その2

平 成 24 年 (た )第 1 号
請求人
守
大
助
検 察 官意 見 書 (1 )に 対 す る反 論 ー そ の 2
2 0 13 年 (平 成 2 5 年 )2 月 27 日
仙 台 地方 裁 判 所
第 1 刑 事部
御
中
請求人代理人
弁護士
阿
部
弁護士
小
関
泰
雄
眞
外
生 体内 に お け る ベ ク ロ ニウ ム の 代 謝 に つ い て
第1
生 体 内 に お け る ベ クロ ニ ウ ム 代 謝 に 関 する 検 察 官 の 主 張
検 察 官 は 、 意 見 書 (1)に お い て 弁 護 人 の確 定 判 決 上 告 趣 意 書 (1 )の
「 ベ クロ ニ ウ ム は 血 液 中 で代 謝 、 す な わ ち 脱 アセ チ ル 化 は ほ と ん ど進
ま な い」 と す る 主 張 に 対 して 、
「 ベ ク ロ ニ ウ ム が 血中 内 酵 素 で あ る カ ルボ キ シ エ ス テ ラ ー ゼに よる
加 水 分解 が す す み 、 3 - OH ベ ク ロ ニ ウ ム に 変化 す る こ と が 明 ら かと
な っ てお り 、弁 護 人 等 の 前記 主 張 は 失 当 で あ る 。そし て 、 m/z 2 58
が ベ クロ ニ ウ ム の 加 水 分 解に よ り 生 成 さ れ る 3- O H ベ ク ロ ニ ウ ムに
関 連 する イ オ ン で あ っ て も 、m/z 2 58 か ら 資料 中 の ベ ク ロ ニ ウ ム含
有 の 有無 を 判 断 す る こ と に問 題 は な い 。 む し ろ、 ベ ク ロ ニ ウ ム が 人体
に 投 与さ れ た 場 合 、 最 も 高い 濃 度 を 示 す 化 合 物が 3 - O H ベ ク ロ ニウ
ム で あっ て 、 裁 判 化 学 で のベ ク ロ ニ ウ ム の 摂 取証 明 に は 、 ベ ク ロ ニウ
ム の 未変 化 体 の み な ら ず 、3 - O H ベ ク ロ ニ ウム の 測 定 が 必 須 で ある
と さ れて い る こ と を 示 し てい る と さ れ て い る こと か ら す れ ば 、 3 -O
-1-
H ベ クロ ニ ウ ム に 由 来 する m/z2 5 8 を 検 出し た 上、こ れ を プ リカ ー
サ ー イオ ン と し て プ ロ ダ クト イ オ ン ス キ ャ ン を行 い 、 同 一 方 法 ・ 同一
条 件 でベ ク ロ ニ ウ ム 標 品 を分 析 し た 結 果 と 対 照し て 各 鑑 定 資 料 に ベク
ロ ニ ウム が 含 ま れ て い る とし た 土 橋 鑑 定 は 、 極め て 適 切 で あ っ た と言
う べ きで あ る 。 」 ( 2 1 頁) と 主 張 し て い る 。
つ ま り 、検 察 官 は 、土 橋鑑 定 が 検 出 した m/z2 5 8 が 3 -O H ベ ク
ロ ニ ウム に 由 来 す る も の であ る こ と を 認 め た 上で 、 ベ ク ロ ニ ウ ム が体
内 で 代謝 し て 3 - O H ベ クロ ニ ウ ム に 変 化 し 、ベ ク ロ ニ ウ ム が 投 与さ
れ た 人体 内 で 最 も 高 い 濃 度を 示 す 化 合 物 で あ るこ と か ら 、m/z 2 58
を プ リカ ー サ - イ オ ン と して 、 標 品 と 鑑 定 資 料を プ ロ ダ ク ト イ オ ンス
キ ャ ンし た 分 析 方 法 は 妥 当で あ り 、 土 橋 鑑 定 の鑑 定 資 料 中 に ベ ク ロニ
ウ ム が含 ま れ て い た と す る判 断 は 適 切 で あ っ たと す る も の で あ る 。
第2
1
検 察 官 主 張 に よ り 土橋 鑑 定 の 正 当 性 は 肯定 で き な い
