千曲市立五加小学校 平成27年度 第7号 H27.10.1 五 加 小 だ よ り 文責 小宮山 峰男 新体力テストの結果より 7月に、各学年で実施した新体力テストの結果と今後の課題を、全国平均(平成26年度の平均値)と比べた レーダーチャート図(男女別)にまとめました。 個人の結果と課題については、後日県より分析シートが届き次第、お子さんを通じてお返しします。 【レーダーチャート図の見方】 新体力テストは、全部で8種目調査しました。それを「筋力(握力+上体起こし)、敏捷性(50m走)、柔軟性 (長座体前屈)、持久力(20mシャトルラン)、筋パワー(立ち幅跳び+ソフトボール投げ)」の5項目にまとめて レーダーチャート図にしたものが下図です。 各項目の全国平均を100%として、五加小児童の平均値を達成率で表しています。 1 全校の男女別レーダーチャート図と考察 【男子】 【女子】 筋力 100.0% 筋力=握力+上体起こし 敏捷性=50m走+反復横跳び 柔軟性=長座体前屈 持久力=20mシャトルラン 筋パワー=立ち幅跳び+ソフトボール投げ 95.0% 筋パワー 筋力 110.0% 105.0% 敏捷性 筋力=握力+上体起こし 敏捷性=50m走+反復横跳び 柔軟性=長座体前屈 持久力=20mシャトルラン 筋パワー=立ち幅跳び+ソフトボール投げ 100.0% 筋パワー 敏捷性 95.0% 90.0% 90.0% 五加小男子平均 持久力 柔軟性 五加小女子平均 持久力 全国男子平均 柔軟性 全国女子平均 【考察】 五加小男子の体力は、全国平均よりも若干低い項目はありますが、全体的にほぼ整った五角形を作っている ことから、とてもいいバランスに保たれているということがうかがえます。体育授業で学んだ技能や経験を、 休み時間や放課後の遊びに活かしたり、日常的に体を動かしている子の割合が多かったりすることで、バラン スよく体力が付いていると考えます。 現状の運動する機会や時間を減らすことなく継続し、これからも健康な体で元気よく生活していかれるよう にしていきたいです。 一方、五加小女子の体力は、とても高い結果になった項目(敏捷性・柔軟性・筋パワー)がある反面、大き く全国平均を下回った項目(筋力・持久力)があり、整った五角形になっていません。体が柔らかく瞬間的な 力は出るものの、持続したり支えたりする力が不足しているアンバランスさが、チャート図からうかがえます。 原因の一つには、運動する経験や時間が圧倒的に少ないことが考えられます。体育授業で練習に取り組む回 数、休み時間に外で遊ぶ時間、地域等の運動クラブに所属している人数などを見ても、全体的に少ない傾向が あります。体力のアンバランス解消に向けて、後述の取り組みを学校でも家庭でも積極的に進めていく必要が あると考えます。 -1- 2 課題解決に向けた取り組みについて 【学校として取り組んでいくこと、および現在も取り組んでいること】 (1)今まで以上に体育の授業改善に努めます。具体的には次のような取り組みを授業で進めていきます。 ① 授業時間の半分以上は、体を動かして運動する時間に充てるようにします。 ② 場や用具の準備・片づけをスムーズにやったり、集合や整列がすばやくできたりするよう指導し、授 業の中でのムダな時間を減らします。 ③ 毎時間子どもたちが、「今日の体育では何を課題として運動するのか」を明確にして授業に臨めるよ う、学習内容をはっきりさせた体育授業にします。 ④ 準備運動が、毎回ラジオ体操やストレッチで終わらないよう工夫します。その日の学習に生かせるよ う、くり返し基礎技能を練習したり、回数多く体を動かしたりできるような準備運動にしていきます。 (2)学校の年間計画に合わせて、体を動かす機会が増えるような単元配列をします。 ① 今年度は春に運動会を開催し、4・5月に体育授業を多めに配当したことで、一学期当初から外で遊 ぶ子どもたちが増えました。来年度も、春開催の運動会に合わせた単元配列を計画しています。 ② 秋にマラソン大会を位置づけ、体育集会や授業で計画的に練習して体を鍛える機会としています。 ③ 音楽会前で体育館が使えない期間は、校庭でできる単元を重点的に学習できるようにし、子どもたち が定期的に体を動かす時間を保証します。 (3)休み時間やキッズタイムの遊びを奨励します。 ① 五加の時間や学級活動の時間等を利用して、各クラスごと季節に合わせた集団で楽しめる遊びを紹介 します。 ② 五加の時間等に、みんなで楽しみながら自然に体を動かす機会を意図的に計画して進めます。 (4)年間の見通しを持ち、体育集会を計画的に位置づけて、体を動かすきっかけの一つとしています。 ① 運動会に合わせた全校種目や集団行動の練習。 ② マラソン大会を活用した「3分間走」の全校実施。 ③ 冬期間の大なわ・短なわ運動の実施。 (5)校外の大会を今まで同様積極的に活用し、みんなで取り組んだ成果を実感できる場となるよう位置づけ て、参加者を募集します。 ① ながのスポーツスタジアム(大なわ跳びにチャレンジ)。 ② 集団リレー大会。 ③ 各種陸上大会。 (2)各家庭へお願いし、継続して取り組んでほしいこと ① 家族の一員として、体を使う仕事やお手伝いをできるだけ多く子どもにさせましょう。荷物を運んだり、 台ふきを絞ったり、洗い物をしたりすることで、働きながら上半身を無理なく鍛えられます。 ② 学校への行き帰りは、ケガや病気等の場合を除いてできるだけ歩かせましょう。