川浦教育システム 教育情報 2015.3.1 ② 北野高校・天王寺高校

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川浦教育システム
教育情報
2015.7.1 ★★★
検定試験を受けよう
検定試験への注目がますます高くなり、学校での単位認定ばかりか、入試や採用での優遇措置をとる学校・
企業が年々増えてきています。検定試験は日常の学習の成果を発揮し、学習の動機付けにつながる絶好の機会
となります。また学校の試験や入試と違って、受検のチャンスが何回もあり、いつもの塾の教室で気軽に受け
ることができます。
川浦教育システムでは、英語検定、漢字検定、日本語検定、数学検定、算数・数学思考力検定の準会場とし
て地域社会に貢献するとともに、学習指導の一環として積極的に取り組んでいます。検定受検者には過去問の
提供や割引受検料の適用、検定試験対策講座の実施などの支援を行っていますので、どしどしご活用ください。
検定試験が有用、有益であることは、これまでもいろんな機会で申し上げてきましたが、文部科学省や大阪
府教育委員会など、教育行政をつかさどる役所においても、教育に検定試験を活用するべく様々な検討がなさ
れてきています。当面、英検など英語に関係する資格にスポットライトが当てられ、実際に大学入試、高校入
試に採用されるに至っていますが、今後、英語以外の資格検定試験も同様に注目される可能性がますます高ま
ってきています。国と大阪府における検定試験の活用に関する具体的な事例を見てみましょう。
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中教審答申・・・2020年度からの大学入試改革、新テスト導入など
2014年(平成26年)12月、政府の中央教育審議会は、大学入試を改革するよう文部科学大臣に答申
しました。毎年50万人以上が受ける大学入試センター試験を、現在の中学1年が大学入試を迎える2020
年度(平成32年度)実施分から新しくすることなどが大きな変更点です。入試改革は学習指導要領が示す「確
かな学力」の定着が目的で、センター後継として、
「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」と「高校基礎学
力テスト(仮称)
」の2種類の新テストの実施が答申されました。
「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)
」では、暗記した知識の量ではなく、思考や判断など知識の活用
力を問います。そのため、現行の「教科型」の設問を将来的に廃止し、複数の教科を合わせた「総合型」に移
行します。成績評価は現在の「1点刻み」をやめ、
「段階別表示」とし、英語では実用英語技能検定(英検)
など民間試験の活用も検討します。解答方式は選択式から、一部が記述式に変更されます。年に1回だった試
験回数も、
「一発勝負」にならないように複数回実施となります。作問や採点の作業量が大幅に増えるため、
スムーズに導入できるかが今後の課題です。
「高校基礎学力テスト(仮称)」は、高校在学中の学習到達度を測
るテストで、2019年度から実施予定で、AO・推薦入試や就職時にも利用できます。
「数学I」
「現代社会」
など必修科目から出題され、高校生が知識を習得できているかを確かめ、英語等については、民間の資格・検
定試験も積極的に活用します。在学中に年数回実施し、高校2年でも受験できるようにします。
答申では各大学の個別選抜の在り方も示され、大学側に教育理念に照らして求める学生像(アドミッショ
ン・ポリシー)の明確化を法令化します。知識中心の筆記試験だけでなく、思考力や表現力を問う面接を重視
し、学力だけでなく各大学の個別選抜(2次試験)にも討論などを課して、高校時代の実績や面接などを通じ
て判断する総合的学力を把握するよう促しています。これにより、個別に試験を作成している各大学も対応を
迫られることになります。具体的な評価方法としては、
「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の成績に加
え、小論文、面接、集団討論、プレゼンテーション、調査書、活動報告書、大学入学希望理由書や学修計画書、
資格・検定試験などの成績、各種大会等での活動や顕彰の記録、その他受検者のこれまでの努力を証明する資
料などを活用することが考えられます。
「確かな学力」として求められる力を的確に把握するためには、こう
した多元的な評価尺度が必要で、各大学はその教育方針に照らし、どのような評価方法を組み合わせて選抜を
行うかを、応募条件として求める「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)
」の成績の具体的提示等を含め、
アドミッション・ポリシーにおいて明確に示すことが求められます。その際、英語については、高等学校教育
において育成された「聞くこと」
「話すこと」
「読むこと」「書くこと」四技能を、大学における英語教育に引
き継いで確実に伸ばしていくことができるよう、アドミッション・ポリシーにおいても四技能を総合的に評価
することを示すこととし、
「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」における英語の扱いも踏まえつつ、四技
能を測定する資格・検定試験の更なる活用を促進すべきとされています。
このように、中教審の答申では、
「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」
「高校基礎学力テスト(仮称)