検察官主張の変更
2 月 2 2 日 付 意 見 書で 詳 述 し た と お り 、確 定 審 に お い て 検 察官 は、
土 橋 鑑 定 が 検 出 し た m/z 2 5 8 は ベ ク ロ ニ ウ ム 未 変 化 体 か ら 生 成 さ
れ た もの で あ り 、 土 橋 鑑 定は ベ ク ロ ニ ウ ム の 未変 化 体 を 検 出 し た と主
張 し てい た の で あ る 。
何 度 も 指 摘 す る が 、検 察 官 主 張 が 変 更 した の は 、 志 田 鑑 定 を否 定す
る こ とが で き な く な っ た ため で あ る 。検 察 官 は志 田 鑑 定 を 認 め た 上で、
こ こ でも 、 土 橋 鑑 定 の 正 当性 を 説 明 し よ う と して い る が 論 理 に 一 貫性
が な く、 説 明 に な っ て い ない 。
以下詳述する。
2
ベ ク ロ ニ ウ ム の 性 質に 関 す る 主 張 の 誤 り
検 察 官 は 、 臼 井 論 文と 鈴 木 論 文 を 引 用 して 、 ① ベ ク ロ ニ ウ ムは 血液
中 の カル ボ キ シ エ ス テ ラ ーゼ に よ り 加 水 分 解 がす す み 3 - O H ベ クロ
ニ ウ ムと な る 、 ② ベ ク ロ ニウ ム が 人 体 内 に 投 与さ れ た 場 合 に 最 も 高い
濃 度 を示 す 化 合 物 が 3 - OH ベ ク ロ ニ ウ ム で ある 、 と し て い る 。
-2-
し か し 、 検 察 官 の あげ る 臼 井 論 文 と 鈴 木論 文 の 該 当 部 分 は 、本 件の
よ う に、 人 体 に 投 与 さ れ て最 長 で も 2 2 0 分 しか 経 過 し て い な い 事例
に あ ては め る こ と は で き ない も の で あ る 。
( 1 )鈴 木 論 文 の 根 拠
鈴 木 論 文 は 、 「 し たが っ て 、 本 事 例 に おい て は 、 血 液 採 取 の時 点で
加 水 分解 さ れ て い た 可 能 性が あ る と 同 時 に 、 血液 保 存 中 で も ベ ク ロニ
ウ ム は血 中 の カ ル ボ キ シ エス テ ラ ー ゼ に よ り OH V に 変 換 さ れ た 可能
性 が ある 。 」 と 述 べ 、 そ の根 拠 と し て 、 マ ス キュ ラ ッ ク ス の 製 品 概要
の 記 載を あ げ て い る 。
し か し 、 鈴 木 論 文 の引 用 す る 製 品 概 要 の当 該 箇 所 を 見 る に 、「 マス
キ ュ ラッ ク ス ( 臭 化 ベ ク ロニ ウ ム ) は 3 位 、 17 位 で 加 水 分 解 に より
脱 ア セチ ル 化 が お こ り 3 脱ア セ チ ル 体 、 1 7 脱ア セ チ ル 体 を 生 じ る」
と 記 載さ れ て い る だ け で ある 。 こ の 記 載 は 、 人体 内 に お け る 脱 ア セチ
ル 化 の経 過 に 関 す る 一 般 的な 推 定 を 行 っ た に 過ぎ ず 、 本 件 の よ う に投
与 後 、最 長 で 2 2 0 分 と いう 状 況 を 前 提 と し たも の で は な い 。
と こ ろ で 、 鈴 木 論 文で 引 用 さ れ た 製 品 概要 の 該 当 部 分 「 代 謝、 排泄
( 参 考: 海 外 デ ー タ ) 」 にお い て 参 考 文 献 と して 引 用 さ れ て い る 18
の 論 文は 、 弁 護 人 が 反 論 書に 添 付 し た C l i ni c a l
a c ok i n e t c s
of
p h a rm
v e c r o n iu m ( ベ ク ロ ニ ウ ムの