歩くことで自然に下半身 は鍛えられますし、年間を通して歩くことで我慢強さも身につきます。 ③ 放課後や休日の外遊びを子どもに勧めましょう。体を動かして遊ぶことで、子どもたちの体力は少しずつ 向上していきます。 3 終わりに 子どもには、様々な運動に取り組んだり、適度な運動経験を重ねたりすると、運動神経(脳の神経系の発達) をよくすることができる「ゴールデンエイジ」と呼ばれている時期があります。一般的には、3歳~14歳が この時期に当たり、まさに今の子どもたちの時期がそうです。大人になっても、「自分は運動神経が鈍い」と 悩んでいる人は、この時期に経験した運動の量と種類が少ないことが原因です。 また、ゴールデンエイジは一生に一度しか訪れないので、時期を逃してからだと遅いわけです。今の時期に 何をするかで、その子の一生が決まると言っても過言ではありません。バランスよく体力を身につけ、生涯に わたって運動に親しみ、健康的な生活を送れる人に育てるためには、周りの大人の積極的な働きかけが、今の 子どもたちにはとても重要だと考えます。 -2- 4 各学年の男女別レーダーチャート図(参考資料) (1)1学年 筋力 筋力 130.0% 120.0% 110.0% 100.0% 90.0% 80.0% 70.0% 筋パワー 1年男子 敏捷性 筋パワー 130.0% 120.0% 110.0% 100.0% 90.0% 80.0% 1年女子 敏捷性 1年女子平均 1年男子平均 持久力 柔軟性 持久力 全国1年男子平均 柔軟性 全国1年女子平均 1年生は全校女子と同じく、男女共にとても高い結果になった項目(敏捷性・柔軟性・筋パワー)がある反 面、大きく全国平均を下回った項目(筋力・持久力)があり、整った五角形になっていません。体が柔らかく 瞬間的な力は出るものの、持続したり支えたりする力が不足しているアンバランスさの解消が今後の課題です。 (2)2学年 筋力 筋力 120.0% 2年男子 110.0% 100.0% 筋パワー 2年女子 120.0% 110.0% 100.0% 筋パワー 敏捷性 敏捷性 90.0% 80.0% 90.0% 2年女子平均 2年男子平均 持久力 柔軟性 持久力 全国2年男子平均 柔軟性 全国2年女子平均 2年生も、男女共にとても高い結果になった項目(柔軟性・筋パワー)がある反面、大きく全国平均を下回 った項目(持久力)があり、整った五角形になっていません。体が柔らかく瞬間的な力は出るものの、持続し たり支えたりする力が不足しているアンバランスさの解消が、今後の課題です。 (3)3学年 筋力 120.0% 筋力 110.0% 3年男子 筋パワー 90.0% 3年女子 110.0% 100.0% 100.0% 筋パワー 敏捷性 敏捷性 90.0% 80.0% 80.0% 3年男子平均 持久力 柔軟性 3年女子平均 全国3年男子平均 持久力 柔軟性 全国3年女子平均 3年生は、男女共にほぼ整った五角形をかたどっていることから、体力バランスは比較的良い傾向であると 言えます。全国平均より高い柔軟性は維持しつつ、若干低い筋力・持久力を向上させられるよう、前述の取り 組みを進めていく必要があります。 -3- (4)4学年 筋力 120.0% 筋力 110.0% 90.0% 筋パワー 110.0% 4年男子 100.0% 4年女子 100.0% 90.0% 筋パワー 敏捷性 敏捷性 80.0% 70.0% 80.0% 4年女子平均 4年男子平均 持久力 持久力 全国4年男子平均 柔軟性 柔軟性 全国4年女子平均 4年生は、全国平均を大きく上回った項目(男子…敏捷性・柔軟性・筋パワー、女子…柔軟性)がある反面、 全国平均を大きく下回った項目(男子…持久力、女子…筋力・持久力)があり、整った五角形になっていませ ん。体が柔らかく瞬間的な力は出るものの、持続したり支えたりする力が不足しているアンバランスさの解消 が、今後の課題です。 (5)5学年 筋力 筋力 120.0% 5年男子 5年女子 120.0% 110.0% 110.0% 100.0% 筋パワー 筋パワー 敏捷性 敏捷性 100.0% 90.0% 90.0% 5年男子平均 持久力 柔軟性 5年女子平均 持久力 全国5年男子平均 柔軟性 全国5年女子平均 5年生は、男女共にすべての項目で全国平均を大きく上回っています。日常の体育授業や、運動する機会・ 時間が充実した成果だと考えます。今後も今の状況を継続し、健康で元気よく毎日を生活していってほしいと 思います。 (6)6学年 筋力 110.0% 筋力 120.0% 6年男子 6年女子 110.0% 100.0% 100.0% 90.0% 筋パワー 筋パワー 敏捷性 90.0% 敏捷性 80.0% 80.0% 6年男子平均 6年女子平均 持久力 持久力 柔軟性 全国6年男子平均 柔軟性 全国6年女子平均 6年生は、全国平均とほぼ同じまたは上回っている項目(敏捷性・柔軟性・筋パワー)がある反面、全国平 均を大きく下回った項目(男子…筋力・持久力、女子…持久力)があり、整った五角形になっていません。体 が柔らかく瞬間的な力は出るものの、持続したり支えたりする力が不足しているアンバランスさの解消が、今 後の課題です。 -4-
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