+ 月刊 CENTRAL 『999.9 レポート』 2015 年 10 月号 Monthly 999.9 Report Gold report head-line ●ゴールド・トレンド & ワンポイント 米FOMCの利上げ見送りが強気を誘い NY 金は上昇トレンドへと陽転 ●NY 内部要因&金 ETF 推移 金価格の上昇とともに金ETFの投資保有高が増加へ転じる ●マーケット フォーカス FOMCの利上げ見送り後の金市場とこれからの FRB の動き フォルクスワーゲンの俳ガス不正問題で 6 年ぶりの安値をつけるプラチナ相場 ●ゴールドカレンダー & ゴールド Topics ●セントラル商事で始める金投資 vol.070 ゴールド・トレンド & ワンポイント ゴールド・トレンド 三点天井を突破して陽転するか安値更新して暗転するのかの大事なポイント チャートはNY金・先限日足。足元の短期波動の金相場は非常に重要な分水嶺に位置している。7/24 の直近安値 1,072.3 ドルまで下落したところで安値を出し切り、反発したものの、1,200 ドルには届 かず再反落していた。ところが、1,100 ドル付近からまた上昇に転じている途中である。 注目点は、8/24 の直近最高値 1,169.8 ドルを突破することができるかどうか。この高値を突破でき れば直前に形成されたヘッド&ショルダーの頂点を上抜き、上昇トレンドに陽転することが予想され る。しかし一方、上抜くことができずに暗転した場合、大勢トレンドが下向きに暗転して、また 1,100 ドル割れとなるリスクが伴ってくるだろう。 金要因・ワンポイント インドの今年 1-6 月の金需要は最近 3 年間の平均を約 2 割下回っている グラフは、ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)がまとめた「インドの金需要」推移。インド は昨年、年の前半が熱波に見舞われ、年の後半をモンスーンに見舞われ、天候不順から農作物は不作 となった。この影響から農家を中心にインドの金買いの動きは弱まるものと見られていたが、やはり 平年と比較するとややペースダウンしている。参考までに、2015 年 1-6 月のインドの金需要は 394 ト ン。これに対し、2011 年から 2013 年の 3 年間の年前半 1-6 月累計の平均は 489 トン。従って、今年 1-6 月は過去 3 年間より 19.5%、約 2 割減少している計算になる。 一見するとイ ンドの今年前半 の金需要のペー スは横並びで推 移していること から平年並みと 見受けられるも のの、時期的な比 較をすると、実際 には落ち込んで いる。 NY 金市場 内部要因&金 ETF 推移 NY 金市場の内部要因(CFTC) 将来的に買い越しが売り越しへと転換する可能性がある 米商品先物取引委員会(CFTC ) が集計した 9 月 22 日現在の NY 金市場・大口ファンド建玉は、 買いが 18 万 2,080 枚、売りが 12 万 0,955 枚で売りと買いとの 差し引きは 6 万 1,125 枚の買い 越し。この前週 9/15 現在の買い 越し 3 万 9,547 枚からは 2 万枚 以上の増加となった。 しかし NY 金相場の流れは基 本的にダウントレンドが継続し ており、依然として先安観が底 流したままである。このため再 び既存買い方の手仕舞い売りが 主導し、買い越しが減る状況と なる可能性がある。場合によっ ては、将来的に現状の買い越し から売り越しへと転換する可能 性もある。 金 ETF の推移と金相場 先物市場と同様に金 ETF も資産リスク回避の流れから増加 NY 証券取引所の金上場投資信 託(ETF)の金保有高は、9 月 25 日現在 684.14 トン。先月末の 682.59 トンから約 2 トンの微増 となった。9 月中旬には 680 ト ンを下回って推移していたが、 相場がやや上向きに推移し始め てきたことで、金 ETF に対する 投資欲がまたやや盛り上がって きたことを示している。 足元の状況のように、金価格 が更に上値を追うのであれば、 一段と金 ETF は増えることが予 想される。しかし逆に、相場が 再び暗転すると金 ETF 保有量も マイナス化することは必至であ り、価格との連動制がかなりは っきりしている。 