商人の『三方よし』を政策に取り入れるよう訴えました。また、安永副会長を先頭に公正取引
委員会とも密接な連絡を取っています。今後も全国中小企業団体中央会等と連携して中小企業
の地位向上に努力してまいります。
日本には 500 万以上の中小企業がありましたが、15 年間に 130 万社が去り 385 万社になって
しまいました。国内の 70%の従業員を抱え、付加価値も全体の 55%を稼ぐ中小企業を痛めつけ
れば国内経済への影響は重大です。10 大財閥が 70%もの付加価値を独占する韓国のようになっ
ては大変です。中小企業が今後も円滑に事業承継し、活力を残していくよう我々も努力して世
間に認められるようにしましょう。傍観者とならず、あらゆる関係者に訴えてまいりましょう」。
●2015 年度事業活動骨子
通常総会で可決された 2015 年度事業活動の骨子は次の通り。
(1)省エネ・省資源による地球環境保全への対応
(2)日本印刷産業連合会と連携を取り、行政関連経済支援策・セーフティーネット・下請適正取
引・優越的地位の乱用等と、原材料・エネルギーコストの転嫁についての迅速な対応と関連行
政官庁の連携強化
(3)環境対策の推進
①当初目標の 50 事業所(総会開催時点で 47 事業所)到達が秒読みとなった「グラビア印刷
(軟包装)グリーン基準」の啓蒙と認定取得の奨励・周知活動
②「規制と自主的取組のベストミックス」による VOC 排出削減へ向けての支援
③光化学スモッグ被害縮小と警報発令時の対応の取組
④VOC 処理装置の研究と普及
⑤地球温暖化防止のための CO2 排出量削減への取組
⑥カーボンフットプリントプログラムの対応と研究、啓蒙の推進
⑦省エネ法への対応の取組
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⑧環境関連条例等への対応策の検討と規制緩和の推進
⑨労働安全衛生と法令遵守の啓蒙と完全実施の推進
(4)業界品質基準策定(ガイドライン)の理解と支援を得る活動の展開
(5)会員・賛助会員の増強
「グラビア印刷(軟包装)グリーン基準」の啓蒙と認定取得への近道として、組合加入促進
を図る。
(6)日本印刷産業連合会への積極的な参加と、関連業界団体との連携強化
(7)青年部の育成と拡大
(8)機関紙「GP JAPAN」の内容充実と広告獲得、拡販
(9)全国グラビア協同組合連合会と各会員組合のホームページ開設への取組
●2015~16 年度役員人事
2015~16 年度の役員人事は次の通り。氏名(敬称略)、所属(単組)、所属企業(団体)の
順。
【理事長(会長)】田口 薫(関東グラビア協同組合、大日本パックェージ㈱)
【副理事長(副会長)】安永研二(関東グラビア協同組合、東包印刷㈱)、竹下晋司(新任:
関西グラビア協同組合、㈱ダイコー)、大月正雄(関東プラスチック印刷協同組合、㈱セイユ
ー)、後藤啓行(東海グラビア印刷協同組合、中京化学㈱)、中村政晃(九州グラビア協同組
合、㈱三裕商会)、金谷益孝(北海道グラビア印刷協同組合、彫刻グラビヤ札幌㈱)
【専務理事】村田英雄(事務局、全国グラビア協同組合連合会)
【理事】赤穂昌之(関東グラビア協同組合、㈱日商グラビア)、山下雅稔(関東グラビア協同
組合、㈱巧芸社)、東 尚男(関東プラスチック印刷協同組合、㈱東シール)、石井 純(関東
プラスチック印刷協同組合、㈱多漣堂)、佐伯鋼兵(埼玉県グラビア協同組合、㈱佐伯紙工所)、
井手信治(北海道グラビア印刷協同組合、三王ポリ㈱)、浮田信也(東海グラビア印刷協同組
合、大和産業㈱)、大野 繁(新任:東海グラビア印刷協同組合、㈱ライブオール)、堀川 昇
(新任:関西グラビア協同組合、日新シール㈱)、奥田拓己(新任:関西グラビア協同組合、
㈱北四国グラビア印刷㈱)、賀谷真尚(北陸グラビア協同組合、賀谷セロファン㈱)、織田憲
三(新任:北陸グラビア協同組合、アートパックス㈱)、母里圭太郎(九州グラビア協同組合、
㈱平野屋物産)
【監事】小金澤和夫(関東プラスチック印刷協同組合、東和グラビヤ印刷㈱)、阿部 純(関東
グラビア協同組合、北上産業㈱)
●懇親会
引き続き会場を別にし、全国から集まった賛助会員、組合員など 103 名が参加し、懇親会が
開催された。冒頭、田口 薫会長は、前会長の川田善朗氏が 71 歳定年とした不文律を引き合い
に、「私も今年で 71 歳になります。そろそろ次の会長人選を考えて欲しい。関東が駄目なら大
阪でもどこでも構いません」とチクリ。続いて、「18 年前、関西で総会が開かれたときには本
当に寂しい思いをしました。その後、関西グラビア協同組合の米谷和彦元理事長、堀川 昇前理
事長、竹下 晋司理事長のご尽力により、組合員を増やしていただき、活気溢れる組合にしてい
ただいたことは本当に有難いことです。今回の叙勲も、単組の皆さんに頑張っていただいた賜
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物」と、改めて謝意を述べた。また、川田前会長に続いての旭日小綬章の叙勲は、「グラビア
印刷業界がワンランクアップした証。川田さんは、自分のことよりも人のことを優先した人。
そこには、地位の高い者は下の者を思いやるという武士道の精神刃が流れていた。川田さんは、
いろんな範を示され、正義感の強い人であった。川田さんのことを振り返り大阪に来ましたが、
みんな集まっているなと喜ばれていることと思います」と挨拶。
続いて竹下晋司副会長は、「田口会長の旭日小綬章の叙勲は、グラビア印刷業界にとって大
変な誇り」と称え、参加者一同、拍手にて田口会長を祝福。また、通常総会の大阪開催は、「関
西グラビア協組、青年部とも目的意識を持ち、結束力が高まり、組合の活性化にもつながりま
した」と感謝の念を表した。
乾杯の発声を務めた米谷和彦元理事長(芳生グラビア印刷㈱)は、副会長職 8 年を含む計 12
年間の理事を通じてのエピソードとして、「初めて理事会に参加した時、これは私の来るとこ
ろではないなと思ったが、会を重ねるたびに、『組合活動を通じて元気になるんだ』『日印産
連の中でグラビア印刷の地位を上げていくんだ』という信念を川田前会長、田口会長から教わ
り」、自身もそう思い、今に至っていることを吐露。「素晴らしい志をお持ちで、それに賛同
し、皆が参集している。志に基づいた実行が叙勲につながった」と、田口会長、そして全グラ
の仲間にエールを送った。
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