臨 床 薬物 速 度 論 ) で あ る 。同 論 文 に は 、 「 こ の分 解 生 成 物 ( ベ ク ロニ
ウ ム 変化 体 )は 静 脈 内 点 滴と し て 長 時 間 に わ たり 投 与 し て も 、血 漿 中で
は 検 出で き な か っ た 。 」 (訳 文 5 、 6 頁 ) と あり 、 ベ ク ロ ニ ウ ム が血
漿 中 で分 解 し な い と し て いる の で あ る 。
鈴 木 論 文 の 意 見 は 、 そ の 根 拠 と す る 製 品概 要 に 引 用 さ れ た 「ベ クロ
ニ ウ ムの 臨 床 薬 物 速 度 論 」に 反 す る も の で あ る。 「 血 液 採 取 の 時 点で
加 水 分解 さ れ て い た 可 能 性が あ る 」 と は い え ない の で あ る 。
ま た 、 本 件 鑑 定 資 料で あ る 血 漿 は 冷 凍 庫に 保 管 さ れ て い た とさ れて
い た 。 こ の 点 、 臼 井 論 文 に よ れ ば ベ ク ロ ニ ウ ム を 「 4 °C 、 - 8 0 °
C と より 低 温 で 保 管 す る こと に よ り 安 定 性 が 増す 」 の で あ る 。 保 管条
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件 を 全く 考 慮 し な い ま ま で、 保 管 中 に 脱 ア セ チル 化 し た と す る 鈴 木論
文 の 記載 に つ い て も 根 拠 を欠 く 単 な る 推 論 に 過ぎ な い 。
( 2 )臼 井 論 文 に つ い て
検 察 官 引 用 の 臼 井 論 文 6 頁 の 記 載 は 、 単に 「 P A N 及 び V EC は、
非 特 異的 カ ル ボ キ シ エ ス テラ ー ゼ に よ り ス テ ロイ ド 骨 格 の 3 位 、 17
位 の 脱ア セ チ ル 化 に よ っ て、 そ れ ぞ れ 3 種 類 の代 謝 物 が 生 成 す る と考
え ら れて い る 。 」 と 記 載 され て い る だ け で あ り、 ベ ク ロ ニ ウ ム の 血中
で の 代謝 を 述 べ た も の で はな い 。同 論 文 の 2 9頁 か ら 3 2 頁 の 記 載も、
体 内 代謝 を 述 べ た も の で はな く 、 ベ ク ロ ニ ウ ムの 保 存 方 法 に よ り 脱ア
セ チ ル化 す る 点 を 述 べ た に過 ぎ な い 。
こ の よ う に 、 検 察 官が 根 拠 と し て あ げ る論 文 は 、 ベ ク ロ ニ ウム がカ
ル ボ キシ エ ス テ ラ ー ゼ に より 加 水 分 解 さ れ る と言 う の み で あ り 、体 内、
特 に 血漿 中 で い か な る 代 謝を す る か に つ い て 述べ た も の で は な い 。検
察 官 の主 張 は ベ ク ロ ニ ウ ムの 血 漿 中 に お け る 代謝 を 実 験 に よ り 確 認し
た も ので は な く 、 マ ス キ ュラ ッ ク ス 製 品 概 要 の参 考 文 献 と し て あ げら
れ て いる 論 文 に も 反 す る 。
3
臼 井 論 文 4 6 、 4 7頁 の 記 載
検 察 官 は , 臼 井 論 文を 引 用 し つ つ 、 ベ クロ ニ ウ ム の 摂 取 証 明に は、
ベ ク ロニ ウ ム 未 変 化 体 だ けで は な く 、 ベ ク ロ ニウ ム 変 化 体 の 検 出 が必
須 で あり 、 ベ ク ロ ニ ウ ム 変化 体 さ え 検 出 さ れ れば 、 当 該 資 料 の 中 にベ
ク ロ ニウ ム 未 変 化 体 が 含 まれ て い る 事 が 確 認 でき る か の よ う な 主 張を
