Bacillus thuringiensis

<別紙>

Bt11xMIR162xGA21 トウモロコシ(スタック品種、遺伝子組換えのスイート種トウモロ
コシ)
:チョウ目害虫抵抗性並びに除草剤グルホシネート及びグリホサート耐性トウモ
ロコシ
3 つの系統(Bt11 トウモロコシ、MIR162 トウモロコシ、GA21 トウモロコシ)を従来の交
雑育種による掛け合わせによって作られた、チョウ目害虫抵抗性及び除草剤耐性を持
つスタック品種です。このスタック品種は、より幅広いチョウ目害虫に対して強い性
質を持ち、また除草剤耐性を持つことで雑草だけを効率的に枯らすことができるよう
になります。このことにより、害虫被害による影響を減らすことができ、殺虫剤や除
草剤の散布回数、それに伴う労力やコストなど大きく削減することが期待できます。
以下が各系統に関する説明になります。

Bt11 トウモロコシ
アワノメイガやヨトウ等のチョウ目害虫に対して強い性質(チョウ目害虫抵抗性)
を持ちます。このトウモロコシに導入された土壌微生物(Bacillus thuringiensis)
由来の遺伝子から殺虫タンパク質(改変 Cry1Ab タンパク質)
が作られるからです。
アワノメイガ等の幼虫がこのタンパク質を食べると、腸管内の消化機能が乱され
て死んでしまいます。これは昆虫の消化液ではこのタンパク質は完全に分解され
ず、昆虫の消化管(腸管)内の受け皿(受容体)にくっついてしまい、消化管に
穴が開いてしまうなどのダメージを受け、栄養素が吸収できなくなるためです。
人間や動物の消化液はこのタンパク質を分解でき、また受容体を持っていないの
で、人間や動物が食べても害はありません。Bt11 トウモロコシには除草剤の活性
成分であるグリホシネートの影響を受けにくくする遺伝子も導入されています。

MIR162 トウモロコシ
Bt11 トウモロコシと同様にチョウ目害虫に対して効果を示します。MIR162 トウモ
ロコシで作られる殺虫タンパク質(改変 Vip3A タンパク質)は、Bt11 トウモロコ
シでは効果を示さないチョウ目ネキリムシであるタマナヤガ等に抵抗性を示すな
ど、一部異なる害虫に対して効果を示すのが特長です。土壌微生物(Bacillus
thuringiensis)に由来する遺伝子から、殺虫タンパク質(改変 Vip3A タンパク質)
が作られ、幼虫がこのタンパク質を食べると腸管内の消化機能が乱されて死んで
しまいますが、Bt11 トウモロコシで作られる殺虫タンパク質と同様に人間や動物
が食べても害はありません。

GA21 トウモロコシ
除草剤の活性成分であるグリホサートの影響を受けにくくする遺伝子が導入され
ています。現在、グリホサートを含む除草剤は「タッチダウン iQ」等の商品名で
日本では販売されており、植物が生きていく上で必要なアミノ酸を作らせないよ
うにすることで植物を枯死させますが、その活性成分が根まで浸透移行すること
から除草剤として高い効果を示すことが知られています。
安全性の確認された年:
食品(2012 年)
、飼料(2010 年)、環境(2010 年)
安全性の確認についての詳細情報は、下記の農林水産省が提供している承認された遺
伝子組換え作物一覧をご参照ください。
http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/carta/torikumi/pdf/list02_20150130.pdf