システム情報工学研究科修士論文概要

システム情報工学研究科修士論文概要
年 度
平成26年度
専 攻
学位名
社会システム工学 専攻
著者氏名
修士(社会工学)
大吉健洋
指導教員氏名 石井健一
論文題目
地域ブランド活用の方向性
特産品購買意向に影響を及ぼす地域ブランド特性と消費者要因の検討
論文概要
少子高齢化の進行、都市部への人口集中やグローバル化などにより地方を取り巻く状況が悪化し
ている。近年、衰退する地方を活性化するために地域ブランドの構築や特産品作りが盛んに行われ
ている。また、地域プロモーションとしてくまモン、ふなっしーなどのゆるキャラや「日本で 47 番
目に有名な都道府県」、
「おしい!広島県」などの自虐的な地域キャッチコピーが注目を集めており、
人々の地域活性化への関心が高まっていると考えられる。本研究では特産品購買意向に影響を及ぼ
す地域ブランド特性と消費者要因について検討を行った。特産品購買意向に影響を及ぼす地域ブラ
ンド特性とは地域の魅力度合いを示す地域魅力度と地域の支援の必要度合いを示す地域支援必要度
であり、消費者要因とは「地方の活性化を支援したい」、「地方の伝統や文化を守りたい」などの地
域活性化志向と「有名な特産品は品質が良さそう」
、
「知人へのプレゼントには有名な特産品を買う」
などのブランド志向である。従属変数を特産品の購買意向とし、独立変数に地域魅力度、地域支援
必要度、地域活性化志向、ブランド志向などとする重回帰分析とゆるキャラの知っている数、地域
活性化志向の相関分析を行った結果、次の 3 点が明らかになった。第一に、市町村の特産品の場合、
地域魅力度は特産品購買意向に負の影響を及ぼす。第二に、ゆるキャラの知っている数と地域活性
化志向には正の相関関係がある。第三に、地域活性化志向は特産品購買意向に正の影響を及ぼす。
本研究の結果に基づき、地域ブランドを活用し特産品の購買意向を高めるためには、地域ブランド
の構築単位を市町村ではなく都道府県にすること、魅力的な地域作りを行うだけでなく地域の支援
必要度を高めるためにゆるキャラや地域キャッチコピーなどの地域プロモーションを活用すること
が有効であることが示唆された。
審査日
審査員
主査
平成
27年
1月
30日
(大学名 職名)
(学位)
(氏名)
筑波大学 准教授
博士(学術)
上市 秀雄
Ph.D.in
副査
筑波大学 教授
Organizational
渡邉 真一郎
Behavior
副査
筑波大学 准教授
博士(社会工学)
石井 健一