【目的】 有機スピン化合物であるこ トロキシドは還尤物質 ー フリー

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蛍光 ニ トロキシ ドの論理 的設計 に向けた消光 メカニズ ム解析
○ 松 岡 悠太 1,山崎 俊英 1,白水 智則 1,中西 郁夫 2,大 久保
山田 健一 1(l
九大 院薬 ,2放 医研 ,
3
阪大 院工 )
敬3
,福住
俊一 3
,
【目的】有機 ス ピン化合物 であるニ トロキシ ドは還元物質 ・フ リー ラジカル と鋭
敏 に反応す る とともに、不対電子存在 下では蛍光 を消光 させ る。 これ らの点に着
目し、当研究室では これ までに、蛍光原子団 とニ トロキシ ド化合物 を直接結合 さ
せた "
蛍光ニ トロキシ ド" を合成 し、蛍光分析法 による還元物質 ・フ リー ラジカ
ル の解析 を行 って きた。 しか しなが ら、ニ トロキシドによる蛍光団の詳細 な消光
過程 は不明であ り、論理的な設計が成 された例 はほ とん どない。 そ こで本研 究で
は、蛍光ニ トロキシ ドの論理的なプ ローブ設計 を 目指 し、蛍光原子団に対す る消
光作用の詳細な解 明を 目的 とした。
【
方法 】様 々な蛍光原子団を有す るニ トロキシ ド誘導体 を合成 し、それ らの光物
性 を測定 した。続 いて電子移動 による消光過程 を考慮 し、それぞれ の酸化還元電
位 を測定 した。RehmWe
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rの式 よ り電子移動 にお けるギブズェネル ギー変化量 を
算 出 し、消光作用 の程度 との関係性 の検討 を行 った。
【
結果 と考察 】今 回合成 した蛍光ニ トロキシ ドは結合 させ た蛍光原子団によって
消光作用 の度合いが大 き く変化 した。 また、酸化還元電位 の結果 か ら、蛍光原子
LUMO準位 間にニ トロキシ ドに由来す る分子軌道が存在 し、熱力学的
団の HOMOに も電 子 移 動 は起 こ り得 る こ とが分 か っ た。 さ らに得 られ た結 果 を も とに
Re
hmWe
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rの式 を用 いて電子移動 にお けるギブズェネル ギー変化 量 を算 出 した
ところ、ニ トロキシ ドの消光作用 との間によい相 関が得 られた。
以上の結果 よ り、ニ トロキシ ドによる蛍光原子 団の消光作用 は、電子移動 に よ
って も引き起 こされていることを強 く支持す る と考 えている。