平成27年度 大仙市立南外中学校 学校経営 校長 冨樫 武彦 1.地域や保護者,生徒の実態 (1)地域や保護者について ・南外地区は大仙市南西部にあり,出羽丘陵に囲まれた農山村地域に位置する。自然環境に も恵まれ,楢岡焼きの陶芸,登録有形民俗文化財に指定された「秋田南外仕事着」もあり, 歴史と伝統がある地域でもある。一方,少子高齢化も進んでおり3世代同居もあるが,核 家族化も進んでいる。 ・保護者の大半が兼業農家であるが,地元の公共機関や地場産業に従事したり,大曲地区な どに就労している保護者が多い。 ・学校教育に対する地域や保護者の関心は高く,質の高い,時代にふさわしい教育を望んで おり,学力向上への指向も年々高まっている。スポーツ活動等に対しても協力的で,部活 動への期待も大きく,文武両道を望んでいる。 (2)生徒について ・豊かな自然環境や脈々と続く歴史と伝統の中で育ってきている生徒は,素直で優しく純朴 である。 ・誠実な生徒が多く,やろうとする気持ちをもっているものの,積極性が弱かったり,互い に切磋琢磨し高め合おうとする気概を前面に出せない面も見られる。 ・自分の考えや意見を自らの言葉で適切に表現する力やコミュニケーション能力に弱い面が 見られる。 2.経営の基本的な考え 国や県,市の学校教育の方針を踏まえ,「知」「徳」「体」バランスのとれた生徒の育成を 目指して,子どもたちの「生きる力」を豊かなものにする学校を次の基本的な考え方で創造 する。 (1)生徒の居場所がある学校づくり ・互いを認め高め合いながら,楽しく,住みよい校風を創造し,この学校で学んでよかっ たと思える,生徒の心の居場所がある学校づくりを目指す。 (2)生徒の主体性や感性を育む特色ある学校づくり ・ふるさと教育を基盤としたキャリア教育を一層推進し,「総合的な学力」を育成する特 色ある教育活動を通して,自ら進んで取り組もうとする意欲や豊かな感性を育む学校づ くりを目指す。 (3)自ら学ぶ意欲や態度を育む学校づくり ・学び合う楽しさや分かる喜びを実感できる学習活動を充実させ,進んで学ぼうとする意 欲を高め,問いを発したり,自らの考えを自分の言葉で表現できたりする生徒を育てる。 (4)家庭,地域に開かれ信頼される学校づくり ・家庭,地域や小学校,関係諸機関との双方向の連携を強め,ともに生徒を育てるという 視点を共有し,開き信頼される学校づくりを目指す。 3.教育目標 (1)教育目標 「自ら学び,思いやりの心をもちたくましく生きる生徒の育成」 ~互いを磨き合い,高め合いながら~ 校訓 「行學一體」 (2)目指す生徒像 生徒像 具体的目標 ◇自ら進んで学び,確か ○自らの課題に意欲的に取り組み,解決して基礎・基本を身に付 な学力を身につけよう けることができる。 とする生徒 ○自らの考えや意見を明確にし,進んで表現して学びを深めるこ (知) とができる。 ◇他を思いやり,よりよ ○自他を尊重し,奉仕の心をもち,協力して活動することができ い人間関係をつくろう る。 とする生徒 ○地域の自然や人の心の美しさに触れ,ふるさとを愛する心を大 (徳) 切にすることができる。 ◇心身を健全に保ち,粘 ○困難に耐え,夢や目標の実現に向け粘り強く挑戦することがで り強く物事をやり抜く きる。 たくましい生徒 ○自ら安全・安心な生活を心がけ,心身を健康に保つことができ (體) る。 (3)目指す学校像 ○生徒の居場所がある学校 ○生徒の主体性や感性を育む特色ある学校 ○自ら学ぶ意欲や態度を育む学校 ○家庭,地域に開かれ信頼される学校 (4)目指す教師像 「共に高きを目指す教師」 ~「和」と「輪」を繋ぐ「話」を大切にして~ ○生徒との触れ合いや語り合いを大切にし,優しさと厳しさの調和のとれた教師 ○教師としての自覚や使命感をもち,教育実践に情熱をもつ教師 ○生徒,保護者,地域,同僚から信頼される真摯な教師 ○自己・相互研修に努め,職場の和を大切にし,チーム力を生かす教師 4.経営の重点及び具体的実践事項 (1)生徒の居場所がある学校づくり 〈具体的実践事項〉 ○「道徳」「特別活動 」「総合的な学習の時間」等を通して,思いやりの心や自己有用感を 育み,共によりよく生きようとする心や態度を養う。 ○多様な体験活動を通して,集団におけるルールの遵守や社会性の大切さを身に付けさせ, 規範意識を高める。 ○常に生徒の実態把握や情報交換をきめ細かく行い,いじめ,不登校等の問題行動の未然防 止に努める積極的な生徒指導を実践する。 ○心身の健康と事故防止に取り組む大切さを日常的に指導し,徹底する。 ○自分の命は自分で守ることができる生徒の育成を目指して,防災意識の高揚を図る。 (2)生徒の主体性や感性を育む特色ある学校づくり 〈具体的実践事項〉 ○キャリア教育の視点を取り入れたふるさと教育を推進し,地域の一員としての意識や郷土 愛を高め,地域に貢献しようとする生徒を育成する。 ○家庭や小学校,地域の人々とのふれあいの場を多く設定することで,地域で共に生きるこ との大切さや人間愛,豊かな自然を愛する心や感性を醸成する。 ○南外中生であることに誇りを持ち,自らの手でよりよい学校文化を築き上げようとする自 主性を重んじた生徒会活動を推進する。 ○教科横断的な教育活動を通し,保護者,地域等との交流・連携を密にし「総合的な学力」 の育成を図る。 ○全校一斉の朝読書を推進し,広い視野と豊かな感性を醸成し,継続的に読書に取り組むこ とができる生徒を育てる。 (3)自ら学ぶ意欲や態度を育む学校づくり 〈具体的実践事項〉 ○生徒の気づきや問いを引き出す課題提示や探究の場の設定,発問等を工夫し,自ら学ぼう とする意欲を高める。 ○目的意識や見通しのもてる導入,展開,終末を工夫し,ねらいに迫る授業づくりを推進す る。 ○教育活動全般を通して,自らの言葉で思いや考えを伝える場を多く持ち,のびのびと自分 を表現できる生徒を育成する。 ○TT,課題別,ペア・グループ学習等多様な学習形態を生かし,個に応じた指導に努め, 学び合いを通して個性の伸長を図る。 ○ノート指導(授業,一人勉強)を充実させ,学習習慣の確立と基礎学力の向上を図る。 (4)家庭,地域に開かれ信頼される学校づくり 〈具体的実践事項〉 ○家庭や地域に積極的に情報を発信し,本校の教育活動を理解してもらい,保護者や地域と の協力により,生徒の健全育成を図る。 ○地域の教育資源や人材,外部機関等を積極的に活用することで,特色ある教育活動を編成 するとともに,開かれた学校づくりや信頼関係の構築を図る。 ○保護者,地域社会,関係機関と連携し,災害や事故の発生に備えるとともに,通学等の交 通安全,施設設備等の管理に万全を期す。 ○自校の課題の解決を図る計画的・組織的な研修を推進し,教職員の能力向上及び実践的な 指導力を高める。 ○専門性に加え,生徒理解力を高め,校内コミュニケーションの質と量の向上を図ることで 教育活動を充実させ,生徒の生きる力を育成する。
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