食べる順番を変えてみよう

杉山内科健康だより
平成27年1月号
食べる順番を変えてみよう
食べる順番療法では、野菜を最初に食べるため、必然的に毎回の食事で野菜をきちんと取るこ
とが出来る。野菜には、糖の吸収を抑えて整腸作用もある食物繊維の他、免疫力維持や代謝の
サポートなどに効果を発揮するビタミン、生命活動に不可欠なミネラル、抗酸化作用のあるファイトケ
ミカル、余分な塩分を排出してくれるカリウムなどの栄養素が豊富に含まれている。
糖は腸でブドウ糖に分解、吸収される。食物繊維はこの吸収を抑える
野菜から食べるとなぜ血糖値
働きがある。まず野菜を食べることで、先行して食物繊維を腸に届
が下がるのか
け、
最後に摂った糖の吸収を妨げる。結果として血糖値の上昇が緩やか
になり、インスリンの分泌も少なくてすむ。インスリンは、糖がエネルギー源として筋肉などの細胞に取
り込まれるのを助け、一方余った糖を脂肪細胞に蓄積する働きがある。インスリンの分泌が多いと脂
急激な血糖値上昇による”血糖変動幅”に注意!
糖尿病だけではない
野菜から食べた場合と、ご飯から食べた場合の血糖値の上昇は
健康効果があある
野菜からの方が緩やかで、血糖値の最大値と最低値の幅も小さ
い。変動幅が大きいと、血管への障害が起こりやすく、心筋梗塞などのリスクが高い。また低血糖
に陥ることもある。
❶野菜⇒たんぱく質⇒炭水化物の順に食べる
食べる順番
3つのルール
まず、野菜のおかずを食べきる。サラダや和え物、酢の物、煮もの、
味噌汁など。 次に肉や魚などのたんぱく質が主なメインのおかずを
食べる。卵、牛乳やチーズなどの乳製品もこのグループに入る。 最後に、主食の炭水化物。ご
飯やパン、麺類の他、注意すべきはかぼちゃやレンコンなどの糖分の多い野菜や果物。また、大
豆以外の豆類やナッツも3番目のグループ。小麦粉を使った料理は要注意。お好み焼きやチジミ
などは材料に野菜や肉がたっぷり入っていても、小麦粉を使っているため炭水化物と同じ扱いにな
る。ぎょうざ、シュウマイ、春巻きなども皮に小麦粉が使われているので、炭水化物のグループにな
る。
❷よく噛んでゆっくり食べる
きちんと順番を守っていても、早食いでは効果が得られない。野菜を最初に食べるのは、腸に食
物繊維を届けるため。その為に、3番目の炭水化物を食べるまでに最低でも10~15分はかけよ
う。
❸食事療法やダイエットの一番のストレスはカロリー制限だろう。しかし、食べる順番さえきっちり守れ
ば、カロリー計算は必要ない。ストレスなく好きなものを食べて良い。但し、暴飲暴食や毎回の油物
食べる順番別 食材リスト
1番目:野菜のおかず(副菜)
イ)野菜類
緑黄色野菜、淡色野菜
ロ)きのこ類
えのき、しめじ、しいたけ、
まいたけ、マッシュルーム等
ハ)海藻類
わかめ、昆布、ひじき、のり
めかぶ、もずく等
ニ)こんにゃく類
2番目:メインのおかず(主菜)
イ)魚介類:魚、貝類、えび
いか、たこ、かに等
ロ)肉:鶏肉、豚肉、牛肉
ハ)大豆・大豆製品:大豆、
豆腐、納豆、厚揚げ等
ニ)卵
ホ)牛乳・乳製品:
牛乳、チーズ、ヨーグル
3番目:主食
イ)穀類:コメ、パン、うどん、
そば、スパケッティ、中華麺
とうもろこし、餃子の皮等
ロ)豆類:グリンピース、空豆
ハ)いも類:じゃがいも、里芋
さつまいも、山芋など
ニ)果物:バナナ、りんご等
ホ)一部の野菜:
れんこん、かぼちゃ等
最後にご飯だけ食べるのは味気ない・・メインのおかずを少し残しておこう
おやつは昼食に続けて食べるより、午後3時に食べた方が、血糖は上がらな
い
アルコールはメインの主食の時から飲み始めるのが良い、ただし適量を飲もう
大阪府立大学今井佐恵子教授
www9.plala.or.jp/KEI-10KM/
52-0031