行 っ てい る 。 し か し 、 検 察官 の 当 該 主 張 は 、 臼井 論 文 が 検 討 対 象 とし
た 事 例と 本 件 と の 違 い を 全く 考 慮 し て い な い もの で あ る 。
検 察 官 が 引 用 す る 論文 の 該 当 部 分 に は 「投 与 終 了 後 、 3 日 目か ら3
1 日 目ま で の 各 化 合 物 の 血清 濃 度 の 推 移 を F ig 3 6 に 示 し た 。 いず
れ の 期間 に お い て も 、 V EC 及 び 3 、 1 7 - OH - V E C の 濃 度 に対
し て ,活 性 代 謝 物 で あ る 3- O H - V E C の 濃度 は 非 常 に 高 い 値 を示
す こ とが 明 ら か と な っ た 。こ の 結 果 は 、 裁 判 化学 に お け る V E C の摂
取 証 明に は 、 V E C の み なら ず 、 3 - O H - VE C の 測 定 が 必 須 であ
-4-
る こ とを 示 し て い る 。 」 と述 べ ら れ て い る 。
同 記 載 か ら 明 ら か なよ う に 、 臼 井 論 文 が前 提 と し て い る の は、 投与
後 3 日目 か ら 3 1 日 目 の 事例 で あ り 、 本 件 の 様に 投 与 後 2 2 0 分 しか
経 過 して い な い 場 合 を 想 定し た も の で は な い 。ま た 、 臼 井 論 文 の 事例
詳 細 は、 鈴 木 論 文 添 付 資 料3 に 記 載 さ れ て い るが 、 そ れ に よ れ ば 「部
分 肝 移植 の 手 術 に 際 し 、6 0 4 mg の V E C を6 日 間( 4 mg/h )静 脈
内 注 射さ れ た。3 、4、2 4、及 び 3 1 日 後、1 ml の 血 清 資 料 が採取
さ れ 、 分 析 ま で - 3 0 °C に 保 管 さ れ た 。 」 ( 鈴 木 論 文 資 料 3 訳 文 2
頁)も の で あ り、最 大 で も4 mg の単 回 投 与 とさ れ て い る 本 件 に 当て は
ま る 事例 で は な い 。
本 件 に は 、 臼 井 論 文で は な く 、 前 述 し た「 ベ ク ロ ニ ウ ム の 臨床 薬物
速 度 論」 が 当 て は ま る の であ り 、 同 論 文 に よ れば 、 血 漿 中 か ら 3 -O
H - VE C が 検 出 さ れ る こと は な い 。 臼 井 論 文を 本 件 に 当 て は め て、
鑑 定 資料 で あ る 血 漿 中 の 3- O H - V E C 検 出を 説 明 す る こ と は でき
な い ので あ る 。
以 上 か ら 、 臼 井 論 文を 根 拠 と し て 、 鑑 定資 料 か ら m/z2 5 8を 検出
し た とす る 土 橋 鑑 定 が 適 切で あ っ た と す る こ とは で き な い 。
4
土 橋 鑑 定 は 極 め て 不適 切
検 察 官 は 、 ベ ク ロ ニウ ム が 血 中 で 脱 ア セチ ル 化 し て 3 - O Hベ クロ
ニ ウ ムに 変 化 す る も の で ある と と も に 、m/z 2 5 8 はベ ク ロ ニ ウ ム未
変 化 体に 由 来 す る イ オ ン であ る こ と か ら 、 同 イオ ン を プ リ カ ー サ ーイ
オ ン とし て プ ロ ダ ク ト イ オン ス キ ャ ン 行 い 、 標品 と 鑑 定 資 料 を 比 較し
た 鑑 定は 適 切 で あ る と し てい る 。
し か し 、 上 記 検 察 官の 主 張 は 、 2 重 の 意味 で 誤 っ て い る 。 ベク ロニ
