レ ポ ート ・論述式試験・論文の書き方・出し方の常識 五〇

レポート・論述式試験・論文の書き方・出し方の常識 五〇
(一三〇三〇七版)
用紙・向きなど
1指定された通りに書く。用紙、サイズ、用紙の向き、文字の向き、分量(枚数・字数)等。
原稿用紙かレポート用紙か、B5かA4か、縦書きか横書きか(古典文学は縦書きのみ)
。
2ワープロ使用可の場合は、白紙に印字する。
3手書きの場合は、罫線の入った用紙を使用する。コピー用紙などの白紙は不可。
ルーズリーフは罫線が入っていても不可(レポート用紙ではない)
。
4ワープロで縦書きにする場合は、数字や記号が横向きにならないように。
○
ワードの場合は、書式→拡張書式→縦中横
×
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筆記具・印刷など
5正式な場合は、鉛筆ではなく、黒インクのペンを用いる。ペンや万年筆が正式だが、それに準ずる水性ボールペン
は可。油性ボールペンは、いずれの場合も不可。
6手書きの場合は、丁寧に書く。雑に書いた物を提出するのは失礼。
7ワープロの場合は、綺麗に印字する。汚れたり、斜めになったり、かすれたりは不可。
8ワープロの場合は、常識的なフォントサイズを用いる。本文 ポイント以上は不可。
9手書きでもワープロでも、上下や左右の余白を大きくしすぎない。
○
綴じ方など
ページ番号(枚数)を打つ。№
など
レポートは、縦書きの場合は右上を、横書きの場合は左上を、ホッチキスで綴じて出す。
綴じまちがいは不可。
表紙を付ける。講義名、担当教員名(○○先生)
、レポートの題、学生番号、
(所属)
、氏名を書く。指定枚数が非常
に少ない場合は不要。但し、いずれの場合も、右の項目は必ず書く。
形式・マスの使い方
出だしは一字下げるのが日本語表記の常識。教科書、その他の書物、新聞など参照。
形式段落を設ける。悪文は、概して形式段落が全く無いか少ない。
一つの段落の中では、横書きなら右端、縦書きなら下まで書いてから改行する。端を揃える。
省略などに用いる「……」 は、二字(マス)分。三点リーダを二回。→小学校中学年
サブタイトルに用いる「――」も、二字分。サブタイトルに「~」を用いないこと。
「?」
「!」の後は、一字(マス)空ける。引用の「と」の後は空けなくてよい。
句読点「、
」
「。
」及び諸括弧の閉じる記号は、次行の頭に書かない。原稿用紙の場合も、欄外もしくはマス内に書く。
また、句読点と諸括弧の閉じる記号とは、同じマス内に書く。
括弧記号の使い方
『 』は、書名もしくは「 」の中に「 」がある場合に使う。引用や題は不可。→中学年
短い語句や文などを引用する場合は、
「 」で括る。→小学校中学年
キーワードは〈 〉で括ることが多い。引用文に無い語句の場合は、
「 」を使わないこと。
引用の仕方
長い文章を引用する場合は、二字ずつ下げる。もしくは前後一行空けて、一字ずつ下げる。
原文の誤りと認められる部分は、「(ママ)」と傍記する。
注目すべき言葉には、傍線や傍点等を付す。原文に無い傍点・傍線等を加えた場合は断る。
途中を略す場合は、「(中略)」「~」「……」のいずれかを用いる。(中略)が正式。
長文を引用する前は文を切る。読点「、」などで中止し、「~と言う」と受けるのは不可。
先行研究を引くなら、誰(初出はフルネーム)が・いつ・どこで言ったことかを明記する。
辞書等を引く場合も、どの辞書なのか明記する(書名、出版社、見出し・項目等)
。
文字の書き方など
仮名をきちんと書く。
「ら」が書けない人が多い。字母は「良」
(呉音ラウ、例=憶良)
。他に、
「う」
「さ」
「き」
「や」
「り」
「ゐ」
「ゑ」
「シ」
「ツ」等。字体や書き順に注意する。→小学一年生
漢字が正しく書けるように(教育漢字をかな書きしないこと)
。熟語が正しく書けるように。
例=「比」は四画/「比・不・当・覚・斗」等は、書き順に注意/~に例える→喩(譬)える
講議→講義/完壁→完璧/価値感→価値観/専問→専門/長年に渡り→亘り・わたり
