学校経営方針 ― 着任の挨拶に代えて ―

青梅一中
学校経営方針
青梅市立第一中学校 学校だより
第1号
(平成 27 年4月 17 日)
― 着任の挨拶に代えて ―
校長
儘 田 文 雄
今年度、校長として着任した儘田文雄(ままだふみお)です。昨年度までは、東京都多摩教育事務所の指導課
長を務めておりました。青梅生まれの青梅育ち、生粋の青梅っ子で、青梅をこよなく愛する市民です。歴史と伝
統のある本校で、教育熱あふれた教職員、礼儀正しく活気と品格ある生徒と共に、よりよい学校づくりに全力を
尽くしてまいります。どうぞよろしくお願いをいたします。
さて、中学校教育の使命は、生徒一人一人の潜在的な能力を引き出し伸ばしつつ、社会において自立的に生き
る基礎を培い、社会の形成者として必要な資質を養うことにあります。本校には、次代を見通したすばらしい教
育目標があります。本号では、学校経営を進めるに当たり、校長として教育目標の実現をいかに図るか、その基
本的な考え方を述べます。
1
経営の基本理念
◆ 教育には旬がある
―Chance、Challenge、Change―
◆ 言葉と体験の重視
◆ いかなる人も集団も、より良く変わることができます。その機会を
.
.
逃さず、挑むことで、教育の最大効果を発揮したいと考えます。
◆ 言葉は体験を豊かにし、体験は言葉を豊かにします。言葉と体験の
相互作用を促進させることで、教育活動の質を高め、生徒の豊かな心
を育んでまいります。
2
教育目標
国際性豊かなよりよい社会人をめざして
一
自ら学ぼう
一
感謝と思いやりの心をもとう
一
理想の実現に努めよう
〈 国際性とは 〉
教育目標の実現を図る上で、国際性とは何かについて、共通に認識しておくことが重要です。
本校がめざす国際性は、外国語によるコミュニケーションはもとより、次の三つの要素から成ります。
(1) 互いが同じ人類の仲間であるという自覚をもち、誰に対しても差別することや偏見をもつことなく、公正、
公平に接すること。
(2) 我が国や郷土の伝統・文化を世界に発信できる資質や能力をもつとともに、他国の伝統・文化を理解し、
尊重し、互いに文化交流を行うこと。
(3) 様々なものの見方や価値観があることを踏まえ、物事を多様な観点から論理的に考察し、自分の考えを根
拠に基づいて説得力をもった言葉で表現すること。
日々の授業や学校行事、生徒会活動や部活動等、本校の全教育活動を進めるに当たり、これら三つのことを
重視していきます。
3
めざす生徒像
【主体的に学ぶ生徒
―教育目標の実現に向けて―
― 教育目標「自ら学ぼう」 ― 】
「自ら学ぶ」とは、自主的な学びはもとより、主体的な学びを指します。
自主的と主体的とは、異なります。自主的は、なすべきことを人に言われないで率先して行うこと。主体的は、な
...
すべきことを自分の意志や判断で決めて行うことです。両者を分けるのは、自己決定の場があるかどうかです。
主体的に学ぶとは、生徒が学習の対象を客観的に捉え、複数の選択肢の中から、自分なりの根拠に基づいて、学習
の課題や内容、方法等を選択・決定しながら学ぶことです。日々の授業において、こうした学びの場と機会を計画
的に設定し、実施していきます。
【励まし合い、支え合う生徒
― 教育目標 「感謝と思いやりの心をもとう」― 】
感謝と思いやりは、互いの存在を丸ごと肯定的に受け止め、共にかけがえのない人間であることの自覚から生ま
れます。
思いやりの心は、他の人の立場を尊重しながら親切にし、いたわり、励ます生き方として現れます。一方、他者の
思いやりに触れ、素直に受け止めるとき、自ずと感謝の念は生まれます。
生徒が助け合いながら何かを達成していくような機会を多く設定するとともに、日常生活において「どうした
の?」、
「大丈夫?」、
「ありがとう。
」といった言葉が飛び交うような雰囲気を醸成していきます。
【自己実現に努める生徒
― 教育目標「理想の実現に努めよう」― 】
生徒の自己実現の過程で大きな役割を果たすのが、夢や理想です。中学生の時期に描く理想が、その後の人生に
大きな意味をもつことを踏まえ、教職員一同、彼らの描く夢や理想を温かく受け止め、その実現に近付けるよう、
支援してまいります。
また、生徒の自己実現を生涯にわたって支え続けるのが、「あせらず」、「たゆまず」、「おこたらず」の精神です。
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..