」
「各大学の個別選抜の在り方」のそれぞれにおいて、少なくとも英語については資格・検定試験の積極的な活
用が答申の随所に織り込まれ、大学入試改革における不可欠な要素となっています。
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大阪府公立高校入試・・・外部テストの採用
大阪府教委は、2017年(平成29年)春から、実用英語技能検定(英検)などの成績を、府立高校入試
の英語の点数に換算することを決定済みです。従来通りの試験も実施して、高い方の点数を採用します。換算
できるのは、英検、大学入試などに使う「TOEFL」、英国の大学入試で用いる「IELTS」の3種で、
高卒レベルの成績なら80%、大学生レベルで90∼100%の点数を与えます。なお、これらの外部テスト
の受検には4千円∼2万円程度の費用がかかります。
府教委としては、本来は、高校入試問題そのものにおいて「話す」を含む4技能を取り入れたいところです
が、いきなり導入しても多くの人が混乱し、困ることが予想されることから、
「聞く」
「話す」力を重視した外
部テストを活用し、指定の外部テストで一定のスコアを取得した中学生には、入試における学力検査の点数を
一定限度保証するという制度を導入したのです。ここで注目しておかなければならないのは、新制度が、外部
テストの活用を希望する受験生にのみ適用されるということです。この点では、前述の、国による大学入試改
革での資格・検定試験の活用においても同様です。
英検2級といえば、大学卒業程度の英語力です。義務教育を終えようとする中学生にとっては、通常、身に
付けるのが非常に困難なレベルです。準1級ならなおさらです。しかし、府教委は、将来リーダーとなって社
会に貢献することを希望するトップ層の生徒の頭をおさえつけずに伸ばす施策ととらえ、大阪府のトップ10
と言われる「グローバル・リーダーズ・ハイスクール10校」や、国際関係学科を受験する生徒たちが、新制
度を利用する可能性が高いと想定しています。また、対象となる外部テストは、今のところ英検、TOEFL、
IELTSですが、今後4技能を試す質の高いテストが他の業者によって開発され、そのテストが一定限度普
及していく際には、追加のテストとして含めることを検討するとしています。このような府教委の一連の動き
から言えることは、将来リーダーとなり社会に貢献できる人材を発掘する手段として外部テストを活用すると
いうことであり、今後、英語以外に、例えば数学=「数学検定」、国語=「日本語検定」などの検定試験を活
用することも十分考えられることです。
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大阪府公立高校入試・・・合否判定に「自己申告書」、調査書の「活動/行動の記録」を採用
2016年(平成28年)度以降の大阪府公立高校入試において、ボーダーゾーンにおける合否判定に、自
己申告書、調査書の「活動/行動の記録」の記載内容が採用され、それらの内容が高校のアドミッション・ポ
リシーに極めて合致する者が優先的に合格となります。府教委によれば、アドミッション・ポリシーとは「(高
校が)求める生徒像」のことで、事前に府教委を通じて公表することになっています。前述の、大学入試改革
についての中教審答申においても、大学がその教育理念に照らして求める学生像(アドミッション・ポリシー)
を明確化にすることを求めていますので、大阪府におけるアドミッション・ポリシーに基づく入試制度は、国
のものを踏襲したものと思われます。
ここで、大学入試改革に関する中教審答申では、アドミッション・ポリシーの評価方法として、小論文、面
接、集団討論、プレゼンテーション、調査書、活動報告書、大学入学希望理由書や学修計画書、資格・検定試
験などの成績、各種大会等での活動や顕彰の記録、その他受検者のこれまでの努力を証明する資料などの活用
を求めています。大阪府のおけるボーダーゾーンの合否判定にアドミッション・ポリシーを使用するのであれ
ば、その評価方法も中教審のものが全部または一部が採用される可能性が高いと思われます。つまり、大阪府
高校入試において受検者に義務づけられる「自己申告書」の内容や、調査書の「活動/行動の記録」記載事項
に、資格・検定試験などの成績、各種大会等での活動や顕彰の記録、その他受検者のこれまでの努力を証明す
るものが含まれ、その評価が他の受検者と比較して高ければ、各高校が掲げるアドミッション・ポリシーに極
めて合致し、その受検者が合格するに至るだろうということです。
以上、国と大阪府の入試制度における資格・検定試験の関係を見てきましたが、教育に携わる役所がこぞっ
て資格・検定試験を評価し、活用しようとする流れが顕著になってきています。また、今回は触れていません
が、資格・検定試験を活用・優遇する企業や大学・高校・中学校などが確実に増え、学校での単位認定、入試
や採用・昇進・給与体系での優遇措置を享受している人たちの数も鰻のぼりで増えています。
もちろん、たとえ利点や優遇などがなくても、資格・検定試験の本来の目的は、自分が学ぶ科目や事柄に関
し、正しい知識を身に付け、学習の成果を調べ、問題点を見つけて改善し、身近な目標を設定して学習の動機
付けにするなど、自らの向上心に根付いたものです。また、学校の試験や入試と違って受検のチャンスが何回
もあるので、合格するまで、あるいは一定のレベルに達するまで何回でも挑戦できます。言い換えれば、「ダ
メモト」の精神で前向きにとらえ、努力し続けていけば、苦難を乗り超えて成功につながっていきます。ぜひ、
検定試験を積極的に活用して、より良い自分を、より良い未来を目指しましょう。