株式会 社 精 工 つく ば 工 場

株式会社精工 つくば工場
つくば工場・TSUKUBA2025
において日本のパッケージ
フィルム印刷を牽引する。
農産物フィルムの市場
シェアは約 25%で
業界トップ
近年、スーパーマーケット等の
野菜売場のディスプレイがカラフ
ルになっています。食の多様化・
個性化が進み、地元産品から全国
のブランド品まで、多種多様な野
菜や果物が陳列されるようになり
ました。
こうしたなか生産者側でも、パッ
ケージのデザイン力を通して製品
のブランド力を向上していこうと
いう動きが出てきました。例えば、
パッケージに生産者の顔写真を印
刷したり、産地や商品の特長を目
立つように表示したフィルム包装
などがそれです。
この農産物のフィルム包装にお
いて市場シェア約 25%と業界トッ
プを誇るのが株式会社精工です。
当社は 1911 年(明治 44 年)に創
業し、今年で創業 102 周年を迎え
ました。戦後は、農産物出荷用の
木箱に貼るラベルの製造を主とし
ていました。その後、農産物の包
装材がフィルムへと変わっていく
とともに、フィルム印刷や製袋す
るフィルムの二次加工へと事業を
変化させていきました。現在当社
はフィルムの二次加工の他、農産
物出荷資材の販売、デジタル印刷
の三部門を中心に事業を展開して
います。
つくば工場は関東エリア
をカバーする当社の
最重要生産拠点
つ く ば 工 場 は 2007 年 に 手 薄 で
あった関東エリアをカバーするた
め、高知工場、宮城工場に次ぐ当
社 3 番目の生産拠点として竣工し
ました。当地に進出したのは、常
磐自動車道土浦北 IC に車で 5 分と
交通の便が良いこと、工場建設に
必要な広い敷地を安価で確保でき
たこと、そして茨城県開発公社か
らの積極的なアプローチがあった
ことなどが理由です。
当工場は印刷・ラミネート・ス
リット・製袋の 4 つの加工機能を
持っており、完全一貫生産体制を
敷いています。フィルムの二次加
工については、研究、開発、デザ
イン、生産、品質管理、保管、物
流、販売に至るまでのトータル・
ソリューションを提供しているの
が特徴です。特に最新鋭の高速印
刷機を 4 台保有しており、大ロッ
トはもちろんのこと、超大口の注
文にも迅速な対応が可能であり、
当社が目指す「農産物のフィルム
包装において市場シェア 25%以上」
のための最重要生産拠点と位置付
けられています。
つくば工場は「新技術・
新製品開発の拠点」とし
ての側面も持つ
当工場は「新技術・新製品開発
の拠点」としての側面も持っていま
JIR NEWS
2013
12
つくば工場長
武田信男氏
グラビア印刷農産物包装資材
デジタル印刷製品
HP Indigo20000(2014 年 1 月導入予定)
『新 5S』を目指した取り組み
所
会社概要
当社では(1)Safety & Security
/安心・安全、
(2)Speed /スピー
ド、
(3)Smile /笑顔、
(4)Simple
/シンプル、
(5)Steady /確実の
『新 5S』をキーワードとし、安心し
て使用できる環境に優しい包装資
材を提供することを目指し活動し
ています。つくば工場でも安全衛
生管理、環境対策、品質管理には
力を入れて取り組んでいます。
安全衛生管理においては、エアー
カーテン・二重ドア・陽圧設備を
設置して、工場内を陽圧にし、入
退出時はエアシャワーを経由する
ほか、印刷・ラミネート室の床を
全面ステンレス製にするなど、徹
底した防じん・防虫対策を行って
います。常に工場内をクリーンに
保っている当工場は、軟包装衛生
協議会の認定工場になっています。
環境対策においては、ISO14001
を認証取得し、溶剤を使用しない
ラミネート機である「ソルベントレ
スラミネート機」のほか、人間が行っ
ていた調色作業をコンピューターが
数値的に処理するCCM(コンピュー
ターカラーマッチング)を導入し、廃
インキを極力出さないようにして
います。残った廃インキについて
