システム情報工学研究科修士論文概要 年 度 平成 26 年度 専 攻 コンピュータサイエンス 学位名 専攻 著者氏名 修士(工学) 加賀江 優幸 指導教員氏名 南出 靖彦 論文題目 Streaming String Transducer の等価性判定と正規表現による文字列置換への応用 論文概要 文字列から新たな文字列を生成する計算モデルとして Alur らによるストリーミング文字列トランスデュ ーサ(Streaming String Transducer : SST)がある.ストリーミング文字列トランスデューサは, 文字を受け 取るごとに文字列を保存できる変数の内容を更新し, 最終的には変数の内容を用いて出力文字列を 構成するトランスデューサである.このストリーミング文字列トランスデューサにおいて, 関数的非決定性 ストリーミング文字列トランスデューサ(Functional NSST)の等価性判定問題は決定可能であることが Alur らにより証明されている.しかしながら, その判定方法の詳細は我々が知る範囲では示されておら ず, 実装及び実験結果も報告されていない. また, 有限状態トランスデューサでは表現できないがストリーミング文字列トランスデューサで表現で きる例として正規表現による文字列置換が挙げられる. 正規表現による文字列置換は, 書き換え対象 の文字列を正規表現を用いて検索し, マッチングした箇所を置換文字列で書き換えを行う文字列処 理である. 正規表現による文字列置換の解析に関する先行研究として, Sakuma らによって正規表現で の接頭辞への部分マッチングの意味付け及びマッチング情報を文字列に付加する有限状態トランス デューサの構築がされている. しかし, 正規表現による文字列置換にはキャプチャ構文が存在し, 正 規表現の一部にマッチングした文字列の複数回挿入や順番の入れ替えといったことが可能であるた め, 有限状態トランスデューサでの解析には限界がある. 本研究では, 関数的非決定性ストリーミング文字列トランスデューサをモノイドを出力するトランスデュ ーサとみて再構成を行い, 等価性判定アルゴリズムの構築を行なった. さらに本論文で構築した関数 的非決定性ストリーミング文字列トランスデューサの等価性判定アルゴリズムを応用して正規表現によ る文字列置換の等価性判定を行う. そのために, 正規表現による文字列置換を模倣する関数的非決 定性ストリーミング文字列トランスデューサの構築を行い,等価性判定アルゴリズムへの適用を試みる. 審査日 審査員 平成 27 年 1月 29 日 (大学名 職名) (学位) (氏名) 主査 筑波大学 准教授 博士(理学) 南出 靖彦 副査 筑波大学 教授 博士(工学) 亀山 幸義 副査 筑波大学 准教授 博士(工学) 前田 敦司
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