マーケット ●ゴールド● 大注目の 9 月の FOMC で利上げが見送られて金相場上昇に 米連邦準備理事会(FRB)は 9 月 17 日まで開催した米連邦公開市場委員会(FRB)で、世界経済を めぐる懸念や金融市場の動揺、米国で低迷するインフレを理由に、金利据え置きを決めた。ただし、 年内利上げの可能性は残した。 イエレン議長は会見で、「米経済は利上げを正当化するほど良い状態で、今後もこうした状況が続 くと見込んでいる。ただし、海外情勢をめぐる不透明性の増大を踏まえ FOMC は早急な利上げは待つ ことが適切と判断した」と説明した。 更に、FOMC 後に、9 月 21 日にセントルイス連銀のブラード総裁は、「米国の労働市場が回復し、 物価が低水準であるものの安定して推移していることを踏まえると、非常事態に対応するための政策 を引き揚げる時期が来た」とコメントし、FRB が 10 月に利上げに踏み切る根拠は十分にあるとの考え を示した。 また同じ 9 月 21 日に、アトランタ連銀のロックハート総裁は、ジョージア州で講演後、「次回 10 月の FOMC でも利上げの是非を 検討するものの、金融市場の変 動などの影響をあと 1 カ月余 りで見極めるのは難しいかも しれない」と述べ、利上げが見 送られる可能性を示唆した。た だし、講演では年内の利上げに 自信があるとも述べ、12 月会 合での利上げの可能性を示唆 した。 金市況にとって、9 月の FOMC は「恵みのファクター」となった。FOMC が利上げを見送ったことで 投資熱が冷めていた状況からリスクオンとなり買いが先行しやすい状況へと変化しつつある。まだ楽 観的に見るには時期尚早ではあるものの、冒頭の NY 金チャート(日足)が示すとおり、底入れの気 配が漂いつつあるとともに、相場が転換期に入った可能性がある。 過去の NY 金の相場パターンからすると、米国の利上げ局面では、実際にオペレーションが実施さ れる約 3 カ月前に底値をつけるパターンが多い。2004 年から 2006 年の利上げ期には金の価格が 1.5 倍に上昇した。今年 7 月、ギリシャ債務不安の後退が圧迫要因となって 1,100 ドルを下回り 6 年ぶり 安値をつけたが、その後は底堅く推移、前述の 2004~2006 年の 時期のような上昇パターンに入った可能性があることは否定で きない。 またここ最近、NY 商品取引所(COMEX)で金指定倉庫在庫が減 っている点も見逃すことができない。最近 1 カ月で6割以上減っ ており、統計を確認できた 11 年以降で最も低い水準になった。 ただし、COMEX の金先物市場の約定は現金決済されることが大半 であるため、在庫の増減は一時的なことでマーケットに影響が出 るような材料ではないとの指摘もある。 マーケット フォーカス ●プラチナ● フォルクスワーゲンの排ガス不正問題でプラチナは 6 年ぶりの安値 NY 金相場が堅調推移となっ ている一方、プラチナ相場は逆 に下げ傾向となっている。特に、 9 月 23 日のプラチナ相場は大 きく下落して中心限月は一時 925.8 ドルまで下げ、2009 年以 来 6 年 8 カ月ぶりの安値に沈ん だ。 ドイツの自動車大手フォル クスワーゲン(VW)の排ガス 試験不正で、ディーゼルエンジ ン搭載車に対する欧州の需要 が冷え込むとの懸念が背景に ある。ちなみに、プラチナは、ディーゼルエンジンの排気ガスを浄化する触媒に使われている。下段 円グラフのとおり、ジョンソン・マッセイのプラチナ統計によると、2014 年実績で触媒向け需要は全 体の 40%のシェアがあり、宝飾用を抜いて最も占有率の高い分野である。 もともと、プラチナ市場において中国の消費減速や南アフリカの過剰生産で相場見通しは弱気が支 配的となっていたが、今回の不正問題で下落が加速度的となった。アナリストらは投資家心理が冷え 込んだことを理由に、既存買い方の手仕舞い売りが誘われテクニカルに一段下げになるのではないか と考える向きが増えている。 VW は米国の排ガス試験で不正をしていた疑いが先週末に発覚。これを受け、フランス政府と英国の 担当局が自動車各社とディーゼルエンジンの排ガスについて全欧州的な調査を呼び掛けたことで、プ ラチナ価格は急落した。 今後、欧州の人だけに限らず世界的な規模でディーゼル車離れが顕著となり、ガソリン車にシフト する傾向が強まる見方が広がっている。