平成 27 年 社会保険労務士試験 本試験徹底分析会 1 選択式 <労基> ● 試験前に配布した「直前チェック」より □ 添乗業務について、会社と添乗員との間で、あらかじめ定められた旅行日程に沿った旅程の管理等の 業務を行うべきことを具体的に指示した上で、予定された旅行日程に途中で相応の変更を要する事態が 生じた場合にはその時点で個別の指示をするものとされ、旅行日程の終了後は内容の正確性を確認し得 る添乗日報によって業務の遂行の状況等につき詳細な報告を受けるものとされているなど業務の性質、 内容やその遂行の態様、状況等、会社と添乗員との間の業務に関する指示及び報告の方法、内容やその 実施の態様、状況等に鑑みると、これに従事する添乗員の勤務の状況を具体的に把握することが困難で あったとは認め難く、労働基準法第38条の2(編注:事業場外のみなし労働時間制)第1項にいう「労 働時間を算定し難いとき」に当たるとはいえないと解するのが相当であるとするのが最高裁判所の判例 である。 〈平成26年最高裁判例(阪急トラベルサポート事件) 〉 ● 「総仕上げヤマ当て講座(試験に出る最高裁判例) 」より 労働基準法第 39 条第5項ただし書の「事業の正常な運営を妨げる場合」か否かの判断において、代替 勤務者配置の難易は、判断の一要素となるというべきであるが、特に勤務割による勤務体制がとられてい る事業場の場合には、重要な判断要素であることは明らかである。したがって、そのような事業場におい て、使用者としての通常の配慮をすれば、勤務割を変更して代替勤務者を配置することが客観的に可能な 状況にあると認められるにもかかわらず、使用者がそのための配慮をしないことにより代替勤務者が配置 されないときは、必要配置人員を欠くものとして事業の正常な運営を妨げる場合に当たるということはで きないと解するのが相当であるとするのが最高裁判所の判例である。 〈昭和 62 年最高裁判例(弘前電報電 話局事件) 〉 <安衛> 特別教育を必要とする業務(主なもの) ①研削といしの取替え等の業務、②動力プレス機械の金型等の取付け等の業務、③アーク溶接等の業務、 ❹最大荷重1トン未満のフォークリフトの運転(道路上を走行させる運転を除く。 )の業務、⑤最大積載量 が1トン未満の不整地運搬車の運転(道路上を走行させる運転を除く。 )の業務、⑥チェーンソーを用いて 行う立木の伐木の業務、❼作業床の高さが 10 メートル未満の高所作業車の運転(道路上を走行させる運転 を除く。 )の業務、⑧小型ボイラーの取扱いの業務、⑨つり上げ荷重が5トン未満の小型クレーン等の運転 の業務、❿つり上げ荷重が1トン未満の移動式クレーンの運転(道路上を走行させる運転を除く。 )の業務、 ⑪つり上げ荷重が5トン未満のデリックの運転の業務、⑫建設用リフトの運転の業務、⑬つり上げ荷重が 1トン未満のクレーン・移動式クレーンまたはデリックの玉掛けの業務、⑭ゴンドラの操作の業務、⑮高 圧室内作業に係る業務、⑯四アルキル鉛等業務、⑰酸素欠乏危険場所における作業に係る業務、⑱エック ス線装置またはガンマ線照射装置を用いて行う透過写真の撮影の業務、⑲ずい道等の掘削の作業等に係る 業務、⑳核燃料物質の取扱い業務、21 石綿等が使用されている建築物又は工作物の解体等に係る業務、 等 <参考> 就業制限と特別教育との関係 (例) 移動式クレーンの運転 1トン つり上げ荷重 就業制限(免許、技能講習修了) 特別教育 2 <雇用> 日雇労働求職者給付金(普通給付)の支給日数 26 前2か月の雇用保険印紙の納付枚数 27 28 29 30 32 33 34 36 37 38 40 41 42 44 ・・・ 印紙保険料の貼付枚数 26 枚~31 枚 32 枚~35 枚 36 枚~39 枚 40 枚~43 枚 44 枚~ 31 35 39 43 ⇒ ⇒ ⇒ ⇒ ⇒ 1か月の支給日数(最高) 13 日 14 日 15 日 16 日 17 日 支給日数 13 日 14 日 15 日 16 日 17 日 <健保> 一部負担金の割合 被保険者の区分 一部負担金の割合 (イ) 70 歳に達する日の属する月以前 100 分の 30 下記以外の者 100 分の 20 (ロ) 70 歳に達する日の 現役並み所得者(標準報酬月額が 28 万円以上であ 属する月の翌月以後 100 分の 30 る場合)※ ※ 70 歳以上で療養の給付を受ける月の標準報酬月額が 28 万円以上であっても、次の①又は②のいずれ かに該当する者については、申請により一部負担金の割合が 100 分の 20 となる。 ① 被保険者及びその被扶養者(70 歳以上の者に限る。 )について算定した収入の額が 520 万円(被扶養 者がいないものにあっては、383 万円)に満たない者 ② 被保険者(その被扶養者(70 歳以上の者に限る。 )がいない者であってその被扶養者であった者(後 期高齢者医療の被保険者等になったため被扶養者でなくなった者であって、被扶養者でなくなった日の 属する月以後5年を経過する月までの間に限り、被扶養者でなくなった日以後継続して後期高齢者医療 の被保険者等に該当するものをいう。 )がいるものに限る。 )及びその被扶養者であった者について算定 した収入の額が 520 万円に満たない者 3 延滞金の割合の(イ)14.6%、(ロ)7.3%は、当分の間、各年の特例基準割合が年 7.3%に満たない場合 には、その年中においては、(イ)14.6%については、「特例基準割合+7.3%」、(ロ)7.3%については、 「特例基準割合+1%」とする。 原則 特例(平成 27 年度) (イ) 14.6% 9.1%(特例基準割合(1.8%)+7.3%) (ロ) 7.3% 2.8%(特例基準割合(1.8%)+1%) 【参考】 「特例基準割合」とは、各年の前々年の10月から前年の9月までの各月における銀行の新規の短期 貸出約定平均金利の合計を12で除して得た割合として各年の前年の12月15日までに「財務大臣が告示する 割合」に年1%の割合を加算した割合をいう。なお、 「財務大臣が告示する割合」について平成26年12月12 日に0.8%と告示された。 14.6% 7.3% (平 27 年中は 9.1%) (平 27 年中は 2.8%) △ 納期限の翌日 ▲ 3 か月(徴収法は 2 か月) △ 完納又は財産差し押えの日の前日 <国年> 時効消滅不整合期間 ←昭和 61 年4月から平成 25 年6月までの間にある第3号被保険者とされていた被 保険者期間のうち、第1号被保険者としての被保険者期間として記録の訂正がなさ れた期間(「不整合期間」という。)であって、当該訂正がなされたときにおいて保険 料を徴収する権利が時効によって消滅しているもの 厚生労働大臣に届出 平成 27 年4月1日~ 平成 30 年3月 31 日 特定期間 特定保険料の納付 学生納付特例の規定により ①特定保険料の納付が行われた 納付することを要しないも ときは、納付が行われた日に、納 のとされた保険料に係る期 付に係る月の保険料が納付され 間とみなす たものとみなす ②老齢基礎年金の受給権者が特 定保険料の納付を行ったときは、 納付が行われた日の属する月の 翌月から、年金額を改定する <特定受給者の老齢基礎年金等の特例> 平成 25 年7月1日において当該時効消滅不整合期間となった 期間が保険料納付済期間であるものとして老齢基礎年金又は被 用者年金各法に基づく老齢給付等を受けているもの(これらの給 付の全部につき支給が停止されている者を含む。 「特定受給者」 という。)が有する当該時効消滅不整合期間となった期間につい ては、特定保険料納付期限日(平成 30 年3月 31 日)までの間は、 保険料納付済期間とみなす 4 <平成 30 年4月以後の特定受給者の老齢基礎 年金の額> 特定受給者に支給する特定保険料納付期限 日の属する月の翌月(平成 30 年4月)以後の 月分の老齢基礎年金の額については、納付した 特定保険料に応じて年金額が訂正される。納付 しなかった場合、年金額が減額されることにな るが、訂正後年金額が、訂正前年金額(時効消 滅不整合期間となった期間を保険料納付済期 間とみなして計算した額)の 100 分の 90( 「減 額下限額」 )に満たないときは、減額下限額に 相当する額とする。 択一式 <雇用> 介護休業給付金 ◇ 事業主から支給単位期間に賃金が支払われた場合 休業開始時賃金日額×支給日数 休業開始時賃金日額×支給日数×40% 休業開始時賃金日額 ×支給日数×80% 休業開始時賃金日額 ×30×40% 全額支給 差額支給 支給されない 差額支給 …支給される介護休業給付金 …支給単位期間に事業主から支払われた賃金 <具体例 1> (イ) 休業開始時賃金日額×支給日数=30 万円 (イ)×80%=24 万円 介護休業給付金の額 =12 万円 賃金=10 万円 <具体例 2> (イ) 休業開始時賃金日額×支給日数=30 万円 (イ)×80%=24 万円 介護休業給付金の額 =9 万円 賃金=15 万円 5 〔問 6〕 イ 派遣労働者に係る労働者派遣の役務を受ける者が、当該派遣労働者を雇い入れた場合、当 該役務を受ける者に派遣されていた期間は、同一の事業主の下における育児休業給付金に係 るみなし被保険者期間となることはない。 ■ 育児休業給付金(雇用法 61 条の4) 1 育児休業給付金は、被保険者(高年齢継続被保険者、短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除 く。)が、厚生労働省令で定めるところにより、その1歳(その子が 1 歳に達した日後の期間について 休業することが雇用の継続のために特に必要と認められる場合として厚生労働省令で定める場合に該当 する場合にあつては、1 歳 6 か月)に満たない子を養育するための休業をした場合において、当該休業 を開始した日前 2 年間(当該休業を開始した日前 2 年間に疾病、負傷その他厚生労働省令で定める理由 により引き続き 30 日以上賃金の支払を受けることができなかった被保険者については、当該理由により 賃金の支払を受けることができなかった日数を 2 年に加算した期間(その期間が 4 年を超えるときは、4 年間))に、みなし被保険者期間が通算して 12 か月以上であったときに、支給単位期間について支給す る。 2 前項の「みなし被保険者期間」は、同項に規定する休業を開始した日を被保険者でなくなった日とみ なして第 14 条の規定を適用した場合に計算されることとなる被保険者期間に相当する期間とする。 ■ 育児休業給付金の支給対象となる育児休業(行政手引 59503) 一般被保険者が期間雇用者(期間を定めて雇用される者)である場合は、育児休業給付の受給資格が確 認され、休業開始時において同一事業主の下で1年以上雇用が継続しており、かつ、1歳に達する日を超 えて引き続き雇用される見込みがあれば(2歳までの間に、その労働契約の期間が満了し、かつ、当該労 働契約の更新がないことが明らかである者を除く。)、育児休業給付の対象となる。【図】 なお、事業主の命により一定期間出向していた(いる)期間がある場合であっても、被保険者資格が継 続しているかぎり同一の事業主の下における雇用実績として取り扱って差し支えない。 また、派遣労働者に係る労働者派遣の役務を受ける者(以下「派遣先」という。)が、当該派遣労働者 を雇い入れた場合については、当該派遣労働者であった者について派遣先に派遣されていた期間も同一の 事業主の下における雇用実績としてみなして取り扱って差し支えない。 【図】 1歳に達する日を超えて引き続き雇用される見 込みがある(2歳までの間に、その労働契約の期 間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないこ とが明らかである者を除く。) 同一事業主の下で1年以上 雇用が継続 育児休業 雇入れ 申出 休業開始 子 1歳 育児休業給付の対象となる 6 <健保法> 〔問 10〕 3/7 6/12 予定日 6/15 出産日 8/10 出産手当金の支給期間 育児休業等の終了日の翌日(6/15) ▼ 3月 4月 5月 6月 7月 育児休業等終了日の翌日から起算して 2 月を経過した日の属する月 の翌月から改定 8月 9月 7月 8月 9月 10 月 従前の標準報酬月額 定時決定 育児休業終了時改定による標準報酬月額 □ 2 等級以上の差が生じなくても行われる □ 継続する3か月間のうちに、報酬支払基礎日数が17日に満たない月があっても行われる(その月を除い て算定する。 ) 7 <厚年法> 〔問 9〕A 60歳台前半の在職老齢年金 基本月額(20 万円) 、総報酬月額相当額(29 万円) 20 万円+60 万円×1/2 総報酬月額 相当額 (29 万円) 21 万円 21 28 万円 (支給停止調整開始額) 支給停止額 =21 万円×1/2 =10.5 万円 基本月額 (20 万円) ... 支給額(月額)は、9.5万円(=20万円-10.5万円) 〔問 9〕B 60 歳台後半の在職老齢年金 基本月額(15 万円) 、総報酬月額相当額(36 万円)の場合 4 万円 基本月額 (15 万円) 2万円(支給停止額) 47 万円 (支給停止調整額) 総報酬月額 相当額 (36 万円) ... 支給額(月額)は、13万円(=15万円-2万円) 8 〔問 10〕E 【図解】 保険料算定上の標準報酬月額と給付額算定上の標準報酬月額 7 出産(9/3) ▼ 8 9 10 11 12 1 育児休業等終了 ▼ 8 9 10 12 7 8 9 就業(3 歳に満たない子を養育) 育児休業等期間 産前産後休業 11 保険料免除 従前標準報酬月額 育児休業終了時改定 による標準報酬月額 従前の標準報酬月額 「給付額」算定上の標準報酬月額 「保険料」算定上の標準報酬月額 9 定時 決定
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