カウンセラー通信 ふわり 第 1 号

カウンセラー通信
ふわり
第 1 号 12 月 16 日
こんにちは。スクールカウンセラーの彦次です。小倉小学校に来て、8 か月になり、春から合わ
せて 12 回学校に来させていただきました。その間、たくさんの子どもの元気な声に、私もたくさ
んのパワーをもらってきました。
12 月に入り、寒い日が多くなってくる今日この頃ですが、お母さんやお父さん、子どもさんた
ちの体調はいかがでしょうか。寒さに体が固まったり、外に出るのが億劫になってくる時期ですよ
ね。家の中で過ごすことが増えると、楽しいことも増えるとともに、師走の忙しさにストレスも増
える時期かもしれません。今回は、スクールカウンセラー通信初回ということで、皆さんの心と身
体の健康に大きく影響を与える「ストレス」をテーマにお届けしたいと思います。
ストレスってなに??
心はいろんな刺激に反応します。うれしかったり、悲しかったり、イライラしたり、怒ったり、そ
んな何かの刺激に心や体が反応することをストレスといいます。何かの刺激というのは、怒られた
り、褒められたり、喧嘩したり、試合や試験など、日常にあるいろいろな出来事や、暑い、寒い、
眠い、お腹がすいたというような環境や生理的ものなど、人の周りにある刺激すべてがストレスの
原因になりえます。
ストレスがあると何が良くないの?
ストレスの原因を「ストレッサー」、ストレスで見られる心身の反応を「ストレス反応」と呼び
ます。例えば、子どもが友だちと喧嘩をして、
「どうしよう」
「悲しい」と心が反応するとします。
ストレッサーが「喧嘩」で、ストレス反応が「どうしよう」
「悲しい」ですね。
「どうしよう」とい
う心の反応が、すぐに対処法「コーピング」につながると、
「明日あやまろう」
「気にしんとこ、ま
ぁそのうちまた戻るわ」
「先生に相談してみよう」
「むしゃくしゃするから外でボール遊びでもしよ
う」と、
「どうしよう」
「悲しいよ」という悩みは弱まります。そして、コーピングの結果、友だち
との関係が良好になれば、達成感や自信につながります。ストレスは健康に良くないと思っておら
れる方が多いと思いますが、ではどうしてよくないか、ということですよね。この「コーピング」
がうまくいかないと、
「どうしよう」
「悲しい」が長く強く続くことになります。ストレス反応が強
すぎてコーピングが思いつかないときもあれば、「暴れる」
「叩く」
「無視する」など、間違ったコ
ーピングをすることで、新しいストレッサー「怒られる」「悪い子と言われる」などが起こってし
まうこともあります。うまくコーピングできずに、
「ストレス反応」の「どうしよう」
「悲しい」が
長く大きく続くことで、友人と顔を合わせられない、元気がなくなる、学校に行くのが嫌になるな
ど行動に制限がでてしまう可能性があります。また、心を長く強く働かせることになりますので、
心が疲れてしまうということが起こってきます。
ストレスに強くなるには?
では、どうすればストレスが長く強く続くことを防げるのか、ということです。子どもの心は柔
軟です。ストレスに強い子ども、弱い子どもと呼ばれることもありますが、感受性の強さなども関
わってきており、素因でいうとどちらが良いという話ではないと思います。そして、どのような子
どもさんも、心に自信の種をたくさんまいてあげることで、真にストレスに強い心を得ることがで
きると言えます。この心に持つ自信を「自尊感情」と言い、子どもの心の安定にすごく大きな役割
を果たしますが、それは次号お話させていただきたいと思います。自信をたくさん持つことで、ス
トレスに強くなる。ではどうしたら自信を持てる子になるの?ということです。おすすめは、
「普
段着の子どもさんを褒める」ということです。100 点とったときではなく、いつもの生活の中で、
素敵なところ良いところを見つけて褒めてあげる。苦手なことの中で、10(できるようになって
ほしいレベル)のうち 1 しかできなかったことが、1.5できるようになった時、結果は1のま
まだったけれども挑戦した時など、今まであえて褒めなかったところに、子どもさんの自信の種が
うまっているかもしれません。ぜひ、子どもさんの心に自信の種をまいてあげてください。子ども
の心にまかれた自信の種は、子どもが困難にぶち当たったときに強さとなって子どもを支えてく
れる、「宝物」だと思います。
他にも、たくさんのストレスを弱めるコーピングの方法があります。いろんなコーピングを身に
着けることで、ストレスが長く強く続くことを止めることができます。何よりも、心に自信を持つ
ことが基本になりますので、その上で、具体的なコーピング方法を少しずつお伝えしていければと
思います。お母さんやお父さん自身も、子育てやお仕事などいろいろなことで日々ストレスを感じ
られていることと思います。子どもさんを褒めるのと同時に、普段着のご自身をたくさん褒めてあ
げてください。
☆お勧めは・・・・・ストレスには「ありのままの自分に自信を持つことが良い」ということを皆
で共有した上で。家族みんなで集まれる日時に(日曜日の夜ごはんの後等)、家族全員でお互いの
良いところを1~3 つずつ伝え合うことを習慣にする。なんていうのはどうでしょうか。子どもさ
んが参加したがらないときは、ご夫婦でお互いと子どもを褒めあうというのもお勧めです!(この
時間はネガティブはなし!です。)