踊り字(特殊記号)の「々」は、端に寄せず、中央に書く。
促音「っ」や「々」を、むやみに小さく書かない。句点「。」を、むやみに大きく書かない。
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21 20 19
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‐○‐
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数字は、縦書きの場合は基本的に漢数字を、横書きの場合は算用数字を用いる(固有名詞や熟語は、横書きでも漢
数字)
。使い分けの基準は、途中で変えない。→小学校中学年
誤字だけでなく脱字にも注意する。修正液などで消した後、文字を記入し忘れないように。
文体・用語
常体(だ・である調)と敬体(です・ます調)の混用は不可。小説やエッセイなら構わないが。
レポートや論述式試験や論文では、常体を用いるのが常識。
俗語や口語などの使用は不可。 例=だいぶ・すごく/~けど/いろんな/へこむ/かぶる
略語や略称も不可。最初から略さない。 例=内申/教採/新全集/ネット/アポ
目上の人の動作には敬語を用いる。 例=先生が言った/先生から聞いた/先生の話
ら抜き言葉は特に国語関係の提出物では不可。例=答えれる→答えられる/見れる→見られる
その他の誤用も、特に国語関係の提出物では不可。 例=~すべき。→~すべし。
・すべきである。的を得る→当を
得る・的を射る/まだ未定→未定/古来より・古来から→古来・古(いにしえ)より ※「来」は「~より・か
ら」の意/(潜水艦が)沈みづらい→沈みにくい
「文」とはワンセンテンスのこと。二文以上のまとまりのある言語単位を「文章」という。
参考文献など
参考文献を引用あるいは要約した部分と、自説の部分とを、明確に区別する。先行研究とオリジナル(自分の判断・
新説・調査結果・発見)とを区別する。本も書類なども、みな丁寧に扱う。
書物なら、著者氏名『書名』(発行所、発行年)。その他にページ数や章など。
論文なら、著者氏名「論文名」(『所載誌名』巻・号、発行所、発行年月)。但し、近代文学や漢文学(中国文学)
」で括るのが一般的。
関係の論文等では、雑誌名を「
列挙の際、内容別順、発表年順、著者名順など、いずれかに統一する。恣意的な順番は不可。
なお、本文中で書名等を列挙する場合なども、成立順など順序に注意する。自分が見た順は不可。
発行年は西暦か元号か、どちらかに統一する。参考文献以外の場所でも同様に統一する。
ウェブサイト(いわゆるホームページ)の場合は、URL(いわゆるアドレス)とサイト名及び閲覧年月日を記す。
欧文文字は、部分的に横書きにし、一マスに二字(半角)で記す。
その他
根拠の無い推測や決め付け、感想(思った・感じた)などは不可。根拠を示して、論理的に書き、他人を納得させ
る。レポート・
(小)論文は、エッセイ・感想文・反省文・日記ではない。
どうすれば他人に言いたいことが伝わるか、納得させられるかを考える。推敲する。意味不明の文章は不可。 例
=主語が途中で変わる/文がねじれている(文頭と文末が合わない)/重要語を定義しない/定義が流動的/まと
めに既に論じた要点を書かない、論じていないことを書く
大きなテーマを扱ったり、長く書いたりすればいい物になるわけではない。確かなことを。
表記も、他人に言いたいことが伝わるように工夫する。文章化が基本だが、一部、箇条書き・表・記号で図解する
など。但し何について表で示すのか、どう見ればよいかなど、断り書きや説明が必要。また、表が常に見やすいと
は限らない。特に後掲の別表に依拠した文章は読みにくい。
★これらを守らなければ受け取りません。とにかく他人に見せられる状態の物を提出すること。
★もちろん締切りを過ぎた物を無断提出しても、受け取りません(メモを付しても同じ)
。
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