は溶剤再生装置により、その 90%
を溶剤として再利用しています。
VOC(※)規制の対象となるドライ
ラミネート機および 8 色グラビア
印刷機には VOC 排ガス処理装置
「省エネ型 VOC 低温分解装置」を
導入し、ドライラミネート工程の
乾燥機から出る排ガス中のVOC 成
分を、低温酸化処理(280℃で燃焼)
にて酸化分解・除去しており、酢
酸エチルの分解・除去においては
95%以上の処理率となっています。
品質管理においては、ISO9001の
認証を取得し、徹底した品質管理と製
品トレーサビリティーを行っています。
在
地
業 種
社
員
数
取 締 役 社 長
つくば工場長
連
絡
先
U
R
L
売場提案展示室
※ VOC とは
VOC は 揮 発 性 有 機 化 合 物(Volatile
Organic Compounds)の略称で、塗料、
印刷インキ、接着剤、洗浄剤、ガソリン、
シンナーなどに含まれるトルエン、キシレン、
酢酸エチルなどが代表的な物質。
TSUKUBA2025は
当社の情報発信拠点
当社では顧客満足度向上のため
に、「実際に現場を見てもらうのが
一番」との考えのもと、マーケティ
ングから売場提案、包装機械まで
トータルで情報発信を行う施設と
して、2012 年につくば工場内につ
く ば 第 2 工 場「TSUKUBA2025」
を竣工しました。
当工場内には様々な分野の包装
資材の展示から、ターゲット別売
場シミュレーションの展示を行う
「売場提案展示室」や包装機械を実
際に見て触れて体験できる「包装
機械展示室」、農産物の鮮度保持に
関する様々な実験データを収集す
る実験工程を見学できる「鮮度保
持研究室」を備えています。また、
「デザイン・企画室」では、見学に
訪れた顧客に対し、直ちにデザイ
ンの提案を行うことができます。
「TSUKUBA2025」 は、 デ ジ タ
ル印刷がグラビア印刷の品質・性
能に追いつく目標年を 2025 年とし
てネーミングされました。目標年
を上回るスピードで技術革新が進
み、当工場が今後の日本のパッケー
ジフィルム印刷を牽引していくこ
とが期待されます。
ウェルカム茨城
す。前述の通り、生産者ごとに名
前や顔写真、生産履歴などを表示
する小ロット印刷のニーズが高まっ
ていますが、その中で欠かせない
のがデジタル印刷の技術開発です。
印刷に版を必要とする従来のグ
ラビア印刷などは、単一種類の大
ロットの印刷には適しているもの
の、複数種類の小ロット印刷への
対応はできません。
デジタル印刷は版を必要としな
いため、一部ずつ印刷物の内容を
変えるバリアブル印刷が可能で、
印刷までのプロセスを自動化する
ことにより、印刷にかかるコスト
を削減し、人的ミスも少なくする
ことができます。当工場では、デ
ジタル印刷と当社独自で開発した
グラビア印刷技術を融合したハイ
ブリッド印刷により、小ロット印
刷を実現し、付加価値の高い商品
を提供しています。
当 工 場 で は、 ア ジ ア で は 初 と
なる最新鋭のデジタル印刷機
「HP Indigo20000」 を 2014 年 1 月
に導入する予定です。同機導入に
より、これまでのデジタル印刷よ
りも、高画質で幅広なサイズへの
印刷が可能となります。このサイ
ズ拡張により、当社製袋品の8割
をカバーできるパッケージ表現拡
大に繋がり、いよいよ、軟包装に
おけるデジタル小ロット印刷の本
格稼動が実現します。
「TSUKUBA2025」外観
(本 社)大阪府大阪市北区西天満 1-2-5 大阪 JA ビル 8 階
(つくば工場・営業所)茨城県土浦市沢辺 57-30
農産物用包装フィルム加工、包装資材販売
539 名(つくば工場 135 名)
林 健男
武田信男
(本 社)06-6360-6531(つくば工場)029-830-6355
(つくば営業所)029-830-6360
http://www.seikou-web.co.jp
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