「学生 IR 調査」 実施報告書

平成 27 年度 福岡医療短期大学 明倫短期大学との大学間交流活動
「学生 IR 調査」 実施報告書
1.概 要
・ 日
・
2.
時:平成 27 年 9 月 10 日(木)13:00~14:00
]
対象学生:保健福祉学科 2 年次 20 名[回収率:100%(20 名/20 名中)
取組の趣旨
学習支援や教育支援、及び教学評価などの教学支援組織を通じ、高等教育の質を保証・向上
させる方策の具体化が求められている。そこで今回、学生の学修成果を多面的に評価し、高等
教育の質保証システムの創出と教学支援組織のさらなる育成を目指すことを目的として、当該
「学生 IR 調査」を実施した。
3.
実施 概要
解析・評価は、下記の A)全般的な学習状況、B)課外学習、C)学生満足度を含めた教育の
質保証、の3つの観点に基づき行った。
A)全般的な学習状況(専門教育、アクティブラーニングを含む)
(1)専門教育の実践
「相互実習、学外実習(臨床・臨地実習)を通し、学生が体験的に学ぶ経験(Ⅱ−7−A)
」や、
「仕事に役立つ知識やスキルを学ぶ経験(Ⅱ−7−B)」が「あった」と回答した学生が 9 割を超
えていた。また、教育内容に関する満足度についても、「専門教育の授業(Ⅴ−21−A)」や「授
業と将来の仕事との関連性(Ⅴ−21−E)
」に8割以上の学生が「満足」と回答しており、専門職
業人を育成する教育機関として、教育効果の高い専門教育が実践されているといえる。
(2)ライティング、レポート課題
「学生自身が文献や資料を調べる(Ⅱ−7−E)
」機会を経験した学生は約 5 割、
「定期的な小
「教員から提出物に添
テストやレポート課題(Ⅱ−7−F)
」を経験した学生は 8 割と高い一方、
削やコメントをつけて返却される(Ⅱ−7−G)」機会を経験した学生は約 5 割と低い結果となっ
ており、教員の関与を増やす必要がある。
(3)アクティブ・ラーニングを通した学習
学生が「自分の考えや研究を発表する(Ⅱ−7−H)
」経験をした学生が 9 割、
「授業中に学生
同士で討議をする(Ⅱ−7−I)
」経験は 8 割と高く、少人数のためグループワークによる演習の
実施が行いやすいことから、PBL やディベートの比率が高い結果に繋がっていると考えられる。
B)課外学習
「授業のために図書館の資料を利用した(Ⅱ−8−A)
」学生は 6 割、
「授業課題のために Web 上
の情報を利用した(Ⅱ−8−B)
」学生が7割、
「授業時間外に他の学生と一緒に勉強したり、授業
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内容について話をした(Ⅱ−8−E)
」については 7 割を超え、社会人学生ら多様な年齢層の学生
同士で学び合う関係が構築されていると考えられる。逆に、一週間あたりの「授業時間以外に
授業課題や準備学習、復習をする時間」を尋ねた質問項目(Ⅱ−9−B)では、
「全然ない」や「1
日1時間未満」の回答が 6 割と高く、家庭と両立して学業を行う社会人学生が、授業中の集中
力アップや休み時間の有効活用によって、学修時間を合理的に確保しているためと考えられる。
C)学生満足度を含めた教育の質保証
(1)欠席・遅刻数および授業への興味・関心
「授業を欠席した(Ⅱ−8−G)」や「授業を遅刻した(Ⅱ−8−H)」と回答した学生は2割を超え
るが、欠席・遅刻理由は、主には育児を担う社会人学生の家庭の事情が要因と考えられる。ま
た、
「授業をつまらなく感じた(Ⅱ−8−I)
」が 4 割、
「授業中に居眠りをした(Ⅱ−8−J)
」の回答
は 6 割とやや高い結果であった。これは、社会人学生が半数以上を超える中、習熟度の異なる
学生との学修到達度の違いから生じたものではないかと考えられる。今後は、習熟度の異なる
多様な学生が相互に学び合う環境を整備していきたい。他方、
「授業の全体的な質(Ⅴ−21−C)」
に対する満足度では、不満があると回答した学生は 1 割に満たないことから、総合的には専門
職業人を育成する教育内容に対して満足を得ていると考えられる。
(2)教育の質の保証
入学時点との「専門分野や学科の知識」の変化を訪ねる質問(Ⅱ−10−C)に対し、9割に及
ぶ学生が「増えた」と回答した。また、
「学外実習に意欲的に取り組んでいるか(Ⅲ-12)」に
ついても、
「意欲的でない」学生は1%と少なく、2 年間を通じた専門教育の質が保証されてい
ると考えられる。
将来の見通しに関する質問では、
「将来の見通しを持っており、何をすべきかわかっている
(Ⅵ−24−1,2)
」学生は 8 割と、キャリア教育の充実に学生の満足度が高く、質が保証されてい
ると考えられる。
「教員に親近感を感じた(Ⅱ−8−N)」学生は 6 割を超え、「大学教員と顔見知りになった
(Ⅴ−19−F)
」と感じている学生は 8 割を超え、2 年間を通じた助言班制度や、成績不振者に対
する補習などの学習支援体制が、学生−教員間の交流を促進し、学生指導に対する満足度に繋
がっていると考える。
4.
取組の意義
今回の「学生 IR 調査」による多面的な学修成果の評価を分析し、課題を可視化することは、
今後の教育・研究、学生支援の改善に大いに活用でき、教育の質保証・向上に繋がる取り組み
であることが示唆された。
また、平成 27 年 9 月 10 日付けで連携協定を締結した明倫短期大学との「共同 IR 調査」の
取組として実施することで、両短期大学間の交流と教育研究に関する連携協力を進めることが
できた。
以上
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