先生間で日常的な情報共有を図り より深い生徒理解を実現

00000
先生間で日常的な情報共有を図り
より深い生徒理解を実現
私立
聖セシリア女子中学校・高等学校 中高一貫校
女子校
学科:普通科
規模: 高校1学年約125名(2015年度)
主な進路状況: 国公立大3名、私立大136名うち早稲田大3名、慶応義塾大1名など(2014年度入試)
取り組み
●リアルタイムに生徒の状況を把握し、先生間で共有することで個別指導が
可能に
●「学力向上」を見据えた指導実践とガイドラインの策定
取り組みの
背景
■情報を集約し、日常的な情報共有の徹底、あらゆる場面での個別指導の向上
■それにより、一人ひとりの生徒の状況を把握し、学年が変わってもスムーズに共有する
校内の体制を整えたいという想いから、Classiを導入を決定
リアルタイムに生徒の状況を把握し、
先生間で共有することで個別指導
が可能に
──── 御校のICT環境についてお聞かせください。
先生 今回Classi を導入するにあたり、無線LAN
を全校に導入しました。ネットワークは今後、
生徒が一人1台タブレットを持っても良いよう
に整備をしました。
──── 御校のICT導入の背景についてお聞かせ下
ワード、エクセルなどで作成した既存の
さい。
データとの活用も考えWindowsのタブレットも
先生 生徒に気づきを促すような声掛けをしてい
全職員分導入しました。
くためには、先生間における生徒情報の共有
が重要です。本校では以前から職員会議で
1
の生徒情報の共有は活発でしたが、日常的
──── Classi導入の背景を教えてください。
な会話の中に指導のヒントが隠れていること
先生 Classiの機能で教職員全員が使っている
が多いという意見から、ICTを活用すること
機能として、「授業記録」を活用しての出欠
で効率良く、確実に先生間で共有することを
管理があります。 朝のHRで担任の先生が
考えました。 出欠をとれば、教科担当の先生も生徒の
出欠状況が把握でき、保健室の先生も昨日
方法などを学校独自にわかりやすく資料にま
休んでいた生徒の通学状況を確認できるの
とめて配布しました。
で、教職員全体で生徒を見守ることができま
す。こういった朝の出欠といった情報から、
生徒の進路希望などの情報まで共有できる
ようにしたいというのが導入の始まりです。
また、テストの成績や評定など生徒の情
報が学校のサーバに点在していたことも課
題として感じていました。これを一つに整理
し、セキュリティが担保されたクラウド上にアッ
プロードすることで、安全に誰でも取り出せる
状況を構築したいと思いました。また、ベネッ
セの模試も利用していることから、Classiと自
動で連携されるというのも導入しようと思っ
た理由です。
生徒だけでなく、先生の情報教育
に対する育成・フォローも必要
──── タブレット導入に対して先生方の反応はいか
がでしたか。
先生 スマートフォンを使っている先生が多かった
こともあり、あまり抵抗感は無かったようです。
しかし、普段スマートフォンやパソコンをあま
り使っていなかった先生にはタブレットで出
席を取るなどは抵抗感があったようです。た
だ、みんな協力して動いてくれる先生方ばか
りなので、周りの先生でフォローしながら、全
員タブレットを使って出欠管理や生徒の情報
共有に取り組んでいます。
──── 導入にあたって、どのような体制で検討・導入
を進められましたか。
先生 検討・導入にあたっては教科主任をメン
▲ 面談での画面提示の様子
バーとした会を作りました。「コンテンツボック
ス」はこう使う、面談や生徒とのやりとりなど
を生徒カルテにどう記入していくかといった
▲ Classi運用マニュアル配布資料(一部抜粋)
事を一つ一つ決めています。この会を月1回
定例で開き、使い方の共有や使う上でのルー
──── ICT(タブレット含む)を導入することでどのよう
ルの策定、新しい使い方の検討なども行って
なメリットがありましたか。
います。
先生 現在、出欠の管理は全ての先生が使えて
います。その背景として、4月上旬の職員会
2
議で、授業記録のとり方や、座席表の作成
まだ導入段階のため全てのメリットは見え
ていませんが、今まで職員会議では資料を
何百枚と印刷し、先生方の机に配布する
ことに労力がかかっていました。Classiの導
入でその負荷が軽減し、紙の削減にもつな
がります。
などの提案が出ることも多く、柔軟に組み込
んでいます。
中長期の計画としては、本校で使えそうな
機能については、すべて使いたいと考えて
「学力向上」を見据えた指導実践と
ガイドラインの策定
います。アンケートなどは、授業アンケートに
活用して先生方の授業改善に繋げたいと考
えています。Webテストもまずはコンピュー
タ教室で小規模に利用してみて、全学年に
──── 今後のClassi導入計画を教えてください。
先生 今年は出欠管理を確実に行うという事と
生徒カルテに生徒の情報をきちんと入力す
るという事を徹底すると決めています。この
ほかに、小テストや成績管理なども全て共
有を進めたいと計画しています。教務部の
中に今までは無かった、Classiやタブレットを
管理する役職を設置しました。この職員が学
年の先生方へのサポートをし、講師の先生
や学年に属さない先生は教科主任がサポー
トをしています。また、新しい機能を導入す
るときは、必ず教科主任が最初に利用して
みて、使い方や学校の運用とどのように併
用させていくかなどを考え、それから教科の
広げていきたいです。
学習記録も家庭で打ち込める環境がなけ
れば活用できませんので、どのくらいの生徒
が利用できる環境にあるのかという事を調
査したうえで次年度を目途に活用を開始し
たいと考えています。実際にすべての機能
を使うという事を前提に検討をしており、2年
以内には活用のガイドラインを定めたいと考
えています。
現在はまだ先生たちの校務面でのメリット
しか見えていない状況ですが、生徒たちに
とってどのようなメリットがあるのかを今後先
生たちみんなで考えていきたいと思っていま
す。
先生たちに広めていくようにしています。そ
のなかで、先生たちからより良い使い方
あらゆる場面で個別指導ができるようになった
成
果
■ 「授業記録」を活用しての出欠状況の共有や、「生徒カルテ」の情報を元に学年・教科を越えての面談が可能に
なりました。
■ 先生間の情報共有が進んだことにより、生徒間のコミュニケーションも深まりました。
■ 各先生が生徒の状況や気づきをもっと記録し、
今
後
共有していことで、より生徒の理解や個別指導
を進化させていきたいと思っています。
向
■ 成績や評定だけでなく、授業での発言等日常
的な情報共有も徹底していき、生徒をより多面
3
的に理解していきたいです。
お話を伺った 笠井 理弘先生(教務部長)