2014 年度 応用生物学部 卒業論文概要 論文題目 リアルタイム PCR 法による硝化細菌の検出 氏名 指導教員 望月 翔太 浦瀬 太郎 キーワード:硝化細菌 , アンモニア酸化細菌 , 活性汚泥 , リアルタイム PCR, Nitrosomonas europaea 1. はじめに 硝化細菌は生育速度が遅く、寒天培地ではコロニーを形成しないため数の定 量を迅速に行うことが困難である。そのため本研究では、リアルタイム PCR 法で DNA 量を測定し、水環境サンプルや排水処理汚泥に含まれる硝化菌の数あ るいは活性を迅速に測定することを目指す。 2. 実験方法 本学の排水処理施設から活性汚泥を採取し、土壌 DNA 抽出キットを使用し DNA を抽出した。抽出した DNA から硝化細菌由来の DNA をリアルタイム PCR 法で、 アンモニア酸化細菌(AOB)を標的のプライマー、CTO189f-RT1r を使用し測定し た。また、活性汚泥中の硝化細菌の割合をだすために、16S rDNA の真正細菌 (EUB)を標的のプライマー、BACT1369f-PROK1492r を同サンプルに使用し測定 した。対照実験として純菌(Nitrosomonas europaea)と大腸菌でも同じプライマ ー を 使 用 し 測 定 し た 。 測 定 法は イ ン タ ーカ レ ー シ ョ ン 法 、 反 応 条 件 は {95℃:30sec-[95℃:15sec-60℃:35sec]×40cycle}で、その後、融解曲線分析 を[95℃:15sec-60℃:30sec-95℃:15sec]で行った。 3. 結果・考察 純菌(Nitrosomonas europaea)では EUB プライマーと AOB プライマーで、ほぼ 同様の増幅曲線、Ct 値を得た。大腸菌では EUB プライマーでは増幅し、AOB プライマーでは増幅しなかった(図 1)。また、活性汚泥では EUB プライマーと AOB プライマーで増幅が確認でき(図 2)、その Ct 値の差からアンモニア酸化 細菌は活性汚泥中の約 7%を占めると考えられた。 図 1.大腸菌の増幅曲線 図 2.活性汚泥の増幅曲線
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