ウ ム が血 中 で 脱 ア セ チ ル 化す る と い う 前 提 が 誤っ て い る こ と は 前 述し
た と おり で あ る 。 し た が って 、 土 橋 鑑 定 は 、 鑑定 資 料 か ら 存 在 す るは
ず の ない ベ ク ロ ニ ウ ム 変 化体 を 相 当 量 検 出 し たこ と に な る 。 さ ら に、
検 察 官主 張 の 通 り で あ る とす る と 、 土 橋 鑑 定 はベ ク ロ ニ ウ ム 標 品 (こ
れを普通に分析すればベクロニウム未変化体を検出できるはずであ
-5-
る)か ら ベ ク ロニ ウ ム 変 化体 を 検 出 し た こ と にな る 。検察 官 に よ れば 、
ベ ク ロニ ウ ム を 溶 解 し 、 保管 中 、 誤 っ て 脱 ア セチ ル 化 さ せ て し ま った
と い うの で あ る 。
検 察 官 主 張 の 通 り だと す る と 、 土 橋 鑑 定は 、 鑑 定 資 料 中 に 存在 する
は ず のな い ベ ク ロ ニ ウ ム 変化 体 を 検 出 し 、 ベ クロ ニ ウ ム 標 品 の 分 析に
お い て保 管 方 法 を 誤 っ た こと に な る 。 二 重 の 意味 で 不 適 切 な 鑑 定 なの
で あ る。
5
まとめ
検 察 官 は 、 土 橋 鑑 定が 検 出 し た 化 合 物 をベ ク ロ ニ ウ ム 未 変 化体 では
な く 、そ の 変 化 体 で あ る と主 張 を 変 更 し た に もか か わ ら ず 、 土 橋 鑑定
の 信 用性 を 維 持 し よ う と して い る 。 し か し 、 土橋 鑑 定 の い か が わ しさ
を 払 拭す る こ と は で き て いな い 。
検 察 官 は 、 確 定 審 にお い て 土 橋 鑑 定 が 検出 し た 化 合 物 は ベ クロ ニウ
ム 未 変化 体 で あ る と し て いた 。 そ の 理 由 は 、 マス キ ュ ラ ッ ク ス の イン
タ ビ ュー ホ ー ム ( 確 定 審 甲2 5 0 、 な お 同 じ 記載 は 別 添 資 料 1 7 にも
あ る)に「 本剤 を 静 脈 内 投与 し た 患 者 の 血 漿 及 び 尿 に つ い て 、本 剤 と可
能 性 のあ る 代 謝 物 を 定 量 的に 分 析 を 行 っ た 結 果、 血 漿 中 で は 未 変 化体
の み が検 出 さ れ 、 脱 ア セ チル 体 は 検 出 さ れ な かっ た 。 」 と 明 確 に 記載
さ れ てい た か ら で あ る 。
「 土 橋 鑑 定 が 検 出 した 化 合 物 は ベ ク ロ ニウ ム 変 化 体 で あ る 」と 主張
を 変 更し た 結 果 、 検 察 官 は、 土 橋 鑑 定 が ベ ク ロニ ウ ム 未 変 化 体 を 検出
し よ うと し て 、 ベ ク ロ ニ ウム 変 化 体 を 検 出 し た誤 っ た 鑑 定 で あ る こと
を 認 めざ る を 得 な く な っ た。 ま た 、 同 鑑 定 は ベク ロ ニ ウ ム 標 品 を 分析
し た にも か か わ ら ず ベ ク ロニ ウ ム 変 化 体 を 検 出し 、 さ ら に 、 血 漿 中か
ら 検 出さ れ る は ず の な い ベク ロ ニ ウ ム 変 化 体 を検 出 し た と い う 奇 妙な
主 張 をと ら ざ る を 得 な く なっ た の で あ る 。
検 察 官 は 土 橋 鑑 定 の信 用 性 を 維 持 し よ うと し て 様 々 な 主 張 を繰 り返
し て いる が 、 土 橋 鑑 定 の 致命 的 な 欠 陥 を 隠 す こと は で き な か っ た ので
ある。
-6-
以
-7-
上