..
それぞれの精神の基盤を成すのは、
「計画」
、
「目標」、
「勤勉」であり、これら三つを全ての教育活動を進めるに当た
り、重視します。
4
.
めざす教師像
【共に学び続ける教師】
求め続け、共に学び続ける教師の姿。これこそが、生徒の心を動かし、生徒を変え、保護者の皆様の信頼を呼び、
地域の方々の共感を誘うと確信します。
各教科においては、生徒が生涯にわたり主体的に学び続けられるよう、①自ら課題を発見し、解決する力、②他者
と協働するためのコミュニケーション能力、③物事を多様な観点から論理的に考察する力、の三つを育成すること
が重要です。こうした力を育むためには、問題解決的な学習過程に生徒主体の体験活動を取り入れ、クリティカル・
シンキング(批判的思考)を取り入れた授業づくりを行うことが必要になります。そのため、学校を挙げて、不断に
授業研究を進めてまいります。
【率先垂範・師弟同行する教師】
生徒は教師の後ろ姿に学びます。一方、教師は生徒と共に歩むことで教育愛を育み、生徒理解を深めていきます。
率先垂範・師弟同行とは、生徒と同じ行動をとることではありません。生徒の指標として、人生の先達として、自ら
に厳しくその職責を果たすことであると考えます。
「寝ていて人を起こすな」の言葉どおり、例えば、服装、挨拶、整理整頓、チャイム着席などに係る指導は、教師
自身の在り様に深く関わります。日々の清掃活動や奉仕活動等の指導に当たっては、共に行動しながら生徒一人一
人の労を認め励ましてまいります。
【生徒のよさを引き出し、伸ばす教師】
教育とは文字どおり「教え育てる」ことです。education(教育)の語源はラテン語の educerew で、
「引き出す」
という意味があります。教師は、生徒の自己成長力を信じ、話をじっくり聞いて考えを引き出し、そして待つこと
が重要です。
育てる上で大切なことの一つに、相手の意志、主体性が発揮される環境をいかにつくり出すか、ということがあ
ります。誠意をもって生徒の話を聞き、関わりの中で自信を与え、生き生き、伸び伸びとした活動を導き出します。
5
めざす学校像
【生徒が、学ぶ喜びと自信をもてる学校】
各教科で「力の付く授業」、
「学びがいのある授業」を行い、確かな学力の定着を図ります。また、全教育活動を
「生徒が自分のよさに気付き、伸ばす機会」と捉え、言葉と体験を重視した学習指導を全校で行います。さらに、生
徒が「自分は人のためになっている」と実感できる教育活動をより多く設定し、着実に推進してまいります。その
際、他者との比較ではなく、生徒一人一人のよい点や進歩の状況などを積極的に評価する体制を学校全体で築いて
いきます。
【保護者・地域の方から信頼される学校】
教師が教育公務員としての服務規律を順守することはもとより、日頃から家庭・地域に学校の教育活動の計画及
び成果と課題を伝えるとともに、要望を的確に把握し、迅速に対応するよう努めてまいります。
保護者の皆様の最も切実な要望は、我が子を安心して通わせることができることと、希望する進路を切り開く学
力の保障であると考えます。このこと十分に踏まえ、学級、学年、教科の経営に当たります。
【「チーム」としての力を生かし、主体的に課題を解決する学校】
現在、学校には、学力向上、いじめ・不登校等の生活指導上の問題への対応、特別支援教育の充実をはじめ様々
な課題があります。こうした諸課題に対応するため、協働体制を確立し、
「チーム一中」としての対応力を高めるこ
とで、学校・家庭・地域との連携協力を一層強めます。
協働体制の確立に当たっては、
「目標への意思統合」と「コミュニケーションの活性化」を図り、
「チーム」として
対応する際には、「目標共有」、「役割分担」、「調整・統合」の三つの機能を重視した組織運営を行ってまいります。