労務レター4月

人
事
労
務
レ
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平成 27 年 4 月
最 近 の 動 向
不当解雇における「金銭解決制度」を導入検討
規制改革会議より
政府の規制改革会議は、裁判において不当解雇と認められた場合、働き手に金銭補償することで解決
する制度の導入を目指す意見書をまとめた。解雇された労働者から申請がある場合に限り認めるもの
で、企業からの申請は認めない。労働紛争の早期解決を図るねらいがある。
不当解雇となると労働者は解雇が解消され職場への復帰となります。
ただ会社と争った労働者が職場に復帰するのは一般的にやりづらいのではという事で労働者からの
申出により金銭で解決させましょうというのが今回の「金銭解決制度」となります。
これは中小企業にとっては少々問題ある制度と考えます。
① 解決金額がいくらになるのかという点。大企業のように体力ある大きな組織では
負担が小さいかも知れないが、中小企業にとっては事業運営に大きな影響が出てくる可能性もあるた
めです。
② つぎに労働者が訴えやすくなる点です。裁判では労働者が大方有利に働く傾向があります。
(会社が負ける可能性が高いのが現状)
従って争って労働者が不当解雇を勝ち取り、会社へ戻りたくないので金銭解決でお願いしますと
言えば金銭を支払うことになる点です。(金銭で解決できる意味でもありますが…)
今後どのような形となるか注意して見ていく必要があります。
事前の対策としては、できるかぎり解雇しないようにしていく事。
どうしても解雇せざるを得ない場合には、正しいステップ(数回に及ぶ説明・注意・指導・改善)を
踏む事です。
もちろん労働者側に大きな問題があれば別ですが、一時の感情で解雇してしまうのは会社にとって不
利になるのが一般的です。「クビだ!明日から来なくて良い!」とは言わないようお願いします。
在職老齢年金の支給停止調整額変更
4月から在職老齢年金の支給停止調整額が「47 万円」に改定
◆受給開始を迎える方、受給されている方は要注意!
在職中の方でも年金(在職老齢年金)が受けられますが、年金額や給与に応じて年金額が支給停止さ
れます。この支給停止額に用いる基準額が 4 月から「47 万円」に改定されます。
この額は賃金の変動に応じて見直されることになっており、前年度は「46 万円」でした。在職老齢
年金の仕組みによる支給停止が行われるのは次の場合です。
◆60 歳台後半の方(65 歳から厚生年金と給与をもらっている方)
支給停止が行われるのは、老齢厚生年金の受給権者が被保険者である月において、「その者の総報酬
月額相当額(標準報酬月額とその月以前 1 年間の標準賞与額の総額÷12)+基本月額(年金額÷12)」
が支給停止調整額「47 万円」を超える場合に、その月の年金額について、支給停止が行われます。
【総報酬月額相当額+基本月額が 47 万円を超える場合、1 月について次の額の支給を停止】
⇒(総報酬月額相当額+基本月額-「47 万円」)×1/2
◆60 歳台前半の方(60 歳から 64 歳までの方で年金と給与をもらっている方)
支給停止が行われるのは、老齢厚生年金の受給権者が被保険者である月において、「その者の総報酬
月額相当額(標準報酬月額とその月以前 1 年間の標準賞与額の総額÷12)+基本月額(年金額÷12)」
が支給停止調整開始額「28 万円」を超える場合に、その月の年金の額について、支給停止が行われま
す。
【総報酬月額相当額+基本月額が 28 万円を超える場合、1 月について次の額を支給停止】
⇒(1)基本月額が 28 万円以下で、総報酬月額相当額が 47 万円(支給停止調整変更額)以下
総報酬月額相当額+基本月額-「28 万円」×1/2
⇒(2)基本月額が 28 万円以下で、総報酬月額相当額が 47 万円超
(「47 万円」+基本月額-「28 万円」×1/2+(総報酬月額相当額-「47 万円」)
⇒(3)基本月額が 28 万円超で、総報酬月額相当額が 47 万円以下
総報酬月額相当額×1/2
⇒(4)基本月額が 28 万円超で、総報酬月額相当額が 47 万円超
「47 万円」×1/2+(総報酬月額相当額-「47 万円」)
この在職老齢年金制度は厚生年金制度となりますので、支給停止となるのは厚生年金部分だけです。
(厚生年金基金に加入されていた方は基金の基約によります。)
国民年金制度とは異なりますので国民年金は支給されます。
ご質問、ご相談、ご意見等ございましたら、当職までお気軽にご連絡下さいませ。
TEL:03-5302-2011(※ 税理士法人上原会計事務所番号となります)
E-mail:[email protected]
(社会保険労務士 玉田誠)