なお、欧州は世界最大のディーゼル車市場で、今後、VW以 外のメーカーでも排ガス試験の不正が見つかり、 スキャンダルが業界全体に広がる心配が誘われて いるため、今後更にプラチナ価格の下落幅が広が るのではないかとの懸念が強まっている。 参考までに、ジョンソン・マッセイが 5 月に発 表した需給統計によると、2015 年の世界白金需給 は 8.9 トンの供給不足として前年の 34.6 トン供給 不足から、不足分が大幅に縮小すると予測してい たが、今回の突発的な事件発生で、供給不足幅が 更に縮まるばかりか、逆に需要が大きく減退する ことによって、一段と相場が下落するリスクが強 まっている。 ゴールドカレンダー ==<2015 年 10 月>================================ 1 日(木) 香港休場、上海休場(国慶節)~7 日まで 9 月中国製造業 PMI 9 月米 ISM 製造業景況指数 日本・日銀短観(日銀) 2 日(金) 9 月米雇用統計 5 日(月) 7 月米貿易収支 9 月米 ISM 非製造業景況指数 ブラジルの金鉱を再開発 ~日本人投資家が乗り出す~ 6 日(火) 8 月米貿易収支 7 日(水) 日本・8 月景気動向指数・速報値(内閣府) 9 月 30 日付けの『フォーリャ紙』が報じたと 8 日(木) 8 月米貿易収支 ころによると「1980 年代に栄えたブラジル最 FOMC 議事録(9 月 16・17 日分) 大の露天掘り金鉱で、3人の日本人投資家が 9 日(金) 米新規失業保険申請件数 再開発に乗り出そうとしている」という。 12 日(月) 東京休場(体育の日) NY 休場(コロンブスデー) 13 日(火) 10 月ユーロ圏 ZEW 景況感調査 9 月中国貿易収支 14 日(水) 8 月ユーロ圏鉱工業生産・季調済 9 月米生産者物価指数 15 日(木) 米地区連銀経済報告(ベージュブック) 9 月米消費者物価指数 10 月米ニューヨーク連銀製造業景気指数 10 月米フィラデルフィア連銀景況指数 16 日(金) 9 月米鉱工業生産 10 月米ミシガン大消費者信頼感指数・速報値 19 日(月) 9 月中国鉱工業生産 第 3 四半期中国 GDP 20 日(火) 9 月米住宅着工件数 22 日(木) 欧州中銀金融政策発表 23 日(金) 10 月ユーロ圏 PMI 製造業・速報 27 日(火) 8 月米 S&P/ケース・シラー住宅価格指数 10 月米消費者信頼感指数 10 月米リッチモンド連銀製造業指数 28 日(水) FOMC 政策金利発表 第 3 四半期米 GDP・速報値 30 日(金) 日銀金融政策決定会合 10 月米シカゴ購買部協会景気指数 10 月ミシガン大消費者信頼感指数・確報値 この金鉱は『セーラ・ペラーダ』で、日本人 の投資家らは、ブラジル州政府と共に採掘場 の権利を握るガリンペイロ協同組合の承認を 受け次第、近く地元仲介会社を通して採掘を 開始するという。参考までに、金の小片や、 その他鉱石の推定埋蔵量は 23 トン。 ただし、ブラジル州政府は積極的な姿勢を見 せているものの、ガリンペイロ協同組合の旧 理事会が連邦検察局に採掘料5千万レアルを 横領した疑いで告発されるなどしており、懸 念要素が残っているとのこと。また報じたフ ォーリャ紙は多額の資金繰りの難しさに加 え、組合の政治的不安定さも事業の妨げだと 指摘している。 金地金の販売・買取 セントラル商事では、㈱東京商品取引所(TOCOM)指定ブランドの金地金を取り扱い、価格は TOCOM の金先物当限価 格を指標に大手地金商の一般小売価格よりもお求め易く設定するなど、世界一流ブランドの金地金をリーズナブル &スピーディにお届けできます。また当社販売の金地金※1は、買取りも行っております。販売参考価格は、TOCOM 当限価格+20 円、買取参考価格は、TOCOM 当限価格-20 円です。金は、世界的な投資不安が広がる状況の下では、実 物資産としての資産価値が高くなります。また、エネルギー危機となった場合には世界的にインフレ懸念が再燃し、 それに伴い、インフレ・ヘッジとしての金価格の上昇も予想されます。 http://www.central-shoji.co.jp/sale-acquisition.html 金地金参考価格(消費税別) 2015/9/30 15:15:00 販売 4,362 円/g 買取 4,322 円/g 金地金のリース取引 当社と消費寄託契約を結んで金地金※1 をお預けになるだけで契約期間満了後には、寄託料(利息に相当)を受取 ることができる、これがセントラル商事の「金地金のリース取引」です。金地金の保管料がかからず、逆に利息が 生まれるので実物取引には有利です。※寄託料については、雑所得扱いとなり、年間 20 万円までは確定申告の必要 がありません。また、利子税 20%が控除される定期預金と比較してもリース取引はお得です。 http://www.central-shoji.co.jp/lease.html コース 寄託料利率 (2015 年 9 月 30 日現在) ※参考 現在の都市銀行の定期預金金利 1ヶ月 年利 0.03% 期 間 預金利率 3ヶ月 年利 0.05% 1ヶ月~6ヶ月 年利 0.025% 6ヶ月 年利 0.07% 12ヶ月 年利 0.025% 12ヶ月 年利 0.10% 商品先物取引 商品先物取引を利用すれば、わずかな資金でも金の取引が可能になります。当社では、㈱東京商品取引所の金先 物取引を取り扱っております。 http://www.central-shoji.co.jp/consulting.html ※金地金と倉荷証券とのスワップ:お手元の金地金※1を倉荷証券にスワップ(交換)し、有価証券として活用するこ とでリスク回避や効率的な運用を実践することができます。これが金地金を倉荷証券にすることで、商品先物取引 の取引証拠金として充当することもでき、短期的な価格下落のリスク回避やレバレッジの高い運用に活用できます。 ※1 金地金は、購入時の納品書にて、発行元、地金のブランド及び製造番号が確認できるものに限ります。 ※2 「犯罪による収益の移転防止に関する法律」により、お客様の本人確認、取引記録の保存が義務付けられ、200 万円を超える現 金での地金販売の際、運転免許証などによってお客様の特定事項である氏名・住所・生年月日、職業・事業内容、取引を行う目的を確 認させていただきます。 東京本社 〒104-0033 東京都中央区新川1丁目24番1号 大阪支社 〒541-0054 大阪府大阪市中央区南本町2丁目2番9号 TEL 03-5542-8911 TEL 06-6261-7000 登録番号:農林水産省指令 22 総合第 1337 号、経済産業省平成 22・12・13 商第 19 号 加入団体:日本商品先物取引協会、日本商品先物振興協会、日本商品委託者保護基金 ○商品先物取引は相場の変動によって損失が生ずるおそれがあります。また、委託者証拠金の額に 比べて何十倍もの金額の取引を行うため、その損失額は預託している取引証拠金等の額を上回る ことがあります。 ○商品先物取引は委託に際して取引証拠金等の預託が必要になります。最初に預託する委託者証拠 金の額は商品により異なり、最低取引単位 1 枚当たり最高 130,000 円、最低 9,600 円です。但し、 実際の取引金額は委託者証拠金の約 10 倍から 50 倍という著しく大きな額になります。また取引 証拠金等は、その後の相場の変動によって追加の預託が必要になることがありますので、注意が 必要です。なおその額は、商品や相場の変動によって異なり、一様ではありません。 ○商品先物取引の委託には、委託手数料がかかります。その額は商品によって異なりますが最高額 は、最低取引単位 1 枚当たり 9,072 円(片道・税込)です。 ○この開示情報は 2015 年 10 月 1 日現在の情報であり、今後予告なく変更される場合があります。 なお、当社の取扱商品は、元本欠損又は元本を上回る損失が生じるおそれのある商品です。個々 の商品に対する投資に際しましては、ご契約の際に交付される書面をよくお読みいただきますよ うお願いいたします。 相談窓口 当社お客様相談窓口(東京・本社) 0120-975-002 [携帯・PHS 可] 受付時間(平日 月~金)/9:00~17:00 E メール:[email protected] 日本商品先物取引協会本部相談センター 東京都中央区日本橋堀留町 1-10-7 03-3664-6243 受付時間(平日 月~金)/9:00~17:00 当社の企業情報は、本・支店のほか日本商品先物 取引協会の本部又はホームページでご覧になれ ます。 http://www.nisshokyo.or.jp/
© Copyright 2024 ExpyDoc